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安藤たい作区議が一般質問を行いました
「超高層再開発は区民の願いではない 住友や三井など大企業のもうけのためのまち壊しは止めよ」
「防災と偽り、住民が望まない道路に882億円の税金投入 特定整備路線を推進する区長の責任を問う」
「広がる貧困 健康で文化的な生活の保障へ区営住宅増設と家賃助成を」
「教員のやりがいと命を削る多忙化を解消し、子どもに豊かな教育を」

2018.2.22 安藤 たい作 区議

質問項目

  1. 超高層再開発は区民の願いではない 住友や三井など大企業のもうけのためのまち壊しは止めよ
  2. 防災と偽り、住民が望まない道路に882億円の税金投入 特定整備路線を推進する区長の責任を問う
  3. 広がる貧困 健康で文化的な生活の保障へ区営住宅増設と家賃助成を
  4. 教員のやりがいと命を削る多忙化を解消し、子どもに豊かな教育を

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質問

超高層再開発は区民の願いではない 住友や三井など大企業のもうけのためのまち壊しは止めよ

品川区は超高層ビルの再開発を推進し、大崎駅周辺、天王洲、大井町、目黒、更に武蔵小山、戸越公園駅周辺へと拡大、税金投入も累計1300億円超。区内あちこちで住環境を壊し、住民反発を招いています。

大崎では再開発による急激な人口増で駅が超過密に。ピーク時にはエスカレーターに長蛇の列、ホームが人で溢れる。更にその上、この秋には駅直近の西品川一丁目開発の7300人超のオフィスが本格稼働。大崎駅西口F南・東地区、東口第4地区、東五反田2丁目第3地区など再開発準備組合も次々と発足。近隣道路や、学校・保育園までインフラのパンクも心配されています。

低層住宅と商店街のまち武蔵小山や戸越公園駅周辺は、超高層ビル乱立の計画で風害の懸念、地域から「安心して買い物できる商店街を壊さないで」との声が出ています。

北品川駅では、歴史を残す清水横丁を壊し、住民を追い出す駅前広場と道路計画を区が発表。高架化に便乗し品川駅南開発につなげるのが目的です。「歴史的な旧東海道の街並みは残すべきだ」と地元からの反対署名は千人を超えました。

五反田では、貴重な学校跡地が見通しが立たないTOCの再開発ビル建設のために未だ貸し付けられている一方で、西五反田は最も保育園不足が深刻な地域となりました。

なぜこうした再開発が止まらないのか。それは「ビルを高くすればするほど協力する大企業がもうかる」再開発を、熱心に進める品川区に大手不動産会社が群がっているからです。

再開発の主体は地権者が入る再開発組合ですが、実際に主導しているのは三井や住友などの大手不動産会社、そして区です。再開発とは、地権者から集めた土地にビルを建て、地権者は権利分の床をビル内にあてがわれる一方、それ以外のビル床は「保留床」として大手不動産会社に安く処分され売買されます。つまり、ビルの高さが高いほど床面積が増え、マンション販売やオフィス事業による儲けが増える仕組みです。

更に区は、容積率を緩和し、区道の廃止など便宜をはかった上、税金まで投入。結果、試算ではたとえば、税金投入51億の大井一丁目南地区で住友不動産は91億円のもうけ。税金109億の武蔵小山パルム地区では、平均価格帯を8000万円とした場合、三井不動産等のもうけは52億円にのぼります。

区は、「財政負担の軽減」のためと、保育園民営化や国保料値上げを進めていますが、一方で開発大企業の商売には直接、桁違いの税金を投入し進めるのは、区民理解は得られません。

区は「単に開発によるビルの建設や利益だけが目的ではなく、防災上としての基盤の整備など地域の課題解決につながる」と、再開発は民間が行う利益事業だと認めた上、その推進や税金投を正当化。しかし、それに対して区民の不満や怒りが大崎駅西口F南地区では吹きあがりました。

推定約50億の税金投入のこの事業は、住友不動産が芳水小のすぐ隣に39階建てマンションを建てる計画。「地区内に高低差がある」と、わずかに3.5bのなだらかな坂さえ「課題」とされ超高層の理由に。「新耐震基準以前の低層建物が密集」も課題にあげられますが、その棟数は24棟に過ぎず、一棟一棟を耐震化支援していく方が、地権者も口にする防災への懸念を早く安く解消可能。それがなぜ39階建てのビルになるのかの説明は一切ありません。

住宅地近接の超高層で複合日影、風害、駅や周辺道路の超混雑。「住友の利益のためどうして私たちが犠牲にならなければならないのか。階数を半分に下げよ」との怒りと不信の声が住友だけでなく、区にも向けられています。

同時に、開発区域外の住民を排除する品川区の進め方が住民の分断も作り出しています。地権者以外の大崎住民が39階の計画を知ったのは、昨年4月の組合による説明会が初めて。それから区は、法に定められた公聴会も開かず、素案説明会の参加対象を地権者のみに狭め、計画案を策定。10月になって初めて区が開いた説明会では、652人分の反対署名を住民が冒頭に提出。その後、賛成の3倍の180通の反対の意見書が出されたにも関わらず、計画案は何の変更もなく都市計画審議会へ。4名の学識経験者枠のうち区の元まちづくり部長が半分の2名を占めるこの審議会で議決させたのです。

「これ以上の超高層はいらない」「区長はなぜ高いビルばかり作り続けるのか」―区内のあちこちで聞かれるようになりました。開発大企業のもうけのため税金を投入した「街壊し」、再開発は抜本的に見直すべきです。

  1. 超高層ビルの再開発は、日照・風害や都市インフラのパンク、住民の分断をもたらします。これのどこが「まちづくり」と言えるのか、伺います。
  2. 再開発への税金投入は、開発企業の利益を増やし、更なる呼び水になります。超高層再開発への税金投入は中止を求めるがいかがでしょうか。
  3. 再開発は、計画案作成段階で住民意見を反映させるため、都市計画法16条で定められている公聴会を必ず開催するよう求めるがいかがでしょうか。
  4. 以下の計画について具体的に伺います。

それぞれいかがでしょうか。

防災と偽り、住民が望まない道路に882億円の税金投入 特定整備路線を推進する区長の責任を問う

特定整備路線・補助29,28号線、放射2号線、区内3本の巨大道路の事業化が強行され、まもなく4年。防災と言いながら3つの防災公園をつぶす。戸越公園駅前の商店街は片側削られ、全国でも有名な戸越銀座商店街を分断。代替地確保のため、区自ら区立大崎図書館を壊す。星薬科大の薬草園をつぶし、大学を存続の危機に陥れる。道路によるまち壊しはきりがありません。

これに対して住民が立ち上がり、運動が広がっています。認可されても売買契約は任意で、用地買収率は3路線平均しても1割少し。土地を売らずにたたかう住民が、道路建設の中止へ、昨年6月に認可取り消しを求め提訴。原告は70人になりました。

1月の第二回口頭弁論では、西大井在住の団塊世代の方が、苦労して建てた「夢の城」である自宅と、退職後に大切に育んできた近所付き合いが道路で一瞬にして奪われる、と訴え。戸越在住の方は、信号もなく夕方は歩行者天国になり安心して買い物できる商店街が道路に変わる。一時避難所で地域の自主防災訓練も行われているゆたか防災公園が消滅する、と訴え。まさに、住民の暮らしと財産を奪う道路だと浮き彫りになりました。

特定整備路線は「地震の火災から延焼を遮断する命の道」と、防災を大義名分に進められています。しかし本当なのか。
昨年秋、建設委員会の視察で糸魚川大火の現場に行きました。

飛び火は140m飛び、10か所が新たな発火点に。道路で延焼は防げず、復興計画の中にも道路の拡幅は入りませんでした。糸魚川の消失棟数は147棟、一方、29号線の延焼シミュレーションでは、道路ができても500棟以上燃える地点が22か所。1218棟燃える地点も。膨大な数の住宅が道路まで燃えつきる。そもそも防災対策とは言えません。

唯一焼け残った住宅も見ました。窓は網ガラスの準耐火構造の新築で、当日も家主が水をかけ続け消火にあたったと言います。結局、震災による火災でも通常火災でも、住民の命と財産を守るのは、一軒一軒の住宅の対策です。

なぜ、それでも防災と偽り続けるのか。防災と言えば、過去三度も区議会で廃止決議もあがった反対世論を抑えて道路をつくれるとの思惑があるからです。都は、3.11を機に延焼遮断帯だと、特定整備路線整備の2020年までの整備を打ち出し、各区へ意見照会。それに濱野区長が手を挙げ、72年前の計画が息を吹き返したのです。

一方で、不要な道路を実際に廃止している自治体も。ヒメボタルの生息地として親しまれていた緑地を分断する名古屋市の弥富相生山線です。1957年の決定道路が36年後に事業認可され、工事着手。渋滞も解消され必要ないのになぜ道路で貴重な緑地を壊すのかと反対運動が広がる中、2009年市長が「立ち止まって科学的に検証する」と工事の中断を指示。市民が自ら全市的に千通を超すアンケートを集め、75%が道路中止の意向と突きつけ、2014年の市長の事業廃止宣言につながりました。

濱野区長。住民が反対し、地域を壊し、必要性もない72年前の道路を進めるため、防災と偽り莫大な税金を浪費する。こんな政治はやめるべきです。

広がる貧困 健康で文化的な生活の保障へ区営住宅増設と家賃助成を

そもそも住宅とは人権保障の土台。憲法25条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と生存権を定め、それを生活費から保障するのが生活保護、住居から保障するのが公営住宅法です。

ところが現状はどうか。住まいの保障が余りに脆弱で、貧困にあえぐ区民が溢れています。

都営住宅に20年間応募し続けてきた60代女性にお話を聴きました。家賃6万円は掃除の仕事で得る収入の42%、大変な負担です。食費を削り、3玉98円のやきそばにもやしを入れ毎日食べていたことも。その物件も、通気窓しかなく日当たりもなし。バストイレ付きですが居室は布団一枚分で、一日はいられず喫茶店で何時間も過ごさざるを得えませんでした。この1月区内の都営住宅に入居が決まり、家賃は3分の1、逆に居住面積は3倍に。ようやくこれから生きていける希望が見えた、と語ります。区営住宅の倍率は毎年五十倍前後で高止まり続けています。

住まいの貧困の実態は、若者にも広がっています。

貧困対策に取り組むビックイシュー基金は2014年、首都圏の年収200万以下の未婚の若者に住まいの貧困についての調査を実施。その結果、正規雇用はわずか7.4%、手取り収入から住居費を差し引いた金額がマイナスになる人は27.8%にのぼり、親と同居は77.4%。3人に1人が「結婚したいと思わない」と回答。4人に3人が実家を出られず、結婚して所帯を持つことも困難な実態。また、単身若者は区営住宅の応募資格すらありません。首都圏の高い家賃と貧しい住宅政策が、若者を苦しめています。

住宅を人権ととらえず市場での商品ととらえ、公営住宅からは撤退してきた歴代の自民党政治の責任は重大。こうした時だからこそ、区営住宅を整備すべきですが、区のマスタープランにはストック維持、つまり「増設しない」との方針を書き込んでいます。その方針ゆえ、西中延・中延の区営住宅の建て替え時、可能なのに一戸も戸数を増やしませんでした。

増やさないというだけではありません。

品川駅南地域では、区自らが5棟665戸の都営住宅を開発種地として廃止を狙っています。また、2000年都区協議で「おおむね100戸程度までの都営住宅は区に移管」とされましたが、区は2007年には移管を拒み、大井林町と・第2大井伊藤町の都営住宅が廃止に追い込まれるなど背を向けてきました。南品川都営も、区が移管を受けず隣接する国有地取得も拒んだため、将来的に廃止の危機。更に、東大井3丁目の都営元芝アパートも、2015年3月の区の移管拒否により廃止方針が決定。今年いっぱいでの退去が居住者に通告されています。

区は「公営住宅の供給はしっかりやってきた。今後は余っている民間住宅ストックの有効活用のためにマッチングへの支援が必要」などと、住宅が余っていることを増設しない理由に挙げていますが、民間の家賃は高すぎて入れないのです。練馬区では、都・区営住宅に応募したが入れない高齢世帯を対象に、当選する間の10年間、家賃の半分と更新料などを助成。こうした家賃補助こそ実施すべきです。

  1. 戸数を増やさないという区の方針を転換し、区営住宅の新規建設・建替え時の増設を行うよう求めますが、いかがでしょうか。
  2. 緊急に高齢者や単身若者などへ家賃助成の実施を求めますがいかがでしょうか。
  3. 品川駅南地域の再開発計画で廃止が狙われている北品川・東品川の都営住宅の存続を求めます。いかがかでしょうか。
  4. 都営元芝アパートの移管を区が受けなかった理由は何か、伺います。また、同住宅56戸が廃止され区内の都営住宅が減ることは問題ではないのか、伺います。
  5. 都営元芝アパートは移管を受け、建替えをし、区内の公営住宅の戸数を確保するよう求めますがいかがでしょうか。

教員のやりがいと命を削る多忙化を解消し、子どもに豊かな教育を

長年の運動で、教員の多忙化解消が社会問題に。教員の過酷な働き方を改善し、どの子も授業が分かり楽しく過ごせる学校をつくることは、子どもや親、国民全体の重要課題です。

品川の教員に話を伺いました。教員の定時退勤時刻は16:45ですが、21時までの仕事や土日出勤は日常茶飯事。学力や体力テスト、保幼中との連携事業、人事考課制度の自己評価、果ては教科書の発注業務、等々。関連して派生する業務が積もり積もって膨大な量に。翌日の授業準備は夜7時になってようやく始められるかどうかというのが常態化していました。

文科省の教員勤務実態調査では、過労死ラインを超える教員の割合は小学校で33・5%、中学校で57・6%。持ち帰り残業を含めれば、小学校で57・8%、中学校で74・1%と指摘する研究者もいます。勤務実態の把握は大前提ですが、区のタイムカードは休日出勤ではエラーとなり打刻できません。

対策はどうか。昨年11月、教育長は「品川区はかなり前から働き方改革に取り組んできた。多忙化解消には教員の意識が変わってもらうしかない」などと講話。多忙化の原因を教員のせいにしました。定時退勤日も設けさせましたが、教員からは「膨大な仕事の量は変わらない。職場にいてはいけないから帰るが、重い教科書を持って自宅で仕事せざるをえず逆に大変」という声も聞かれます。

そもそも今の授業数が過酷な働き方を前提にした制度設計になっていることが問題です。先の調査によれば、教員は一日当たり4時間25分授業をしています。「一時間の授業に一時間の準備。それができるように教職員定数を決めている」が国の正式答弁。ならば授業と準備だけで8時間50分必要で、それだけで一日の勤務時間7時間45分を超える計算です。

「いい授業は、子どもの学力向上はもちろん、子どもが生き生きとしクラスのまとまりにもつながる。準備ができず、そういう授業ができない時には本当に落ち込む。」―教員の声です。これだけ忙しいのに、一番やるべき・やりたい授業準備ができない。この徒労感が問題をより深刻にしています。

必要ない業務も減らすべき。一斉学力テストは、事前対策や結果の分析と報告書など膨大な業務を生み出していますが、3か月後に正答率と機械的なコメントが返ってくるだけで一人ひとりの子どもの指導の役には実際には立ちません。教員は日々の授業や子どもと接する中で子どもの学力は把握できるといいます。

業務整理に加え必要なのは教員増です。「朝日」調査では、86%の教委が長時間労働緩和のため必要なのは「教員の増員」と回答。教員が増えれば受け持つ授業時数も減り、学校全体でやる仕事の一人当たりの負担も減ります。

その点、30人学級は@教員を増やす、A学級規模を小さくする、2つの効果があります。先の実態調査でも、概ね担任児童数が多いほど勤務時間が長い傾向との結果でした。児童数が多ければその分丸つけや通知表などの仕事が増え、気持ちはあっても自ずと一人ひとりの子どもへの対応に限界が出ます。

答弁

区長(濱野健君)

私からは、再開発によるまちづくりについてお答えを申し上げます。

区で行われている再開発事業につきましては、老朽化した木造建築物が密集し、道路も狭く、広場や公園などがないなどの課題を解決し、安全で住みやすいまちに更新していくため、地区の権利者の方々が建物を共同化し、都市の基盤となる道路や空地を整備していくものでございます。今後とも周辺への影響にも当然ながら配慮し、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。また、再開発事業は、都市計画の観点から必要性、緊急性、公共性が高い地区で実施されるものであり、適正な補助金を交付し、事業が実施されるものでございます。開発企業の利益を増やすものとは考えてございません。

公聴会につきましては、事業者による説明会や都市計画素案説明会を開催することで、都市計画法の趣旨を踏まえた計画案への意見反映に努めているところでございます。

次に、大崎駅西口F南地区についてですが、もとより再開発事業は、この地区に限らず一企業のビル事業ではありません。今後、当再開発組合により事業目的を実現するため、資金計画を含めた適正な事業計画が検討されるものでございます。

次に、北品川駅駅前広場を含む区画街路計画につきましては、京急本線連続立体交差化事業と関連した事業として上位計画であるまちづくりビジョン等に基づき、交通の結節点としての機能と地域交流の核となる拠点としての機能を兼ねる計画として進めているもので、撤回の考えはございません。

次に、旧第一日野小学校跡地につきましては、TOCの計画が、工事資材や人件費の高騰により事業の本格着手には至っていないものでございます。引き続き同社に対して速やかな事業着手を求めてまいります。

その他の質問等につきましては、各担当部長よりお答えを申し上げます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、特定整備路線と住宅施策についてお答えをいたします。

まず、特定整備路線についてですが、区といたしましては、木造住宅密集地域を燃えない、燃え広がらない安全なまちとすることは大変重要なことであり、この実現のため、都が行う特定整備路線の整備の重要性は十分認識しておりますので、中止や廃止を都に求める考えはございません。

また、区ではこれまでも助成制度の充実を図り、建物の耐震化や不燃化に取り組んできております。町の防災性の向上には、東京都が進める特定整備路線の整備による延焼遮断帯の形成と、建物の不燃化や街頭消火器の配備などを重層的に進めることが大切と考えます。引き続き東京都と連携し、予算についても、それぞれの役割分担のもとに防災性の向上に取り組んでまいります。

次に、住宅施策についてお答えいたします。まず、区営住宅の新設、増設についてですが、公的住宅だけでなく、民間住宅も含めた住宅ストックが量的に充足していることから、新設などを行わない方針に変更はございません。

また、高齢者や単身の若者などに対する家賃助成については、既にサービス付き高齢者住宅への家賃補助や、生活困窮者自立支援事業における住居確保給付金などさまざまな施策を講じており、緊急の家賃助成を行う考えはございません。

次に、都営住宅の移管については、区はこれまで、建てかえ時に複合施設として有効活用が可能であることなどを条件とし、移管を受けてまいりました。都営元芝アパートはこの条件には合致しないため、移管を受ける考えはございません。

また、元芝アパートの廃止で減る住戸戸数は、他の都営住宅の建てかえと合わせて確保する予定と伺っております。公営住宅施策は、広域的な観点のもとで都と区が役割を分担し実施しており、都内の都営住宅戸数が変更になるものではございません。なお、元芝アパートの入居者には、都がほかの都営住宅への移転を今後調整すると伺っております。

最後に、品川駅南地域の都営住宅については、平成29年8月に品川浦周辺地区再開発協議会が発足され、地域の方々により都営住宅の機能に十分考慮し、再開発の検討が進められていると確認しております。

教育次長(本城善之君)

私からは、教育に関するご質問にお答えいたします。

まず、教員の在校時間ですが、都の調査で抽出された中学校では、1日の平均は11時間52分で、在校時間が週60時間を超えた教員の割合は約51%でした。

次に、休日出勤の把握ですが、土曜授業日等のタイムカードによる勤務時間管理以外の在校につきましては、一律に勤務とは言えないものもございますので、教員からの報告の徹底など、適切に在校時間を把握することは大切であると考えております。

次に、授業準備の時間についてですが、議員ご指摘の国会答弁は、準備時間の基準を示したものとは捉えておりません。

次に、授業時数の削減をとのことですが、児童・生徒に生きる力を育むために必要な標準時数は、学校教育法施行規則で定められており、これを下回ることはできません。また、一人ひとりの教員の持ち時数は学校規模や教科などによってさまざまであり、一概には判断できるものではございません。

次に、多忙化解消に向けた業務の削減についてです。働き方ルネサンスの取り組みは、学校の実態を把握しながら進めており、その中で多くの教員が負担に感じていることの第一に調査や報告書の作成があることから、本区では調査の大幅削減を行いました。また、コミュニティスクールの実施により、体験授業に伴う外部折衝等の業務も軽減されております。しかし、こうした取り組みや支援を行っているにもかかわらず、多くの教員は、あいた時間ができれば、それを全て子どもたちのために費やそうとします。だからこそ、必要な環境整備とあわせて、教員自身が勤務時間に対する自分の意識を変えなければならないと考えております。

最後に、30人学級についてですが、本区では、既に少人数指導や教科担任制等を通じ、複数の教員が丁寧に子どもたちを見守る体制をとっております。したがいまして、これまでご答弁しているとおり、学級編制については、国基準である標準法および都の基準に基づき進めてまいります。

再質問

安藤たい作

自席より再質問いたします。

まず、再開発です。一企業の事業ではないという旨を繰り返しておられましたけれども、紹介したように、再開発を仕切っているのは大手不動産会社です。区は、一握りの大企業と組んでこうした超高層再開発を進め、区自らが日照、風害や都市インフラのパンク、あげくに住民の分断までもたらしているのです。区にその自覚はあるのでしょうか、伺います。

次に、道路です。東京都が進める道路などと言っていましたけれども、何度も紹介しているように、この道路は区長が進めろと言ったから進んでいるわけです。そんな区長の判断で住民は追い出され、苦しんでいます。なぜ区長は自ら手を挙げたのか、区長の言葉で語るべきです。ぜひ聞かせていただきたいが、いかがでしょうか。

次に、住宅です。家賃補助的な施策を幾つか挙げられていましたけれども、それは条件も人数も大変限られています。住宅は余っていると言いますが、私は、民間家賃は高過ぎるから入れないでしょうと伺いました。区営住宅は増やせない上、家賃補助すらしないとは、住宅に困窮する区民への無策です。区営住宅増設と家賃補助を行わない理由は何か、きちんとお答えください。

最後に、教育です。多忙化の原因を教師の意識として、休日出勤の実態すら正面から認めない。現場の教員が聞いたら怒るんじゃないかと。根本的に必要なのは教員を増やすことです。私は今回、30人学級は多忙化解消の観点から聞きました。これが教員増と教師の負担を減らすことになり、子どもに密な指導を行えるようになるとはなぜ考えないのでしょうか、伺います。

再答弁

区長(濱野健君)

再質問にお答えを申し上げます。

先ほどもご答弁申し上げましたように、こうした再開発事業は、老朽化した木造建築が多く密集をしているとか、あるいはその地域の道路が非常に狭い、あるいは広場とか公園などがない。そうした地域の問題点を解決するために行うものでありまして、一企業の利益のために行われる、そのようなものではないというふうに理解をしております。

以上です。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、特定整備路線と住宅についての再質問にお答えいたします。

まず、特定整備路線についてでございますが、先ほども申し上げましたけれども、地震や火災に対する防災性の向上、それから緊急車両の円滑な通行など、老朽化した木造住宅が密集している地域にはさまざまな課題がございます。東京都によって、防災都市づくり推進計画、こちらの方を少しでも早く実現するためにということで、木密地域不燃化10年プロジェクトが策定されたところでございます。区といたしましては、こうした地域の課題を解決するためには、都と連携して早期に解決することが重要であるというふうに考えてございます。

燃えないまち、燃え広がらないまちを進めるために、個々の建物を燃えないものにすることも大切でございますが、延焼遮断帯を形成する特定整備路線などの整備についても大切だというふうに考えてございます。こうした施策を重ね合わせ、これからも進めていく必要があると考えてございます。

それから、住宅施策についてでございますが、基本的にはさまざまな弱者、高齢者、あるいは単身の若者などに対する家賃助成などについては、先ほども申し上げたとおり施策を講じているところでございます。区の住宅施策といたしましては、やはり民間ストックというものが今十分にある段階でございますので、こういったものを有効に活用しながら、全体として施策を展開するべきというふうに考えてございます。

教育次長(本城善之君)

私からは、30人学級に関係したご質問にお答えいたします。

先ほどもご答弁申し上げたところでございますが、教員の多忙化の要因といたしましては、さまざまな要因が複雑に絡み合ったものであると認識しております。そのため、単に学級編制の人数を削減する形ということではなく、区としては、自治体としてできる取り組みをこれまでもさまざま取り組んできたところでございます。そのための人的措置、環境整備、そしてそれと合わせた意識改革、さまざまなものを総合的に推進して、私たち教育委員会としてできるところを最大限に尽くしているのが現実でございます。

再々質問

安藤たい作

自席より再々質問です。

まず再開発ですが、再開発をバラ色に描いているんですけれども、私が伺ったのは、地域の環境を壊して、住民の分断などの大きな問題を区が自ら起こしているのではないか。それをどう考えるかと聞きました。これらの問題を認めないんですか、伺いたいと思います。

それと、道路ですが、これも区長自ら説明しないというのはどういうことですか。ご自身が手を挙げて進んだ事業だという自覚はあるんでしょうか。だからこそ、私は区長に答弁を求めているんです。あなたの判断で動いた事業という、これを区長はお認めになりますか、伺いたいと思います。

次に、住宅ですが、深刻な実態があるにもかかわらず、区営住宅増設も家賃補助もやろうとしないと。住宅に困窮して、憲法25条に保障された生存権すら保障されていない方々を紹介いたしましたが、区は放っておくということですか。家賃補助も増設もやらないということは放っておくことになると思いますが、放っておくんですか、伺いたいと思います。

最後は教育ですが、教員の皆さんは今回、口々に30人学級が一番の働き方改革だとおっしゃっていました。私、聞いたのは、クラスの規模を小さくすることが、教師の多忙化解消にとっても、子どもへの豊かな教育保障にとっても効果があるということで紹介しているわけですね。こういう30人学級の多忙化解消の効果、これも認めないんですか。これはしっかりと伺いたいと思います。以上です。

再々答弁

区長(濱野健君)

再開発に関する再々質問にお答えを申し上げます。

今、話が行われております当該地域につきましては、先ほども申しましたように、木造密集地域であります。道路も狭うございます。私も何回もあのあたりは通っていますけれども、とてもこのままでいいという状態ではないというふうに思っております。したがって、この問題を解決するためにこうした再開発を行うということで、それが地域の将来にとっても有益なことだというふうに考えております。

以上です。

都市環境部長(藤田修一君)

まず、特定整備路線についてでございますが、まちづくりといったものは、百年の計と言われるほど時間がかかるものでございます。子どもや孫の世代のために、燃えない、そして燃え広がらない安全・安心のまちをつくり上げていくことは、今、私たちに求められていることだというふうに考えてございます。しっかりと予防型の防災まちづくりを、さまざまな施策を総合的に重ね合わせて進めていくべきと考えてございます。

それから、住宅についてでございますが、区内における住宅施策は、公だけでなく民も含めて、トータルでさまざまな施策を組み合わせていくべきだというふうに考えてございます。民間ともいろいろお話し合いをさせていただきながら、今後、住宅施策を展開してまいりたいというふうに考えてございます。

教育次長(本城善之君)

私からは、30人学級に関連した再々質問にお答えいたします。

先ほどもご答弁申し上げたところではございますが、学級数の規模の縮小等に関しては、区といたしましては、従来より区の教員を配置する等、人数を小規模にするという形ではなくて、違う形の少人数指導の徹底等、あるいは習熟度別学習の徹底等の形で従来より徹底しているところでございます。一方、30人学級自体については、先ほどご答弁したとおり、国のさまざまな総合的な判断の中で定めた標準の中で対応するのを基本と考えているところでございます。

議長(松澤利行君)

以上で、安藤たい作君の質問を終わります。

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