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南恵子区議 平成30年請願第12号「大崎図書館の解体は止め、新たな図書館として再生させることを求める請願」に対する賛成討論

2018.07.10 南 恵子 区議

日本共産党区議団を代表して、請願第12号「大崎図書館の解体は止め、新たな図書館として再生させることを求める請願」に賛成の討論をします。

本請願は、地域に親しまれてきた大崎図書館を800メートルも離れた北品川5丁目に移転させるという区の一方的な決定に対して、日常的に利用してきた区民から「解体せず、必要な改修を行い、地域の文化交流拠点となるよう図書館として再生」を求めるものです。以下、賛成理由を述べます。

第一は、大崎図書館を地域の文化・交流拠点として存続させるべきと考えます。

大崎図書館は地域の名士・大崎町長を務めた松原伝吉さんの屋敷跡を図書館用地として区が1975年に譲り受け、樹木や庭石を配置した日本庭園を生かし、階段状になった読み聞かせ専用のおはなしの部屋をつくるなど、趣のある単独図書館として整備されました。

10館ある区立図書館の内2番目に利用度の高い図書館で、地域住民から今日まで34年にわたって親しまれ、地域の誇りとして自慢できる図書館でした。

これ程までに親しまれ愛され続けてきた図書館は地域の文化・交流拠点として存続させるべきです。

第二は、区は老朽化を理由に移転・解体すると言いますが、それは全く理由になりません。

区は解体理由を、老朽化し、改修に必要な部品が手に入らない、水漏れ、建物 のきしみなどを挙げています。

しかし、大崎図書館は築34年しか経っておらず、他にもっと古い図書館もあります。

老朽化なら対策は補修するべきで、最悪でも現地で建て替えです。区の公共施設長寿命化方針の「適切な修繕・更新を行うことで長寿命化を図り」に照らして適切に修繕し、歴史ある建物と地域の誇りを尊重して現在地で今までどおり地域住民が安心して利用できるようにこそするべきです。

第三は、利用者の声を聞くことなく紙切れ1枚で閉館を通告するという区の 姿勢の問題です。

区は、大埼図書館の移転計画を利用者の方たちに相談することなく一方的に決めました。

あってはならないことです。

利用者の会は、説明会の開催をもとめてきましたが、それはついに一度も開かれることはありませんでした。

昨年の第3回定例会で図書館条例の改正提案の議論をした時も、区は「議案を了承していただいた後に地域に対して正式に説明をさせていただく運びになっている」と答弁してきました。

今回の文教委員会でも改めて説明会の開催について質問すると、「自治会・町会連合会へ出向いて説明した」と言い、その他にも広報に掲載し回覧板や町会掲示板に張り出したと説明。

しかし、それは一方的な告知であり、利用者への説明ではありません。

しかも、各町会・自治会長に「町会長の方から会員の方にご説明をしていただくようなことをお願い申し上げた」といったのです。

区が行うべき説明を町会長に任せるなど言語道断です。

図書館とは最も多くの住民が利用する公共施設です。

利用者はもちろん地域住民への説明もなく、一方的に移転・解体を決めることはあってはならないことです。

最後に、5月18日に開催した品川リハビリテーションパークと品川区立大崎図書館の開所式での区長発言について触れます。

大崎駅西口地域にあった大崎図書館を北品川5丁目に移転させてできた施設の開所式で、区長は「(大崎図書館は)29号線で移転することになり、どうしたものかと思っていたが、こうした場所があって本当に良かった」と挨拶したのです。

特定整備路線・補助29号線は、防災を口実にして大崎3・4丁目から西大井に至る南に3.5キロ、区内を幅20メートルの道路が縦断するという計画です。

そのために沿線に住む多くの住民は追い出され、いくつもの公園や商店街をつぶすという『街こわし』の道路計画です。

区長はこの計画に手を挙げて都と一緒に進めていますが、大崎図書館の移転は、この道路を強行するため、立ち退きの代替地をつくるためだと私たちは指摘してきました。

落成式で述べた区長発言は、大崎図書館の移転の目的が29号線建設であったことを述べたもので、共産党がこの間指摘してきたことが区長の発言でいみじくもはっきりしたのです。

それを「老朽化」などとごまかしてきた区と教育委員会は許されません。

嘘とごまかしで道路のために区立図書館を壊すのは止め、大崎図書館は存続させ、地域の文化を大切にし区民とともに育て上げる区政に転換することを強く求めて討論を終わります。

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