2018.10.25 鈴木 ひろ子 区議
質問項目
日本共産党を代表して一般質問を行います。
初めに、「区長選挙で示された民意は羽田新ルート撤回、『安全安心が最優先』と言うなら、撤回を国に求めよ」です。
大崎のマンションに住んでいる若いママは、出産を機に、教育や保育の制度や環境などを熟慮して大崎での子育てを選択したとのこと。周りのママ友にも、同様に結婚や出産を機に品川のマンションに移 ってきた人がたくさんいるそうです。
羽田新ルート計画によって騒音や落下物、大気汚染、墜落などの深刻な事態になることを知り、国交省の説明を聞いても納得いかず、国はなぜこんなひどい計画を住民 に押しつけるのか、人生設計を狂わされる。今回の区長選挙では新ルート計画撤回を公約する区長を選びたいと多くのママ友に話し、選挙に行こうと訴えたといいます。区民の命と暮らしにも重大な危険が伴う新ルート計画に各候補者がどう対応するのかが大争点と、マスコミも報じました。選挙の結果は、3名の候補者のうち、羽田新ルートの撤回を掲げた2人の新人得票数合計は投票総数の52%、半数を超 えました。
一方、「羽田の空路変更は何よりも区民の安全安心を最優先」と選挙公報に書いた濱野区長は、羽田新ルートについて街頭では一言も語りませんでした。この選挙で示された区民の意思は、多く は撤回であり、少なくとも何よりも安全・安心が最優先で対応すべきであり、安全・安心が保障されな ければ了承しないということではないかと考えます。
質問です。濱野区長の選挙公約、「羽田の空路変更は何よりも安全安心を最優先」とは、安全・安心が保障されなければこの計画は撤回を求めるということか伺います。選挙の結果、羽田新ルートは住民の理解は得られていないことを区長は認めるのか、伺います。
区長は、昨年11月のタウンミーティングで、自ら国交省に出向いて、大事な国策だから甘受すると、容認の意思を表明していたことを初めて明らかにしました。ところが、このことについて議会では自分では答弁せず、かわりに「新ルートは了承していない」と部長に偽りの答弁を繰り返させ、この事実を区民にも議会にも隠してきました。今度の選挙中にも、街頭では公明党都議が「区長は絶対に容認していない」と声高に擁護しましたが、区長は自らは一切語りませんでした。
ところが、濱野区長は、選挙直後の就任会見では「インバウンド拡大のためには一自治体が反対するわけにはいかない」と述べました。これは重大な公約違反です。選挙公報では何よりも安全・安心を最優先と言ったのに、選挙の投票箱が閉まり、当選が決まった途端に、インバウンド拡大のために、いわゆる外国人旅行者を増やすために容認すると、公約の内容を引っくり返したのです。安全・安心が最優先と言いながら、住民犠牲の経済発展が最優先、こんな区民だましは断じて許されません。さらに濱野区長は、騒音が少ない機種の仕様や、品川では高度を保つよう国に申し入れると語りました。
品川上空を、高度を保ち、羽田空港直前で急降下させるやり方は、真下で暮らす住民とともに飛行機の乗客をも危険にさらすものです。濱野区長は、なぜ飛ばすなと言うのは現実的ではないと考えるのか、理由を伺います。
また、高度を保って直前で下りる飛ばし方とはどういうことか伺います。その安全の根拠を示してください。
国交省が公開した交渉記録から、区長が2年も前に国交省に出向き、区民に隠れて国の計画に理解を示し、国から感謝されていたことが明らかになっています。しかし、このときの交渉記録を区は「不存在」としています。これでは、区長の政策決定過程を検証することができません。区長は、国交省との交渉記録を作成してこなかったことを反省し、今度は交渉記録を詳細に公文書として残し、区民に公表すべきです。いかがでしょうか。
区長選直後にNHKが、米軍の横田空域にかかわって日米の調整が難航し、「運用できないおそれ」と報じました。羽田新ルートが横田空域を通過する問題は、計画発表時の4年前から安全性に懸念が示されており、国交省は米軍と調整していくとしていました。日本の空域の一部が米軍に侵害されている ことは重大ですが、今になって調整ができずにいるということは、この新ルート計画がいかにずさんで、乗客の危険をも顧みない無謀なものだったかを示すものです。羽田新ルートが横田空域にかかわって運用できないおそれがあることを国交省から説明を受けたのか、どのような回答をしたのか伺います。区長選挙を通じて羽田新ルート問題がさらに多くの区民が知ることとなり、知れば知るほど、この国の無謀な計画に、絶対飛ばしてはならないと反対世論が急速に広がっています。
この新ルート計画は、実施されれば、区民の安全・安心はもとより、品川区の経済発展にとっても、さらに子育て、福祉にとっても重大な障害になることは明らかです。この計画をとめるために、区民の審判が示された今こそ、 政治的立場を超えたオール品川の力で安倍政権に立ち向かっていくべきだと考えます。濱野区長は、羽田新ルート計画容認の姿勢を改め、撤退を国交省に伝え、幅広い市民、政党、さまざまな企業、各種団体など、オール品川で羽田新ルート撤回実現の先頭に立つべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、「23区で最低の福祉は抜本的な改善を、林試の森公園隣の公有地は、特養ホーム、障害者施設、認可保育園の増設を急げ」です。区長選で濱野区長は、自らの実績のトップに特養ホームと老健施設の定数が1,165人に増えたことを 挙げました。
しかし、これは、34回もの区民の粘り強い請願運動や、我が党が23区で最低レベルの整備率や区民の切実な実態を突きつけ、増設を求めた質問を背景に、品川区が2000年からの特養ホームはもうつくらないとの方針を増設へと切りかえたことによるものです。
来年の南品川の開設分を入れても、特養ホームと老人保健施設の合計整備率は何と23区で最下位であり、決して自慢できるものではありま せん。8月締め切りの特養ホームの入所申請者は500人に増えています。品川の高齢者人口はさらに増え続けていきます。東京都が、整備率の低い品川区のような自治体には補助金を1.5倍に増やして増設を促していますが、それでも区は増設計画を全く持っていません。早急にさらなる増設計画を立てるべ きです。特養ホームと老健施設の合計整備率が23区で最下位との実態は改善が必要ではないか、伺います。
区長の選挙公約にも特養ホームの整備が明記されましたが、具体的にいつまでに何人分増設するのか、その計画をお聞きします。特養ホームの待機者ゼロをめざすべきと考えますが、いかがでしょうか。昨年のタウンミーティングで濱野区長は、品川の障害者福祉は決して高くない、むしろ低いと認めました。
グループホームの整備率は、知的20位、精神22位、就労継続支援B型も21位と、23区で最低レベル。特に荏原地域に就労B型がないため、少ない工賃から交通費を負担するなど、大変な苦労を強いています。さらに、区内のグループホームに入れず、北関東や東北、遠く北海道など、施設に入所せざるを得ず、家族ともめったに会えず一生を過ごさざるを得ない方が150人もいます。グループホームや就労継続支援B型の増設が必要だと福祉計画にも明記しながら具体化しない理由は何か、3年間の計画の 中に複数つくりたいとの答弁はいつ具体化するのか、増設数と年度を明らかにした計画を直ちに立てるべきではないか、それぞれお答えください。林試の森公園隣の公有地は、区民の切実な特養ホーム、グループホームや就労継続支援B型などの障害者施設、認可保育園の増設を求めます。いかがでしょうか。
次に、「障害者の相談支援体制は、在宅介護支援センター併設ではなく、当事者の意見を聞いて、自立支援協議会を中心に丁寧な検討を」です。
品川区は、障害者のケアプランを作成する事業所数が、知的・身体でも実質3か所しかなく、23区で極端に少なく、かつ、地域割りされ、選択できない仕組み。さらに、サービスの制限など課題が山積みです。
ところが、区は6月、当事者の意見を聞くことも自立支援協議会での検討も経ずに、これまで高 齢者の相談・ケアプランの作成を行ってきた在宅介護支援センターで障害者のケアプランも作成するための検討予算を計上、来年3か所の開設をめざすとしました。自立支援協議会は、法律で設置が義務づけられ、区も障害者等への支援体制をつくる中核的な役割と位置づけたものです。
7月の自立支援協議会では、多くのメンバーから突然の区の提案に疑問や批判の意見が相次いで出され、会長は「急に新しい考えを出されて意見を聞かれても承服しかねる」と述べられました。障害者の相談支援体制は在宅介護支援センターに障害者のケアプランをつくる指定特定相談支援事業所の併設ではなく、当事者参加を 位置づけ、現状把握や課題整理、分析評価をもとに、自立支援協議会を中心に、あるべき姿を検討するよう求めます。いかがでしょうか。
障害者のケアプラン作成事業所を併設するという在宅介護支援センターの問題点について述べます。
12年前の法改正で在宅介護支援センターを廃止して、保健師、社会福祉士、主任ケアマネの3職種を配置した地域包括支援センターに移行しました。ところが品川区は、地域包括支援センターは高齢福祉課 に1か所登録したのみ、在宅介護支援センターをそのまま残し、3職種の配置もしませんでした。3職種の専門職が配置された地域包括支援センターが地域にないのです。
こんな区は23区で品川区だけです。隣の大田区21か所、世田谷区27か所、渋谷区11か所、目黒、港がそれぞれ5か所設置され、高齢者3,000人から6,000人に1人の3職種が配置されています。地域の介護者からも、医療や嚥下障害について適切な相談に乗ってもらえない、医師会からも医療の話がわかる人材を配置してほしいなどの声が寄 せられています。港区で話を聞いた包括センターの施設長は、3職種の専門職がかかわることで違う視 点で高齢者を捉えられ、多くの問題を抱える家族に対しても先を見通した支援ができるといいます。常に専門職に相談ができ、きめ細かな支援が受けられる仕組みです。品川区も各地域に3職種を配置した地域包括支援センターを設置すべきです。在宅介護支援センターに障害者のケアプラン作成事業所を併設しても問題の解決にはなりません。地域包括支援センターを新規に設置しなかった理由は何か、条例では原則3職種を配置すると定めているのに基準どおり配置しない理由は何か、今後3職種の配置をめざすのか、それぞれ伺います。
次に、「高過ぎる国保料は引き下げこそ、滞納者への最低生活費の差押さえやめよ」です。
国保料が高過ぎて払えない、多くの国から悲鳴が上がっています。国も、品川区も、所得に占める国保料の負担が重い、このことが国保の構造的問題と認めていました。
ところが、国と東京都、品川区が 行ったことは、税金投入、法定外繰り入れを廃止し、その分国保料を値上げする方針でした。この間の法定外繰り入れの削減で既に約2万円もの値上げになっています。
さらに、今後5年間で法定外繰り入れを全て廃止するとしています。実質賃金が下がり、年金が減らされる中、どうやって生活しろというのでしょうか。区は、法定外繰り入れは国から解消するよう求められており、段階的に縮小すると述べていますが、国は法定外繰り入れをするかどうかは各自治体が決めることと国会で答弁しています。これまで行ってきた税金投入、法定外繰り入れを廃止することは、区も認める保険料負担が重いことが国保の構造的問題、これを悪化させることになるとは考えないのか伺います。法定外繰り入れをもとに戻して、1人当たり2万円の国保料引き下げを求めます。いかがでしょうか。
子どもの国保料の均等割無料化は、区もその必要性を認めています。対象は5,700人、必要な予算は最大で2億9,000万円。国保料均等割は1人5万1,000円です。子どもが生まれたと同時に取られ、一家の収入は増えなくても子どもが多いほど高くなる仕組みです。子育て世代の負担軽減へ、均等割の無料 化は自治体がすぐできる軽減策であり、既に軽減措置に踏み切った自治体が都内でも増えています。区 独自に子どもの国保料均等割の無料化を行うよう求めます。いかがでしょうか。
独自にやらない場合、その理由は何か伺います。品川区の差し押さえ件数は772件、これは23区で2番目に多い。ほとんどの人は貧困で、払いたくても払えないのが実態です。容赦なく取り立て、応じなければ給与や年金、還付金まで差し押さえる。こ のやり方が区民を追い詰めています。区は、年金や給与なども、預金口座に振り込まれた場合は差し押 さえ禁止財産には当たらないので差し押さえできると繰り返し答弁してきました。しかし、厚労省は、ことし1月に、留意事項として、最低生活費は差し押さえることができないこと、生活を著しく困窮さ せるおそれがあるときは滞納処分の停止ができることを地方自治体に通知しました。預貯金は差し押さえ禁止財産の属性を継承しないという差し押さえのやり方で最低生活費は残るのか伺います。厚労省が 示す留意事項に従い、前述の答弁を改めることを求めます。いかがでしょうか。
私はこれまで、滞納者に対して脅すような取り立てから、滞納者がどんな生活状態にあり、どうしたら生活再建ができるのかを示す相談に転換すべきと求めてきました。しかし、区はあくまでも納付相談 と言って、取り立てるという姿勢は変わっていません。滞納者の状況を踏まえ、減免や徴収猶予に加え必要です。
現在の区庁舎は、本庁舎、第三庁舎ともに1968年に建てられ、50年が経過していますが、2011年には耐震改修工事が完了し、耐用年数はあと18年あります。
第二庁舎、防災センターの建設は 1994年であり、さらに長く使えます。これまで区は、区庁舎の建てかえについては広町のまちづくりに合わせながら検討すると述べてきました。
7月3日の建設委員会では、一歩踏み込み、大井町駅から庁舎まで含む広町地区でのまちづくりの検討方針を提示、飛び地の関係になっている土地を再編・有効活用し行政機能、にぎわいゾーンをつくるという計画です。JRと区は、このまちづくりを推進する協定書を締結、そのスケジュールは2021年以降の着工をめざすとしています。さらに区は、大井町駅周辺 地区まちづくり構想を、一歩踏み込んだ大井町駅周辺地域まちづくり方針を今年度中に策定すると言います。
今回の経過は、区庁舎はどうあるべきかという根本的な議論を抜きにして、JRの再開発と一緒に庁舎の建てかえを進めるものになっています。庁舎の建てかえがこんな進め方でいいのかが問われています。再開発と絡めた庁舎建てかえの何が問題か、2つの自治体の例を挙げたいと思います。 1つは、豊島区です。お金をかけない。庁舎建てかえを起爆剤にして駅周辺再開発を加速させるということで、学校跡地を開発の種地にして、開発大企業、東京建物の超高層マンションと合築の再開発手法がとられました。権利床だけでは庁舎として必要な面積が確保できないため、旧区庁舎跡地を76年間、191億円と格安で開発大企業に貸し付けた賃料を充てて必要な床面積を取得、豊島区は分譲マンションの1区画の所有者でしかなくなりました。将来の建てかえは区の意思だけではできません。一円もお金をかけずに建てかえができるとうたいながら、実際は区民の財産を失う結果となりました。 渋谷区の例も、庁舎の土地の3分の1を77年間、211億円で三井不動産レジデンシャルに貸し付け、 39階建てマンションを建てさせ、そのもうけの見返りに庁舎と公会堂を建てさせる手法です。契約は、貸付期間終了後の土地について、渋谷区の土地に戻るのではなく三井不動産レジデンシャルに優先的に 譲渡する規定が盛り込まれ、区の財産がなくなることになります。
いずれも共通するのは、区民のための庁舎の建てかえ検討に住民参加がなく、しかも、貴重な区民の 財産を開発大企業のもうけのために提供する手法です。
一方で、市民参加を貫き、庁舎建設を具体化する例も多数あります。例えば立川市では、庁舎の基本構想案を策定する際に、公募市民65人と団体43人と委員長からなる市民100人委員会を立ち上げ、市民とともに基本理念とめざすべき庁舎像を定めた建設基本構想を作成し、調査建てかえを進めました。ワークショップや市民選定委員、業者の意見交換会、公開プレゼンテーションなど、住民参加と公開性を重視しています。
世田谷区でも、区民とともに、地域とともに考えつくる、対話と合意形成を重視した丁寧な設計で区民の思いを一つにまとめ上げますと、庁舎建設に当たっての基本理念の検討からあらゆる段階で区民参加を貫き、特色ある庁舎建設が進められています。このように、庁舎のあり方というなら、十分な人数の公募区民に専門家も交えた会議体を立ち上げ、十分な時間をとって、具体的な機能やデザイン、設計業者や工事業者の選定に至るまで、区民参加で検討すべきです。区が現時点で考える区庁舎の課題と新庁舎のコンセプトは何か伺います。再開発手法で の庁舎建てかえは、区民の財産である庁舎の土地はビル床に変わって目減りし、逆に保留床を手にする 開発大企業がもうかる手法です。防災の拠点となる庁舎の役割からも、超高層ではなく低層にすべきです。再開発手法による庁舎建てかえはやめるべきです。いかがでしょうか。
あと18年間使える庁舎は、広町再開発に合わせた建てかえではなく、利用者アンケートの実施や区民参加の会議体の立ち上げなど、徹底した住民参加と情報公開を基本とし、基本理念や建設基本構想を策定するよう求めますが、いかがでしょうか。 23以上で、日本共産党を代表しての一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
私からは、庁舎に関してのご質問にお答えを申し上げます。
昭和43年に竣工した総合庁舎につきましては、50年が経過し、構造上の制約や使い勝手の面での工夫も厳しくなっていることが課題であると考えております。区庁舎を建てかえる際は、こうした課題を解決するのみならず、ICT化への対応や各種行政機能の集約や高度化、利便性のさらなる向上など、将来を見据えた庁舎のあり方を検討する必要があると考えております。
次に、広町地区の計画についてですが、用途や目的に応じた土地の再編を視野に入れ、地区内の各施設を整備することを検討しております。区庁舎建てかえの際には、区議会機能、行政機能はもとより、便利でわかりやすい区民サービス機能や防災機能が高く、町のシンボルとなる庁舎のあり方を検討してまいります。その他のご質問等につきましては、各担当部長等よりお答えを申し上げます。
私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
初めに、区民の安全・安心についてですが、国は、ことしの8月に航空会社が遵守すべき落下物防止基準を公表し、事業計画への安全対策の位置づけが義務化されました。区は、落下物を万が一でも発生させないことは重要な課題であると捉えており、区民の安全・安心を最優先に位置づけ、さらなる予防策の検討を国に引き続き強く求めているところでございます。
区としましては、国から新ルート案が示されてから今日まで一貫して、国に対し、騒音や安全性について徹底的な対策を具体的に示し、地域に対して丁寧にきめ細やかな説明を行うよう強く求めてまいりました。国策として行うのであれば、区民の理解については国の責任においてしっかりと地域に対して説明を行うべきであり、引き続き国に求めてまいります。次に、新飛行ルート案に対する区の考え方ですが、日本の経済・社会を維持発展させていくために、羽田空港の機能を強化することとした国の考えには一定の理解を示しているもので、新飛行ルート案自体について容認しているものではございません。また、航空機の飛行高度につきましても、騒音軽減に向け、低騒音機の導入などとともに、さまざまな視点での取り組み、検討を国に求めているものでございます。 次に、国との面談の記録についてですが、今後も適宜適切に実施してまいります。
次に、横田空域についてですが、国は引き続き必要な調整を進めていくとしております。国際間の交渉は国が担う役割ではありますが、区としましてもその動向について注視してまいります。区としましては、国の責任においてさらなる具体的な対策を示し、広報や説明会など地域におけるきめ細やかな対応を行うよう、引き続き国に強く求めてまいります。
私からは、福祉施設整備および障害者の相談支援体制についてのご質問にお答えいたします。
まず、特別養護老人ホーム増設についてですが、区では在宅生活を支える支援を重視した上で、在宅生活の継続が困難になった場合に備え、特別養護老人ホームやグループホームなど、それぞれの介護状 態像やニーズに合った施設の整備を総合的、計画的に行っております。
入所施設の整備については、第七期介護保険事業計画において、特別養護老人ホーム1か所、老人保健施設1か所が計画されております。今後も整備につきましては、介護サービス全体に対する利用者ニーズの変化や介護保険料への影響などを総合的に判断し、適切に対応してまいります。
次に、障害者のグループホームや就労継続支援B型の増設についてですが、条件に適合した土地の確 保や近隣の方々のご理解など、さまざまな考えを踏まえ検討しているところです。現在は具体的な開設数と開設年度についてお答えするのは難しいですが、第五期障害者福祉計画に基づき、施設開設を積極的に進めてまいります。
次に、旧小山台住宅等の跡地利用についてですが、現在その活用方針について東京都と共同で検討を 進めているところです。施設構成については、周辺が住宅密集地であり、広域避難場所と隣接している ことから、防災倉庫の整備や周辺道路の拡張など、防災機能の強化を第一としながら、地域のにぎわいの向上や、高齢者、障害者、子育てなど、行政需要を考慮した施設構成としてまいります。
次に、障害者の相談支援体制についてお答えいたします。地域で相談しやすい体制は重要と考えており、民間相談支援事業所の誘致を推進するほか、在宅介護支援センターへの障害者相談員の配置を考えているところです。在宅介護支援センターへ障害者相談員を置くことにより、高齢障害者や高齢化した 家族の相談を円滑に受けることができ、共生社会に向けての相談支援の強化につながります。具体化するに当たり、地域自立支援協議会の相談支援部会の委員に対するヒアリングや、当事者の方々のご意見 やニーズを踏まえ、地域自立支援協議会全体会に諮り検討してまいります。
次に、地域包括支援センターについてですが、平成18年の法改正で、各保険者は原則として直営で地域包括支援センターを配置することとされましたが、全国の多くの自治体は委託により複数設置していると聞いております。区は、従前より直営の統括在宅介護支援センターを設置運営しており、直営とサブセンターによる地域包括支援センターの設置が可能でした。各地区在宅介護支援センターでは、ケアマネージャーを中心に相談やケアプラン作成を行っており、専門職としての見解が必要な場合は統括在 宅介護支援センターの保健師等がカンファレンスや訪問などに加わっています。
このように20か所の地区、在宅介護支援センターが地域包括支援センター機能を分担し、統括在宅介護支援センターが全体調整とバックアップをすることで設置基準を満たしています。また、本年度は、介護医療連携担当の保健師を新たに配置し、多職種連携の強化を進めております。今後もニーズに対応できる人員配置に努めてまいります。
私からは、国民健康保険料についてお答えいたします。 今年度から始まりました国保制度改革では、持続可能な医療保険制度を構築するため、区市町村とともに東京都も保険者となり、財政基盤の安定化を図り、加えて国や都が激変緩和策を行うなど、さまざまな財政支援を実施しております。
法定外繰入金につきましては、国から決算補填等の目的の法定外繰 入金を解消するよう求められており、特別区では6年間の解消計画を立て、法定外繰入金を段階的に縮小する予定です。
従って、法定外繰入金をもとに戻すことは国の方針や特別区長会の決定と相違しております。一方で、保険料は国民健康保険の財政運営を支える根幹でもあります。財源の確保につきましては、区は特別区長会、全国市長会を通じて、国や都に対して今後も引き続き要望してまいります。
次に、区独自の子どもの均等割の無料化につきましては、その負担をさらに一般財源で賄うこととなり、非常に困難と考えております。区といたしましては、引き続き特別区長会および全国知事会を通して国に求めてまいります。 次に、差し押さえ禁止財産の考え方についてでございますが、最高裁判決において、差し押さえ禁止 25 に係る給付金も預金口座に振り込まれた場合は預金債権に転化するため、差し押さえ禁止財産の属性を承継しないとしております。
また、区では、今までも留意事項の給与等の差し押さえ禁止の基準に沿って実施しております。今後も判例・法令等を遵守し、適正な滞納処分に努め、国保制度の安定性や公平性を引き続き図ってまいります。
最後に、保険料は本来自主納付が原則と考えておりますが、納付に応じない一部の被保険者に対しては、納付相談を通じて滞納整理事務を行っております。国民皆保険制度という相互扶助の考え方に基づき、この制度が維持継続できるよう、事務の執行に当たっては、収入や資産の状況、世帯構成など個々の生活状況を総合的に鑑みて行っております。
また、保険料の負担により生活が厳しい方につきましては、今までも必要に応じて生活保護や就労支援へご紹介をしております。封筒の色につきましても、ほかのお知らせなどとは異なる趣旨のものですので目立つようにしております。引き続き、個々に応じた納付相談などを窓口や電話にて丁寧に対応してまいります。
再質問をさせていただきます。
まず、羽田の問題です。全ての項目、私の質問に全く答えていません。
この羽田の問題は、区長選で大争点になりました。にもかかわらず、まるで区長選がなかったかのような答弁でした。少なくとも、特に以下3点の質問に対する答弁をしていただきたいと思います。
まず、1つ。濱野区長の公約、羽田の航路変更は何よりも安全・安心を最優先とは、安全・安心が保証されなければこの計画は撤回を求めるということか。
2つ目、選挙の結果、羽田新ルートは住民の理解は得られていないということを区長は認めるのか。
3つ目、高度を保って直前で下りる飛ばし方というのはどういうことか。その安全の根拠は何か。これは濱野区長の公約です。
そして、濱野区長の記者会見での発言です。部長が答えられるものではないと思います。区長しか答えられません。ぜひ濱野区長が質問に応えてください。よろしくお願いします。23区で最低の福祉についてです。濱野区長が選挙戦で成果のトップに上げた特養ホームと老健施設の整備率、これが23区で最下位になっています。これは改善しなくていいのかと聞きました。このことに 答弁してください。 林試の森公園の隣の公有地の活用については検討しているということですけれども、計画はいつまでに具体化するのか、伺います。 地域包括支援センターについてです。法律が定めているのは3職種の配置です。基準どおり再職種の配置をしていないのは23区で品川区だけです。
自らも条例で定めています。3職種をなぜ配置しないのか、これからもしないつもりなのか、お答えいただきたいと思います。国保についてです。子どもの均等割ですけれども、基金は品川区は1,000億円もあると区長も選挙戦の中で言われました。そのうちのわずか0.2%でできます。一般財源の賄うということがなぜ困難なのか、お聞かせください。あともう一つ、預金口座に振り込まれた場合は差し押さえ禁止財産に当たらないと、最高裁の判決を言われました。こういうやり方で差し押さえた場合、最低生活費が残るかということで聞きましたので、答えてください。
真っ赤な封筒はやめていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。庁舎建てかえ問題です。広町再開発に合わせた庁舎建てかえはやめること、庁舎建てかえは住民参加 で検討すべきと求めました。このことについてお答えください。もう一つ、町のシンボルとなる庁舎ということですが基本構想をめざすということか、伺います。 以上です。
私から、羽田空港の機能強化についての再質問にお答えいたします。
初めに、飛行経路と安全保障についてですが、この安全保障というのは、これは、区も国に対して、落下物が万一にも発生させないような取り組み、これはもう最重要であるということを伝えております。 そういった意味からしまして、国が今後さらに何も対応しないということになれば区としても納得しかねるわけでございますけれども、現在国はさまざまな取り組みを行っていて、逐一公表されているところでございます。
したがいまして、安全の保障は国が保障するものであって、区はその万全な対策について求めていく立場でございますので、これは引き続き国に対して強く求めてまいりたいと考えており ます。それから、住民の理解でございますけれども、この住民の理解も、これは国がしっかりと国の責任に おいて理解を得るものというふうに考えております。区といたしましても、地域の皆様方の理解が少しでも深まるように、さまざまな方法を使って国に対して丁寧な説明をしていただくように求めているところでございます。
そういった中では、例えば、教室型説明会を初めとするさまざまな説明の形態、また、広報紙を広く使った説明、それから情報発信拠点の設置など、こういったものを求めているところでございます。引き続きこういった取り組みに対して国に対して強く求めていく所存でございます。また、高度を保った下り方というところでございますけれども、これは、可能な限り高い高度をぎりぎりまで保ちまして、そして、滑走路には高度0で着陸するわけでございますけれども、その間の距離をなるべく少なくするような飛び方、こういったことができないかどうか、これを国に対して質問をしているものでございます。したがいまして、安全の根拠ではなく、これは騒音に対する配慮、こういったものに対して求めているものでございます。国からは、検討というところでまだ回答は来ておりませんけれども、さまざまな区民に対する環境影響の低減についての提案や質問を国に対して引き続き求めてまいりたいというふうに考えてございます。
私からは、鈴木ひろ子議員の再質問についてお答えいたします。
まず、1つ目の、特別養護老人ホーム、老人保健施設についてでございますけれども、やはり介護保 険料の金額にも影響してくるところでございますので、第八期介護保険事業計画を策定するに当たって の在宅サービスの利用者モニタリングアンケートや世論調査、また、介護保険制度推進委員会のご意見、また人口推計、その他の統計を加味した上で検討をしていきたいというふうに考えております。
また、旧小山台住宅の跡地の利用についてですけれども、いつまでということでございますけれども、現在、平成31年度以降の取得に向けて、今、国と都との協議を進めていく段階ですので、今現在においていつまでかというところの答弁はできないという状況になっております。
そして、高齢者、障害者、子育てなどの施設を現在検討しているところですけれども、例えば地域密着型の施設ができないだろうか、また、就労継続支援B型の施設ができないか、そういうことも含めまそれから、3職種の件でございます。品川区の場合は、指定として1つの包括介護支援センターということで指定を受けているところでございます。
ですので、20か所のサブセンタープラス品川区の高齢 者福祉課に置いている地域包括支援センター、その職員全員でその3職種を満たすということで指定を 受けているところでございます。そして、この3職種につきましては、国のほうの平成18年の質疑応答の中でも「地域の実情に応じて」という文言が書いてございまして、品川区としても条例の中で「原則として」という言葉を一言入れているところでございます。
しかし、今後、高齢者の人口が増えたり、また、社会が複雑化していることにより、ひとり暮らしの高齢者、また難しい状況などが発生する件数が増えてくるということであれば、そういうことも考えながら人員配置については計画していきたいと いうふうに考えております。
答弁の順番がちょっと狂ってしまいましたけれども、私から庁舎の関係のことについてお答えをさせていただきたいと存じます。
先ほども申し上げましたように、この庁舎、既に建築後50年たっておりまして、さまざまな面で制約が生じているところでございます。3.11のときにもかなり地震でも揺れましたし、そういったことも含めて、設備的にもかなり老朽化が進んでいるというふうに考えておりまして、いずれ、こうした問題を解決する必要が出てくるというふうに思っております。その際には、将来を見据えた庁舎というものに ついてもしっかり検討していきたいというふうに思っております。
それから、広町地区の計画でありますけれども、用途、目的、先ほども申し上げましたように、用途とか目的に応じた再編というものを考えていかなければいけないというふうに思っておりまして、具体的にはちょっと申し上げられませんけれども、大きな建物の中の一部分として区役所が入るという方法、こういうのも今あちこちでありますけれども、私としては、将来的ないろいろなバリアブルな変更というのも出てくるかと思いますので、大きな建物の中の一部分に入るということについては、これは個人的な見解になろうかと思います。
大分先の話でしょうから、個人的な見解になるかと思いますが、その後の活用の仕方を考えると、単体での建築のほうが区民にとっても、また区役所自身の機能にとって も有効なのではないかというふうに考えているところでございます。いずれにいたしましても、区民が 便利で使っていただけるような庁舎というのが大事なことだというふうに考えております。
私から、鈴木ひろ子議員の国民健康保険料に関する再質問についてお答えをいたします。
まず、1点目の、区独自の子どもの均等割の無料化に関してでございますが、法定外の繰入金については解消するように求められているところでもあり、また、区民の負担の公平性の観点等から、区独自で行うということについては困難というふうに考えてございます。
2点目の差し押さえについてでございますが、実際の徴収に当たりましては国税徴収法施行令に準拠 した基準で行っておりまして、厚労省が示す留意事項に従いまして、したがって最低生活費の差し押さえは行っておりません。
3点目の、赤い封筒の使用につきましては、他のお知らせと区別をしていただくということで現在行 っているものでして、当面継続をしていきたいというふうに考えてございます。
再々質問です。羽田問題ですが、再質問にも区長は答えませんでした。
大変残念です。選挙中、大争点になった問題です、この問題。そして、濱野区長が区民に公約したことです。選挙後に記者会見したのも、濱野区長 自身が記者会見したことです。これに一切答えないと。私は直接区民に語るべきではないかと思います。選挙中は、「羽田が大争点」とマスコミでも報じられました。濱野区長は街頭で、しかも、一言も訴えられませんでした。
それなのに当選してしまえば、安全・安心が最優先と書いて、公約には掲げたにもかかわらず、それを守らずに、一自治体として反対するわけにはいかないと、こういう容認発言をしたわけです。
しかし、きょうの議会での答弁でも、部長は「容認はしてない」と、部長は答弁しました。こんな二枚舌は私は許されないと思います。直接、濱野区長、答えてください。
さらに、高度を保って直前で下りる、これはテレビでも、それから記者会見でも、何度も濱野区長が言われています。
しかし、これは、専門家に言わせれば、品川区ではありえないことだと言われました。品川区で何の根拠があって発言しているのか、これはぜひとも区長答えてください。
それから、議会で は区長自らが一切答弁していません。このまま逃げ続けるつもりでしょうか。区長選での濱野区長自身の公約、記者会見での濱野区長自身の発言にも責任を持たないということなのか。これで39万人、区民の命と暮らしにどう責任をとるつもりなのか、改めて濱野区長に質問に対する答弁を求めます。
もう一つ、国保の問題です。品川区の国保の厳しい取り立てが、多くの区民が追い詰められています。預金口座に振り込まれた場合は差し押さえ禁止財産に当たらないから、これは差し押さえることができるんだということで言われてきました、これまで。
しかし、今は、最低生活費は差し押さえていませんということでした。では、預金口座に振り込まれた場合でも差し押さえ禁止財産には当たらないので、差し押さえはないと…… このやり方はやめたということなのか、伺います。
私から、羽田空港の再々質問にお答えいたします。
まず、区としての姿勢は、国に相対したとき、区民の立場に立って、国に対してさまざまな環境影響 に対する低減策について求めていくという姿勢は、これはもう一貫してこれまでも保ってきたものですし、これからもその立場は変わるものではございません。
また、高度についてのご質問ですが、これは、国に対して区やあるいは区民の声を届けるときに、教 室型の説明会をやってほしいですとか、あるいは、この国の案が当初発表されたときには、ほかに経路はないのか、さまざま、どのような経路について検討したのかというような、そんな基本的な質問など をしてまいりました。
そういった中から、この高度につきましても、これは専門的な分野に入るかもしれませんし、区としてもそういった専門知識について乏しいかもしれませんけれども、さまざまな可能性について国に対して、区民の立場に立って環境影響が可能な限り低くなるような方策について、区からも質問や求めをしていくこと、これは区の姿勢としてはもっともであるというふうに考えてございます。以上でございます。
私から、鈴木ひろ子議員の再々質問にお答えをいたします。
先ほどの差し押さえにつきましては、差し押さえ禁止に係る給付金も、預金口座に振り込まれた場合は預金債権に転嫁するという考え方でございます。
ただ、実際の差し押さえをする際には、先ほどお話をしましたように、ご答弁いたしましたとおり、留意事項等に沿って実際の取り立てに進むということでございます。