2018.12.6 おくの 晋治 区議
質問項目
日本共産党を代表して一般質問を行います。
まず初めは、「濱野区長の公約違反は許されない。安全安心が最優先と言うのなら、羽田新ルート計画は反対派を」です。
さきの区長選では、立候補者3名中2名は「羽田新ルート撤回」を公約に掲げ、その合計得票は全投票数の過半数を占めました。一方、再選された濱野区長の公約は「区民の安全安心を最優先」で、区長を応援した都議会議員は「区長は断じて容認していない」と街頭で訴えました。
つまり、区長選で示された民意は、羽田新ルート容認ではなく反対だということです。この民意を受けとめるならば、区長の公約「安全安心を最優先」とは、計画撤回を国に求めることしかありません。
ところが、区長は、当選直後の就任会見で「国全体のインバウンドということを考えたら、一品川区が反対するわけにはいかない」と容認に転じる発言。しかも、これは区民の毎日の生活・財産よりも国策を優先するもので、区民の生命・財産を守る責任がある区長の資格が問われる重大な公約違反です。
選挙後の議会で、共産党は、この区長発言につき何度も質問。しかし、その場にいる濱野区長は答弁に一切立ちません。それどころか、部長に答弁させ、その答弁もはぐらかして時間を稼ぐという姑息な答弁。行政を監視し、チェックする議会の役割を妨害し、民主主義を壊す態度です。 「安全安心を最優先」と公約しながら、一品川区として反対できないと、なぜ公約を破ったのか、改めて濱野区長に疑いを伺います。
決算委員会で、区長選で示された民意を質問したところ、部長は「一自治体の職員である私が特に意見をするところではない」と答弁しました。区長選挙で示された民意は何かは、当事者である区長しか答弁できないことを部長が認めたものです。そこで濱野区長に伺います。区長選挙で示された民意とは、現行の羽田新ルート反対ではないのか伺います。
総括質疑では、国が新ルート実施の前提だとしている住民の理解について、部長は「理解が十分ではない」と答弁。重要な発言です。この認識は濱野区長も同じなのか、伺います。
そして、理解が十分ではないと判断するならば、そのことを国交省に伝えるべきと思いますが、あわせて伺います。
こうした中、国は住民説明会(第5フェーズ)を発表。この中で、新たに検査飛行や騒音イメージ、落下物対策などを示しました。
区はこれまで、国の説明について「新ルート案自体について容認はしていない。説明や対策はまだまだ不十分」と繰り返し答弁しています。第5フェーズで新たに示された対策について、区はこの内容で新ルートを容認するのか、伺います。
第5フェーズの内容は全く容認できるものではありません。
検査飛行は小型セスナ機であり、住民が求めるテスト飛行ではありません。
また、新たな落下物対策でも事故はゼロにはできません。市街地の上を飛ばないのが唯一の「安全安心を最優先」の方策です。重大な危険を隠して安全だと偽り、国策だからと自治体に押しつける。
これは原発の場合と同じです。かつて区長は、原発事故を受けて「原子力発電所が所在する自治体の長は、必要であるとか必要でないとか、考えを述べることは長としての義務」と述べています。
品川区も「一番影響が大きい区」と認めるこの新ルートについて、自治体の長は、必要であるとか必要でないとか、態度を表明する義務があるのです。原発立地自治体の長と同様に、濱野区長は新ルート計画について賛否の態度を示す義務があると思うが、いかがでしょうか。
そして、国に対し計画撤回を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
次は、「所得が低いのに保険料はいちばん高い 国保料引き下げは政治の責任」です。
今、国保は、加入者の8割近くを高齢者とワーキングプアで占める「社会的弱者の医療保険」となっています。
ところが、保険料は他の医療保険よりも異常に高く、負担は限界です。国保の構造問題であり、現在の医療保険制度の抱える根本的な不公平として、政治が解決を迫られている問題です。
例えば、給与年収400万円の子ども2人の30歳代の夫婦の国保料は年42万6,000円ですが、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの場合の保険料は年19万8,000円。2倍以上の格差です。大企業の労働者が加入する組合健保とは、より大きな格差です。
この原因は、国保加入者の貧困化・高齢化に加えて、もともと国保は加入者に低所得者が多く、保険料に事業主負担がないことから、相当額の国庫負担が必要な制度として構想され、実際行われてきたのに、1984年以降、それが削減・抑制されてきたことです。したがって、国保の構造問題を解決してこの不公平をなくすには、当初の制度趣旨どおり、国や自治体が公費を投入する以外にはありません。これは、全国知事会と都道府県議長会、全国市長会と市議会議長会、全国町村会と町村議長会の地方6団体もこぞって求めています。この地方6団体と同様に、所得が低いのに保険料は一番高いことが「国保の構造問題」根本問題であり、その解決のためには公費投入が必要であるという認識が品川区にもありますか、伺います。
この公費投入を当然の前提としても、国保には他の被用者保険よりも保険料が高くなる重大な欠陥があります。「均等割」という保険料算定です。被用者保険の保険料は、収入に保険料率を掛けて計算します。支払う者の支払う能力に応じて保険料を決めるという当然の算定方式です。
ところが、国保料は、所得に保険料率を掛ける「所得割」のほかに、世帯員の数に応じてかかる「均等割」があって、必ず徴収されます。39歳以下の人では1人年5万1,000円で、生まれたばかりの子どもにも必ずかかります。明らかに子育て支援に逆行する制度です。そして、これこそが国保料を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている最大の要因です。したがって、本来早急に廃止すべきものであり、全国知事会などもやはり「均等割」の見直しを主張しています。
そこで品川としては、まずは子どもの「均等割」を無料化すべきです。対象は5,700人、必要な予算は最大で2億9,000万円、ほんのわずかの予算でできることです。改めて品川区独自に子どもの「均等割」無料化に乗り出すことを求めますが、いかがでしょうか。
品川区は、当初の国保の制度趣旨どおり公費を投入していくのではなく、保険料を引き上げる路線を選択してきました。その保険料引き上げ路線の仕上げとして徴収強化、すなわち差し押さえの問題があります。
区は、給与や年金であっても預金口座に振り込まれたものは全額差し押さえることができるとして、実際差し押さえてきました。しかし、厚労省は、ことしの1月、給与等については、本人は月10万円、配偶者その他の親族は1人4万5,000円までは差し押さえることができないという「留意事項」を地方自治体に通知しました。
品川区は、この「留意事項」を守っていると言いながら、「留意事項」の通知後も預金口座に振り込まれた給料は全額全額差し押さえています。「留意事項」の通知後、これを守って、この内容どおりに差し押さえなかったのは何件あるのですか。また、預金口座に振り込まれた給与等について全額差し押さえながら「留意事項」を守っているというのは、具体的にどういう意味ですか。具体的にどういう事項をどのように持っているのですか。それぞれ伺います。
滞納者に郵送する真っ赤な封筒の問題も、品川区が保険料を引き上げる路線を選択し、その仕上げとして徴収を強化しているという問題だと思います。保険料を引き上げ、徴収強化によっては国保を持続可能な財政基盤の強い制度とすることは不可能です。赤い封筒で脅して取り立てる行政はもうやめにしませんか。伺います。
次は、「(株)TOCに貸し付けた旧一日野小跡地は区民の貴重な財産 返還を求め、特養・公園・保育園など区民のための活用を」です。
2010年9月、旧一日野小跡地が一株式会社に貸し付けられるという前代未聞の事態から既に8年、区が議会と住民に説明した2020年9月の貸付期限まであと2年を切りました。
TOCは学校跡地に実質的な2つ目のイベント会場を建て、本体ビルのイベント会場の稼働に加え、ここでもイベントやバーゲンなどを展開、一企業の商売のために学校跡地が使われているのが実態です。
区の貸し付けの理由は、TOC本体ビルの建替時の代替用地でした。区は、契約期間を2012年9月からおおむね8年と説明しつつ、契約上は地上権を主張されることがないように10年間の事業用定期借地権を設定したとも説明しました。
また、区は、契約の翌年に五反田地域のまちづくりビジョンを策定、TOCを3つのにぎわい拠点の1つに位置づけ、にぎわい拠点としてランドマークとなるようなシンボリックな景観を形成としました。結局はTOCの超高層再開発のために区が学校跡地を貸し付けたということです。
しかし、TOCの建てかえの動きは全くありません。今日はそれを認めつつ、建てかえの意思はあると今でも聞いている、都市計画手法を使って建てかえをやりたいと相談に来ているなどと答弁。
しかし、都市計画決定手続は一般的にも最低2年はかかると言われ、貸し付け期限の2020年9月には間に合いません。 ビル内のある老舗テナントに話を聞きました。これまでは2年ごとの契約だったが、直近では2020年までの3年契約を結ぶことになった。
ビル内の権利は複数の区分所有があり、そう簡単には建てかえはできないのでは。
建てかえ中に旧一日野小跡の建物に移るという話も全くない。6か月前には提出を迫られることになるが、商売の見通しが立たなくて困っているとの話でした。
貸付期限である2020年9月までにTOCが都市計画手法で戦いをするのは不可能ではないのか伺います。 2020年9月までの建てかえの見通しもなくなり、貸し付けの目的は失われているのではないのか伺います。
旧一日野小跡地は直ちにTOCから区への返還を求めるべきだが、いかがでしょうか。
年間1億1,000万円余の貸付料に加え、TOCには既に移転した一日野小の建て替え費用の一部を負担してもらうとも約束されましたが、いまだ果たされていません。この約束はいつ渡されるのか、金額は決まったのか、伺います。
そんな中、区もさきの決算委員会で、その後の活用についてどのような活用ができるのか、タイム的にはどのようなことができるのか、庁内で検討に入り始めていると答弁しました。私は、改めて地域を歩き、声を伺いました。紹介します。
特養ホームや公園など住民が使えるものに今は人がぞろぞろ来ているが、地元には全く関係がない。学校選択制で小学校区を単位にした地域のきずながつくりづらくなった。学校跡地には地域の交流ができるものを。
以前学校にあった樹木が大分切られてしまった。緑があるほっとする公園を。公有地なのに一企業が使っているのはおかしい。活用の仕方は地域の声で決めてほしいなどです。
区は庁内で活用の検討に入っていると言うが、いつまでに何を検討しているのか伺います。
旧一日野小跡活用の検討に当たっては、地域住民を初め区民参加を貫き、要望が強い特養ホーム、憩える公園、認可保育園などを求めますが、いかがでしょうか。
最後は、「星薬科大学のイチョウ並木を壊すな! 防災に役立たない放射2号線道路は中止を」です。
荏原2丁目の星薬科大学は、緑に囲まれ、地域のオアシスです。薬草園の見学など地域に開かれ、親しまれています。その本館の建物はDOCOMOMO Japanの保存指定を受け、そこまで続くイチョウ並木のすばらしい景色は絶賛されています。地域で反対運動が起きている放射2号線道路は、この大学構内を貫通し、分断します。
大学は、2015年、都知事に「星薬科大学の大学としての機能を維持することに関する陳情」、1万7,000署名を提出し、放射2号線の再検討を求めています。
陳情書では、「百年余の歴史を持つ大学の構内中央を、幹線道路が貫通する都市計画をいまだかつて聞いたことがない。25メートル道路が貫通することになれば、安全性、教育環境が悪化し、大学の機能が著しく損なわれる。精密機器が振動で機能しなくなる。特に薬草園がなくなれば星薬科大学は存在できない。大学を将来にわたって守り続けたい」と訴えています。
共産党の笠井亮衆院議員の質問で、文科省は「教育にふさわしい環境が求められる。道路建設は当該大学が決定すべきこと」と答弁しています。
教育環境を壊す放射2号線を大学が反対する以上、進めることはできないと考えます。いかがでしょうか。
放射2号線は、平塚橋交差点から旧中原街道を左に折れ環状6号線へ抜ける全長1.2キロメートル、幅25メートルの都道です。72年前の戦災復興道路が、2012年、濱野区長が住民の意向を無視して手を挙げたため、「特定整備路線」に選ばれ、2020年完成をめざす無謀な計画です。
特定整備路線は「木密地域不燃化10年プロジェクト」の目玉事業ですが、この地域は木密地域ではありません。
東京都危険度調査では、荏原1丁目、西五反田5・6丁目の火災危険度は、5段階評価で低いほうから2番目。荏原2丁目だけが危険度3ですが、面積の半分は星薬科大学であり、イチョウ並木は火災から地域を守る延焼遮断帯です。
木密地域と決めつけた計画は、長年培ってきた地域のコミュニティを壊し、災害時のリスクとなります。緑豊かな星薬科大学構内は、延焼遮断効果のある防災拠点です。イチョウ並木を壊す放射2号線は地域の防災に逆行します。いかがでしょうか。
土地の買収率はわずか18%ですが、住民は道路予定地の立て看板と緑のフェンスで囲われた空き地の存在に不安を募らせています。道路で追い出される住民のみの問題ではありません。
沿道幅30メートルは将来地区計画変更による再開発が狙われ、不動産業者が高層マンション建設用地買収に動いています。環境が大きく変わるのに、都と区は説明会を2013年に2回、2017年に1回開いただけで、参加者は合計550人のみ。多くの反対の声に応えることなく打ち切られました。
その後、説明会を求める声に一切応えていません。国への不服審査請求86人への回答すらなく進めるとは、まちづくりの根本である住民合意を無視しています。都と区は、沿道30メートル住民も含め、何割の住民への説明ができたと考えているのか伺います。
住民の要求に応え、公開説明を開くべきと考えますが、いかがでしょうか。
区は、「発生時の火災延焼を防止、緊急車両の通行など防災性の向上と交通の円滑化の拠点、重要な道路」と説明しますが、道路で火災を防げないことは糸魚川の大火災でも示されています。
防災を口実とする放射2号線道路の中止を求めます。いかがでしょうか。
1997年から4回の全国交通量調査結果では、中原街道など周辺道路は全ての調査で交通量は減少、中原街道、旧中原街道、首都高速目黒線3本も道路がある地域です。住民は追い出す道理のない放射2号線道路はやめるべきです。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
私からは、東京都が進める特定整備路線である放射2号線についてお答えいたします。
初めに、沿道の権利者の声についてですが、区はこれまでも都に対し、大学も含めた関係権利者への丁寧な説明や対応を求めてまいりました。都も引き続き丁寧な説明と親身になって相談を受けるとしており、区も丁寧な対応を行うよう引き続き都に求めてまいります。
次に、延焼遮断帯の考え方についてですが、都が進める特定整備路線は、路線全体での延焼遮断帯の形成と交通の円滑化を図ることを目的としており、これと連携して沿道の不燃化も重層的に取り組んでいくことが重要であると考えております。
次に、公開説明会の実施についてですが、都によりこれまでも、複数回の説明会を個別直接の開催案内のもと実施されてきたところであります。都は現在、関係権利者への個別直接の対応を行っているとのことであり、区として公開説明会の実施を求める考えはありませんが、引き続き丁寧な説明を行うよう強く求めてまいります。
都が進める放射2号線を初めとした特定整備路線は、発災時の火災延焼を防止するとともに、緊急車両の通行など防災性の向上と交通の円滑化の観点から重要な道路でございます。
燃えないまち、燃え広がらないまちを早期に実現するため、都が進める放射2号線などの整備に対し、中止を求める考えはございません。
その他のご質問等につきましては各担当部長等よりお答えを申し上げます。
私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
初めに、区民の安全安心についての考え方ですが、区は、国から新ルート案が示されてから今日に至るまで、一貫して区民の安全安心を最優先に国に強く求めてまいりました。
これからも安全安心を最優先の考え方を基本とし、国に対し騒音影響の低減や落下物対策の取り組みなどのさらなる徹底的な対策を具体的に示し、あわせて地域への丁寧かつきめ細やかな説明を行うよう強く求めてまいります。
また、選挙はさまざまな観点から有権者が総合的に判断するものであると認識しております。
次に、区民の理解につきましては、現在も計画を知らない、詳しく教えてほしいという声が寄せられていることから、区民の理解が十分でないと捉えております。
現在、国は、第5フェーズとして、新たなオープンハウス型説明会を12月15日から品川区を第1に開催することとしております。 第5フェーズで示される対策についてですが、区としまして、本年8月に改正された落下物対策にかかわる関係法令の運用の徹底など、その実効性の担保について求めているところです。
また、騒音影響の低減に向けた対応として、防音工事助成の具体的な内容を早急に示すよう、あわせて求めてまいります。
また、第5フェーズ説明会に加え、区のかねてからの強い要望に基づき、初めて品川区において教室型説明会が実現することになったところでございます。
国はまず、大井第一地域センター管内を対象として開催し、他の地区においても順次開催するとしています。区としましては、区民の立場に立ち、地域の声をしっかりと国に届けるとともに、区民の不安の払拭に向け、引き続き安全安心を優先して対応していく考えでございます
私からは、国民健康保険料についてお答えいたします。
今年度から始まりました国保制度改革では、持続可能な医療保険制度を構築するため、区市町村とともに東京都も保険者となり、財政基盤の安定化を図り、加えて国や都が激変緩和策を行うなど、さまざまな財政支援を実施しております。
国民健康保険料は、国民健康保険の財政運営を支える根幹でもあります。財源の確保につきましては、区は、特別区長会、全国市長会を通じて、国や都に対して今後も引き続き要望してまいります。
次に、区独自の子どもの均等割の無料化につきましては、その負担をさらに一般財源で賄うこととなり、非常に困難と考えております。区といたしましては引き続き特別区長会および全国知事会を通じて国に求めてまいります。
次に、留意事項の給与等の差し押さえ禁止の基準は、生活保護法における生活扶助基準となる金額は差し押さえすることができないと書かれております。
区では今までもこの留意事項の給与等の差し押さえ禁止の基準にのっとって全件実施しております。
次に差し押さえ禁止財産の考え方についてですが、最高裁判所において差し押さえ禁止に係る給付金も預金口座に振り込まれた場合は、預金債権に転化するため、差し押さえ禁止財産の属性は承継しないとしております。
また、これまでも区では納付相談や財産調査など丁寧に実施し、必要に応じて執行停止も実施しており、今後も留意事項を踏まえ、判例、法令等を遵守し、適正な滞納処分に努め、国保制度の安定性や公平性を引き続き図ってまいります。
最後に、保険料は本来自主納付が原則と考えておりますが、納付に応じない一部の被保険者に対しては納付相談を通じて滞納整理事務を行っております。
国民皆保険制度という相互扶助の考え方に基づき、この制度が維持継続できるよう、事務の執行に当たっては、収入や資産の状況、世帯構成など、個々の生活状況を総合的に鑑みて行っております。
また、生活が厳しい方につきましては、今までも必要に応じて生活保護や就労支援へのご紹介をしております。引き続き、個々に応じた納付相談などを窓口や電話にて丁寧に対応してまいります。
私からは、第一日野小跡地におけるTOCへの貸し付けについてお答えいたします。
まず、TOCビルの建てかえにつきましては、現在、その手法を含め、事業内容についてTOCが検討を続けている段階であり、今後のスケジュール等について決定されたものではありません。
また、貸し付けの目的が失われたのではないかとのことですが、TOCは建てかえの意思はあるとのことであり、区として貸し付けの目的が失われているとの認識はございません。
こうしたことから、直ちに区有地の返還を求める考えはございませんが、TOCに対しては、早急に事業が進むよう今後も申し入れをしてまいります。
次に、第一日野小学校の移転にかかわる負担についてですが、現在その内容や時期などについて協議を行っているところです。
次に、区有地のその後の活用についてですが、区のさまざまな行政ニーズや地域特性などを踏まえ、総合的な視点で検討を進めてまいります。
自席より再質問させていただきます。
まず、羽田新ルート計画です。結局、区長はお答えになりませんでした。
しかし、市長の就任会見の発言は重大です。「一品川区が反対するわけにはいかない」とは、新ルート計画に賛成するということですか。端的にお答えください。
次に、国保です。子どもの均等割の無料化のための負担を一般財源で賄うことは非常に困難だと言われました。しかし、これは子育て支援の問題です。子育て支援になぜ税金を使うことができないのか、伺います。
そして、差し押さえです。給与等が預金口座に振り込まれた場合には、留意事項とは関係なく、最低生活費を差し押さえるということですね。伺います。
それから、旧一日野小跡地。TOCが検討を続けていると言われましたが、TOCが考えている都市計画手法では最低2年はかかると言われているのですから、明らかに20年9月に間に合うわけないではないかと思います。これも伺います。
最後に、放射2号線。関係権利者への丁寧な説明や対応と言われました。しかし、星薬科大学は、放射2号線ができれば大学は存在できないとまで言っています。文科省も、道路建設は当該大学が決定すべきことと言っています。
私は、大学が反対している以上、放射2号線は進められないのではないかと伺いました。これもはっきりとお答えください。
以上、よろしくお願いいたします。(拍手)
再質問にお答えいたします。
初めに、羽田空港の機能強化についてです。
こちらは、国が示しました新飛行経路案につきましては、複数の自治体の上空を通過するというところでございますので、一自治体だけの考えで国として判断をするというようなことは聞いていないところでございます。また……
したがいまして、区としましてまずなすべきことは、一自治体としてしっかりと区民の声を国に届けるというところであると認識しているところでございます。
続きまして、TOCでございますけれども、こちらのほうは、今さまざまな手法というところでございます。これは、再開発高度利用地区特定街区の手法、さまざまございます。
また、総合設計等もございます。こういった中で、必ずしも2年以内で事業が完了するというところはまだ言い切れるところではございませんし、また、現在はTOCにおいて、そのさまざまな手法のどの一つを選択するかというところが未定というところでございますので、区としまして、こういった手法にしなさい、こういった手法は間に合わないからというような、そういった発言をするものではなく、TOCが自ら判断するものというふうに考えてございます。
また、放射2号線についてでございますけれども、大学が反対したら進められないというところでございますが、これは区としましても、この道路の整備をした後も、文教施設である大学が末永くこの地で学校として存続するというところは区としても願っているところでございます。したがいまして、先ほども答弁申し上げました、都に対して区は丁寧な対応をしていただくように求めているというところでございます。
この特定整備路線の放射2号線でございますけれども、一路線で考えた場合に、大学だけでなくたくさんの地権者もございます。
ただ、大学も非常に重要な施設でございますので、区といたしましても存続に向けて、丁寧に、しっかり真摯に、誠意を持った対応をするように都に引き続き求めてまいりたいというふうに考えてございます。
私からは、国民健康保険に関する再質問についてお答えいたします。
まず、区独自の子どもの均等割の無料化につきましては、これまでも区といたしまして特別区長会、全国市長会を通じて国に求めているものでございます。
国からは法定外繰入金を解消、縮減するよう求められておりまして、子どもの均等割軽減を区が独自で実施することは非常に困難でございます。
次に、留意事項、差し押さえとの関係等でございますが、区ではこれまでも、今までも、この留意事項の給与等の差し押さえの基準にのっとって全件実施をしているところでございます。
納付相談ですとか財産調査など、丁寧に実施をして、必要に応じて執行停止も実施しているところでございまして、今後もこの留意事項、また判例・法令等を遵守して適正な滞納処分に努めてまいります。
まず、羽田新ルートです。
もし、国がこの計画を強行するのなら、その実施までもう1年半ほどで、間近に迫っています。
実施されれば、区民の日々の生活、健康、生命などに取り返しのつかない害悪をもたらすことは明らかです。区長の計画容認というのは、この区民への害悪発生を容認することになります。
品川区もいよいよその態度を「容認」から「撤回」へと切りかえるべきです。そのことを私としては強く求め、かつ、もう一度お伺いします。いかがでしょうか。
次に、国保です。国保料は国保財政の根幹と言われました。
しかし、国保財政は、この国保料とともに法的負担によって支えるべきものです。公的負担も国保財政の根幹であることは認められますか。そして、この公的負担が一方的に削減・抑制されてきたことが今日の国保財政の危機を招き、高過ぎる国保料という国保の構造問題を引き起こしていることを認められますか。
そして、そうである以上、この問題の解決のためには、保険料引き上げ、徴収強化ではなく、公費投入こそが必要不可欠だということを認められますか。このことをもう一度はっきりとお答えください。
それから、最後に、放射2号線です。放射2号線、大学に限らず、立ち退きを迫られる住民は、都から強制移住を迫られているに等しい状況にあります。この方々の生活が著しく損なわれ、その人生は大きく狂わされ、壊されてしまいます。皆さん本当に苦しんでいらっしゃいます。
防災というのは、本来、人の生活と命を守るためのものです。人の生活と人生を踏みにじって犠牲にしてしまうような行為を、防災とは言えないのではないでしょうか。この点、伺いたいと思います。
再々質問にお答えいたします。
初めに、羽田空港の機能強化についてでございますけれども、こちらは先ほども申し上げましたが、この新飛行経路案のルートを通る自治体は品川区だけではございません。
しかし、品川区は一番影響を受ける自治体というところを踏まえ、しっかりと国に対して今後の対応、さまざまな環境影響に配慮した方策について、その具体的な内容、そしてその実効性について強く求めていく段階であるというふうに認識をしております。
また、放射2号線についてでございますが、こちらのほうも現在用地をお譲りいただくという、そういった交渉を東京都が行っていると聞いております。
また、早く土地を売りたいという方もいらっしゃることも事実でございますけれども、そういったさまざまな意見に対して、品川区としても区民の立場に立って、都に対してしっかりと対応するように求めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
私からは、国民健康保険料に関します再々答弁をさせていただきます。
公費投入に関する区の認識というご質問でございます。平成27年に、持続可能な医療保険制度を構築するために国民健康保険法の一部が改正されました。
この背景としては、増大する医療費等があって、財政基盤の安定化が重要であるということでございます。財源の確保については、区は特別区長会、全国市長会を通じて国や都に対して今後も引き続き要望してまいります。