2019.2.20 安藤 たい作 区議
質問項目
日本共産党品川区議団の代表質問を行います。
初めに、新しい長期基本計画は、安倍政権の悪政から住民の暮らしを守る防波堤となる計画にの質問です。
年金削減や国保料の値上げなど相次ぐ社会保障の切り下げと負担増、消費税10%増税、残業代ゼロや入管法など法改悪を進め、原発再稼働や羽田新ルート計画まで、99%の国民を犠牲にし、1%のための政治を進める安倍政権。区民の暮らしと営業は危機に瀕しています。共産党の区民アンケートの暮らし向きの問いに、「変わらない」、「どちらかといえば苦しくなった」、「苦しくなった」は、合わせて9割に上ります。国の悪政のもと、住民福祉の増進を基本とする地方自治体の役割が問われています。
しかし、区長の政府方針からは、区民の厳しい暮らしの実態は全く見えてきません。
戦前、明治憲法下では、地方団体は国の下請、出先機関でした。国が中央集権的に国民を統制し、国民の暮らしや人権など顧みず、戦争に暴走した反省から、戦後、日本国憲法がつくられ、戦争放棄や国民主権を定め、戦争を進めようとしたときにはこれを抑止する民主的装置として地方自治が位置づけられ、自治の尊重、住民福祉の増進が原点とされました。
ところが、歴代自民党政治は、こうした役割から自治体を民間企業の私益追求の場に変える民営化・市場創出路線、社会保障を権利からサービスに置きかえる解体路線を強め、いわば財界のための自治体へと変質させてきました。それは安倍政権で加速。地方自治体が国の言いなりに福祉と暮らしを切り捨てるのか、それとも、住民福祉の増進を基本に住民の暮らしを守る防波堤となるのかが問われています。
品川区制も、こうした自治体のあり方をめぐっての攻防の流れと無縁ではありません。かつて品川は、まさに福祉先進区・品川でした。1972年に全国初の準公選で、区内の労働組合、市民団体と、社会、共産、公明の推薦で多賀革新区政が誕生。1967年誕生の美濃部革新都政とあわせ、数々の先進的な福祉施策を展開。公立保育所の大幅増設と産休明け保育や障害児の受け入れ、全国初の心身障害者福祉センター、勤労者福祉会館等の建設、公設公営の学童保育の創設と指導員の正職員化、福祉先進区・品川、「子育てするなら品川で」は、この時代に築かれました。
ところが、その後、自民党、財界は、革新自治体潰しを全国で展開。1979年には多賀区政が自民に取り込まれ、公明党も追随。区政の逆流が始まりました。
以来、高橋・濱野区制のもとで30年余。徹底した福祉と職員削減、大型開発偏重の区政が続きました。
お泊まり保育や父母の会廃止など、保育を向上させてきた職員と保護者の手つなぎにくさびが打ち込まれました。保育園や学校の給食、図書館窓口、学童保育を廃止し、すまいるスクールへの置きかえなど、安上がりの民間委託が加速しました。
一方で、防災等を口実に、超高層ビルの大規模開発を規制緩和や税金投入で推進。1990年、森ビルを皮切りに、累計18事業、超高層ビル28棟、税金投入額は1,300億円余に。再開発をさらに進めるため、29・28号線、放射2号線などの道路整備も推進し、戸越公園駅などへ際限なく拡大。歳出に占める土木費の割合は、今や23区中2位です。
こうして変質した区政のもと、福祉の品川は、あらゆる分野で23区で最低の福祉にまで落ち込んでしまいました。特養ホームと老健施設を合わせた整備率は23区で最下位、他区では生活圏ごとにある高齢者の総合相談窓口、地域包括支援センターは区内1か所のみ、これは品川だけです。介護の認定率は21位、保険料を18億円余もため込み、保険あって介護なしの状況です。グループホームなど障害者の施設整備率は軒並み最下位クラス、区立保育園の詰め込み率も23区で最悪です。
こうして住民福祉を抑制し、1,000億円もの基金をため込む一方、再開発には桁違いの税金を投入。例えば国際教習所跡の住友の再開発には185億円。500人が待つ特養ホーム建設費は100人定員で約30億円なので、ここだけで特養6ケ所分、待機者をゼロにできる金額です。区民や福祉にはお金を使わず、大企業の不動産業支援には惜しみもなくお金を使う。自治体としてゆがんでいます。
区政の変質のもとでも、区民は請願署名などの運動を広げてきました。羽田新ルート容認など国追随の区政運営への批判も高まる中、区政史上初めて市民と保守・革新を越えた政党の共闘で、住民の暮らしを守る区政への転換を求めた大激戦が昨年の区長選挙でした。
ことしは、今後10年の区政運営の方針を定める新たな長期基本計画策定の年です。にぎわいや観光を名目に新たな再開発にのめり込むのではなく、区民の生活をしっかり見詰め、住民福祉の増進という地方自治体の役割を果たす計画にするよう求め、質問します。
長期基本計画には住民福祉の増進という地方自治体の役割を明記し、国の悪政から区民の暮らしと福祉を守る立場を貫くよう求めます。
福祉を削りため込んだ1,000億円を計画的に活用し、高齢者・障害者施策をはじめ、23区で最低水準の品川の福祉施策の抜本的引き上げに使うよう求めます。
超高層再開発への税金投入をやめ、税金の使い方は、区民の暮らし・福祉充実を第一にすべきです。それぞれいかがでしょうか。
コミュニティーバスについて伺います。
区民の声と運動を受け、導入に踏み出したことは歓迎します。一部の路線に限らず、住民ニーズ調査を行い、公共施設、病院、商店街など区民が行きたい場所へ、全区域を対象にした路線の検討を求めます。いかがでしょうか。
次は、情報公開は区民参加の大前提、長期基本計画に区政の区民参加を位置づけよです。
羽田新ルートや特定整備路線を住民被害そっちのけで進め、福祉が23区最低レベルになっている背景には、情報を隠蔽し、決まったことを区民に押しつけるトップダウンの区政運営があります。
情報公開は、住民が区政に参加し、監視するための知る権利の保障と行政の説明責任の具体化です。
2つが機能することで、区政への住民の信頼と理解を深め、住民参加を促進し、公正で開かれた区政を推進できますが、区の情報公開条例の目的には、区民参加の文言がありません。区民参加に背を向けた区の姿勢が弊害を生んでいます。
障害福祉計画の作成時、ほとんどの区は当事者にアンケートをとりましたが、品川はやらず、広範な当事者意見が反映されていません。多数にかかわる介護保険計画作成時にも、ほとんどの区が説明会を実施したのに、品川は未実施。パブコメ時の説明会開催の方針もなく、必然的に意見は少数となり、環境基本計画ではわずかに3人でした。各自治体の姿勢が特にあらわれるのが庁舎建てかえ検討時です。
世田谷や立川では区民参加で計画をつくった一方、豊島や渋谷では、大企業主導で進め、区民財産である土地を民間に売り渡す結果になりました。
区民の財産である庁舎は、自治のとりでであるとともに、区民が相談しやすく、使いやすいことが大切。計画段階から区民とともに考えるべきですが、品川の庁舎建てかえ検討報告書を公開請求すると、区民の間に混乱を生じさせることを理由に、報告書名や既に発表されている現状計画以外、合計約200ページのうち9割が非公開。課題を挙げた141か所の図面全てと、将来のあり方、目次やサブタイトルに至るまで黒塗りでした。
長期基本計画に政策立案段階からの区民参加を位置づけ、パブコメや行政計画策定時などの説明会の開催や区民アンケート、区民同士の討議を行うよう求めますが、いかがでしょうか。
区は、区の情報は区民の財産と認めながら、公開手数料を徴収。手数料を払っても非公開や黒塗りのことも。住民から手数料を取っているのは23区で2区のみ。区は、特定の者のための事務なので、経費を税金で賄い、ほかの住民に転嫁するのは妥当ではないと言いますが、情報公開は行政の説明責任を果たす日常業務の一環であり、区民参加に必要不可欠の手段です。区政運営全体に資するもので、個人のためではありません。情報公開は個人の利益でなく区政発展になるという位置づけに変えるべきですが、いかがでしょうか。
住民が請求する情報公開手数料の無料化を求めます。いかがでしょうか。
次は、羽田新ルート計画の実施まであと1年に迫る中、区民の意思表明のため、品川区民投票の実施を求めるです。
品川低空飛行計画が発表されて以来、区民の反対世論は日に日に強まっています。ところが、国はこれを無視し、2020年実施に向け、必要な空港整理、区内の公共施設の防音対策調査などを計画、強行の構えです。住民には住環境への影響や落下物リスクを小さく説明し、地元理解のないままに、横田空域の合意、東京都と合同の推進協議会の立ち上げ、住民不在で計画ごり押しは許されません。
国により開催され始めた教室型説明会では、参加者より品川区はどう考えているのかとの質問があり、区は計画を容認しているわけでも了承しているわけでもないと発言。区民を前に区長の計画容認をひた隠し、堂々とうそをつくとは許せません。これまでも指摘してきたとおり、濱野区長自らが国交省に出向き、理解を表明し、国からは感謝までされていた事実は、国の面談記録に残されています。また、区長自身も、区長選後に、一品川区として反対するわけにはいかないと計画受け入れを表明。国に高度を少しでも引き上げ直前で着陸する方法も求めましたが、それ自体、品川上空を通過することを容認しているものです。議会で担当部長も、ゼロにはできない騒音や落下物対策や説明を求めることに終始、結局は新ルート容認です。にもかかわらず、容認はしていないとは、事実をゆがめる発言です。
実施まであと1年。計画撤回を表明しなければ飛ばされてしまいます。今問われているのは、撤回を表明するかどうかです。とりわけ区民生活に重大な影響を及ぼす計画だけに、品川区の新ルートへの態度の意思決定に住民参加の位置づけは不可欠です。羽田新ルート計画の賛否について品川区民が意思表示をできるよう、品川区民投票の実施を求めます。いかがでしょうか。
区長は、施政方針で、計画への対応策に言及しませんでした。区民の生命、財産に深くかかわる最大の関心事に全く方向を示さないとは、区長の資格が問われる重大問題です。なぜ施政方針で羽田新ルート計画についての区の方針を示さなかったのか、伺います。
品川区、区議会、区民が力を合わせれば国策を変更させられることは、かつての当時の区長が先頭に立って市街地ルート強化に反対し、羽田空港の沖合移転を実現させ、現在の海上ルートに変更させた画期的成果からも明らかです。品川区独自の被害予測調査の実施、そして、改めて国土交通省に計画撤回表明を求めますが、それぞれいかがでしょうか。
次は、防災への税金投入は超高層再開発、巨大道路でなく、住宅の耐震化の拡充にこそです。
昨年は大きな災害が相次ぎました。災害が起きれば、その被害は個人の対応責任をはるかに超えるものになるだけに、住民の生命、身体、財産を守る防災対策は自治体の根本的責務であり、基本目的です。
地震などの自然現象は防げませんが、人間の英知で、災害にさせないことは可能。阪神淡路大震災では、死者の9割は建物の倒壊等による圧死、即死。熊本地震では、地震による直接死の4倍の人数が、その後の震災関連死で亡くなりました。被害を未然に防ぐ予防に重点を置いた対策の抜本強化が必要です。
区長は施政方針で防災を重点施策の2番目に掲げましたが、具体的な対策は、それに照らして不十分です。
一方、区が防災と称し強烈に推進しているのは、超高層の大規模開発と道路整備です。新年度予算には、武蔵小山や戸越公園駅、品川駅南などの再開発予算がめじろ押し。さらに施政方針では広町開発の動きを挙げ、区庁舎建てかえもこれに絡めて行おうとしています。
区は、超高層ビルは災害に強く、幅20メートル道路は延焼を防ぐと言います。しかし、区のハンドブックでも、1か月後までエレベーター停止のおそれと記されているように、超高層は、震災の停電で陸の孤島になります。高層階が長く大きく揺れる長周期振動などの危険性も。日常的にも、駅ホームの大混雑を生んでいる超高層による一極集中のまちづくりは、災害リスクを蓄積させています。
道路の延焼遮断なる効果はどうか。この根拠とされる阪神淡路大震災のデータは、あくまで無風状態の話。延焼シミュレーションも、車両の存在は考慮せず、区内気象データで年間ほとんどゼロの東西の風を想定するなど、あり得ない想定です。糸魚川では、飛び火が150メートル飛び、10か所で同時発火。その復興計画にも道路拡幅は入りませんでした。逆に、道路整備は、住民を追い出し、町会を分断、助け合いの防災ネットワークを壊します。
しかも、こうした再開発や道路には膨大な時間と労力がかかる上、桁違いの税金投入も。再開発にはこれまで1,300億円余、29号線など3本の特定整備路線にはこれから883億円、合わせて約2,200億円。これを住宅建てかえ・不燃化支援事業に振りかえれば、この半分で区内の未耐震木造住宅を全て耐震化できます。住宅の耐震化は、地震の一撃から命を守り、避難所生活等による災害関連死も減らします。税金の使い方を切りかえるべきです。
防災を口実に再開発や道路が推進される背景には、大企業と行政のゆがんだ関係があります。再開発への税金投入は開発企業の利益を支え、例えば武蔵小山パルム駅前地区は事業費449億円、税金109億円。平均価格8,000万円とすれば、マンション487戸を完売する三井不動産の利益は57億円になる計算です。29号線で追い出される住民の生活再建に当たる相談窓口は住商建物、大成建設で、いずれも沿道で進む再開発にかかわる大手開発企業。既に20メートルに拡幅された一本橋では、商店街が消え、沿道には超高層ビルの林立が進行。道路は沿道開発のさらなる条件整備になっています。
これらの都市計画を決定する都市計画審議会のメンバーは区長が任命し、学識経験者枠4名のうち2名はもと区の建築・土木部長。大崎で進む再開発空間の維持管理等を任せられている一般社団法人の事務局にも歴代の土木部長が天下り。
防災を口実にして大手不動産業を支えることは、行政の役割ではありません。地震などの災害は待ってはくれません。防災対策の転換を求め、質問します。
超高層再開発を呼び込む開発補助金は廃止を含め見直し、税金は住宅耐震化の充実にこそ充てるよう求めます。
地域が不燃化特区のみに限定されている、解体除却、引っ越し、耐火、税減免をあわせた住宅耐震化・不燃化支援事業の全区への拡大と期限の延長を求めます。
あわせて、感震ブレーカー助成制度の全区拡大を求めます。
防災の役に立たない3本の特定整備路線は中止と廃止に向け動くよう求めます。
水利確保へ、防災井戸助成の創設と上下水道管の耐震化の促進、震災関連死を防ぐため、避難所環境の抜本改善を求めます。
庁舎建てかえはディベロッパー主導でなく、庁舎のあり方検討に住民参加を貫き、防災の拠点にもなるよう、低層建築を検討するよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
次は、若者が希望を抱いて成長し、安心して子育てできる品川をです。
内閣府の7か国の若者を対象にした意識調査によれば、職場・自分自身への満足度、憂鬱だと感じている若者の割合が最も高い国はいずれも日本。自分の将来について、「希望がある」、「どちらかといえば希望がある」の合計は、他の諸国が八、九割に対して日本は6割。「希望がある」に限ると、諸国が四、五割に対し、日本は約1割にすぎません。次の社会の主役となる若者が将来も今も夢も希望も抱けない社会に未来はありません。
ワーキングプアにブラック企業、保育園に入れない、高過ぎる学費や家賃、若者の意識の背景には、雇用の規制緩和、自助・共助を強調した社会保障の解体など、歴代自民党による自己責任という政策動向があります。さらに、多くの若者は、生きづらさや将来の不安すら自己責任の中に押し込め、その原因は全て自分のせいと自らを責める二重の苦しみに置かれています。
私は、区議になる前、4年、派遣で働いていました。漫画家をめざし上京、投稿しながら派遣で生計を立てていました。新人教育と研修マニュアル、勤務シフトの作成、欠勤が出れば呼び出され、休日出勤、正社員と同じ仕事をしながら交通費もボーナスもなし、2年に一度のアパートの更新料を払えば何も残らず貯蓄ゼロ、そのうち漫画を書く時間も余裕もとれなくなり、一体自分は何のために働いているのか、生きているのかと思いました。派遣業種のさらなる拡大など労働法制の規制緩和が進められた時期、政治が若者から人間らしい雇用と同時に希望や夢すら奪う、私はその一端を体験しました。
昨年10月、日弁連は、若者が未来に希望を抱くことができる社会の実現を求める決議を上げました。
「若者の時期は、子どもから大人へと成長し、アイデンティティを見出し、より高度な教育を受け、職業を選択するなど、多様な個性を持ちつつ試行錯誤をしながら数多くの人生の選択をするかけがえのない時期」とし、若者が自分の人生や生き方を自己決定でき、自由な再チャレンジの機会保障へ、教育、雇用、住宅、子育て支援など、包括的、総合的な対策を国や自治体に求めました。
以下、その立場も踏まえつつ提案します。
まず、若者が生きる力を育める場の提供です。子ども若者応援フリースペースは、「自分に自信が持てる」、「友達をつくる」をコンセプトに、不登校、高校中退、パワハラなどによる離職などでニート・ひきこもりや、病気を抱えるなど、さまざまな生きづらさを持つ子ども、若者がありのままでいられ、次のチャレンジのエネルギーを養える貴重な場所になっています。利用は無料で、時間も順次拡大され、小中学生から30・40代まで、130人の方が利用・登録しています。子ども若者応援フリースペースから現状の若者の苦しみの実態をつかみ、さらなる支援策につなげるよう求めますが、いかがでしょうか。
次に、学費です。大学学費の高騰の一方、世帯収入は大きく減少、経済的理由から進学を断念したり、学生の5割以上が奨学金を借り、いわゆるブラックバイトなどで学業を犠牲にせざるを得ない、社会に出た瞬間から数百万円単位の借金を背負う、先進国では考えられないことです。国が始めた給付型奨学金は対象が限定され、定数も2%程度とあまりに狭き門。区独自の給付型奨学金を大学に拡大するよう求めます。
また、国へ大学学費の無償化を求めていただきたい、いかがでしょうか。
次に、雇用です。区内最大の事業所でもある品川区は、率先して人間らしい雇用の場をつくるべきです。共産党の区政アンケートには、親が介護サービスを受けているが、働いている人たちの待遇が悪過ぎて見ていられないなどの声も寄せられています。区独自の介護士と保育士への賃金補助の実施、低賃金で不安定な待遇のため保育士不足を加速させる保育園の民営化は中止を求めます。
検討中の公契約条例には賃金の下限を盛り込み、官製ワーキングプアの解消につなげるよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
次に、住宅です。親元を離れ、独立した生計を営もうとする若者にとって高過ぎる家賃は大きな障害。区は民間住宅ストックが充足などの理由で公営住宅増設も家賃助成も拒否していますが、ストックはあっても高過ぎて入れません。区内の高過ぎる家賃が若者の自立を妨げ、暮らしを困窮させているとは思わないのか、伺います。
また、改めて、区営住宅の新規建設、建てかえ時の増設、緊急に単身若者などへ家賃助成の実施を求めます。それぞれいかがでしょうか。
最後に、待機児解消です。うれしいはずの出産のその瞬間から保育園に入れるかどうかの悩みが始まります。子育て支援が貧弱なため、若者にとって、結婚し、子どもを持つことはリスクのある選択になっています。施政方針で区長は実質的な待機児解消を果たしたと述べましたが、区のカウントでも19人いる待機児すら無視する発言で許せません。希望者全員が入園できる認可保育園の増設計画を立て、待機児をゼロにすることを求めます。いかがでしょうか。
また、4月入園の認可保育園1次申し込みの申請者数、入園内定者数、不承諾通知発送数と、ゼロ歳、1歳、2歳の年齢別数を伺います。
次は、競争で子どもを追い込む品川教育改革から子どもの権利条約を生かした教育への転換をです。
ことしは、子どもの権利条約の採択から30年、日本が批准して25年目。18歳未満の子どもを大人と同様権利を持つ主体と位置づけるとともに、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な子どもならではの権利も定めています。安心して命と暮らしが守られる権利をベースに、学び、理解し、成長し、自立する権利、ゆっくり休み、気晴らしをし、遊び、楽しむ権利、つまずき、失敗してもやり直し、立ち直る権利、子どもたちが仲間とともに生活や活動を企画し、運営し、取り仕切る権利、いずれもあるがままの子どもが権利主体としての子どもとして生活し、自分たちで育ち合い、社会的な主体として成長し、発展していくためには欠かせない大事な権利です。
ところが、日本ではこれらの権利がないがしろにされていると指摘されてきました。国連子どもの権利委員会は、日本の学校環境を極度に競争主義的と指摘、それが就学年齢にある児童の間で、いじめ、精神障害、不登校、中途退学、自殺を助長している可能性があると、1998年から3度にわたり勧告しています。
それを改めるどころか、自公政権下で加速。抽出だった学力テストが悉皆調査に変更され、小学校でも毎年のように学力テストが行われるように。学校は点数競争に追われ、子どものストレスは増大。不登校は2013年から増加傾向に転じ、統計集計以降最高値を更新。いじめの陰湿化と校内暴力の低学年化も進みました。不登校は競争から逃げる、いじめは競争で受けるストレスを他人に転嫁する、自殺は競争の中でプレッシャーを感じる自分を破壊するという行為にほかなりません。
この国の教育政策をリードしてきたのが品川です。区長も施政方針で、これまでも他自治体に先駆けた取り組みを行い、国の制度も動かすことになった9年間の一貫教育などにより、「子育てするなら品川区」などの評価もいただくようになったと述べ自慢。実際に区は、日本初をうたい、2000年、学校選択制を皮切りに、一斉学力テスト、小中一貫校の開校などを進め、それらはことごとく国の教育政策に反映されていきました。
しかし、問題は、それが子どもにどんな影響を及ぼしているかということです。私の周りには、ホームページで公表されているテストの点数の違いを見て隣の学校を選んだと話すママもいます。選択制と学力テストは、学校と教師を点数による子どもの獲得競争に追い立てています。学力テストは2年生から毎年行われ、テスト対策のためにページをめくる練習をさせる等、授業内容もゆがませています。
区が全国より多いと胸を張る授業時間や漢字ステージなどの前倒し・詰め込みカリキュラム、多過ぎる宿題は、子どもの大切な余暇と自由な時間を奪っています。早ければ2年生から始まる習熟度別学習は、子どもに早くから諦めや無意識の差別意識を植えつけかねません。 さらに、子どもたちの息苦しさを行き過ぎた学校スタンダードが加速。掃除中はしゃべらない、挨拶の仕方は言葉を発してからおじぎするなど、学校生活の事細かな立ち振る舞いから家庭生活のあり方までルール化され、子どもは自分を押し殺さざるを得ません。晴れた日の20分休みは校庭で遊ばなければならないとのルールを定めたある小学校では、教師が教室に子どもが残っていないか巡回していると聞きました。
遊んだり、失敗したり、自分で考えたり、話し合ったり、ぼーっとしたり、子どもの成長する大切な権利がないがしろにされる場に学校は今なっていないか、皆で考えなくてはなりません。競争・詰め込み型の品川教育改革から子どもの健やかな成長を保障する教育への転換を求め、質問します。
品川教育改革は、子どもの権利条約に定められている権利の保障の観点から検証、見直しするよう求めます。
子どもと学校を競争に駆り立てる学校選択制、毎学年行われる学力テストはやめるよう求めます。
子どもの内面を縛り、成長する権利をも奪う、行き過ぎた学校スタンダードは見直すよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
また、教師が子どもに向き合い、子どもの権利を保障できる環境づくりは不可欠です。教員の多忙化解消へ、土、日、祝日を含めた在校時間を把握すること、国への教員増と授業時間の削減の要求をそれぞれ求めますが、いかがでしょうか。
さらに、区独自の30人学級の実施で行き届いた教育環境をつくるよう求めますが、いかがでしょうか。
最後は、大軍拡、安倍9条改憲、戦争をする国づくりに反対しない区長をただすです。
安倍政権は、5年間で28兆円もつぎ込む空前の大軍拡に邁進。空母や長距離ミサイルの導入、トランプ大統領の言うままの戦闘機100機の爆買いは、攻撃型兵器の保有は自衛のための最小限の範囲を超えるためいかなる場合も許されないとのこれまでの憲法解釈を覆し、専守防衛を建前としてきた自衛隊を海外で戦争する軍隊へと変貌させるものです。
さらに、安倍首相は国会で、全ての自衛隊員が強い誇りを持ち、任務を全うできる環境を整えることは今を生きる政治家の責任と述べ、9条に自衛隊を明記する改憲への執念をあらわにしました。しかし、首相が改憲の旗振りをすること自体が憲法99条憲法尊重擁護義務と三権分立に違反する暴挙。憲法を守らない安倍首相に憲法を語る資格はありません。また、首相は、自衛隊募集に協力していないと自治体に難癖をつけ改憲の理由にし、若者の名簿を強制的に召し上げようとしています。行き着く先は徴兵制ではないでしょうか。
区長、今こそ憲法に定められた地方自治、戦争をとめる役割を果たすときです。区長は、外交防衛は国の役割、一自治体の長として意見表明をすることは控えるべきとの答弁を繰り返していますが、これでは区民の命は守れません。日本を戦争する国に改造する安倍9条改憲をとめるために、地方自治体の役割を発揮し、区長は反対表明を行うべきです。いかがでしょうか。
浪費的大軍拡への税金投入は、社会保障・福祉予算を圧迫します。区民生活を守る立場に立ち、軍拡中止を求めるべきです。いかがでしょうか。
以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
私からは、憲法と地方自治体の役割に関するご質問にお答えを申し上げます。
憲法には地方自治の規定が設けられ、それによって地方自治法が定められていると理解しております。自治法におきましては、地方自治体が住民の福祉の増進を図るため、それぞれの地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担うこととされており、もって国との役割分担が明確にされていると考えております。区といたしましても、地方自治体に課せられた役割をしっかりと果たしていくため、住民に身近な各種施策としての取り組みを着実に進めているところであります。
なお、何度も申し上げておりますとおり、国の安全保障等に関する各種事項は、国の責務として、その議論は国会の場合において十分に尽くされるべきであります。一自治体の首長である私が意見を表明することは差し控えるべきであるとのこれまでの考えに変わりはございません。
その他のご質問等については、各担当部長等よりお答えを申し上げます。
私からは、区政運営および長期基本計画、情報公開等に関するご質問にお答えいたします。
初めに、長期基本計画についてですが、この10年、計画の着実な実現を行い、防災対策や待機児童対策などの成果を上げてまいりました。世論調査においても9割の方々から住み続けたいとの回答を得ており、これまでの施策を評価していただいていると感じております。社会経済環境の大きな変化の中、新たな課題への取り組みも含め、品川区のさらなる発展に向け、新長期基本計画を策定するものであります。区民の福祉の向上に向け、さまざまな課題に全力で取り組んでまいります。
次に、基金等の活用ですが、ますます多様化する行政ニーズへの対応、区民のための施設整備など、必要な施策に効果的に活用してまいります。
次に、まちづくりに対する考えでありますが、区内で行われている市街地再開発事業は法に基づくいわゆる法定再開発事業であり、公共性が高い事業として、国の制度や要綱に基づき、適正に補助金を支出しているものでございます。基盤整備は区民の安全と安心のために大変重要な施策であることから、ソフト施策との両面から実施していくことが肝要であり、今後とも、それぞれの充実に努めてまいります。
次に、コミュニティーバスについてですが、運行ルートの検討に当たっては、既存バス路線網との競合やバス停の設置位置をどこにするかなどの課題もございます。想定される利用対象者や利用頻度、また、道路の現状調査を踏まえながら、利便性の向上、安全性などについて、地域の声もお聞きしながら検討してまいります。
次に、長期基本計画への区民参加についてですが、既に区内在住者や来街者向けアンケート、区内団体への意向調査やヒアリングを実施し、区政モニター集会や世論調査も活用するなど、幅広く施策への要望やご意見を伺っているところです。また、策定委員会についても、公募による区民委員や多くの区内団体関係者にご参加いただくとともに、会議や資料についても公開しているところです。今後は、ホームページ等を通じて適宜策定状況を公開し、パブリックコメントにて意見を聴取することを予定しており、説明会等については実施の予定はございません。
最後に、情報公開制度につきましては、従来から、品川区情報公開・個人情報保護条例に基づき、個人の権利・利益を擁護しつつ、区政の透明性を確保し、区民と区政との信頼関係の強化に資することを目的として、適切な運用に努めております。その運用に当たりましては、請求者に対し、公開までのプロセスでさまざまな役務の提供が生じることに鑑み、その対価として、地方自治法第227条に基づき、条例を定め、手数料を徴収しているものです。
私からは、羽田空港の機能強化と防災対策についてお答えいたします。
初めに、羽田空港の機能強化につきまして、区民投票の実施についてですが、現在、国による説明会が実施されている中で、区民の理解を深め、それを確認していくのは、計画の事業主体である国が行うべきものと考えております。区は、これまでも国に対し、さまざまな手法を活用した区民への丁寧な説明を求めてまいりました。国は、オープンハウス型の説明会に加え、新聞への折り込みチラシ、区内鉄道駅へのパンフレットの配置、また、教室型説明会を開始するなど、対応を行ってまいりました。先日も区へ、計画を知らなかった、説明が聞けてよかった、国の教室型説明会をもっとたくさん行うよう国に求めるべきとの意見もいただきました。区としましても、区民へのきめ細やかで丁寧な説明を行うよう、引き続き国に働きかけてまいります。
次に、施政方針は、区政運営の基本方針や区が実施する主要な施策の説明を行うものでございます。区として国の計画である羽田空港の機能強化への対応は、安全対策の徹底や騒音環境の軽減に向けた取り組みを具体的に示し、多様な手法を活用した区民への丁寧な説明の実施などを国に求めるものでございます。予測調査につきましても、責任を果たすべき事業主体である国が行うべきものであり、区民の不安の払拭に向けた丁寧な説明の実施とあわせ、国に求めてまいります。
次に、防災対策についてお答えいたします。
初めに、市街地再開発事業についてですが、法定再開発事業として、その必要性、公共性が認められ、国からも補助金が支出されているもので、区としましても、引き続き必要な支援を行ってまいります。なお、住宅の耐震化助成は、これまでも、災害に強いまちづくりを推進する観点から、助成額の拡充などを行ってきております。
次に、不燃化特区支援の区域拡大、期限延長についてですが、この支援は、木密地域のうち特に改善が必要な地区への重点的な取り組みであり、まずは都が定める目標期限まで全力で取り組むことが重要であると考えております。感震ブレーカーの設置助成については、不燃化特区における普及率向上が急務であることから、地区、対象の拡大は考えておりません。なお、住宅の耐震化助成は、既に区内全域を対象として実施しております。
次に、特定整備路線についてですが、発災時の火災延焼を防止するとともに、緊急車両の通行など、防災性の向上と交通の円滑化の観点から重要な道路でございます。燃えないまち、燃え広がらないまちを早期に実現するため、都が進める補助29号線などの整備に対し、中止、廃止を求める考えはございません。
次に、災害時の水利確保についてですが、計画上の必要量を確保していることから、助成制度を活用したさらなる水の確保は不要であると考えております。
また、上下水道の耐震化については、管理する東京都において計画的に耐震化を進めているところです。
区民避難所の環境改善については、国の方針や都の計画やガイドラインに沿って進めてまいります。
次に、庁舎についてですが、建てかえ計画の際には、用途、目的を考え、将来を見据えたあり方の検討が必要です。庁舎の改装につきましても、必要な機能を精査していく中で、敷地の有効利用も踏まえ、どのような形が望ましいか検討する必要があります。なお、意見の取り入れ方につきましては、議会の意見をお伺いするとともに、さまざまな手法を研究してまいります。
私からは、若者施策等に関する質問にお答えします。
初めに、子ども若者応援フリースペースについてですが、昨年策定した品川区子ども・若者計画における支援の拠点として、今年度は、相談と居場所機能の拡充を図ってまいりました。今後も、教育、福祉、保健等の各部門との連携を深めるほか、適切な支援先とのネットワークの構築に努めてまいります。
次に、奨学金の大学生への拡大についてですが、国が授業料減免や給付型奨学金の拡充を進めていることから、区独自での制度については現在考えておりませんし、国に対する大学無償化の要望も考えておりません。
介護士の賃金につきましては、介護報酬が基本となっており、処遇改善加算等の各種加算により、賃金の上昇が図られております。また、各法人が給与体系の見直しを行うなど、積極的に処遇の向上に努めているところです。保育士の賃金につきましても同様に、月平均で6万7,190円の改善をしております。したがいまして、区が独自に賃金助成を行う考えはありません。
保育園の民営化については、民間活力の観点から、予定どおり進めてまいります。
公契約については、平成31年4月1日から、品川区が発注する契約にかかわる労働環境の確認に関する要綱を適用する予定です。その後、労働環境等の状況を分析し、条例に関して検討してまいります。
次に、住宅についてですが、区営住宅の新設、増設については、公的住宅だけでなく、民間住宅も含めた住宅ストックが量的に充足していることから、新設などを行う考えはございません。また、単身の若者に対する家賃助成については、既に生活困窮者自立支援事業における住居確保給付金などの施策を講じており、家賃助成を行う考えはございません。
認可保育園につきましては、平成31年度に改定予定の子ども・子育て支援事業計画に沿って開設してまいります。
4月1次の入園申請者数、内定数、不承諾数は、ゼロ歳児がそれぞれ1,147件、941件、206件、1歳児が1,395件、880件、515件、2歳児が535件、375件、160件です。
私からは、教育についてのご質問にお答えいたします。
まず、本区の教育改革についてですが、平成28年度から進めている品川教育ルネサンスにおいても、知・徳・体をバランスよく兼ね備えた児童・生徒の育成をめざし、一人ひとりの資質、能力の向上に努めています。これは、まさに児童の権利に関する条約の教育の目的と一致するものと考えております。
次に、学校選択制についてですが、保護者アンケートにおいて、7割を超える保護者が選択制を肯定的に捉えていることなどから、区民ニーズにも応えている制度であると認識しております。また、毎年実施する学力定着度調査は、経年で一人ひとりの学力の定着状況を見取り、教員が個々の指導に生かし、授業改善を図るもので、競争をあおるものではございません。
次に、学校における決まりや約束ですが、児童・生徒が集団生活を送る上で、一定のルールは欠かせないものです。各学校では、児童・生徒の実態や発達段階に合わせて規律を整えることで、学習習慣を身につけ、安全で落ちついた学校生活を送れるよう、誰にでもわかりやすい具体的な内容を定めております。
次に、土、日、祝日を含めた在校時間の把握についてですが、原則として、教員の勤務日は出退勤システムで管理しております。土、日、祝日の在校については多様な状況がありますが、働き方改革に向けた実態把握としては、教員からの報告を徹底するなどして、適切に在校時間を把握することが大切であると認識しております。
最後に、教員配置、授業時数、30人学級についてですが、学級編制、教員配置および持ち時数は、国基準である標準法および都の基準に基づき進めております。また、本区では、既に少人数指導や教科担任制を通じ、複数の教員が子どもたちを見る体制を整えておりますので、区独自の30人学級を実施する考えはございません。
自席より再質問いたします。
まず、長計です。要するに、いろいろやっているとのお答えでした。しかし、私が聞いたのは、社会保障を削る国の悪政から暮らしと福祉を守る役割を区は果たすべきではないかということです。なぜその立場に立てないのか、伺います。
次に、区民参加です。長計策定時の区民参加というご答弁だったと思うんですけど、もちろんそれは重要なんですが、私が伺ったのは、長計の中に区民参加の区政運営を位置づけよという質問でしたので、ご答弁をお願いします。
羽田です。各地の教室型説明会に私も参加しましたが、賛成意見も、納得いく国の説明も皆無でした。およそ区民の理解が得られたとは到底言えない状況でした。区政の主人公は区民です。これだけ区民生活に重大な悪影響を及ぼす計画を区民の意思とは無関係に強行していいのか。私たちは、もちろん計画には反対です。しかし、計画への立場は違えど、少なくとも区民の意思を示す機会を保障するというのが民主主義というものではないですか。私は、区に区民投票を求めたんです。なぜ区民投票の実施を拒むのか、理由を伺います。
防災です。私は、本気で震災から住民の命を守ることを考えるなら住宅耐震化と求めました。地震は地域を選んでくれません。これを広げるという質問に対して、まずは重点的にという言葉もあったように思いますが、その先には、区内全域に拡大する考えがあるということですか。ご答弁をお願いします。
若者支援です。紹介した日弁連決議では、自治体に施策の実施を求めています。奨学金、待遇改善、住宅、ことごとくやらないという感じでした。これでどうして品川の若者が希望を持って成長できるのでしょうか。伺います。
保育園の不承諾発送数は、2歳児まででも900人近く、合わせますと。3歳以上を加えれば、ことしも1,000人超えです。これでどうして実質的な待機児解消などと言えるのか、伺います。
教育です。私は、質問で紹介した、子どもの権利条約に書かれているさまざまな権利が品川では保障されていないと思うがいかがかと聞きました。どこが保障されているのか、具体的に教えてください。
最後に、憲法です。あの戦争の反省から、戦後、憲法には地方自治が書き込まれました。区長は、戦争をする国にしようとされているときに、それをとめるのは地方自治体の役割だと考えないのか、伺いたいと思います。
以上です。
改めて、憲法改正の問題についてお答えを申し上げます。
憲法改正というのは、その中身は国会において議論すべきものだというふうに考えております。これは、先ほど答弁したとおりでございます。地方自治体において憲法改正について云々するということ、これは適当ではないというふうに思っておりまして、国においてしっかりと議論をしていただくようお願いをするところでございます。
以上です。
私からは、長期基本計画にかかわる再質問にお答えいたします。
まず、長期基本計画における福祉の増進の位置づけということでありますけれども、区の基本的役割そのものが住民の福祉の増進・向上でありますので、長期基本計画も住民福祉の向上のために策定するという、そもそもそういうものでございますので、計画にどういう文言を入れるかということにかかわらず、住民福祉の向上をめざすということを答弁したものでございます。
それから、長計への区民参加の位置づけということでありますけれども、先ほどご答弁申し上げたように、策定のプロセスでさまざまな区民の声、参加を経ているということでございます。長計そのものの区民参加の位置づけというものについては、今後の区政のあり方の議論の中で考えていくべきものということでございますので、プロセスで十分参加を得ながら定めているというご答弁を申し上げたものでございます。
私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。
まず初めに、説明会と区民の理解についてですが、国の説明会というのは、国からの目的ということでは、説明会の参加者の皆さんの率直な意見を聞きたいということが目的ということでございます。また、区としましては、説明会に参加していただく皆様に対しては、今までこの計画自体を知らなかったですとか、あるいはもっと詳しい説明が聞きたいという、そういった声に対して国に求めてきて実現したものでございます。区民の皆さんが参加をする中で、この説明会が行われる前よりも後のほうがやはり理解は深まったというふうに感じているところでございます。しかし、どの程度理解が深まったのか、また、どの程度の人が理解をされたのか、そういったさまざまな理解の度合いにつきましては、これは 先ほど申し上げましたとおり、国の責任において確認をすることであるというふうに考えております。
続きまして、不燃化についてですけれども、こちらは、今まずは重点的にということでございます。これは、不燃化の不燃領域率がまず木密地域において課題があるというところで、その領域を上げようというところで取り組んでいるところでございます。それ以降の計画につきましては、今後、不燃化の取り組み、木密地域の不燃化の度合いを鑑みまして、また検討していくというところで、現在お答えできるところはございません。申しわけございません。 以上でございます。
若者支援における再質問ですが、先ほど述べたように、国が今般積極的に大学無償化ですとか給付型奨学金等を進めておりますので、その状況を見守り、区として実施する予定は現在のところございません。
また、待機児童ゼロということでございますけれども、2次の空き状況および30年度の実態の実績数や認証保育所等のほかの施設の利用実績を当てはめますと、区全体の枠としては充足していると考えております。また、30年4月のゼロから2歳児の認可、認証のあきが300ございました。それを考えますと、いずれかには入園できる状況になっていると思っております。ただし、個別の事情により、地域や園を指定して入園を希望する方がいらっしゃることから、1歳児を中心に、数名の待機児が出るとは考えてはおりますが、実績的にはゼロというふうに考えているところでございます。
それでは、私からは、子どもの権利条約と品川区の教育施策との関係についてのご質問にお答えいたします。
品川区の教育につきましては、教育内容を規定する基本となります品川区区立学校教育要領におきましても、例えば個人の価値の尊重をはじめ諸原則について定めているところでございます。それらも含めて、これらは子どもの権利条約において定めている、生きる権利、育つ権利等、子どもの権利を規定するそれらの基本的な内容と内容的に一致、整合するものと考えております。より具体的に申せば、例えばいじめ、不登校等の対策についてもさまざまな施策を品川区の教育の中で打っておりまして、それらもまさに児童の権利条約に関する施策内容と軌を一にするところであると考えているものでございます。