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安藤 たい作 区議 平成31年第1号議案「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に反対する決議」に対する賛成討論

2019.03.26 安藤 たい作 区議

日本共産党を代表して、議員提出第1号議案、品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画に反対する決議に賛成する討論を行います。

この決議は、国が示す品川区上空を飛行する羽田新飛行ルート案に区議会として反対表明し、品川区上空を飛行しないルートの再考を求めるものです。

以下、理由を大きく2点述べます。

1点目は、この計画が実行されれば、品川区民の暮らしと命が将来にわたって脅かされる重大事態になるということです。

騒音、落下物に万が一の墜落事故、資産価値の下落、大気汚染、新飛行ルート案により区民生活には多大な悪影響がもたらされます。

にもかかわらず、国は、落下物は予見しないなどと、その具体的な影響も示さず、資産価値の下落や大気汚染については、その影響を認めることすらしていません。

しかも、3月14日に行われた都議会の質疑では、騒音にかかわる重大な新事実も明らかになりました。国が住民に説明してきた騒音推計値より実測値は大きいのにもかかわらず、国はそれを隠していたという問題です。

現在でも悪天候時には江戸川区で羽田への着陸機が飛行しています。高度915メートルでの実測値は78デシベル、国が説明してきた同高度の騒音推計値は70デシベル。

8デシベル高いということは、音の大きさで言えば6.4倍大きいことになります。

これでは、これまで説明されていた大井町上空300メートルで80デシベルとの説明も根底から崩れ、90デシベル、騒々しい工場内やパチンコ店内並みの騒音が降り注ぐことにもなりかねません。

これは、推定値よりも実測値が大きいとわかっていながら、それを隠し進めてきたという国による隠蔽です。

また、現在、区内8か所で行われた教室型説明会では、国は住民の質問にまともに答えず、はぐらかし、配布資料を読み上げるだけでした。マスコミの取材も拒否し、議事録公開も行っていません。

参加者からは、のらりくらりはぐらかしている、既成事実づくりとしか思えず納得いかない、国は聞かれたことに答えてほしいなどの怒りの声が次々と上がりました。

これほど大きな影響があるのに、聞かれたことははぐらかし、事実を隠蔽し、被害を小さく見せて計画の説明をしてきた国の責任は重大です。

2点目は、今こそ区議会が反対の意思表示をする決議を上げることが必要だという点です。

安倍政権は、新飛行ルート案を2020年オリンピックまでに実施する考え、年内にも新飛行ルートを決定し、新飛行経路の周知をしようとしています。

計画実施が目前に迫る中、さまざまな立場の区民から、命の危険にすらさらされるこの計画をやめてほしいとの声が強まり、区内にあふれています。

この4年間、さまざまな場面で私たち議員は区民の声を聞いてきました。

区民の多数の声は紛れもなくこの計画に反対、この切実な声に応えることこそが区民の代表である私たち区議会議員、品川区議会の役割ではないでしょうか。

その区民の怒りは教室型説明会でも爆発しました。幾つか紹介します。

騒音は屋外では防ぐことができない。

学校の校庭や保育園の園庭、公園はどうなるのか。

視覚障害者は音を頼りに歩いているが、飛行機の騒音で歩けなくなる。アパート経営で生活しているが、うるさいと思ったら出ていってしまう。

補償してくれるのか。

落下物は少なくさえすればよいと聞こえる。

人の命を第一にすべきで、許せない。

人的ミス、機械のミス、墜落など、最悪を想定するのがリスクマネジメント。

リスクを呼び込む計画には大反対。

ロンドンに5年、ニューヨークにも住んでいたこともあるが、こんな密集市街地の上を飛んではない。

国や行政は国際競争力のために私たちの安全で幸せな生活を犠牲にするのか。品川でもかつて飛んでいた。それをまた繰り返させるのか。

こんなことを子や孫に伝えていいのか。

お上の決めたことだから問答無用というやり方だなどの怒りの声です。

この声に議会はどう応えるべきか。

日本共産党は、生活者ネット、無所属区議と一緒に羽田新ルート計画の反対決議案をつくり、全ての会派と無所属議員に共同提出を呼びかけました。

しかし、自民党・子ども未来、公明党、国民民主党・無所属クラブからは、「反対」の文言だけ削った決議案が後から出されました。

議会運営委員会では、2つの決議案をめぐって質疑が行われ、どちらも同じような内容ではないかなどの意見も出されました。しかし、決議に反対表明が入るか入らないかは計画をとめる上で決定的です。

2つの決議は明確に違う決議なのです。

先日の予算特別委員会で、共産党のこの計画はもう決まったことなのかとの質問に、区は案であると答えました。

そして、国もこれまで計画を地元の理解を得て進めると説明してきました。

しかし、国は、教室型説明会で、住民から何をもって地元理解を得たとするのか、その判断基準は何かと問われても、都と区、関係自治体と相談したいと繰り返すのみ、直接区民の意思を問う考えを示すことはありませんでした。

品川区議会は区民の代表です。

区議会による反対決議は誰の目から見ても否定しようのない地元の反対表明となり、地元の理解を得られない計画を中止することができます。

計画実施の期日が迫り、区民の反対世論もさらに広がる中、私たち議会の判断が品川低空飛行という事態を避けることにつながる以上、今こそここで反対決議を上げるべきです。

なお、自民党・子ども未来、公明党、国民民主党・無所属クラブから出された品川上空を飛行する羽田新ルート計画に関する決議は、不十分ではありますが、区民の声を一部反映するものなので、反対するものではありません。

しかし、区議会が反対の立場を表明することが何よりも重要な局面であるのに、「反対」との言葉を削っており、不十分です。

区民の反対の声は、考え方の違いや政党支持の違いではなく、区民自身がこの問題を命や安全、暮らしにかかわる重大問題として捉え、出されているものです。

計画をやめさせるため、今こそ違いを乗り越えて議会として反対を表明することこそ必要な時期なのです。

改めて議員の皆さんに新ルート案を撤回させるためこの決議に賛成していただくよう呼びかけて、私の賛成討論を終わります。

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