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鈴木 ひろ子 区議 平成31年請願第7号「特養ホームと老健施設の増設を求める請願」に対する賛成討論

2019.03.26 鈴木 ひろ子 区議

日本共産党を代表して、請願第7号、特養ホームと老健施設の増設を求める請願に対する賛成討論を行います。

品川の医療と介護をよくする会から出されたこの請願は、1、林試の森公園隣の公有地に増設予定の特養ホームの定員数をできる限り増やすこと、2、入所希望者全員が入れる特養ホームの増設計画をつくること、3、老健施設の増設計画を立てることを求めるものです。

特養ホームに入れずに苦しむ多くの区民から悲痛な訴えがたくさん寄せられています。

この声に応えて、議会から増設を品川区に求めるべきと考えます。

以下、請願への賛成理由を述べます。

第1に、区内の特養ホームに入れるのは申し込んだ人のわずか16%、84%もの人が入れないという深刻な状況を一刻も早く解決することが必要だからです。

昨年2月締め切りの申請者464人中、4月から9月末までに区内特養ホームに入れた方は76人、16%でした。実に84%、388人が入れませんでした。

50代、60代は100%入れない。70代で入れたのは87人中たった1人。

80代でも、申し込んだ222人中26人、12%しか入れませんでした。

90代でも、100歳以上でも、多くが入れない。要介護4、5の重度でも2割は入れません。

入所を待ちながら亡くなる方が52名にも上ります。これが品川区の特養ホーム入所の実態です。

中でも、若くして突然倒れ重度の要介護状態になった方は100%入れません。

年齢の点数がつかない上に、施設入所の場合、介護の困難度も半分しかつきません。

突然倒れたために介護の期間もつきません。何年たっても入所の見通しが立ちません。

さらに、区は、申請者の6割がもう既にどこかしらの施設に入っていると言い、施設入所者の深刻な実態を解決する姿勢がありません。

病院、老健、有料老人ホームなどに入所している方は、在宅での介護ができないために特養ホームに申し込んだ方です。

しかし、特養ホームが足りないために入れない。そのためにやむなく施設に入らざるを得なかったのです。

老人保健施設は、長期間の入所ができないため、3か月から半年で次々と移らざるを得ません。

なれる間もなくまた次の施設と転院を繰り返すストレスは、高齢者にとってはかり知れません。

家族にとっても大きな負担です。有料老人ホームは安くても25万円から30万円もかかり、どれだけの方が払い続けることができるでしょうか。病院も同様です。

年齢の若い方や施設入所者が入りにくい調整基準の見直しが必要だと考えます。

そもそも入所調整基準は申請者を振り落とすためのものです。

希望者が入れるだけの絶対数が足りないために起こっている問題です。

特に品川区の場合、特養ホームの整備率は23区で19位、老人保健施設との合計整備率は23区で最下位です。

23区の中でも品川区民は特段大変な状況にさらされているのです。

品川区は、この事実を重く受けとめ、増設計画を直ちにつくり、具体化すべきです。

2つ目に、高齢者人口は今後増え続け、特養ホームの需要はますます高まることが予想されます。

2016年3月発表の品川区人口ビジョンによれば、高齢者人口は今後36年間増え続け、現在の8万2,000人から13万1,000人に、1.6倍になると予想しています。

林試の森公園隣の小規模特養ホームの後、計画を立てないまま推移すれば、ますます深刻な状況が広がります。

3つ目に、品川区にはお金も土地もある、区長がその気にさえなれば待機者ゼロは実現できるということです。

区は土地の確保が決まらないのに計画はつくれないと言いますが、需要に基づく必要数を出して、そのための土地をどう確保するのか、計画を立てて事業を進めるのが本来の自治体のやり方ではないでしょうか。

補助29号線、放射2号線、駅前超高層開発などは、反対者がどれだけいても、いつまでにつくると計画を立てて、強引に立ち退きをさせて、道路用地、開発用地を確保しています。

特養ホームは多くの区民が求めています。土地ができたら初めて考えますではなく、計画を立てて土地を確保するやり方に変えるべきです。しかも、品川区にはお金も土地もあります。

建設にかかる費用は、100人規模の特養ホームの場合、建設コスト26億円中、東京都からの補助金が9億円、品川区の負担は約17億円です。

5か所つくっても85億円です。

武蔵小山の超高層開発マンションへの税金投入は1か所で109億円。巨大道路や開発に巨額の税金をつぎ込むのではなくて、特養ホームなど区民の福祉、暮らしにこそ使うべきです。

しかも、品川区には医療や福祉を削ってため込んだ1,000億円の基金があります。そのごく一部で待機者ゼロへの特養ホームをつくることができます。

土地もあります。旧第一日野小学校跡は、株式会社TOC貸し付けが2022年で契約終了。荏原第四中学校跡の暫定活用も2023年までです。

東大井都営住宅跡や区営住宅建てかえに合わせてなど、特養ホームの増設計画を立てて具体化すべきです。

また、林試の森隣の公有地は、近隣の方々の理解を得ながら、できる限り定員数を増やして区民の願いに応えていただきたいと思います。

こんな事態をこのままにしておくのか、今こそ議員一人ひとりの態度が問われています。

増設計画をつくらない品川区に対して、議会としてそれを求め、具体化させる、それが区民から負託を受けた議会の役割ではないでしょうか。

以上、請願採択を呼びかけ、賛成討論といたします。ありがとうございました。

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