8月8日、国土交通大臣は、都心・品川上空を低空飛行する羽田空港の新飛行ルートについて、「地元の理解は得られた」とし、2020年3月29日からの運用開始を発表し、そのための試験飛行として来年1月末からは、実際に乗客を乗せた航空機を新ルートで飛行させると発表しました。日本共産党品川区議団は、運用開始の決定に強く抗議します。
これまでも、この新ルートは、都心市街地の真上を低空飛行するという世界に例のない危険極まりない計画であり、騒音・落下物・大気汚染・資産価値の下落、万が一の墜落事故など、住民の暮らしと命を著しく脅かす計画の撤回を繰り返し求め、区民と他会派との共同を広げてきました。
新たな市街地飛行ルートは、これまでの羽田空港沖合移転に伴う海上ルート運用開始時に確認された、品川区をはじめとする複数の自治体との約束を完全に反故にするものです。
品川区・濱野区長に対しても、計画撤回を国に求めるよう繰り返し提案し、運用開始の決定前にあたる7月30日の「関係区市連絡会」において、品川区として「容認できない」との立場を表明するよう繰り返し求めてきましたが、区が反対表明を行うことはありませんでした。これは重大な区民への背信行為です。
さらに、今回の発表は国の説明を一方的に覆すものです。これまで国は、地元自治体や住民の理解を得ることが、新ルート実施の前提条件だと繰り返し説明し、国交大臣は理解を得る地元に、地元自治体の議会も「含まれる」と国会で答弁しています。
これまで、品川区内13か所で行われた「教室型説明会」では、どこでも「納得できない」「計画実施に反対だ」と参加者から発言が相次ぎました。
また、品川区議会も今年3月26日に「多くの区民に理解しがたい現状がある」「新飛行ルート案を容認することはできない」「品川区上空を飛行しないルートへの再考を強く求める」とする決議を全会一致で採択しています。
この事からも地元の理解が得られていない事は明らかであり、こうした圧倒的多数の区民の反対民意や区議会決議を無視して、「地元の理解は得られた」との判断は、地方自治を否定する暴挙でしかありません。
一方で、これまでの自らの説明を覆し、一方的な計画決定とは、安倍政権・国交省が追い詰められている証拠でもあります。広範な反対世論と住民運動、区議会決議を無視することでしか計画を進められない、こうした強権的な手法は、広範な区民に怒りを広げ、強い反対運動は、安倍政権をいっそう追い詰める事になります。
日本共産党品川区議団は、幅広い住民の皆さんと力をあわせ、さらなる反対世論と運動を広げ、「容認できない」との区議会決議の立場で区議会での共同を強め、羽田新飛行ルートの撤回へ、全力を挙げます。
以 上
日本共産党品川区議会報告/2019年8月号
発行責任者:幹事長 なかつか亮/共産党控室電話 5742-6818/FAX3773-3088