2019.09.20 鈴木 ひろ子 区議
日本共産党区議団を代表して、議員提出第6号議案「品川上空を飛行する羽田 新ルート計画の決定に対する決議」に賛成する討論を行います。
この決議は、国交省が8月8日に羽田新ルート計画に対して「地元理解は得られた」として計画決定したため、改めて区議会として「容認できない」ことを表明し、新ルート計画の再考を強く求めるものであり、提出者・賛成者に共産6名、品川改革連合3名、生活者ネット2名、無所属議員3名が名を連ねています。
以下、賛成の理由を3点述べます。
まず第1に、品川区議会が3月26日、全会一致で「羽田新ルート計画は容認できない」「品川の上空を飛ばさないルートの再考を強く求める」との決議を上げていたにもかかわらず、これを踏みにじり、国交省が計画の決定したことに対して、区議会として明確な意思を示すことが必要だからです。
9月6日の区議会議員全員を対象にした国交省の説明会で、国交省は、「品川区の意見は区議会決議を踏まえたものだ」と述べました。「容認できない」との区議会決議は、7月30日の連絡会での品川区が「固定化することのないよう求める」と述べ、事実上容認した「意見」とは真逆のものです。
品川区の「固定化することがないよう」との意見は「まずは飛ばすことを認める」というものであり、この意見から国交省が「地元理解を得られたと判断した」と述べている通り、明確に容認の表明です。
しかし区議会決議は「新ルート案を容認することはできない」「品川区上空を飛行しないルートの再考を強く求める」と明確に「容認できない」ことを表明したものです。
国交省はこの真逆の意見を同じものとして「地元の理解を得られた」と強弁し、区議会決議はなきものにされたのです。このことに対して区議会として抗議の意思を示すことが必要です。
2つ目に圧倒的多数の品川区民が羽田新ルート計画に反対であり、決定後も撤回を求める声がますます広がる中、区民のこの声に応えることこそ必要だからです。
13回の説明会ではどこでも、納得できない、反対だとの意見が出され、説明会が進むほど怒りの声があがりました。9月6日の説明会で国交省は、「説明会は住民の理解を得るために行ったものではない」と居直りました。
この発言は品川区民を愚弄するものです。ここには、国交省の住民に真摯に向き合う姿勢のなさが表れています。同時に、どんなに説明会を行っても、 国交省の説明で納得した区民はいないし、説明会で区民の理解が得られたとは国交省も語ることができませんでした。
この間の28本もの区議会への請願・陳情、都議会、国交省への請願や陳情、様々な集会やデモ行進が繰り返し行われ、区長選・区議選でも大争点となりました。
そして8月8日、国交省が住民と区議会決議を無視して決定してからも抗議集会が行われ、区議会への陳情、デモ行進など怒りの声がさらに大きく広がっています。
区民の代表である区議会はこの声に応え、再度「容認できない決議」をあげ、国交省に対して品川区民・区議会が「理解していない」ことを突き付けていくことが必要です。
3つ目に、何といっても羽田新ルート計画が実施に移されたら、品川の区民の命も暮らしも大きく脅かされることになります。国交省は決定しましたが、この計画は今からでも撤回させるしかないと考えるからです。
これまでも私たちは繰り返し、住宅密集地を1分20秒に一機が超低空で品川 上空を飛行することの危険性を指摘してきました。騒音、落下物、大気汚染、資産価値の下落、墜落事故も「ゼロ」にはなりません。品川上空を飛ばされたら、区民への計り知れない被害と恐怖を与え続けることになります。
国は経済効果、「成長戦略」と言いますが、区民の命、安全をないがしろにして進めるものはまともな経済政策とは言えません。
どれだけ説明をされても品川区民はこの計画を容認することはありません。
それは、説明不足だからではなく、計画そのものがあまりに区民の命も暮らしもないがしろにする無謀な計画だからです。
品川区民の被害をなくすためには撤回しかありません。計画決定がされた今、区議会が全会一致で挙げた「容認できない」決議を再び挙げることは国交省に対して「地元品川区民は『理解していない』」ことを突きつけることになり、区民にとっても大きな希望となるものです。
再び全会一致で可決することを呼びかけて賛成討論とします。