2019.09.20 おくの晋治 区議
日本共産党品川区議団を代表して、自民・無所属·子ども未来、自民、公明、無所属議員提出の議員提出第7号議案「品川上空を飛行する羽田新飛行ルート計画決定に関する決議」に反対する討論を行います。
品川区議会は、3月26日、「品川区上空を低高度で飛行する新飛行ルート案を容認することはできない」と全会一致で決議しました。その決議にあるように「品川区上空を飛行することは、多くの区民に理解しがたい現状がある」からです。
この決議が今も生きた決議であることは区議会自身が認めてきたところです。しかも、9月18日の議会運営委員会で、本決議案の提案者から3月の決議は生きており、本決議案は、 「容認することはできない」、「品川区上空を飛行しないルートヘの再考を強く求める」という3月の決議を踏まえて出したものだとの説明がありました。
ところが、本決議案は、「容認することはできない」という文言を故意にはずして、この
本区議会の全会一致の立場を明記しないことは、かえって国に区議会は容認したとする根拠を与えてしまいます。
これが今回本決議案に反対する理由の要です。
以下反対理由を詳しく述べます。
第1は、本決議案は国交省の新飛行ルート運用開始決定後に国に区議会の立場を表明するものであるにもかかわらず、「容認することはできない」という3月の決議にある文言があえて盛り込まれてないことです。
私たちは18日の議会運営委員会で、本決議案にこの文言を盛り込んで、私たちの決議案を取り下げ、決議を1つにまとめることを提案しました。
しかし、この提案は受け入れられず、その理由も「見解の相違」と言うばかりで明らかにされませんでした。
国士交通省は8月8日に新飛行ルートの運用開始を決定しているだけに、品川区議会が「新飛行ルート案を容認することはできない」という立場を明らかにすることはより重要になっていると言わなければなりません。
この国交省の決定によって新飛行ルー トによって区民の暮らしと命が脅かされる危険性は3月とは比べ物にならないくらい現実的で強いものになっているからです。
そうであるにもかかわらず、新しい決議に「容認することはできない」という文言をあえて盛り込まないのは、品川区民の置かれている現状から故意に目を背けるものと言うべきです。
第2は、本決議案の提案者は「容認することはできない」という思いは本決議案に盛り込まれていると言いますが、本決議案の文言ないし表現では国交省にはその思いは伝わらないということです。
9月6日に新飛行ルートについて国交省が区議会に説明を行いましたが、その中で国交省は「品川区からは理解を得られたと思っている」と述べました。
品川区が国交省に対して、 「現飛行ルート案を固定化することがないよう取り組むこと」を求めて、まずは飛ぶことを容認した結果です。
しかも、 品川区は区議会に対して 「新飛行ルート案を容認してない」と説明してきましたが、国交省に対して実際に「新飛行ルート案を容認することはできない」という態度を取ったことはありません。
品川区のこのような行動から、国交省は 「品川区からは理解を得られた」と判断しました。
容認できないが明文化されてない決議では国交省に「品川区議会からは理解を得られた」と判断されてしまいます。
品川区議会は、既に実証済みのこの誤りを繰り返してはなりません。
公の場では、思いがあるのなら、それを一義的に明らかな言葉にして表現すべきです。
そうしなければ相手には伝わりません。相手の都合のいいように解釈されるだけです。
「新飛行ルート案を容認することはできない」という本決議案に込められた思いを、この文言そのものを本決議案に盛り込むことによってはっきりと表現すべきです。
国交省の新飛行ルート計画運用開始の決定によって、この新飛行ルートが区民の暮らしと命に及ぼす危険性は格段に高まり、切迫したものとなりました。今こそ、「新飛行ルート案を容認することはできない」、この声を力強く上げていくべき時です。
このことを最後に申し上げて私の反対討論といたします。