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のだて 稔史 区議 令和1年度請願第16号「品川区に、返還免除規定を持つ奨学金制度の拡大を求める請願」に対する賛成討論

2019.10.23 のだて稔史 区議

日本共産党品川区議団を代表し請願第16号「品川区に、返還免除規定を持つ奨学金制度の拡大を求める請願」に賛成の立場で討論を行います。

この請願は品川区の高校生対象に行っている現在の返還免除型奨学金を大学生まで拡大することを求めるものです。
以下大学生の給付型奨学金を求め賛成理由を2点述べます。

1点目は教育費の家庭負担が重い問題です。
OECD加盟国の約3分の1では授業料が無料ですが、日本の大学授業料は世界でもトップクラスの高さです。
初年度納付金の平均額は国立大で約82万円、私立大で約133万円と過去最高の高さになっています。

経済的理由から四年制大学への進学を断念する高校生は年間約2万人に上るという調査もあります。
家庭の収入は減るばかりで仕送りも減り続け、学生の1日の生活費は2018年度で677円、ピーク時の4分の1にまで減っており、バイトが前提で食費を抑える状況です。それでも授業料が上がるという異常事態です。

また授業料が高いために学生ローンというべき奨学金を借りなければならず卒業する頃には平均で300万円、多い人では1000万円以上の借金を抱えることになります。
10年から20年以上返済し続けなければなりませんが、若者の二人に一人が非正規雇用で雇用が不安定になっており、返済できず自己破産に追い込まれる人も増えています。

2017年度は2447件で4年で1000件も急増しています。学生は将来の収入もわからないまま多額の奨学金を借り、返せるのか不安で希望が持てません。

さらに重すぎる負担のために一度奨学金を借りたら危ないと借り控えも起きており、奨学金を借りずに自分で働いて授業料を稼いでいる学生もいますが、そのために睡眠時間や学習時間が削られています。
安倍首相がいう就業者数の増加の2割が学生であり、学ぶために働かざるを得ないのが実態です。
中には「講義を休んでまでバイトに入らなければならないことがしばしばあった」「アルバイトを入れすぎて授業に出席できなくなった」という学生もいます。

学生から学ぶことだけでなく学生生活をも奪っているのが実態です。
学生に希望を与え、家庭の経済力に関係なく安心して教育を受けられる環境を保障するため大学の教育費負担の抜本的軽減が必要です。

2点目は国の行う支援では不十分だということです。区は「国の動向を注視する」と言いますが、国が来年4月から行う授業料減免や給付型奨学金の拡大の対象は住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯のみで学生の約1割にすぎず、4割以上が奨学金を借りているのに少なすぎます。
請願にある通り奨学金を希望したいと思った学生の4割が条件に合わず申請していません。奨学金を受けたい家庭状況にも関わらず受けられないのです。

また、国の法改正で修学支援と引き換えに国立大学の授業料減免制度が廃止されることにより、これまでの減免を受けられなくなる学生が全国平均で約3割もいるという問題も起きています。安倍首相は国会で「制度施行までに検討する」といいますが、具体的な対策は示されていません。

最後に一言申し上げます。国連人権規約では高等教育の漸進的無償化が明記され、世界では無償化が進んでいます。
日本も2012年に留保を撤回したのですから教育の無償化こそ必要です。
安倍政権が無償化と言いながら学費値上げを容認していることは許せません。
品川区が奨学金の拡充へ一歩踏み出し、大学の教育無償化へ国を動かそうではありませんか。
区は国に授業料引き下げなど予算の拡充を求めるとともに、独自に大学奨学金の拡大などに踏み出すよう求めます。

ある高校3年生から思いを聞きました。
「家庭の経済状況を鑑みて学費の安い国公立大に進学したい。私立大は本当に高いです。
知り合いは母子家庭で少しでも費用を減らし、家計を圧迫しないように奨学金を拡大してほしいと言っていました。署名活動によって問題を共有し、人々の意識が変わるのではないかと思います。
学生の希望となり、親の負担を減らし、お金のあるなしで高等教育を受けられないことがないようにお願いします」
と話してくれました。

こうした願いに応え、教育機会均等の保障のため教育負担の軽減へ本請願の採択をして区議会として希望を示そうではありませんか。
各議員の皆様にも賛同を呼びかけまして賛成討論を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

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