2019.12.12 のだて 稔史 区議
日本共産党品川区議団を代表し陳情第47号ひろまち保育園閉園に関する陳情に賛成の立場で討論を行います。
この陳情はひろまち保育園を守る会から出され、区立ひろまち保育園の2021年3月の閉園時期を可能な限り延長することを求めるものです。その理由として5つ挙げています。
@閉園延長の可能性が説明されていた中での突然の閉園決定、A閉園決定から転園手続きまでの短すぎるスケジュール、B優先転園先もほとんどなく、4月の新規申込者が新たな待機児童になること、C立派な保育園を5年で閉園し取り壊してしまうこと、D子育て・保育より優先される再開発の問題。
以上の理由から延長を求めています。
以下賛成理由を3点述べます。
1点目は待機児童問題です。区立ひろまち保育園は開設当初、待機児童対策のために300人の大規模園として開設されました。
現在も不承諾通知を受け取ったいわゆる隠れ待機児童は781人もおり、区が発表している待機児童でも今年4月に12人います。
区も「待機児童対策としてどうにか確保できないか、残すことができないかと検討をしてきた」と答弁しており、待機児童が解消しないままに300人規模の区立認可園の閉園は子育て支援の後退です。
2点目は新たな待機児童を生み出す問題です。
優先転園について区は「東大井・八潮地区、大井地区でも対象児童を上回る優先入園の枠を用意している」ので大丈夫という趣旨の答弁をしていましたが、転園が必要な園児が159名もおり、優先転園でも品川地区、東大井・八潮地区、大井地区で合計11名が不承諾になっています。
さらに優先転園によって入園枠が埋まり、新たに2,3,4歳時の申し込みをする家庭は入園枠が狭まってしまい、入園できない状況が生まれます。
特に認証保育園を卒園し新たに申し込みをしなければならない方が多い3歳児入園枠は大井町周辺ではほぼゼロで絶望的であり、多くの子どもや保護者が路頭に迷うことになります。
区は区内全域の入園枠を示して問題ないと説明しますが、これは保護者の生活実態を無視するものです。
大井町周辺の保護者に八潮や五反田などの遠くに毎日通うことを求めることは保護者、そして子どものことを全く考えていない現れです。
また認証保育園については3歳の壁問題の解決のため希望者が入園できる連携園こそ整備すべきです。
3点目は子育て・保育より優先される超高層再開発の問題です。
開設当時から閉園を延長する可能性が説明されていましたが、突然閉園が決まったのは大井町周辺の超高層再開発のためです。
区立ひろまち保育園はJRと区が共同で進める広町地区再開発の地域内にあり、2021年4月以降に開発を進めるために保育園を閉園に追い込むものです。
このことは区も「ひろまち保育園の閉園は7月の建設委員会で広町開発の報告がされたことで決定づけられた」と答弁し、認めているものです。
区自らがJRとの開発を進めるために区役所の建て替えまで加えて推進してきたもので区の責任は重大です。子どもたちのことよりも開発を優先する区の姿勢の転換こそ必要です。
以上で本陳情への賛成討論とし、各議員への賛同を呼びかけまして、私の討論を終わります。