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安藤 たい作 区議 令和2年第1回定例会 陳情第16号「東五反田二丁目第3地区開発計画に関する陳情」に対する賛成討論

2020.03.27 安藤 たい作 区議

日本共産党品川区議団を代表して、陳情第16号「東五反田二丁目第3地区開発計画に関する陳情」への賛成討論を行います。

本陳情は、日野学園の真南に超高層ビルを2棟建てる再開発計画を見直し、良好な日照の確保をはじめ、子ども達が健やかに成長する権利を守るよう求めるものです。
学区内に住み、現在出産を控えている近隣の方から提出されました。
区議会としてもこの声に耳を傾け、陳情を採択し、今からでも区に計画の変更を求めるべきです。
以下、陳情への賛成の理由を3点述べます。

1点目は、真南に建てる超高層ビルにより子ども達の日照を奪わないで欲しいと訴えている点です。
この東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発は、区立小中一貫校・日野学園のすぐ真南、1.6ヘクタールの敷地に高さ151メートルのマンション、115メートルのオフィスビル、計2棟の超高層ビルを建てる計画。説明資料では、特に日照が欲しい冬場、冬至では、子ども達が過ごす教室は午前10時から午後3時まで影がかかり、校庭は更にこの時間は長くなります。
しかも、この日影図は今回の計画建物単独の影響に過ぎず、既に学校周辺に建っている超高層ビルの影響は含まれていないため、実際の日影はこれ以上になります。登校してから下校するまでの大部分の時間、子どもたちから日照を奪っていいのでしょうか。
区は「元々日影規制がない地区」「計画建物の間隔を取りその間から日差しが入ってくるように配慮した」などと言いますが、文科省が示す学校整備指針にある「良好な日照」環境に逆行し、最高でも4階建ての事業所ビルの現況に比べて大幅に日照環境を悪化させることには何ら変わりありません。

2点目は、行政は再開発より子どもが豊かに成長する環境を優先してほしいと訴えている点です。
区は、当地区は「都市再生緊急整備地域に指定され、東京の副都心にふさわしいまちづくりを上位計画に沿いながら進めており必要な開発」などと述べ、進めています。
しかし、超高層再開発の実態は、高ければ高く作るほどオフィスやマンション分譲等で利益が増えるという開発大企業の不動産業上の都合が最大の動機となってきました。本計画でも、容積率緩和や区道の付け替え等の手法で更なる超高層が可能とされました。
それに加えて今回は、区が自ら進める再開発により、品川区立の学校の教育環境を悪化させるもの。地域・子どもの環境より再開発を優先する区政は、たださなくてはなりません。

3点目は、複合日影など、実際の影響を隠し説明責任すら全く果たさず進めることは許すべきではないとの理由です。
陳情では、「同校は現在すでに東側、西側および南東に高層建築物があり、今回の計画で南側からの日照がほぼ完全に遮られると、同校の日照は正午前後に2棟の間からわずかに差し込む帯状の太陽光のみとなり、実質的には生徒が登校してから下校するまで常時日陰となります」と述べています。
事業予定者による説明会でも、建設委員会でも、配られた資料は全て今回の計画建築物のみの日影図でした。
しかし陳情にあるように、実際の日照被害は、既に周辺の超高層ビルで奪われてきたものに加わるものです。
その影響を考え、計画が妥当なものかどうかを検討する際は、複合日影図が少なくとも欠かせません。
実際に子ども達が受ける被害、日影を正確に検討、説明されることないままこうした計画が進んでいくことは、行政の最低限の説明責任すら果たさず、問題です。
委員会審査の中で私は、複合日影図の提出を提案しました。
しかし区は「建築基準法上での義務付けはない」旨答弁し、提出・公開を拒否しました。
その後の質疑等で、区や事業者も実際には複合日影も検討していたことも分かっています。
更に、委員会としても資料を要求するようにその場で求めましたが、生活者ネットを除き、自民・公明・維新から「必要ない」との意見が出され、提出すら求めることもなかったことは、区政をチェックする議会の役割が問われる問題です。

最後に、こうした再開発の住民説明会について一言述べます。
先日、当都市計画案の住民説明会が大崎南部労政会館で行われ、参加しました。キャパ160名の会場で行われましたが、参加者はわずか9名でした。
しかし例えば、中高層建築説明会で案内チラシが配られる範囲である、計画敷地から建物の高さの概ね2倍の範囲内には、約10,000世帯あります。9名はこの世帯数に照らし、あまりにも少なすぎます。これで都市計画手続き上の説明を住民に行ったと言えるのでしょうか。
これは、再開発への都市計画手続きの説明会の案内チラシは事前にポスティングされないということが最大の原因です。
中高層マンション等の建築の際には、区は業者に説明会の案内チラシ配布を義務付けています。
また、同じ都市計画案でも、用途地域の変更などの際にはポスティングを実施しています。
しかし、超高層の再開発の都市計画手続きの際にはやらないとは、区民に知らせずに超高層再開発を進めていこうという行政の歪みがあらわれています。
建設の前の段階で建設説明会が開かれ、そこで初めてチラシがポスティングされますが、すでに決定された後なのです。
住民参加のまちづくりという点から大問題で、改善を強く求めます。
以上、各議員の皆さんにも本陳情への賛成を呼びかけまして、私の賛成討論を終わります。

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