2020年06月09日
品川区長
濱野 健 様
日本共産党 品川区議団
新型コロナウイルス感染症対策への緊急要望(3)
新型コロナウイルス感染拡大における「緊急事態宣言」が5月25日に東京を含め全国で解除となりました。しかし緊急事態措置として行われた約2カ月に及ぶ休業要請や自粛要請による中小企業や区民への影響は計り知れません。 共産党区議団が現在取り組んでいるアンケートでは、短期間に約3000人の方から回答が寄せられ、失業や倒産の危機に直面するなど深刻な実態がびっしり書き込まれ、「ただ事ではない」ことを実感しています。切実な相談も数多く寄せられています。この先さらに深刻な状況が広がるのではと懸念されます。
品川区独自の、基金を活用した全区民対象の「(仮称)しながわ活力応援給付金」は評価します。さらに、区民の命と暮らし、営業を守るため、国に対策を求めるとともに、区独自の支援策が求められています。感染者数が減少してきましたが、第2波に備え、検査と医療体制の抜本的な拡充が必要です。
日本共産党区議団は4月10日と30日に区長に緊急要望を提出しました。その後寄せられた住民要望をもとに、3回目の緊急要望を行います。
- 国の持続化給付金や東京都の感染拡大防止協力金などを申請しても、支給が遅れていることに対して区として原因をつかみ、国と東京都に速やかな支給を求めること。
- 中小企業への家賃など固定費助成について、政府の補正予算案の不十分さを補い、対象期間、固定費の内容、減収要件緩和など、区独自に対象を拡大する助成を速やかに行うこと。
- 雇用調整助成金は、賃金より減額となる「平均賃金」の6割補償ではなく、これまでの賃金をベースとし、補助率を8割まで引き上げるよう制度の改善を国に求めること。
- 品川区の「緊急資金-経営変化対策資金2020」の無利子期間を現在の3年から10年に拡大すること。
- 収入減や失業などで生活が立ち行かない世帯が生活保護制度が利用できるよう、生活保護のしおりのホームページへの掲載や各地域センターなど区有施設の目につく場所に置くこと。さらにしおりを改善し、生活保護の申請の仕方や必要書類を掲載したパンフを作成すること。
- 生活困窮者への支援を行う、暮らし・しごと応援センターの役割が重要になる中、支援の中身やリーフをホームページに掲載するなど区民への周知をすること。
- 住居確保給付金は学生も対象にするよう国に求めること。
- 文化・芸術への支援を抜本的に拡充するよう国に求めること。
- 国民健康保険の傷病手当は、個人事業主とフリーランスも対象にすること。
- 障害者が就労支援施設を休んだ時の工賃を補償すること。
- 学校再開にあたっては、学習の遅れと格差、大きな不安とストレスという子どもの実態から出発し、子どもたちの負担が過重にならないことを最優先にすること。授業をつめこむのでなく、学年での核となる学習事項を見定めて深く教える「学習内容の精選」を行うこと。その際は、学校現場の創意工夫と自主性を保障すること。子どもたちの負担となる品川区の学力テストは中止すること。
- 学校における「3密」を避けるため、区独自に少人数学級を実施すること。次の感染拡大の波に備え、オンライン学習の環境整備を合わせて進めること。
- 子どもたちの心のケアのため、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーを増員し、対応すること。
- これまでの受動的な検査から積極的な検査戦略に転換すること。そのために、PCR検査はごく軽症を含む有症者とともに、濃厚接触者が速やかに検査を受けられる体制をつくり、実施すること。
- 医療、介護・福祉現場の安心と安全を確保するため、従事者と入院患者・入所者にPCR検査を積極的に行える体制を区としてつくること。また、保育園や学校の職員も対象にすること。
- 医療機関を守るために、区として、新型コロナウイルス感染者を受け入れている医療機関の収入減を把握し、国に対して損失補償を行うよう求めること。同時に区としても支援すること。またコロナ患者を受け入れていない医療機関の減収に対しても、経営が成り立つ対策を国に求めること。
- 秋冬にインフルエンザと新型コロナウイルス、肺炎球菌による肺炎などの同時流行の対策として、区民のインフルエンザ予防接種を無料化すること。特に子どもと高齢者は直ちに無料化すること。肺炎球菌の2回目の対象を1回目と同様70歳以上全員に拡大すること。
以上