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新型コロナウイルス感染症対策への緊急要望(NO4)

 

2020年07月22日

品川区長
濱野 健 様

日本共産党 品川区議団
幹事長 中塚 亮

新型コロナウイルス対策の緊急要望(NO4)

 私たちは今、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって多くの感染者と死者を出し、さらに感染の再拡大という重大な事態に直面しています。大企業の目先の利益を最優先にし、社会保障を切り捨て自己責任を押し付けてきた新自由主義の政治が、新たな感染症にまともな対応ができず多くの国民を苦境に陥らせ、医療・介護崩壊の懸念など社会の脆弱性を浮き彫りにしました。改めて、政治・社会の在り方が問われています。

 東京都の感染者が連日100人・200人越えと増え続け、品川でも毎日確認される事態に不安が広がっています。しかし、国や東京都は自衛や注意喚起を求めるだけで、感染を封じ込める具体策がありません。前倒し実施を決定し迷走するGoToキャンペーンは、感染拡大を促進する暴挙であり見直すべきです。

 感染拡大を抑え、経済を回すためには、他国に比べて極端に少ない検査数を抜本的に増やし、感染者を見つけて隔離する積極的検査への転換こそ必要です。同時に、第1波で国民の命守るために最前線で尽力された医療機関に対して損失補填と体制強化、さらに個人・事業者の暮らし・営業を守るための支援が求められています。

 共産党区議団はこれまで3回にわたる要望書を提出してきましたが、改めて4回目の要望書を提出いたします。

<PCR検査の抜本拡充、医療機関を守る対策を>

  1. PCR検査を、医療・介護従事者、障害者福祉関係の労働者、保育士や学校の教職員などを対象に定期的な検査を行う仕組みにするよう国に求めること。国が仕組みを作るまで、区独自に行うこと。
  2. 希望する人が、いつでもだれでも無料でPCR検査が受けられるような積極的な検査体制の構築を国に求めること。また区として独自に実施すること。
  3. 区内の感染者の実態について、世田谷区のように、陽性者の状況(入院中、宿泊療養中、自宅療養中、退院者、死亡)や日ごとのPCR検査数、陽性者数などをホームページで公開すること。
  4. ホテルなど隔離施設の確保について、無症状の感染者が自宅待機でなく施設で隔離できる対策を東京都に求めること。
  5. 区内でも新型コロナウイルス感染者の対応をした医療機関の看護師など医療従事者の夏季一時金が減らされたところがあった。また多くの医療機関が新型コロナの影響で赤字経営など深刻な状況となっている。医療機関を守るため、区として実態を把握し、損失補填を国に求めること。区としても支援すること。

<高齢者・障害者支援>

  1. 新型コロナによって通えなかった就労継続支援A・Bなど就労系事業所で働く障害者に工賃の補助を行うこと。
  2. 新型コロナによって中止となったシルバーマッサージ施術者への賃金補償をすること。
  3. 視覚障害者が開業している鍼灸・マッサージ院にマスクや消毒用アルコールを配布すること。
  4. 感染防止から外出を避け在宅生活を送る際の熱中症対策のため、所得の少ない高齢者のみ世帯などを対象に、冷房機器設置と電気代の補助を行うこと。

<中小企業支援>

  1. 中小企業の家賃支援給付金が5月以降の収入減しか対象にしていない点を4月以前の収入減も対象にするよう国に求めること。この制度は、家賃の全額を給付するものではないので、これを補う区独自の制度を設けること。
  2. アパート等を経営しその賃貸収入を「不動産所得」区分で確定申告している個人事業主の大家についても持続化給付金の対象とするよう国に求めること。

<学校の感染予防・学生支援>

  1. 少人数学級については、全国知事会と全国市長会、全国町村会の地方3団体の提言や「骨太の方針」にも盛り込まれた。感染症から子どもの命と健康を守り、心のケア、学びを保障するための少人数学級の実施を国に求めること。同時に、区独自に早期に実施すること。
  2. 子どもに過重な負担となる、小学2年生から行われている7時間授業の実施は止めること。国基準を上回る区独自の標準授業時数について、少なくとも今年度は止めること。
  3. 新型コロナ感染予防のために行う、教室の机やいす、ドアや階段手すり、各教室の物品や各種施設の消毒は、教員の負担とするのでなく新たに職員を配置すること。
  4. 中学校の修学旅行を中止する場合は、キャンセルに伴う企画料等を家庭の負担とするのではなく区が全額負担すること。また国に予算措置を求めること。
  5. 子どもたちの頭上を通過する羽田新飛行ルートに対し、教育委員会として中止を求めること。
  6. コロナ禍による大学の退学者を出さないよう、国の「学生支援緊急給付金」の対象から外れた学生に対して区独自の給付金を支給すること。

<文化・芸術支援>

  1. 新型コロナ感染症対策のため客席などの定員が制限されている「きゅりあん」など区立の文化ホールや区民集会所などの区立施設について、その制限に応じて使用料を引き下げること。
  2. 客席などの定員が制限された区立施設の会場での公演等について、施設使用者に対する入場制限分のチケット代補填制度を設けること。
  3. メイプルセンターなどで行われている講習会等について、区の要請で休講や人数制限をし、減収となっている講師への講師料を補償すること。

<コロナ禍での災害対策>

  1. 国交省の通知などに沿って、避難所環境の改善及び感染症対策に有効であるベッドの備蓄、食事スペースの確保、トイレの改善などを推進すること。
  2. 災害時のマスクや消毒液などを十分備蓄すること。テントや間仕切りを各避難所に必要量備蓄すること。そのための備蓄倉庫の増設も進めること。
  3. コロナ禍における避難所について、密を避けるために分散避難ができるよう、地域センターや文化センター、シルバーセンター、児童センターなどできる限り多くの避難所を開設する計画を作ること。
  4. 障害者や寝たきりの高齢者がいるため避難所に行けない在宅避難者への支援と情報が行き届くようにすること。
    浸水ハザードマップの浸水区域内にある高齢者や障害者施設等は災害時タイムラインを作成し早めに避難できるように計画を立てること。

<その他>

  1. 住居確保給付金は以前給付を受け自己都合で離職された方でも新型コロナ禍の下、再度受けられるようにすること。
  2. 新型コロナの影響で失業や減収になる人が広がる中、高すぎる国保料は値下げをし、子どもの保険料は無料にすること。傷病手当は、個人事業主とフリーランスも対象にすること。また、引き続き、国保料の減免制度の案内・周知徹底を強化すること。
  3. 住民の反対があり不要不急の特定整備路線や超高層再開発などの事業は中止・廃止し、財源は新型コロナ感染症対策に回すこと。

以上

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