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おくの晋治区議と鈴木ひろ子区議が令和2年(令和元年度)決算特別委員会で総括質疑を行いました

2020.10.16 おくの晋治 区議
鈴木ひろ子 区議

おくの晋治区議

 日本共産党品川区議団を代表し、総括質疑を行います。前半は、私、おくの晋治が、後半は鈴木ひろ子委員がそれぞれ行います。どうぞよろしくお願いいたします。

 私からは、この3月末から本格運用が始まり、区民の暮らしを大きく変えている羽田新飛行ルートについて質問いたします。

 まず、騒音の問題です。この点については、款別審査で区が騒音測定をしている台場小学校と立会小学校では、測定された最大騒音値が81デシベルあった点が問題になりました。事前の国の説明では、高度300mの新ルート直下での騒音は80デシベルであり、それよりも高く、また離れているにも関わらずそれよりも高い数値でした。

 これに対して区は、高い数値の発生回数は低く、平均値は台場小学校では77.1デシベル、立会小学校では79デシベルであるから、突出して大きい騒音値ではなかったという受け止めでした。このような受け止めでいいのでしょうか。79デシベル、77.1デシベルという騒音は、住民にとってはあまりにもうるさい騒音です。

 共産党区議団が行ったアンケートでは、夜勤の仕事をしており、飛行時間には眠っていることが多いので、飛行機の音で目が覚めてしまう。十分な睡眠がとれないで現場に行くことになり、仕事に悪影響を及ぼしている。小さい子どもがいるため、昼寝中、泣いて起きることがある。想像していた以上にうるさい。自宅で動画を収録する仕事なのでとても困っている。家は賃貸なので引越しも考えているなどの切実な声が寄せられています。

 そこで伺います。騒音は区民の日々の暮らしにどのような影響をもたらしているのかという目で見るべきです。いかがでしょうか。さらに、そうでなければ、区民の立場に立った見方にはなりません。ひどい騒音だとは思いませんか。これもいかがでしょうか。伺います。

中村都市環境部長

 騒音につきまして、区としましても、やはり新飛行ルートによる環境影響に対しまして、同じ騒音レベルでも音の聞こえ方、感じ方は様々であると感じております。区民の皆さんがその影響をどのように感じておられるかについても、様々意見をいただいているところでございます。

 ただ、このデシベルという数字も単なる数字ではございますけれども、客観的な指標としての役割もありますので、国に対しても測定を求めておりますし、区独自の測定局でも測定を行っているところでございます。 現在までに電話やメールなどで様々な方法で区民の皆様から様々影響についてご意見をいただいておりまして、これも国に伝えているところでございます。

 引き続き、区としまして、区民の皆さんの意見をしっかりと聞き、区民の立場に立って国に対し必要 な対応を求めてまいるという考えでございます。

おくの晋治区議

 これは区民の皆さんの受けているれっきとした被害です。ぜひ寄り添った対応をしていただきたいと思います。

 騒音の問題では、さらにあります。この騒音の問題は、健康被害をもたらしているという点でも重大です。2018年にWHOは環境騒音ガイドラインを改定して、航空機騒音について、人の健康を守るために、1日平均の騒音指標の1つであるLdenを45デシベル以下にすることを強く勧告いたしま した。

 東京都や港区などでは、新ルートの騒音測定において、このLdenの値も出しています。品川区に近い東京都の中央卸売市場食肉市場では、50デシベル以上の値が出ており、また、品川区内の都 立産業技術高等専門学校、八潮学園では、45デシベル以上の値が日によっては出ております。それだけにこの値は重要です。 そこで伺います。

 品川区では、騒音測定において、このLdenの値をなぜ出さないのでしょうか。 出すべきではないでしょうか。 また、区民の健康を守るという観点から、港区でも先ほど述べましたように50デシベル以上、また、 都の資料からも、品川区内でも基準を超えた値が出ています。WHOの基準を超えているというのは問題だとは思われませんか。伺います。

中村都市環境部長

Ldenでございますけれども、健康の保護に資する基準というところで、年間Ldenによって判断されるものでございますけれども、区では、現在、騒音の最高値、発生回数等 を公表しております。

 ただ、Ldenにつきましても、今後、年間Ldenについて公表を予定しております。 それから、WHOの示すLdenについてでございますけれども、これは国際的に示された知見というところで、まずは国レベルで議論すべきというふうに考えております。

 区としましても、国がしっかりと精査をし、基準を定めるところは定めるべきであり、また、区としましても、定められた基準を遵守すると。当然のことながら、国に対しても遵守を求めてまいります。

おくの晋治区議

 Ldenの値、区民の健康という非常に重要な要素に関するものです。ぜひ積極的に取り入れていっていただきたいと思います。

 続きまして、区民が強く不安を抱いている航空機からの落下物、そして万が一の墜落事故、特に落下 物の問題について取り上げます。 衝撃だったのは、3年前の9月、大阪市でオランダ航空機から約4.3sのパネルが脱落し、走行中 の車に衝突した事故でした。もし人にぶつかっていたらと想像すると、今でもぞっとします。また、翌年1月には、航空自衛隊によって機体が整備されている政府の専用機からパネルが脱落するという事故も起こっています。国の対策も落下物防止対策の基準、また起こった場合の損害賠償の基準を新しくしただけのことです。これらの対策で落下物がなくなってしまうわけではありません。墜落事故はもちろん、また落下物による事故をなくすためには、市街地を飛ばないという以外にはありません。

 加えて、新ルートを飛ぶのは民間機だけではなく、自衛隊機も飛ぶことが、この間、判明しました。地域からも驚きと不安の声が上がっております。国交省による部品欠落の報告制度、また羽田空港にお ける駐機中の機体チェックの対象とならないことも明らかになっています。

 これは、これまで国交省や防衛省が説明してこなかったことです。即ち、羽田新ルートについては、これまで国交省が一元的に責任を負っていると考えてきたわけですが、そうではなく、国交省の責任が及ばない分野があることが、今回、図らずも明らかになりました。

 そこで伺います。区は、本格運用以前に、羽田新ルートを自衛隊機が飛ぶことがあること、そしてその自衛隊機も1時間44便のうちに含まれていること、国交省による部品欠落の報告制度および羽田空港における駐機中の機体チェックの対象とはならないことの説明を受けていましたか。そして、受けていなかったのなら、区も区民も全く知らされてこなかった重大な新事実が新たに判明したわけですから、国に即刻運用中止と、改めての説明の場を設けさせるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。伺います。

中村都市環境部長

 自衛隊輸送機が飛行したということでございますけれども、新飛行ルートの事前の説明では、飛ぶとも飛ばないとも説明はなかったという認識でございます。

 まず、この自衛隊機の飛行の目的は、任務の遂行ということでございますけれども、飛行については定期的なものではなく、従来の飛行ルートにおきましても自衛隊機は飛行しているという国の説明でございます。 ただ、区といたしましても、区民の安全安心の観点から、新飛行ルートにおきましても、可能な限り、事前の情報提供を求めてまいりたいというふうに考えております。

 また、この中止を求めるというところに関しましては、国防に関する任務の遂行の是非を区が判断することはできませんので、区としてこれをもって直ちに新飛行ルートを中止という判断にはなりませんが、区民の安全安心の観点から、先ほども申し上げましたが、可能な限りの情報提供をもらうというこ とを国に申し入れていくという考えでございます。

おくの晋治区議

 区は事前には全く説明を受けていなかったという認識でよろしいのですね。

中村都市環境部長

 ご指摘のとおりでございます。

おくの晋治区議

 事前に説明を受けなかった以上、やはり全く新しい事態が展開しているわけです。民間機と自衛隊機は全く違うものを運びますし、違う飛行機が飛ぶわけです。

 全く新しい事態が展開した 以上、新しい事態の展開として説明の場は少なくとも設けさせるべきだと考えますけれども、いかがで しょうか。

中村都市環境部長

 この自衛隊の飛行につきましては、これは従来の飛行ルートでも飛行していた というところでございますけれども、やはり事前の説明がなかったというところは区も疑問に思うところはございますし、今後、丁寧な情報提供という観点からも、十分に説明を行っていきたいというふう に考えております。

 ただ、この航空機の任務遂行というところにつきましては、これは区として是非を 述べるというところではございません。引き続き、丁寧な情報提供を求める、そういったことを国に引き続き申し入れていくという考えでございます。

おくの晋治区議

 新しい事態に対する新しい説明、強く求めていただきたいと思います。 さらに次にいきます。新ルートの固定化回避を掲げる検討会が、結局、新ルートの固定化を招くという問題について伺いたいと思います。

 款別審査では、国交省が6月に設置した羽田新経路の固定化回避の検討会が、結局は新ルートを前提 としたものに過ぎず、新ルートを再検討するものではないことも明らかになりました。共産党の国会議 員の質問主意書への答弁書で、国もこの検討会において、新飛行ルートの滑走路運用および発着便数を再検討することは考えていないとはっきりと述べています。

 改めて伺いますが、羽田新経路の固定化回 避の検討会は、現在の滑走路運用、つまり、都心ルートを前提にしたものであると、区もそこは認めているということでよろしいですね。伺います。これが1番目です。

  2番目、そうであるなら、この検討会は、区民にとって新ルートの固定化ということではないでしょ うか。

 3番目、やはり中止またはルートの変更を国に求めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 以上3点、伺います。

中村都市環境部長

 この固定化回避の検討会でございますけれども、区としましては、新飛行ルー トを固定化しない取組みを国に求めることは、新ルートの飛行における地域の環境影響を可能な限り軽 減していただく、こういったことを国に対して求めることだというふうに捉えております。

 これは本格 運用したからそれでおしまいということではなく、新たな技術革新も踏まえ、環境影響の軽減に向けた 取組みを行っていってもらいたいという、そういう思いから国に申入れを行ったものでございます。

 現在、国では検討会が立ち上がりまして、技術的な観点からも様々検討が行われるというふうに考えております。現在、検討中ということでございますので、どのような考えが示されるか予測ができない中でございます。そういった検討途中における国の発言に対して、区の考えを述べることは差し控えるべきと考えております。

 ただ、この国が行う検討については、先ほども申し上げました区民の負担を可能な限り軽減していただく、こういった方向性で取り組んでいただくというところは、区としてぶれずに結果を注視していきたいというふうに考えております。

おくの晋治区議

 結局、今のご答弁からも、この固定化回避の中に区としても現在の都心ルートを前提 にしたものであると。つまりは、新ルートの撤回、中止ということは固定化の回避の中には含まれていないという前提で取り組まれているということがはっきりしたのだと私は思います。

  次にいきます。最後に、これだけ重大な被害を区民にもたらす新ルート、政府自らが地元の理解を得て進めると明言していたにも関わらず、住民が無視され続けて強行されてきたことも大問題です。

 伺います。品川区の住民は、新ルートへの賛否を聞かれたことが一度でもあったでしょうか。いかがでしょうか。 それからもう1つ、最後に伺います。今の住民は自らの意思を目に見える形ではっきり示そうと、品川区民投票条例制定に向けて住民自らの手によって署名運動を始めています。これは重大な政策決定に当たり、住民、主権者の声を聞いて決めるという民主主義、地方自治の在り方から言ってとても大切な ことだと思います。区としては、住民投票を求める住民運動をどのように受け止めていますか。伺います。

中村都市環境部長

 まず、区民に対する意見を聞くというところでございますけれども、これまで国は、品川区をはじめとしまして関係自治体において複数の日数でオープン型説明会を行っております。

 これは複数の説明をワンセット、1フェーズといたしまして、合わせて6回、6フェーズの説明会が行われてきております。また、品川区内におきましては、区の要望に対しまして、区内全域を対象として、合わせて13回の教室型説明会も開催されております。区も同席しましたけれども、国から直接の回答による活発な質疑応答が行われたと記憶をしているところでございます。

  また、条例制定に向けた署名運動につきましては、自治法上も認められた権利でございますので、区としましても法令に基づき厳正に対応してまいりたいと考えております。

おくの晋治区議

結局、この条例制定運動も地元の理解を得て進めると国自らが言いながら、結局は地元の理解を得られないまま進めた点から、こういう自体に立ち至ったと。新ルートへの賛否を聞かれたことが結局は一度もなかったという事態から生じたことだと私は思います。

 新ルートによって区民は日々の暮らしとその環境を壊され、また、健康も蝕まれております。また、命さえ奪われようとしております。それにも関わらず、区民の意思は全く無視されて、新ルートが強行されてしまいました。

 区民 がこのような被害を受けるいわれは全くありません。新ルートの中止、撤回、強く求めて私の総括質疑 を終えます。

鈴木ひろ子区議

 続きまして、日本共産党の総括質疑を行います。私、鈴木ひろ子からは、新型コ ロナ対策について質問いたします。 感染者は7月からの第2波が収まらず、品川でも10月にはさらに拡大しているとの報告でした。

 昨日の東京都の感染者は284人、収束には程遠い状況です。感染拡大による暮らしと経済への影響は大変深刻です。第3波が懸念される中、これからの対策が決定的です。感染拡大を抑えるためのPCR等 検査の抜本拡充と、深刻な経済危機から区民の暮らしを守る対策を求めて質問します。まず、PCR等検査の抜本拡充についてです。第1波の4月、第2波の7月、8月、9月の感染者数とPCR検査数、陽性率、10月については分かっている日にちの範囲で結構ですので、数をそれぞれお聞かせください。それから、品川区のPCR検査体制について伺います。PCR検査センター、帰国者・接触者外来での1日のPCR検査可能数、医師会を通じて東京都と契約をしているPCR検査可能な医療機関の数と、そこでの検査可能数をそれぞれ教えてください。

 品川区の感染者数は1,000人を超えましたが、保健所として、これまでの感染実態を分析検証し、どのような場所で感染が起こっているのか、なぜ20代、30代に多いのかなど、感染の特徴、区の特性や課題など、明らかになっていることは何かお聞かせください。

福内品川区保健所長

 まず、4月、7月、8月、9月、10月の感染者数、PCR検査数、陽性率でございますが、まず4月は、感染者数が139人、検査が513件で、陽性率が27.1%です。7月が、感染者数233人、検査が2,641件、陽性率8.8%。8月が、患者数270人、検査数4,719件、陽性率5.7%。9月が、患者数132人、検査数5,660件、陽性率2.3%。10月は7日までの数字でございますが、感染者数が54人、PCR検査数が1,321件、陽性率 が4.1%でございます。 次に、区のPCR検査体制についてですが、帰国者・接触者外来等の1日の検査可能数は、PCR検 査センターと帰国者・接触者外来のうち、区で把握している限りでございますが、200件程度と推定 しております。

 また、医師会を通じ東京都と契約をしている唾液によるPCR検査可能な医療機関数は39か所ございまして、こちらは増加傾向にございます。ただ、検査可能数は把握しておりません。

 次に、品川区のこれまでの感染者の実態、特徴でございますが、第1波のときには比較的高齢者の方 も感染をしておりましたけれども、第2波になりましてからは、圧倒的に20代、30代といった若い 方たちが多くなっております。トータルで見ますと、20代が最も多く、30代、40代、50代と続いております。

 また、性別では、20代はほぼ同数ですけれども、他の年齢では男性が多い状況です。なぜ20代、30代が多いかということにつきましては、やはり活動が活発というようなことが挙げられます。感染者の方の行動を見ますと、お仕事を終わった後、お友達と会食をしたり、様々なイベント等に参加をされている方が多く見られる状況があると思います。感染経路が分かっている症例では、 品川区独自の特性ということはございませんけれども、友人との会食や職場や学校などでマスクなしで接触をされている、また、それらの方からの家庭内感染が多く見られております。

鈴木ひろ子区議

 区としての課題とかがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 今の答弁から、PCR検査数が4月から9月にかけて10倍にも増えたということが分かりました。

 当初、PCR検査は抑制され、区も検査をやればいいというものではないと言ってきましたし、濃厚接触者に対しても、共産党は当初から求めてきましたけれども、国の方針がそうなっていないと行っておりませんでした。

 しかし、今では濃厚接触者はもとより、さらに広い範囲でのPCR検査が実施されています。検査の拡大によって感染者の早期発見、早期治療、保護、隔離につながっていると思います。

 しかし、まだ検査抑制論があり、日本の人口対比のPCR検査数は世界で153位と遅れたままになっています。この抜本拡充こそ必要だと思います。厚労省もPCR検査等の拡充の方針を出しました。8月28日の国の通知、新型コロナウイルス感染症対策本部決定の2、検査体制の抜本的な拡充で述べられている国の方針について、具体的にお答えいただきたいと思います。

 さらに、9月15日、厚労省からインフルエンザ流行に備えて、検査体制の拡充に向けた指針が出され、検査体制の点検と強化を求められています。東京都に報告した区の取組みをお聞きします。これからの検査需要の見込み、PCR検査の検体採取対応力について、現状での1日の件数と、ピーク時、1日何件まで引き上げる計画か、そのための体制整備をどうつくっていくのか、相談体制はどう拡充する のか伺います。

福内品川区保健所長

 先ほどの感染の状況に関します課題でございますけれども、やはりマスクの 着用等をそれぞれの個々の方が守っていただくというのが、まず重要かと思います。

 また、密閉されて いるような空間の利用についても控えていただくということが重要、また、高齢者の方は重症化します ので、そういう方たちへの感染を防止するということも重要な課題だというふうに考えております。

 次に、国がPCR検査の検査対象を拡大してきた理由でございますけれども、やはり当初は病気そのものがよく分かっていないということもありましたし、検査についても、当初、精度が保たれた民間機 関での検査が始まっていないということで、東京都においても都の健康安全研究センターでのみの検査というふうになっておりましたので、ある程度、数が稼げなかったというような状況はございます。国内全体で検査可能な体制がそういう意味では整えられていなかったのが、徐々に検査体制が整ってきて 拡大をしてきたというふうに考えております。

 次に、8月28日の国の検査体制の抜本的な拡充に述べられている方針でございますが、4点ございます。 まず1点目は、今後のインフルエンザ流行期を踏まえた検査需要に対し、都道府県に地域の医療機関 での検査体制の構築と、新たな検査体制整備計画を策定するように要請する。

 2点目は、感染者が多発またはクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関や高 齢者施設等の勤務者等を対象にした検査の実施、また、地域における感染状況を踏まえて、感染拡大防止をする必要がある場合は、広く地域の関係者の検査の実施を都道府県等に対して要請するという点 が2点目です。

 3点目は、感染拡大や重症化防止の観点から、高齢者等に対して市区町村において、本人の希望による検査をする場合は国が支援する。

 4点目は、社会経済活動の中で、本人等の希望により、全額自己負担による検査ニーズに対応する環境整備。ただ、この際は、行政検査が逼迫しないように、知事が検査機関に要請をするといった4点が 示されております。 次に、9月15日に出された国の通知に基づきまして、検査需要数の見込みでございますが、こちらは東京都が都内全ての自治体の検査需要見込みを立ててございます。

 それによりますと、人口約41万 人の品川区においては、1日当たり326件の検査需要数を見込んでおります。これに対して対応能力はどの程度あるのかということですけれども、現時点で把握している限りでございますが、先ほどお話をした現状でも把握しているものとして検査の可能数が200件、それから唾 液の検査可能医療機関が現在のところ39か所ございます。今後も増加の見込みがございますので、1日で、先ほど申し上げました326件程度の検査は可能ではないかというふうに考えてございます。

 また、今後の検査体制の整備でございますが、今後のインフルエンザが流行するシーズンを見据えまして、現在、東京都、都の医師会等で、どのように診療、検査の体制を整えるかというような検討が進んでございます。

 国からもそれぞれの医療機関に補助が出るというようなスキームでございまして、今、それらの検査、診断を行っていただく医療機関に手挙げしていただくというような状況になってございますので、それらで拡充が見込めるというふうに思っております。

 区におきましても、今後、医師会等 と詳細について詰めてまいります。 また、今後の相談体制の拡充ですけれども、現在の電話相談の窓口は維持をしたいというふうに思っておりますけれども、今後、発熱の患者数が増加してきたときに、現在のところは東京都が一括して対応して発熱患者を診ていただける医療機関を案内するというような役割分担が示されておりまして、これらが確定し次第、区民にきちんと情報提供してまいりたいというふうに思ってございます。

鈴木ひろ子区議

 やはり抜本的に検査を拡充していくという方向で進めることが本当に大事だということだと思います。衛生費の審査のときに、私が、国もPCR検査拡充の方針として出している、一定の高齢者や基礎疾 患のある人へのPCR検査を区として行うことを求めたのに対して、区は、症状がない人が希望すれば検査をするというのは特段の方向性は決まっていないとの答弁でした。

 私は、ぜひこれを行う方向で決めていただきたいと思います。 厚労省は、9月15日の通知で、65歳以上の高齢者と基礎疾患を有する者を対象に国庫補助を行うと打ち出しました。その理由を重症化リスクが高く、感染した場合は死亡例の増加、重症化の増加と、それに伴う医療提供体制の逼迫につながると述べ、PCR検査の基準単価2万円の場合、半額を国庫補助、残り半額を地方創生臨時交付金の対象とするとしています。ぜひこれを区が活用して、高齢者、基礎疾患のある希望者へのPCR検査を実施するよう求めます。いかがでしょうか。

 さらに国は、感染者が多発している地域において、医療機関や高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象とする一斉定期的な検査の実施を要請すると求めています。この要請に沿って検査の拡充を求めます。いかがでしょうか。

 今回、介護サービス事業者と障害福祉サービス事業者へのPCR検査が実施されることになったことは評価します。さらに保育や教育、清掃など、エッセンシャルワーカーへの対象拡大と、定期的な検査への拡充を求めます。いかがでしょうか。 以上、3点の実施について、お答えいただきたいと思います。 また、新型コロナウイルス感染症地方創生臨時交付金は、品川区に幾ら出されているのか、どう活用されているのか、今述べた対策に活用できるのか伺います。

品川財政課長

 地方創生交付金について、私からお答えさせていただきます。 現在、地方創生臨時交付金の品川区に対しての交付金額の合計は14億円余となってございます。充当先としましては、しながわ活力応援給付金、中小企業等への家賃補助、それからPCR検査センターの運営費等に充当してございます。

 なお、委員のご質問にありますPCR検査等につきましては、地方創生臨時交付金の対象におおむねなるというふうには考えておりますが、詳細な事業内容等によっては一部対象外になることも考えられるというところでございます。

伊ア福祉部長

 私からは、高齢者へのPCR検査、それから高齢者施設入所者等へのPCR検査などについてお答えを申し上げます。 厚労省の通知によりますと、助成対象となりますのは65歳以上の高齢者、基礎疾患を有する者となっておりますが、手続きの詳細につきましては、現時点では示されておりません。

 区といたしましては、委員ご指摘の介護サービス事業者等のPCR検査の実施に向けて、今、作業を 進めているところでございまして、こういった手段を講じて、安心して介護サービスをご利用いただけるように努めてまいります。

 また、ショートステイなどのご利用者に対する検査につきましても、同様に今、検査体制との整合性などから、現在のところは拡充することは考えておりません。

福内品川区保健所長

 医療機関や高齢者施設の勤務者、入所者全員に対する、一斉定期的な検査の拡充についてのご質問ですが、現在、高齢者施設や医療機関で感染者が複数発生するなどした場合は、 現在でも対象を広げ、感染状況により複数回検査を実施しております。

 今後も感染状況等に応じて確実に検査を実施してまいります。

鈴木ひろ子区議

 高齢者と基礎疾患のある人を対象に、国庫補助を行うという通知は、1か月前の9月15日に出ているのです。この1か月前に出ているものに対して、1か月間、このことに対しては検討してこなかったのでしょうか。

 私は何よりも高齢者と基礎疾患のある人は、かなり幅広くなります。この方たちの安心につながり、生活の質を変えるものになっていきます。大変意味あることだと思いますけれども、区は、この高齢者と基礎疾患のある人への検査に対して、必要な検査とは考えないのか伺います。

福内品川区保健所長

 高齢者や基礎疾患を持っている方は重症化のリスクがあるということは、そのとおりでございます。

 ただ、検査を実施するに当たっては、やはり効果的に実施する、また、感染の疑いのある方たちからきちんと検査を行い、また、場合によっては対象をそこから広げて検査をしていくことが望ましいというふうに考えてございます。

鈴木ひろ子区議

 私は、この65歳以上の高齢者と、基礎疾患を有する者を国庫補助を行うと、ここまで出しているわけですから、この検査をやっていただきたい。これを検討しなかったのか、そしてこれを必要だと思わないのかを伺ったので、そのことについて答弁をお願いします。

福内品川区保健所長

 答弁が重なりますけれども、こちらの市町村において本人の希望により検査をする、当然これは国が支援するというふうになってございますけれども、全国を見てみますと、感染者の数、また感染者がどのようなところから出ているのか等々、非常に差があります。

 品川区の場合は、現在、高齢者の方は家族からの感染、また施設の中での感染ということが見られておりますので、現時点では、そのような状況を踏まえて、施設等、または家族の中で、そこからまた広がる場合は濃厚接触者に対してということで確実に検査を実施していくということを考えており、先ほどのご質問の検査につきましては、現時点では実施をする考えはございません。

鈴木ひろ子区議

 非常に残念です。私はぜひ実施の方向で検討をしていただきたいと思います。ここまで国が出しているわけですから。区はこれまでも国の方針でやってきたと繰り返し述べています。さっきの3点も国が出している検査の方向です。ぜひ拡充の方向で取り組んでいただきたいと思います。

 感染拡大の防止と社会経済活動の両立の最大の鍵は、検査と医療の拡充です。検査の拡充抜きに感染の再燃を避けることはできません。感染の不安があれば、安心して様々な活動に取り組むことはできません。改めてPCR検査等の拡充を強く求めます。

 次に、保健所体制の拡充について伺います。 保健所の部課長はじめ保健師など職員の頑張りに支えられた新型コロナ対応だったと思います。この間、長時間労働や仕事の緊張など、多大なストレスだったのではないでしょうか。感染症担当の保健師、他の職員の月ごとの残業時間について、平均時間数、最も多い月、最も多い人は何時間だったのか伺います。 ストレスチェックはされているのでしょうか。その結果、対策が必要ということはないのか伺います。もともと保健師は人口対比の定数が23区で最低の人数であり、共産党は定員増を求め続けてきました。

 さらに今回のコロナ禍です。厚労省も保健所体制の強化を打ち出し、恒常的な人員体制の強化に向けた財政措置を検討するとしています。区として保健師の正規職員の大幅増員を求めますが、いかがでしょうか。

榎本総務部長

 保健所の体制のご質問でございます。まず、感染症担当の平均の残業時間につきましては、4月から9月までの平均で月92.5時間です。最も多い月が8月で128.9時間、それから 最も多い人につきましては、事務職で194時間でございます。ストレスチェックにつきましては、9月に全職員を実施しておりますので、その中で、今、検診機関のほうで集計をしているところで、11月には各個人に報告書を通知する予定でございます。

 その結果 によりまして、産業医の面談、本人であったり上司を通じての面談などで行う予定でございます。それから、保健師の採用につきましては、この間、計画的に採用を行ってきております。この5年間 で22名を採用しているところでございます。今後も採用に努めてまいります。

鈴木ひろ子区議

 私は、正規職員の大幅増員を求めましたので、そのことについての答弁をお願いします。 次に進みたいと思います。区民や中小事業者への経済支援についてです。

  昨年10月からの消費税10%への増税で、区民の暮らし、営業が大きく落ち込む中でのコロナ危機、学生、非正規労働者、中小事業者、アーティストなどなど、多くの区民が大変な苦境に見舞われています。個々に心を寄せた支援が求められています。4月から6月の品川区中小企業の景況では、製造業、小売業、建設業など、全ての業種で最悪の、大きく下降であり、予測も明るい見通しがありません。区がこの状況をどう捉え、どのような対策が必要と考えるか伺います。 さらに具体的に伺います。家賃助成ですが、7億円超の予算を組み、地方創生臨時交付金が財源です。 国、都、区が固定費補助に踏み出したことは画期的なことであり、大きく評価するものです。

 しかし、区の助成金は家賃の20分の1が3か月というものです。東京都並みに2倍に額を引き上げること、3か月の期間を国並みに6か月に引き上げることを提案します。さらに区独自に収入減が5割減、また3割減が3か月と厳しい要件を緩和することを求めますが、いかがでしょうか。

 持続化給付金で一時は乗り切れたが、この先の見通しが立たないとの声がたくさん届いています。1回限りの給付ではなく、持続的支援を国に求めていただきたいが、いかがでしょうか。

榎本総務部長

 職員の増員という件でございますけれども、この間、保健所等の部分でも保健師を採用してきております。そのほかいろいろな業務量を考えて、この間、増員をしてきているところでございます。

 今後も適正な仕事の執行ができるように人員をきちんと配分しながら仕事を進めていきたいと思っております。

久保田地域振興部長

 区内中小企業への支援についてお答えいたします。区内中小企業が依然として厳しい状態にあるということは、私どもも認識を持ってございます。

 引き続き、融資あっ旋をはじめとした資金繰り支援、また家賃支援給付金、テレワークに係る経費の助成など、多面的な支援を積極的に実施していきたいと考えております。

 次に、家賃支援給付金についてでございますが、これらの要件につきましては、経営状況が特に厳しい事業者に迅速な支給を実施するものと考えておりまして、審査を極力簡略化し、迅速な給付をするという観点から、都の2分の1の上乗せ助成ということで考えておりまして、引上げや要件緩和については考えておりません。

久保田地域振興部長

持続化給付金の件につきましても、こちらは国が実施しているものでございまして、区として国に継続的に支援を求める考えはございません。

鈴木ひろ子区議

 ちょっと残念な答弁です。 保健師は、ぜひ定数として増やしていただきたいと思います。

  続きまして提案ですけれども、住居確保給付金、緊急小口資金・総合支援資金は、多くの人が活用し救われています。支給された人数をそれぞれ教えてください。 住居確保給付金は9か月、緊急小口資金・総合支援資金は計7か月、支給期間の終了が迫っており、コロナ不況が深刻な中、この制度が使えなくなったら生活が成り立たないとの相談が寄せられています。 給付期間延長を国に求めてください。いかがでしょうか。

  多くの学生が生活費と高い学費をまかなうためにしていたアルバイトがコロナ禍によって激減し、休学、退学に追い込まれ、学ぶ権利が奪われています。港区のように、品川区でも大学生、専門学生に対する給付型奨学金制度の創設を改めて求めます。いかがでしょうか。 

伊ア福祉部長

 私からは、住居確保給付金、緊急小口資金・総合支援資金についてお答え申し上げます。

 今年9月末現在で、住居確保給付金の支給件数は582件となっております。 また、緊急小口資金・総合支援資金につきましては、各都道府県社会福祉協議会が各市町村の社会福祉協議会に委託をして支援をしているものでございますが、社会福祉協議会から聞いたところによりますと、緊急小口資金は3,301件、総合支援資金は2,456件、総合支援資金の延長が563件と聞いております。住宅確保給付金および緊急小口資金・総合支援資金の期間の延長につきましては、国において議論をされるものと認識しておりますので、状況を注視してまいります。

柏原子ども未来部長

私からは、大学生等への給付型奨学金の制度の創設の部分でございます。品川区におきましては、平成30年度から高校生のための奨学金の返還免除制度を導入して行ってきているといった状況がございます。こちらが導入の目的のところが、高校生活の修学意欲を高めるであったり、そういったところもあるのですが、さらにその効果としては、高校を中途退学の抑止にもつなげたいといったところが、目的・効果としてあったところです。こちらの問題に関しましては、進学はもちろんそうですが、高校生が途中で退学した場合に、その後の就職であったり、様々な影響がある、これはかなり大きな影響があるということで、大学生のそういった部分との比較においては、品川区としては、高校生の部分への支援がまずあるべきだろうといったところでございますので、品川区といたしましては、高校生の今の奨学金の返還免除制度の充実を 図っていきたいということで、大学生のほうについては、現在のところでは考えていないというところでございます。

鈴木ひろ子区議

 私はコロナ禍による区民の苦境に心を寄せた対応をお願いしたいと思います。コ ロナ対策は国民の切実な声や運動、論戦によって新たな制度もつくられました。

 しかし、まだまだ不十 分です。PCR検査、医療体制の拡充、暮らし、営業を守る支援の取組みを求めます。そのための財源は、税金の使い方を変えれば十分に確保できます。区民がこれほど苦境に直面しているときに、50億 円もの税金を投入する大崎駅西口F南地区の超高層開発は、9月末、事業認可の申請を行いました。JR開発のために進める庁舎の建て替え、800億円もの税金を投入する巨大道路づくり、こうした税金の使い方は見直し、コロナ禍から区民の命と暮らしを守るために充てるよう求め、質問を終わります。

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