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鈴木ひろ子区議が賛成討論を行いました
「国や都のPCR検査助成事業を活用して高齢者など区民が無料で検査を受けられるよう求める陳情」への賛成討論

2020.12.10 鈴木ひろ子 区議

日本共産党区議団を代表し、令和2年陳情第58号「国や都のPCR検査助成事業を活用して高齢者など区民が無料で検査を受けられるよう求める陳情」に対する賛成討論を行います。

 新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」は極めて深刻な状況です。新規感染者数は昨日2810人、重症者は555人でともに過去最多。東京都の昨日の感染者数は572人で過去2番目、重症者数は59人で、使用可能病床数に対する使用率は7割を超え、医療機関は大変逼迫した状況です。感染者数の増加は品川区も例外ではなく、1週間単位で見ると10月最後の1週間24人だった感染者数は4週後101人と、1カ月で4倍に増えています。厚労省アドバイザリーボード(専門家の助言組織)や日本医師会会長、多くの大学病院の院長などが「このままの状況が続けば助けられる命が助けられなくなる」と強い危機感を訴え、看護師不足で懸命に頑張りながらも疲弊した現場の状況が日々伝えられています。旭川では医療崩壊の危機に直面し、今後全国に広がる懸念も指摘されています。医療崩壊を防ぎ、新型コロナ感染から国民の命守る対策が緊急に求められています。

 しかし、菅政権には危機感がなく、無為無策、自粛を呼びかけながらGoToキャンペーンで感染を広げるという、アクセルとブレーキを同時に踏むことに批判の声が広がっています。今行うべきことは、感染拡大抑止のためにPCR検査の拡充による感染者の把握と保護、医療機関への減収補填、区民と事業者への自粛とセットの補償です。GoToは一旦中止すべきです。

 今回の陳情は、感染拡大抑止の要であるPCR検査の拡充を求めるものです。国の打ち出した65歳以上の高齢者と基礎疾患を有する希望者に対するPCR検査と、東京都が打ち出した高齢者施設や障害者施設の職員と入所者や通所者、接待を伴う飲食店などを対象にしたPCR検査は、共に無料で受けられる制度であり、区民にとって有益なこの制度の活用を強く求めています。

まず国の制度ですが、厚労省は各自治体に出した通知で「高齢者及び基礎疾患を有する者は、重症化するリスクが高く、感染すると死亡例の増加、重症者の増加とそれに伴う医療提供体制のひっ迫につながる可能性がある」と述べ、@65歳以上の高齢者A基礎疾患のある人(慢性閉そく性肺疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患等)に対して、自治体がPCR検査を行う場合の補助制度であり、半額は国の補助、残りの半額は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象としました。つまり品川区の負担も区民負担もなくPCR検査等を無料で受けることができる制度です。

 そしてこの国の助成制度は23区でも11区が申請。隣の目黒区も港区も世田谷区も実施します。品川区は申請していません。今からでも申請すべきです。

次に東京都が打ち出したPCR検査等の補助制度ですが、高齢者と障害者の特養ホームやグループホーム・ショートスティなど入所施設やデイサービスなどの通所施設の職員と入所者・通所者へのPCR検査等に全額東京都が補助するというもの。これも品川区の負担も区民負担もなくPCR検査等を無料で受けることができる制度です。

 しかし品川区が申請したのは、区がすでに決定し予算化した介護と障害者施設で直接利用者と接する職員のPCR検査費用の肩代わり、新たに打ち出したのは高齢者グループホームと小規模特養ホームの新規入所者のPCR検査のみでした。区は、その理由を外からの感染を防ぐために申請したと説明しますが、そうであれば、東京都が補助対象にしていたショートステイやデイサービス、障害者の就労支援施設の利用者なども行うべきでした。外からの感染を防ぐと言いながらごく一部にとどめたことは問題です。

なぜこれらの補助制度を活用しなかったのか。

 大本には、国も東京都も、PCR検査については世界にも例がない抑制策を取り、未だ、人口対比世界で153位という状況があります。そんな中、今回の国と東京都の助成制度は、医療現場からの切実な訴え、国会論戦や世論と運動に押されて、やっと打ち出した施策です。人数制限や申請期限付きなど不十分なものではありますが、まさに、求められている対策です。

 しかし行うか否かはすべて自治体任せです。ここで品川区の姿勢が問われることになります。
区は、「陽性者が出た場合に濃厚接触者とその周囲を広く、必要があれば複数回検査をするとの方針・考え方であり、無症状者を広く、浅く、何度もという考えはもともと持っていない」と答弁しています。ここに問題があります。
新型コロナは、陽性者の4割以上が無症状の感染者から感染しています。特にウイルス排出量は症状の出る直前がピークだと言われています。無症状の感染者を把握し、保護することこそ必要です。そのために欠かせないのがPCR検査です。

 高齢者の感染が広がり重症者が急増する中で、国や東京都が作った今回の制度は、これまでの陽性者が出た場合の濃厚接触者に限定した検査から、高齢者や基礎疾患のある人、介護や障害者のサービス利用者のすべてに広げて無料で受けられるとしたものです。

 国にはこれからでも申請は可能です。東京都は申請が締め切られましたが、再度の予算化を求めるべきです。
新型コロナの感染拡大によって、暮らしにも深刻な影響を与えています。中でも製造業、飲食業、小売業では、廃業、解雇・雇止めが広がり、多くの人が追い詰められています。医療機関からは連日涙ながらの深刻な訴えが続いています。危機感を持った新型コロナ対策は一刻の猶予もありません。最大の医療支援は感染者を増やさないこと、そのためにもPCR検査の抑制から抜本拡充に方針を転換することが必要です。国や東京都が助成制度をつくり品川区の負担もなく区民が無料で受けられる制度の活用を求めて、賛成討論とします。

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