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のだて稔史区議となかつか亮区議が予算特別委員会で総括質疑を行いました

2021.03.17 のだて稔史 区議
なかつか亮 区議

のだて委員

  日本共産党品川区議団を代表して、中塚亮区議会議員と共に総括質問を行います。
私からは、新型コロナ対策の抜本的な強化を求めて質問します。今回は、感染を封じ込めるための大規模検査と、暮らし・営業への支援について取り上げます。

 まず、P C R検査の拡充です。1月のピークから新型コロナの新規陽性者は減少してきましたが、下げ止まり、増加に転じています。ワクチンも供給量が足りず、社会全体で効果が現れるにはかなりの時間を要すると指摘されています。そのため、ワクチン頼みにしてはならず、並行して検査の抜本的拡充が必要です。特に変異株は感染力が強く、従来の取組みでは感染再拡大・リバウンドは避けられません。防ぐには、原因を明らかにし、対策を取ることが不可欠です。

 第3波の原因について、区は、人出が増えたこと、マスク・消毒の対応が甘くなったことを挙げ、責任を区民に押しつけました。自助努力ではどうにもならないことは、この間、 感染拡大を繰り返していることからも明らかです。第3波の原因は、菅政権が検査を拡充せず、自粛を求めるばかりで、GOTO事業に固執するなど、科学を無視した政策を続けてきたことです。菅政権がまともな対策を行わない下で、区民の命と生活を守る対策は品川区にも求められています。区として感染再拡大をさせない新たな対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。どうやって感染拡大を抑えるのか質問すると、 区は「国で検討している」と、国任せです。高齢者・障害者施設職員へのP C R検査は区独自に行ったのですから、 区として積極的な感染防止対策に踏み出すべきです。区は、国の方針に基づいた対策を実施すれば、新型コロナが収束する、リバウンドしないと考えているのか、伺います。

福内健康推進部長

 感染の再拡大防止のためには、区民一人一人のさらなる感染予防対策の徹底と、必要な対象への確実な検査の実施が必要です。 国はリバウンド防止策として、 国民への注意喚起の継続、モニタリング検査の実施、変異株の検査、高齢者施設の職員に対する検査、保健所の積極的疫学調査の実施を挙げています。また、都も検査については、高齢者施設職員の検査と繁華街・歓楽街等、感染リスクの高い集団・場所を中心に、無症状者に焦点を当てた検査を実施するとしていることから、その動きを注視し、区としても必要な検査については実施してまいります。

のだて委員

 国や東京都も無症状者への検査を進めていくということです。こうした取組も活かしながら、品川区として、しっかりと感染拡大の対策をやって、それを発信していく。そういった姿勢で行っていくべきだと思います。

 リバウンドさせないため、新たな対策が必要だと考えているのか、改めて伺います。 国も都も自粛を求めるばかりで、感染拡大防止のまともな対策を示していません。区としても、 リバウンドさせない対策を考えるべきですが、いかがでしょうか。

福内健康推進部長

 感染の再拡大の防止のためには、やはり、区民お一人お一人のさらなる感染予防対策の徹底をしていただくことが必要だと思っております。また、検査につきましては、現在も行っております、高齢者施設での従事者のP C R検査等、今後も実施を検討してまいります。

のだて委員

 区民一人一人の徹底と言いますが、これまでも区民は自ら対策をしております。それでも防げないという状況ですから、新たな対策が必要だということで求めておりますので、この新たな対策を打って、リバウンドさせない取組を行っていくべきです。第4波を防ぐには、無症状陽性者を早期に把握・保護し、感染拡大を抑えるための積極的検査戦略が必要です。最近では、約6割が無症状者からの感染だとされています。この間、医療機関や高齢者施設等でのクラスターが続いており、こうした感染リスクの高い施設での定期的な検査が必要です。北区では、重症化しやすい高齢者施設にウイルスを持ち込ませないため、できるだけ多くということで、週1回、職員への検査を実施する方針です。保健所の行政検査で行うため、区の実質負担はありません。こうした先進的な手だても区の決断でできます。保育園の方からも、「感染の不安の中で保育をしている。全職員にP C R検査をしてほしい」との要望があり、検査をすることで、安心して働くこともできます。感染リスクの高い施設での定期的検査が感染拡大防止になると思いますが、いかがでしょうか。医療機関、 高齢者施設、障害者施設、保育園、幼稚園、学校、清掃所の全職員に対して、PCR 検査を定期的に行うことを求めますが、いかがでしょうか。

福内健康推進部長

 医療、介護等の現場で働く人への検査につきましては、病院等では既に必要な対象に適時検査を実施していると聞いております。高齢者施設では現在、検査を実施しており、今後の定期的な検査については検討してまいります。そのほかの方々を対象とした検査につきましては、感染予防に資する適切な時期に、必要な対象に実施してまいります。

のだて委員

 高齢者・障害者施設で検査をしていると言っておりますが、これは単発です。この2つの施設も含めて、定期的に検査を行い、無症状者の施設へのウイルス持込みを防ぐことが重要です。国の分科会、尾身会長も、1回だけでは意味がないと、定期的にやるのが重要と、国会でも発言しています。先ほど求めた施設の定期的な検査を行うことを、改めて求めます。なぜ定期的検査をしないのか、伺います。

福内健康推進部長

 やはり、感染状況に応じた検査が必要だと考えております。ですので、それぞれの状況に合わせて検査を実施してまいります。

のだて委員

 感染状況を踏まえたと言いますが、この間もクラスターが様々発生しております。医療機関、高齢者施設、保育園など、そういったところでしっかりと定期的な検査を行っていくことが、感染拡大防止につながると思いますので、ぜひこれは定期的検査を行っていただきたいと思います。コロナの特徴は、無症状者が知らぬ間に感染を広げてしまうということですので、こうした定期的検査で無症状者を早期に把握・保護することが感染拡大防止への鍵ですので、ぜひお願いいたします。実施を求めます。

 重症化リスクの高い方への検査も重要です。区は、第3波で死亡者が増えた理由を、「感染が拡大し、家族間の感染が増え、基礎疾患のある方や高齢者に感染した」と説明。第4波で同様の事態を防ぐために、国の補助事業である、希望する6 5歳以上の高齢者や基礎疾患のある方へのP C R検査を活用すべきです。23区で11区が既に申請していますが、なぜ品川区は踏み出さないのでしょうか。国の補助事業である、希望する6 5歳以上の高齢者や基礎疾患のある方へのPCR検査を改めて求めます。緊急事態宣言の下でも新規陽性者が増えており、国も新たに無症状者に焦点を当てたモニタリング検査の実施を打ち出さざるを得なくなりました。発症してからのクラスター対策では、感染を抑え込むことができませんでした。地域で面的な検査を行い、感染の全体を把握することが重要です。国が打ち出したモニタリング検査を活用し、対象とする集団・地域を幅広く設定して、地域住民と、そこで働く人全体を対象に協力を求め、希望する全ての方に対して全面的なPCR検査を実施することを求めます。いかがでしょうか。

福内健康推進部長

 65歳以上の高齢者等、希望者への検査につきましては、その方の基礎疾患や体調等、状況に応じて、かかりつけ医等に相談していただき、必要に応じ実施されることが望ましいと考えております。一律の行政検査については、現在のところ、区として実施する考えはございません。

 また、国が実施するモニタリング検査の目的は、繁華街・歓楽街等の感染リスクの高い場所を中心に無症状者に検査し、そのデータを分析することで、感染拡大の予兆探知、および感染源を把握し、感染拡大を防止することにあります。東京都でも同様に実施される予定であることから、状況を注視し、必要に応じて協力してまいります。

のだて委員

 重症化リスクのある方への検査を拡充することが、医療崩壊を防ぐことにもなりますし、誰が感染しているか分からないため、地域などの全体を把握することが重要です。 区として感染拡大防止へ、積極的な検査戦略に踏み出すことを強く要望いたします。

 緊急事態宣言が長期化する中で、暮らしと営業を守る支援も待ったなしです。切実な声が広がっています。電気工務店の方は、これから二、三か月仕事が入っていないと。持家だが、 車のリース代や駐車場代、倉庫など、約15万円の固定費がかかるため、どう工面したらいいのか。洋服屋さんは、緊急事態宣言が通算5か月近くにもなり、商売は厳しいと。居酒屋さnは、 12月の協力金がまだ来ない。支払いができず、電気・ガスが止められると。こうした実態を区がつかみ、倒産の危機に追い詰められている中小企業を今こそ支援すべきです。区が、 商店や工場など中小零細企業の現場に足を運び、実態調査をすることを求めます。その調査を基に支援策を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

久保田地域振興部長

 まず初めに実態調査についてですが、昨年の夏と秋に、区長自らが、五反田、戸越銀座、荏原町、大井町の各商店街を訪ねまして、商店街の役員の方々をはじめ、店主の方から直接お話を伺うとともに、区が推進する支援策の周知に取り組んできたところでございます。 また、この間、東京商工会議所品川支部や品川区商店街連合会など、 様々な団体とも意見交換を行ってきたところです。そうした意見等も踏まえながら、私ども、 区内中小企業の支援を行ってきたところであり、例えば感染症対応特別助成やテレワーク導入助成などは、個店や小規模事業者が気軽に活用できる、区として、区民・中小企業者に身近な支援であるというような評価も頂いておりますので、引き続き、関係団体との意見交換を行いながら、区内中小企業の支援に努めてまいります。

のだて委員

 区長が様々な役員の皆さんに話を聞きに行ったということです。さらにそれを、様々な場所で話を聞いていただきたいと思います。商店や工場など現場に足を運んで、 しっかりと声を聞いて、ぜひ直接それを支援に活かしていくということで、さらに進めていただきたいと思います。 現場の話を切実に聞けば、融資をやっていますという悠長なことは言っていられないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 中小企業を守るには、家賃など固定費への直接支援が有効です。家賃支援給付金は、国・都の上乗せで、品川区でも行いました。まず、現在の支給件数と金額、予算額を伺います。 この財源は、新型コロナ対応の臨時交付金です。新たに区に入る第3次臨時交付金の金額を伺います。

久保田地域振興部長

 家賃支援給付金でございますけれども、2月26日現在、支給件数は2,742件、支給金額は約1億2,000万円でございます。予算額につきましては、約7億4,500万円でございます。

品川財政課長

 地方創生交付金の第3次の額でございますが、おおむね7億円程度となってございます。

のだて委員

 家賃支援給付金はハードルが高くて、多くの中小企業が受けられませんでした。 臨時交付金を財源にしていますが、6億円余りも積み残しています。第3次臨時交付金が、およそ7億円入ってくるということで、これから使えるお金が13億円もあることが分かりました。このお金を区民のコロナ対策、支援のためにこそ使うべきです。そば屋は、 家賃支援は要件を満たしておらず、受けられないと。運転資金が底をつきそうだが、融資は、先が見えないので借りられないと。中小企業がこんなに苦しんでいる下で、コロナ臨時交付金を、もともと区の一般財源で出している予算の置き換えに使うことは許されません。これからますます深刻化する区民生活、中小企業への新たな支援が必要です。コロナ臨時交付金を活用し、家賃支援給付金のハードルを下げて、区独自に4月以降も実施することを求めます。いかがでしょうか。従業員も減収・失業の危機に見舞われています。チラシ関連会社の従業員は、コロナで 3月に店を閉めることになり 失業したと。しかし、給料は 4月に振り込まれるため、3月までの緊急小口資金などの支援が受けられません。緊急小口資金、総合支援資金などの延長を国へ要望することを求めます。いかがでしょうか。

久保田地域振興部長

  家賃支援に関しましては、私ども、国・都の家賃支援給付金に上乗せするという形でやってございます。それでこの問、先ほどもご説明しましたように、品川区としても独自の上乗せ助成ということで取り組んできたところでございます。これらのものについて延長するという考えは、私どもは今持ち合わせてございません。

伊崎福祉部長

 緊急小口資金および総合支援資金でございますが、こちらは社会福祉協議会で対応している制度でございます。延長についても、国および社会福祉協議会で適切に判断されるものと認識しております。なお、報道によりますと、両資金とも申請の受付について6月末まで延長する方向だということを聞いております。

のだて委員

 区内業者がこれだけ深刻な状況にもかかわらず、一般財源を置き換えて基金を積むことは許されません。余っている予算を区内業者への新たな支援などに使うべきです。緊急小口などについては、 6月でコロナが終息する見通しが立たないわけですから、 コロナが終息するまで延長するよう求めていただくよう要望いたします。

 国の持続化給付金は、一息つけたと、中小企業は助かっています。しかし1度だけでは、長引くコロナ禍を耐えられませんし、国は様々な支援を3月までで打ち切っています。区に、持続化給付金第2弾を国に要望することを求めると、「国において検討する事項」と冷たい姿勢です。区長が地域経済の回復を最重要課題と言うならば、要望を含め、支援に力を尽くすべきです。持続化給付金、家賃支援給付金の第2弾の実施を国に求めていただきたい。区として求めることが、区民への支援になると思わないのか、伺います。

 消費税の減税についても、区は「国税の在り方は国において議論されるべき」と答弁。コロナ危機の下、世界では50以上の国や地域が、消費税に当たる税金を減税しています。地域経済の回復のため、国に消費税の減税を求めるべきです。いかがでしょうか。

久保田地域振興部長

 持続化給付金等の延長を国に求めるということにつきましては、 特別区の区長会からは、国への要望の中の項目のーつとして求めているところでございます。品川区としまして直接、国に求めるということにつきましては、感染状況等を踏まえ、 国のほうで判断するべきものということでございまして、品川区として直接、国に求める考えはございません。また、消費税等につきましても、これまで答弁してきましたとおり、国が検討すべき事項でありますので、区として国に求める考えはございません。

のだて委員

 一番身近な自治体である品川区が、区内業者の支援のための要望さえ求めずして、どうして地域経済の回復が最重要などと言えるのでしょうか。国がやらないからこそ、区として持続化給付金の再支給など求めるべきです。

 最後に指摘します。世界中でコロナ感染が拡大し、変異株が猛威を振るっている下で、 今年夏の東京オリンピック・パラリンピックは中止すべきという声が、日本でも世界でも広がっています。ワクチン接種や選手の練習環境も各国で格差があり、フェアな大会ができる状況ではありません。大会の際には、熱中症やけが、コロナへの対応などで、1万人の医療従事者の参加が想定されていますが、医療体制が逼迫しているときに1万人の医療従事者を現場から引きはがすことは、現実離れしています。大会組織委員会などは、コロナが終息せずとも開催準備を進める姿勢ですが、無観客でも海外から数万人単位の入国者があり、 感染を広げかねません。このまま突き進めば、大会自体にも大きな傷や禍根を残すことになります。今年夏の東京オリンピック・パラリンピックは中止すべきです。

 また、コロナ禍の下でも、新年度予算には、戸越公園駅周辺再開発に2億8,000万円、 大崎駅周辺再開発に11億円、北品川駅前広場に12億円など、総額約30億円も従来どおりの開発予算を計上しています。コロナ危機を経験し、これまでの政策の転換が求められています。不要不急の超高層再開発と巨大道路は少なくとも一旦中止し、コロナ収束に全力を挙げるべきです。

 改めて、感染拡大防止のために、抜本的な検査の拡充、暮らしや営業への補償を行うことを強く要望し、私の総括質問を終わります。

中塚委員

 のだて区議会議員に続き、私、中塚亮から総括質疑を行います。

 私からは、住民無視・住民犠牲の羽田新ルート運用中止を求めて、相次ぐ航空機事故について、そして国および品川区が説明する固定化回避とは品川区を飛ぶルートの固定化だということについて、大きく2点を伺います。途中、委員長の了解を得て、iPad、資料、 パネルを提示しますので、ご覧ください。

 昨年3月より、 品川区を低空で飛行する羽田新ルートの運用が強行され、1年がたちました。「あまりにもうるさい」、「あまりにも怖い」と、多くの声が寄せられています。この事態に、品川区民より2万筆、法定数の3倍を超える、羽田新ルートの賛否を問う住民投票条例が、昨年12月に提案されました。ここにも住民の強い意思が示されています。住民投票は、演野区長と自民党・公明党らの反対で拒否されましたが、品川区議会では、住民投票の実施に必要な可決まであと2議席に迫りました。これは区民世論の大きな力です。こうした中、昨年・今年と航空機事故が相次ぎ、区民の事故への不安は現実になりました。

 まず、伺います。昨年12月の沖縄発日本航空、そして今年2月末のデンバ一発ユナイテッド航空の事故概要と被害を伺います。区は、3月10日、国土交通省を訪問し、事故についての情報提供と再発防止等を要請しました。しかし、肝心の羽田新ルートの運用中止は求めていません。事故を受け、市街地ルートの危険性は明らかです。国に、羽田新ルートの運用中止を直ちに求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 また、住民の声を国はどのように受け止めているのか。国土交通省は、平成30年8月15日付で、日本航空機操縦士協会会長宛てに、「航空機騒音の軽減について」という文書を出しています。 国は、住民の航空機騒音への苦情について、何と言っているのか。そこには、 過度に反応する過敏型、経路変更を求める自己中心型と述べています。切実な住民の声を、 過敏型、自己中心型などと、クレーマーのように扱う、こんなことが許されるのでしょうか。 国土交通省の姿勢は問題だと思いますが、それぞれ伺います。

中村都市環境部長

 まず、沖縄で発生した事案についてですけれども、これは昨年、令和2年12月4日に那覇空港を出発しまして、東京国際空港行きの日本航空機のボーイング 7 7 7 型機が、出発した後に北に100キロ進んだところで、エンジンの不具合のために那覇空港に引き返したというものでございます。こちらはエンジンの損傷が認められたという状況だということです。

 それからまた、今年の2月21日、アメリカ、コ ロラド州、デンバ一国際空港からホノルル空港行きのユナイテッド航空、これもボーイング 7 7 7 型機が、これも離陸直後に右側エンジンに損傷が発生したと。そして、またこれも出発したデンバー空港に引き返した事案と聞いているところでございます。

 いずれの事案も人的被害はなかったということですけれども、デンバー空港の事案につきましては住宅に被害があった。その被害の詳細は、詳しくは区としてはつかんでおりませんが、そのように聞いております。また、輸送の遅延というものも、当然のことながら発生しているというところでございます。

 それから、この事故を受けて中止を求めるべきというご意見でございますけれども、これは、区としましては、やはりこうした事案が発生した直後に、既に国に対して口頭にて、早急な原因究明、それから再発防止、そして、それらについての情報の提供を求めたところでございます。また、3月10日にも国土交通省を訪問しまして、再度申入れを行っております。

 また、国の姿勢、声に対する受け止め方というところでございますけれども、この姿勢については、区では、例えば区民の皆さんから頂いたご意見を集約する際には、例えば騒音について、落下物についてといったように、ご意見が何を伝えたいのかといったことで分類する方法を一般的に行っていますので、区としては、やはりそれが一般的な方法なのかと考えております。

中塚委員

 ユナイテッド航空機の事故について、私もニュースを見て驚きました。これがもし品川区の上で起きたらと思うとぞっとしました。火を噴くエンジンと共に、ばらばらと落下物が住宅地に落ちていく。玄関先にはエンジンの巨大な部品が落ちている。ニュースを見た区民からも、これが品川区の住宅地だったら、私たちは大惨事に巻き込まれると切実に訴えていました。早くこのルートはやめてほしいとも訴えています。しかし、これだけの事故があっても、区は、原因究明を国に求めるだけで、直ちに国に運航中止を求めようとしない。これは一体どういうことなのでしょうか。伺います。

 そして、国は騒音についての住民の声をクレーマー扱いとは、とんでもない問題です。伺ったのは、これは問題だとは思わないのかと伺いました。国に、住民の声は真塾に受け止めるよう求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 ここでiPadをご覧いただきたいと思います。昭和49年、当時の品川区は、国に対して相次ぐ航空事故を示し、住宅・工場等にかからない離着陸コースを大臣等に提出したことを紹介する、昭和49年6月1日の広報しながわです。記事では、頻発する墜落事故、パリ郊外で345人もの犠牲者、バリ島の空港周辺では悲惨な墜落事故などと紹介し、航空機が頭上を飛び交う品川区民にとって、決して対岸の火事として見過ごすことができない重大な問題と述べ、品川区は、空港周辺の住民は常に航空機事故災害の危険にさらされている。特に、航空機災害の回避のため、住宅・工場等にかからない離着陸コースを設定し、航行することを固などに求めていました。当時の品川区は立派だと思います。そして、こうした強い働きかけで、羽田空港は沖合に移転し、海上ルートに変更したのです。しかし、これをまた市街地ルートに戻したのが、今回の羽田新ルートです。それだけに、今回の相次ぐ事故を受けての品川区の態度が重要なのです。なぜ、実際に住宅地で事故が起きたのに、国に羽田新ルートの運用中止を求めないのか。区民に事故が起きてからでは遅いと思いますが、いかがでしょうか。

中村都市環境部長

 まず、中止というととろでございますけれども、これは、今回この事案が発生した後に、先ほど申し上げましたが、即日、国からの報告と対応が示された中で、区も速やかに確実な対応を求めたというところでございます。現在は、全ての航空機の運航を止めるということではなく、同型エンジンの航空機の国内線・国際線ともに運航が中止されているということ、また現在、原因の究明が行われていると聞いておりますので、区としては、確実な安全確認を求めていくという考えでございます。

 また、住民の声をどのように受け止めるか、どのように扱うかというところにつきましては、これは確かに国としてもしっかり受け止めていただきたいと思いますけれども、先ほど委員にお示しいただいた分類の仕方については、国の分類の仕方は、それぞれ以前からの当事者のやり取りなどの経過が分かりませんので、分類の方法の趣旨について、やはり区としては不明ですけれども、これまで区が区民の皆さんの意見を伝えてきたことで、国は騒音や落下物に対する対策をしっかりと行ってきたといったことも事実ですので、引き続き、国に対して、区は区民の声を真塾に受け止めてもらうということ、それから、区としても、より一層の対策をやはり求めていく必要があると考えております。

 運航ルートについての、中止についてのお求めですけれども、これはエンジンの損傷という事案について、区も本当に重く受け止めているところでございます。ただ、新ルート全てを中止ということではなく、やはり原因究明と再発防止が最も大事なことであると考えているところでございます。

中塚委員

 住宅地で実際に事故が起きたのです。これが品川区民に起きてからでは遅いのです。 直ちに羽田新ルートの中止を求めていただきたいと、強く要望したいと思います。

 次に、国の固定化回避検討会、そして品川区が説明する固定化回避の中身について伺いたいと思います。2月中旬、国土交通省より、「第2回固定化回避検討会の開催について」というチラシが品川区民に配られました。現物がこちらです。皆さんのご自宅にも配られたかと思いますけれども。また、ipadにもありますので、ご覧ください。
まず、検討会の目的は何か、伺います。ずばり品川区上空を回避するルートを検討しますと、国土交通省は言っているのか伺います。

中村都市環境部長

 まず、検討会の目的でございますけれども、目的につきましては、 国からは、新飛行経路について、関係自治体からも要望は出されているということと、それから最近の管制技術や航空機の技術革新も踏まえ、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、騒音軽減等の観点から見直しが必要な方策がないか検討を行うことというものを目的としているというところでございます。

 それから、国が言っているところでは、国の説明では、今年度、技術的選択肢のメリットとデメリットを整理するとしております。品川区をはじめ、その他の自治体につきましでも、 固有名詞は出されておりません。

中塚委員

 メリット・デメリットで固有名詞は出ていないということですが、つまり国は、品川区を飛ばないルート検討しますとは言っていない、固有名称は言っていないということでよいのか、改めて伺います。

中村都市環境部長

 国としては、技術的選択肢において、飛行経路の再検討を、固定化回避の検討を行うと言っているところで、品川区その他の自治体についての話には一切触れていません。

中塚委員

 今おっしゃるとおり、品川区の上を飛ばないルートの検討をしているとは、 国は言っておりません。つまりは、検討事項に、品川区上空を飛ばないルートの検討は入っていない。要するに、固定化回避検討会と名のり、あたかも品川区を飛ばないルートを検討しているかのように思わせながら、実際は品川区の上を飛ぶということが前提だということです。それを示しているのが、先ほど示した、国土交通省が配ったチラシです。国の検討結果、A、B、C、D、Eの5パターンを示していますが、ぜひご覧ください。いずれも、どう考えても品川区の上を飛ぶと思いますけれども、いかがでしょうか。それとも、このチラシにあるA、B、C、D、Eの中で、どれか一つでも品川区の上を飛ばないルートでもあるのか、 伺います。

中村都市環境部長

 まず、このチラシにございます、A、B、C、D、Eのルー トと、品川区上空の飛行についてというところでございますけれども、着陸の際の直進ルートの長さについてのご質問と思いますけれども、この図では、長さや高さといった数値が、まずここには記載されていないというところでございます。詳しい数字もないイラストの中の絵だけで、区としては判断が正直言って困難と考えております。

中塚委員

 このチラシでは高さ・長さが分からないから、分からないという話でした。

 では、もう少し伺います。 国は固定化回避と言いますが、航空機は着陸手前で滑走路に向かつて直進して高度を下げるので、国の検討内容は、いずれも品川区の上を飛ぶということになるのです。こちらのパネルをご覧いただきたいと思います。iPadでも拡大できますので、見てください。チラシのEパターンを大きくしたものです。注釈に、「パイロットの目視による進入」とあり、「地上物目標、橋を参考にし、経路を飛行。城の上を通過後、次は滑走路を確認しながら進入継続、着陸」と説明します。つまりは、橋とはレインボーブリッジでしょうか。城とは江戸城、現在の皇居でしょうか。そこまでは分かりませんが、これなら高さと距離が分かるはずです。このルートで羽田新ルートに進入すれば、必ず品川区の上を通過することになります。そのことを品川区はお認めになるのでしょうか。伺います。

 改めて、A、B、C、D、Eの飛行方式のうち、多少の差はあるものの、基本的に同じ形です。 いずれも品川区の上を飛ぶと思いますが、いかがでしょうか。

中村都市環境部長

 ご提示いただきましたパネルでございますけれども、この絵を見て、橋やお城の絵が描かれてございますけれども、これはやはりレインボーブリッジや皇居を連想しやすいと思います。目視で飛行するための方法の説明を、こういったイラストで分かりやすく説明するために、やはり誰もが連想しやすい絵を載せるといった意図もあるとは思います。また、委員ご指摘のように、絵には名称が記載されておりませんし、またレインボーブリッジや皇居の真上を飛ぶというところも、このイラストからはやはり不明でございます。飛行機は非常に高度が高いところを飛びますので、実際には目視物とどれだけ離れたところで目視として確認するのかというところも、区としては把握はできないところでございます。そういった中で、このイラストをもって、やはり現在、国が専門家を交えて検討中という事柄に対しまして、何か断定するというのは非常に難しいというところが正直な考えです。 やはり、こういった断定については差し控えるべきとも考えております。

 また、A、B、C、D、Eのいずれの経路についてもですけれども、やはりこの絵だけでは判断が困難でございまして、今、国において固定化回避の検討会の検討が、まさにさらに進められているというところでございますので、これをより一層進めていただいて、詳しい状況が分かる具体的な案を、やはり早くお示しいただきたいと、国には申し入れていきたいと考えております。

中塚委員

 詳しい案とおっしゃいますけれども、ここには、「城の上を通過後、確認しながら進入継続」と、ちゃんと書いてあるのです。これは、どう考えても品川区の上を通るじゃないですか。なぜそれをかたくなに認めようとしないのか、改めて伺います。

中村都市環境部長

 国が示したチラシの中には複数のルートが記載されているというところで、その中の目視の項目でございますけれども、やはりこれはあくまでイラストというところで、これがそのまま結論ということであれば、今後、検討を進める必要もないわけですし、やはり、これをさらにブラッシュアップ、また、この選択肢が選ばれない可能性もありますし、そういったところで、現在やはり、これについて、品川区を飛ぶ・飛ばないといった判断については、差し控えるべきと考えております。

中塚委員

 区は認めようとしませんけれども、飛行機は必ず、着陸するときには、真っすぐ飛びますので、品川区の上を飛ぶということなのです。国の固定化回避検討会とは、品川区を低空飛行することを固定化するものだということです。国土交通省が品川区内に配布したチラシのとおりで、品川区の上を飛ぶのです。これを固定化回避検討会とは、固定化する、明らかにまやかしの検討会です。

 次にいきます。品川区も、この問、固定化の回避を国に求めていると述べておりました。 しかし、それは、品川区の上空を飛ばないルートへの変更を求めるとは決して言わない。 なぜなのか。それは、品川区は、品川区を飛ばないルートへの変更を求めるつもりはないということ、つまりは、品川区は羽田新ルートを容認だということです。その事実は、区長の国土交通省への要望でも明らかです。

 iPadをご覧ください。区のホームぺージですけれども、演野区長が令和2年5月20日に国土交通大臣に提出した要望書が、品川区ホームページに掲載されています。資料の下のほうを見てください。

 ここでは、固定化しない取組と言いながら、実際に求めているのは、区長より「一層の騒音軽減策の推進と落下物対策を目に見える形で前に進めてほしい」と要望し、局長より「新ルートを固定化しないというご要望については、しっかり考えていただきたい」と回答が記載されています。つまり、騒音・落下物への対策を述べるだけで、品川区は、品川区の上を飛ぶなとは言っていない。騒音軽減とは「静かに飛んでね」、 落下物対策とは「物を落とさず飛んでね」。いずれも、品川区の上空を飛ぶことに、演野区長は容認なのです。なぜ、こんなややこしいことをするのか。それは、演野区長が羽田新ルートを容認していることを、住民にばれたくないからではないでしょうか。騒音と落下物のリスクを回避するには、品川区の上を飛ばないルートしかありません。品川区はそのことを認めるのか伺います。そして、品川区を飛ばないルートを国に求めるべきです。いかがでしょうか。

中村都市環境部長

 落下物のリスクというところでございますけれども、やはり、これまで国が主体となって進めてきている首都圏空港の機能強化におきましては、やはり騒音や落下物といった環境影響についてのリスクにつきましては、やはり区が認めるということよりも、国が十分把握した上で、騒音・落下物、それぞれの対策を進めてきていると認識しております。区としましては、それに対して可能な限り、安全対策・騒音対策を万全に行っていただくよう、これからも求めていくという考えでございます。

中塚委員

 安全対策を求めると言いながら、結局、品川区はここでも、固定化しないなどと言いますけれども、結局は、品川区の上を飛ばないルートを求めるとは決して言いません。なぜならば、区長は計画容認だからです。そもそも、なぜ午後3時過ぎ、A·C滑走路に変更するのかを伺います。つまりA・C滑走路に向かつて、なぜ長い距離を真っすぐ飛び、 品川区の上を飛ぶのか。それは何よりも、羽田空港手前で曲がり着陸する、海から入るB・D滑走路では、必要な増便ができないからです。B·D滑走路では増便できず、A•C滑走路だと、なぜ増便ができるのか、伺います。また、A・C滑走路に進入する際、なぜ長い距離を真っすぐ飛ぶ必要があるのか、伺います。

中村都市環境部長

 B・C滑走路と増便の関係についてですけれども、この考え方につきましては、首都圏空港機能強化が国から示された平成26年の当初から説明がありましたけれども、現在の新ルートに至る検討状況が、国から出された資料に当時、示されておりまして、たしか1 7種類近くのパターンの検討を経まして、現在のルートになったと説明がなされているところです。

 羽田空港の滑走路、4本の井析状の配置というところでございまして、どうしても、やはり交差部分で時間的な重なり、国の言い方では「競合が発生し」ということで、現在のルー トになったといった説明になっていたかと思います。

 それから、直線距離、なぜ長い距離を真っすぐ飛ぶ必要があるのかというところでございますが、これは、固からは、安全確保のためと聞いております。

中塚委員

 後半の答弁、要するに安全に飛ぶには、滑走路に向かつて長い距離を真っすぐ飛ぶということなのです。つまり、羽田新ルートについて、A·C滑走路である限り、直進の距離は長く設定されますから、手前にある品川区の上を必ず飛ぶということです。こんな計画を認めてはいけません。何が固定化回避ですか。計画容認は撤回し、都心品川区の上を飛ぶルートの変更を国に求めるべきだと思いますが、改めていかがでしょうか。

中村都市環境部長

 先ほどから申し上げていますとおり、やはり羽田空港の機能強化は、基本的には区としましては、国力・経済力の進展のためという部分について一定の理解を示しているというところで、ただ、新ルートには、騒音あるいは落下物の環境影響に対する課題が残る。これも、区としては認識しているところでございまして、これに対する十分な対策をなされた上で、新ルートをしっかりと対策を行っていただくということ。それが、このルートの運用に対する、区としての国に対する要望ですので、これは、この案が国から出されてから、これまでずっと変わらず、国に対して求めているところでございます。引き続きこれを求めてまいります。

中塚委員

 計画撤回を強く求めて終わりたいと思います。ありがとうございました。

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