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鈴木ひろ子 区議 「第29号議案 指定管理者の指定について(障害児者総合支援施設ぐるっぽ)」に対する反対討論

2021.3.23 鈴木ひろ子

 日本共産党区議団を代表し、第29号議案「指定管理者の指定について」に対する反対討論を行います。

 この議案は、品川区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」の指定管理者について、品川区が昨年9月末、開設わずか1年で指定管理者を選びなおすための公募を行うという異例の措置をとり、現在の事業者である社会福祉法人グロー、ゆうゆう、愛成会から社会福祉法人福栄会に変更するものです。

 この施設は、児童発達支援センターや障害児者相談支援センター、居宅介護や同行援護など訪問系サービス、短期入所、生活介護や就労継続支援B型など、障害児者の総合支援施設です。当事者・家族から待ち望まれ、2019年10月開設されたものです。

 以下条例に対する反対の理由を述べます。

 まず第1に、継続を求めた障害者団体、当事者と家族らの切実な願いに背を向けるものだということです。

 「今声を上げなければ」と勇気を奮い障害者団体の5人の会長さんたちから連名で区議会に陳情が出され、ぐるっぽ利用者有志の皆さんと特別支援学校のPTAの皆さんからは区長あてに「事業者の継続を求める要望書」が出されました。

 さらに、利用者有志の14名から「現事業者の継続を求める陳情」も出されました。当事者・家族、団体からこれほどの陳情や要望書が出されたことは初めてのことです。

 利用者・家族の方々がつくられたウエブサイト「ぐるっぽの仲間たち」では、「丁寧に寄り添って支援して下さり、親子共に救われた思い」「私も知らなかった子どもの力を引き出してくれ、成長を手助けしてくれている。その結果できるようになった事が驚くほどたくさんある。日々の報告も丁寧で、そばにいなくてもその日のことがよくわかる。これらは別の施設では感じなかったこと」「とても安心。生活リズムも安定してきた」等々、現事業者にどれほど救われているか、継続してほしいとの声であふれています。

 実際、選定にあたり昨年11月に品川区が行った現事業者と福栄会の2事業者の満足度調査にも、現事業者に対する高い満足度が明確に示されました。品川区が何度も答弁で認めている通りです。この調査報告書は議会の資料として出されなかったために私が情報公開で入手したものです。

 大いに満足、満足の割合が圧倒的に高く、コメント欄には現事業者に対する感謝の言葉と、専門性の高い支援に助けられている実態が具体的に寄せられています。一部を紹介します「問題が生じた時点で解決のための話合いを設けてくれた。本来の「相談」になっている。生活と本人の全体像を捉えたうえでの助言がありがたかった」「どの事業所でも同じサービスが受けられるようにしてほしい」「通園は、5か月未満だが子どもの進歩は目覚ましく、先生方の指導力に敬服。子どもに合った環境や指導の大切さを知りました」「スタッフの的確で専門性の高いアドバイスを受けることができ助かっている。日々の手厚い支援は何よりも信頼できるので、心から感謝している」「ここに通うことがなければ今の私と子どもの生活はなかった。子どもを受け入れてくれる場所、サポートしてくれる先生方の存在があり、明日は今日よりもっと良くなる、少しずつでも成長していると信じて、このままで良いのだと思いながら毎日を送ることができている」等々、紹介しきれないほど、大いに満足、満足の欄にあふれる思いが記されています。

 当事者・家族、団体のみなさんがなぜこれほどまでに継続を願ったのか、ここに明確に示されています。それは、これまでの品川区の障害者福祉が、福栄会と品福の2つの社会福祉法人がほとんどの事業を請け負う中で、選択肢が広がり、新しい風を吹き込んでくれるとの大きな期待に現事業者が応えているからにほかなりません。選定にあたっては、この当事者の願いこそ第1に考えられるべきです。

 しかし、今回の選定は、この願いがどう反映されたのかの私の質問に明確な答弁もなく、当事者と家族の願いを踏みにじる結果となりました。

 第2に、福祉施設は「継続が大事」です。品川区も公募せずにあらゆる福祉施設の指定管理者を継続してきました。「ぐるっぽ」だけを指定管理者の公募という形をとって事業者を変え、継続性を断ち切る合理的な理由がないという事です。

 区は今年度も、福祉施設は利用者と事業者の信頼関係を築くことに相当の時間を要することや、人材育成して専門的なサービスを行うためにも継続性が必要とのことで高齢者・障害者22施設すべての指定管理者を継続としました。

 しかも、区は平成27年の最初の当施設の指定管理者選定にあたって、現事業者を「本人視点に立ったケアは利用者や地域の信頼を得て着実な実績となっている」「堅実な実績と高い専門性に裏付けされた運営力を備えており、運営事業者として最適」と高く評価して選定してきました。そして実際、現事業者がわずか1年で当事者・家族から高い満足度を得ている事実が明らかになりました。

 区は今回の「ぐるっぽ」の公募の理由を「建物管理を一体で行うため」と述べていますが、これは公募しなくても現事業者で対応できるものです。現事業者が指定管理者の契約が切れる2年後には、建物管理まで一体に行う方向で検討し、今回の応募に当たっても建物管理を行う提案をしています。

 「継続が大事」としてきた福祉施設の継続性を断ち切り、現事業者を変更する合理的な理由がありません。

 3つ目に、品川区が現事業者を選定しなかった理由を、現事業者が「私たちは」と述べたことを上げている問題です。

 事業者と区は対等の立場でより良い福祉を目指すという姿勢こそ必要です。考え方を変えさせてまで事業者に区が求める意向とは何か、事業者が区の意向に沿えない考え方とは何だととらえているのかの質問に、区は「事業者が『公募要領の考えに開きがあると感じた』と答えているので難しいと判断した」と述べました。しかし、その考え方の開きとは何かの説明はありません。そして、区は「区立の指定管理者には区の意向に沿った運営をしていただきたい」と述べています。しかしそれでは、事業者に「品川区を忖度せよ」と求めることになるのではないでしょうか。
指定管理者というものは、区が一方的に事業者に区の意向を押し付け従わせるものではないと考えます。双方が対等な立場で、話し合い合意点を見つけ出す作業を積み上げ、お互いに障害児者当事者にとっての福祉の充実を目指すものであるべきです。

 最後に、指定管理者の選定に当たって、なぜ現事業者が選定されず社会福祉法人福栄会が選定されたのか、選定経過と結果について公平・公正、透明性、客観性示す資料が厚生委員会に何ら示されず、担保されない問題です。

 品川区は、選定結果の項目ごとや総合の点数、外部委員の名前・肩書、審査会や選定委員会の議事録を議会への資料として出しません。委員会での質問にも答えません。どうして公平・公正、透明性、客観性が担保されていると言えるのかの質問に、外部委員を入れたことのみを答弁しました。しかし、外部委員の名前も公表できないとの答弁。さらに、点数は何一つ答えられませんでした。選ばれた事業者だけの提案だけが紹介されるだけです。なぜ5年前「運営事業者として最適」として選定され、事業開始わずか1年で利用者・家族からこれまでにない高い満足度が得られている現事業者が選定されずに、前回選定から外れた福栄会が選定されることになったのかが示されていないのです。指定管理者の選定を行う議会に対して、選定経過と結果について公平・公正、透明性、客観性をもって選定した資料を出して区議会が判断できるようにすることは最低限必要です。

 これはすべての指定管理者の議決に関わる重大な問題です。現在指定管理者制度の運用指針の見直しを行っているとのことですが、公平・公正、透明性、客観性が担保される選定の仕組み、そしてその資料が議決する議会に示されるよう強く要望しておきます。

 以上で、反対討論を終わります。

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