2021.10.15 中塚 亮 区議
日本共産党品川区議団を代表し、令和2年度品川区各会計歳入歳出決算書への意見表明を行います。一般会計、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計の各歳入歳出決算に反対。災害復旧特別会計は、予算執行の必要が無かったことから賛成します。
以下、反対理由と要望を述べます。
新型コロナの猛威は住民の命と暮らし、雇用や経済に大きな傷を作っています。コロナ危機から住民を守るため、日本共産党は、これまでも繰り返し、ワクチン接種と一体の大規模検査、自粛要請とセットの補償などを求めてきました。ところが、安倍・菅政権のコロナ対策は、PCR検査の抑制、感染を全国に広げたGOTO事業、感染第5波の中でのオリンピックパラリンピック開催強行、原則自宅療養による入院制限、持続化給付金や家賃給付金は、一度だけで打ち切りと、科学無視の無為無策、逆行を繰り返しました。発足した岸田新内閣は、こうした対応に反省が全くないどころか、この間のコロナ対策を高く評価。政治の中身も従来の安倍菅路線を継承、推進するものです。自民党の中での看板の架け替えでは、政治は1ミリも変わりません。
こうした中、品川区に求められている役割は、この悪政から地方自治を発揮させ、住民の命と暮らし、事業所の雇用や経済を守り抜くために全力を挙げることです。ところが、決算委員会を通じ、その姿勢があまりにないことが浮き彫りになりました。
検査について、当初実施を拒んでいた高齢者や障害者の施設で働く従事者などへのPCRは、現場の強い声をうけて、実施されることになりましたが、子どもへの感染が強い変異株への移行が進んでいる中、品川区はいまだに学校、保育園、すまいるスクール、幼稚園など児童・生徒が通う施設職員への定期的なPCR検査の実施を拒んでいます。陽性者が確認された時に、初めてその周囲を検査するでは、感染拡大の要因である無症状陽性者を把握することはできません。改めて、職員への定期的な検査実施、そして児童・生徒への幅広い検査実施を求めます。
また、多くの在宅死を起こした第5波の経験からも、第6波を起こさないための対策と感染再拡大への備えが急務です。ところが、品川区は東京都に臨時の病棟設置を要望することを拒みました。これで、どうやって命が守れるというのでしょうか。緊急の病棟確保で、全ての方の医療を確保することが急務です。
同時に、新規陽性者が減少している今こそ大規模にPCR検査を行い、だれでも、いつでも、何度でも、無料で受けることができる仕組みを作り、無症状陽性者を把握することが急務です。また、保健所の体制強化、昨年と同じく高齢者のインフルエンザワクチンの無料化を求めます。
コロナ臨時交付金について、品川区家賃支援給付金では、7億円の予算を組みながら、6億円も使われず、残りを基金に積み増しました。こうした財源は、コロナ禍で経営に苦しむ、中小や個人事業主の固定費補助など、継続的な支援と補償にこそ充てるべきです。あわせて、持続化給付金、家賃支援給付金の2度目の支給を国に求めるべきです。
令和2年度決算は、特別定額給付金や品川活力応援給付金などが盛り込まれています。当初、国会ではお肉券やお魚券から始まった自民党の提案に対し、「自粛と補償はセットで」との国民的な声と野党の共同提案で一律10万円の特別定額給付金が実施されました。
また、品川区は当初「住民への直接支援は考えていない」と答弁しましたが、区民生活への支援を求める声が力となり、3万円の品川活力応援給付金に繋がりました。いずれも、世論と運動が政治を動かしたのです。
長引くコロナ危機の中、住民への支援継続が欠かせません。しかし、生活困窮者や大学生など学生への給付金について、区は実施を拒んでいます。コロナの影響が長期化しているだけに、支援も継続することは当然のことです。直ちに、実施することを求めます。
検査や補償など、やるべきことをやらず、一方でやってはいけないこと、少なくともコロナ危機の下、今は急ぐ必要がない事業を進める。それが、再開発事業の加速です。
多くの予算をコロナ対策に充てるべき時に、巨額な税金を投入し、そこに住む住民を追い出して進める、再開発事業は、今こそ中止すべきです。
大崎、武蔵小山、戸越公園に続き、今度は大井町周辺再開発をけん引するために広町開発が進められています。JR東日本によるホテルやオフィスなどの超高層再開発計画を進めるために、品川区が区民の財産である区有地や庁舎まで活用して便宜を図り、都市計画の手続きを進める等、間違っています。新庁舎建設は、白紙に戻し、一から住民参加と情報公開を位置付けて検討しなおすことを求めます。
コロナ禍の下、住民負担の軽減が急務です。高すぎる国民健康保険料や介護保険料は引き下げること。後期高齢者医療保険料は、特例軽減を復活し、保険料の引き下げを求めます。
その他、羽田新ルートの中止を国に求めること、障害者雇用の促進、災害時の高齢者、障害者の支援計画、手話言語条例の具体化、パートナーシップ制度の導入、ポケット労働法の普及、リニア新幹線の中止、少人数学級の全校実施を求めます。
最後に、福島原発事故は全く収束しておらず、汚染水の海洋投棄まで検討されている中、保育園及び学校の給食放射線物質検査は中止ではなく、継続が必要です。
また、区立認可保育園について、建て替え時に転用を検討するなどと、区立認可保育園の廃止・削減はやめるべきです。今年4月でも認可保育園に申し込み、入れなかった不承諾者は996人。希望者の入園が叶っていないのに、区立園を廃止とは許せません。
隠れ待機児も含め、希望者する方が入園できるように認可保育園は増設し、仕事と家庭の両立を支え、少子化を克服することこそ必要です。また、弾力化による詰め込み保育はやめることや、園庭の確保、職員体制の改善など保育の質向上が必要です。
品川区は株式会社の認可保育園を増やしてきましたが、結局は、将来、区立認可保育園を減らし、コスト削減が最大の狙いだったと言う事です。子どものことを、何よりも第一に考えるべきです。
以上、反対理由と要望を述べ、意見表明を終ります。