2022.03.22 鈴木ひろ子議員
委員日本共産党品川区議団を代表して、意見表明を行います。
令和4年度品川区一般会計および国民健康保険事業会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計に反対、品川災害復旧特別会計は、災害時の急を要する予算に限定されているため、賛成です。
以下、理由を述べます。
まず初めに、ロシアのウクライナへの侵略が激しさを増す中、区長が区として態度表明はしないとの姿勢を改め、区議会の決議に続いて抗議文を出したことは評価します。一方、この戦争に乗じて、安倍元首相や一部自民党、日本維新の会が、アメリカと共に核兵器を共有することを検討すべきと表明し、さらに改憲策動を強めていることを見過ごすことはできません。非核平和都市宣言を行っている自治体の長として、今こそ核兵器禁止条約批准を求める署名をすることと、9条改憲に反対するよう求めます。
新年度予算は、一般会計1,890億円と過去最大。住民税も519億8,000万円と、昨年度比5.2%増で過去最高。特別区交付金は418億円、7.7%増となりました。コロナ禍によって格差と貧困が広がり、生活苦で追い詰められる人が多数生み出される一方、富裕層と大企業が資産や内部留保を大きく拡大しました。区長自らが健全財政と誇る豊かな財政は、コロナ対策、苦境に立たされた区民への支援、社会保障の充実にこそ使うべきです。
区内で3万6,000人を超える感染者を出した新型コロナは、区民の命と健康を脅かし、多くの人の命と多くの人の暮らしを追い詰めました。さらに、医療や公衆衛生の脆弱性が浮き彫りになりました。
自公政権は、ワクチンは先進国で最も遅れ、検査は症状があっても受けられず、みなし陽性など感染防止対策は全く不十分。その上、コロナ禍の最中に病院のベッド削減など、逆行する政策を取っています。
だからこそ、区民の命・暮らしを守るために、地方自治体として役割を発揮すべきと、他区の例も紹介しながら提案してきましたが、品川区は国や東京都の指示待ちに終始しました。感染防止対策として、誰もがいつでも何度でも無料でPCR検査等を受けられる体制をつくること。多くの職員に過労死ラインを超える長時間労働を強いている保健所の職員体制を改善すること。特に、いまだ23区平均にも程遠い保健師を増員し、専門職を活かせる体制への抜本的な対策を求めます。
障害者福祉では、緊急通報システムの利用対象を重度障害者の世帯まで拡大をと求め続けていますが、新年度も実施しません。日常のサービスが無料の人にまで利用料を徴収する。ここに、品川区の、国の制度以上に、福祉も自己責任、応益負担との考え方が現れています。対象拡大と無料化を求めます。
多くの障害者と家族が反対した、ぐるっぼの指定管理者変更に当たって、区として検証を求めます。
高過ぎて払えないと社会問題になっている国民健康保険料は、新年度、1人平均で6,824円。近年にない大幅値上げです。均等割を値上げしたために、低所得者が軒並み値上げとなります。区の法定外繰入れを増やし、引下げこそすべきです。共産党が求め続けてきた子どもの均等割無料化は、国の制度でその一部、未就学児半額が実現しましたが、区独自に18歳まで全面的に無料化を求めます。後期高齢者医療保険料は1人平均3,780円もの値上げ、令和3年度に特例軽減を全面的に廃止し、大きな負担を強いた上の値上げです。さらに、今年10月からは、年収200万円超の人等から、医療費窓口負担が2倍の2割負担にされます。現役世代の負担軽減といって世代間分断をあおりながら、実は、その軽減額は月58円にすぎません。高齢者に冷たい政治の転換が必要です。
介護保険の現場は、コロナの対応で、さらに労働強化となっています。世論と運動によって、国が介護職への処遇改善加算を行いましたが、職種・業種が限られ、さらにその額は公表している月9,000円にも遠く及ばないのが実態。抜本的な引上げを求めるべきです。23区で品川区だけが地域に設置していない地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士を配置して設置するよう求めます。
品川区が進めてきた再開発は、我が党の23区調査によって、超高層ビルの棟数、税金投入額ともにトップクラスであることが明らかになりました。ゼネコン、ディベロッパーのもうけのために、商店街やまちを壊し、住み続けたい、商売を続けたいという人を追い出す超高層開発は中止を求めます。
羽田新ルートは、暖かくなり、飛行日数が増え、改めて、うんざり、いらいらするなどの怒りの声が広がっています。固定化回避検討会は、どんなに繕っても、区民をごまかすための組織でしかありません。国土交通省と一緒に、ごまかしの論理を繰り返すことはやめるべきです。少なくとも、コロナで減便の今、運用停止を求めるべきです。
リニア新幹線は、東京地裁が、東京外かく環状道路の大深度シールド工事によって、調布市の陥没空洞事故を起こしたNEXCOに対して、工事差止めの決定を行ったことを教訓にすべきです。さらに、必要性、環境破壊、大量の残土処理、大量の電力消費など、問題だらけのリニア新幹線は、本掘進が始まっていない今こそ、JR東海に中止を求めるべきです。また、調査掘進検証結果の説明は、地域ごとの教室型説明会を開くよう求めるべきです。
庁舎建て替えは、JR広町開発と切り離し、庁舎隣接の狭い敷地に超高層ありきで進めることを白紙に戻し、区民参加で、全敷地を使った在り方を、十分な時間をかけて検討し直すことを求めます。現庁舎跡にアリーナを造るのではなくて、特別養護老人ホームや障害者設を併設し、福祉のまち品川に転換を求めます。
気候危機打開は待ったなしの課題です。環境基本計画改定に当たり、2030年までにC02削減目標を20 10年度比50%に引き上げることを求めます。
教育です。学校選択制や習熟度別教育、学力テストなど競争教育ではなくて、学び合いの教育への転換を求めます。35入学級を全学年に、さらに少人数学級へ進めることを求めます。
最後に、区政全体に、ジェンダ一平等の視点を持った政策への転換を求めます。指定管理者等委託も含めた男女の賃金格差の是正、女性の管理職登用、パートナーシップ制度、女性の性と生殖に関する健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、包括的性教育などの具体化を求めます。
今年は、演野区政16年間の今期最後の年となります。高橋区政を継承し、補助第29号線、放射第2号線など巨大道路づくりや、23区でトップクラスの超高層再開発を推進。羽田新ルートやリニア新幹線など、23区でも突出した、大企業、ゼネコンの利益を最優先にした区政が行われてきました。
さらに、民営化を推進、サービス低下と、官製ワーキングプアを広げました。
福祉は、多くの指標で、23区で最低レベル。数年前、23区で最後に実施した入院時の紙おむつ代助成は、他の区が行っていない、住民税非課税世帯のみという厳しい所得制限をつけて対象を絞った結果、年度開始時の予算執行率は僅か5%でした。この所得制限は現在も続いています。ここに、福祉を自己責任、貧困対策とする姿勢が現れています。この区政の転換こそ、区民の人権、命と暮らしを守ることになると考えます。
以上で、日本共産党区議団の意見表明を終わります。