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石田ちひろ区議 第1回定例会
「第34号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例」への反対討論

2022.03.25 石田ちひろ区議

 日本共産党品川区議団を代表して、第34号議案 品川区国民健康保険条例の一部を改正する条例への反対討論を行います。

 本条例は令和4年度基準保険料率を変更するもので、その内容は、所得割は9.54%から9.44%と0.1%下げられましたが、均等割りが52000円から55300円と3300円もの値上げがされ、保険料は一人平均6724円の値上げで、低所得層は軒並み値上げ。2018年に国保制度が広域化となって以来、最大の値上げ幅となるものです。

 この間、国保料は、算定方式の変更や高額療養費の法定外繰り入れの廃止など、毎年大幅値上げが続けられ、すでに支払い能力の限界を超え、多くの滞納者を生み出してきました。その上に2018年、自公政治による国保の広域化という制度改悪で、今まで保険料の大幅値上げを抑えるために一般財源から投入していた法定外繰り入れをゼロにするという改悪が強行され、品川区は2024年までにすべての法定外繰り入れを廃止するとしました。2010年には35億9000万円の法定外繰り入れがされていましたが、2021年の法定外繰り入れはわずか3億9000万円と10分の1にまで削減し、その差は保険料へと転嫁され、毎年の保険料値上げとなっています。

 いま年金、医療、介護など、社会保障の改悪と消費税増税のもとで貧困と格差が拡大し、暮らしは悪化の一途をたどり、それに加えて、コロナ感染拡大により暮らしと営業は窮地に追い込まれています。コロナの影響で収入が減り国保料の支払いが困難になった人への減免制度利用者は、2020年度は1934人、2021年度は551人と、コロナによって多くの世帯の暮らしが追い詰められていることを示しています。コロナの収束は程遠く、収束しても収入の回復が見込めず多くの方がこの先の不安をかかえている、そんなときにさらに負担を強いるなど、自治体のやることでしょうか。

 そもそも国保制度は、税金投入が大前提の制度です。支払い能力を給付の条件にすることなく、他の医療保険に加入できない人すべてを被保険者とする制度です。保険料が高すぎれば負担に耐えられない人を生み出し、制度そのものが揺らいでしまう。そうした事態を避けるためにも国庫負担が絶対必要な制度として出発したのが国保です。にもかかわらず自公政権は国庫負担割合を削減し続け、都や区も税金投入を減らし続け、国保料を値上げし続けてきました。

 国保加入者の7割が所得の低い非正規労働者や無職者、年金生活者で占められているにもかかわらず、保険料は高いという構造的問題をかかえているもとで、さらなる保険料負担を押し付けることは、国保制度を根底から崩しかねません。

 全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、「国保を持続可能とする」ためには、「被用者保険との格差を縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張しています。日本医師会などの医療関係者も、国民皆保険制度をまもるために、低所得者の保険料を引き下げ、保険証の取り上げをやめるよう求めています。

 国保料の引き下げへ、例えば、法定外繰り入れを12年前の35億9000万円に戻すだけで、一人平均67730円も引き下げることができるのです。
今こそ品川区が区民に最も身近な保険者として、国保制度が社会保障として、住民の命と健康、暮らしをまもるという、本来の役割を果たすためあらゆる努力をして保険料の大幅値上げを抑え、軽減へ踏み出すべきです。

 また、今回の条例改正では、国民の世論と運動に押され、すべての未就学児の均等割りが5割軽減されることになりました。共産党は、人頭税でもある均等割りは廃止を、子どもの均等割りは直ちに無料にすべきと求めてきました。他の健康保険では子どもに保険料はかかっていないのに、国保だけが子どもに保険料がかかり、負担を強いられています。他の健康保険と同様に子どもの均等割りは無料にすべきです。今回、5割軽減されたことは大きな一歩であり歓迎しますが、さらに18歳までのすべての子どもの均等割り軽減を国に求めるべきです。そして区独自に子どもの均等割りを無料にすべきです。

 コロナ禍で暮らしも営業も追い詰められている区民に、これ以上の値上げではなく、一般財源からの法定外繰り入れの増額と継続、さらに削減分をもとに戻すこと、また国や東京都からの激変緩和の財政支援をさらに求めるなど、あらゆる努力をして保険料を引き下げることを求めて、反対討論を終わります。

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