2022.03.25 おくの晋治区議
日本共産党品川区議団を代表して、陳情第5号「羽田新飛行経路下の子どもを含む住民を対象とした日常生活への影響の実態調査(アンケート)と調査結果の公表を求める陳情」に賛成する討論を行います。
本陳情は、品川区が主体となって、羽田新飛行ルート下に居住する子どもを含む住民を対象として、飛行機が飛ぶことによって日常生活に及ぼす影響を、アンケートという形で実態調査を行い、その調査結果の公表を求めるものです。その理由として、第1に、新飛行経路が実施されてからもうすぐ2年になろうというのに、これによる影響等の調査は住民によっては行われたが、公的機関によってはまだ一度も行われていないこと、第2に、隣接する港区議会では、実態調査を求める請願が全会一致で採択されたことをあげています。
以下、賛成する理由を述べます。
まず、区民の生活の実態をつかむことは、もともと区の当然の役割だということです。その方法としてアンケートを使うことを拒む理由もありません。
そして、2年前の3月に羽田新飛行ルートの運用が始まってから、区民の生活に深刻な被害が生じているので、区がその実態をつかむ必要性は強まっているということです。
その被害実態の一部は、私たち共産党区議団の下にも、区民の皆さんからの声として寄せられており、その一部を私たちは一般質問などで紹介してきました。
「飛行機が飛ぶ3時から7時までの間はレコーディングの仕事はできない。このまま続くようなら、引っ越しも考えている。」
「来ては去り、来ては去りとエンジン音が繰り返されイライラが募って、我慢の限界を迎えていく。イライラを家人にぶつけるようになった。」
「体調不良の際に耐えられず外出したことが何度もある。朝起きると今日も飛ぶのだろうかと憂鬱な気分になる。」
「頭上からの威圧が非常にストレス。落下物が一番怖い。子どものことを考えると転居したい。子育てしたくて品川区を選んだのに生活が崩れてしまう。」
「夜勤の仕事で昼間寝ていると音で目が覚める。十分な睡眠が取れない。」
などです。
ところが、区は、新飛行ルートは国の事業だから、区民から寄せられた声を国に届けるが、アンケートの実施は国が判断すべきだと言います。
しかし、新飛行ルートが国の事業だということ、区が区民から寄せられた声を国に届けていることは、区がアンケートを実施しないこと、区民生活の実態調査をしないことの理由にはなりません。なぜなら、区民が区に申し出た苦情は、多くの区民が受けている苦しみの氷山の一角に過ぎず、深刻な被害は広範に広がっているのです。そこに隠れてまだ見えてない区民の苦しみやその他の生活実態をつかむことこそが、まさに区の役割です。区民から苦情が来るのをただ待つだけ、そして苦情が来たらそれを国に報告するだけでは、区の役割を果たしたことにはなりません。区政に生かしていくために、区の方から積極的に区民の生活実態をつかむことこそが区のなすべきことなのです。
品川区は、この羽田新飛行ルートから区民の皆さんが受けているさまざまな苦しみに目をふさぐことは、もはや許されません。
皆さん、この陳情を出された方、そしてその他の羽田新ルートのために苦しい思いをされている方々の思いを受け止め、この陳情を採択しようではありませんか。
こう訴えて私の賛成討論といたします。
ご清聴ありがとうございました。