2022.12.21 のだて稔史区議
質問項目
日本共産党を代表して一般質問を行います。
初めに、大軍拡・大増税で区民の暮らしと憲法・平和が壊される9条活かした外交こそです。
岸田自公政権は、「戦争国家づくり」に向け危険な新たな段階に踏み出しました。自公は敵基地攻撃能力の保有に合意し、国会閉会直後に閣議決定。軍事費2倍化へ5年間で総額43兆円となる大軍拡。しかも5年で終わりではなく10年後まで軍拡を明言しました。
その財源は増税で1兆円強を確保する計画ですが、他のものは一時的なもので、消費税増税に行きつくのは必至です。また「歳出改革」も柱の一つとされ、年金削減・75歳以上の医療窓口負担の2倍化に続く、介護の利用料の原則2割負担への引き上げなど社会保障費の大幅削減が狙われています。
Q.@ 大軍拡・大増税は区民の暮らしを壊すと思いますが、区長の認識を伺います。
「敵基地攻撃能力」の保有は、政府が戦後一貫して述べてきた「相手国に攻撃的な脅威を与えるような兵器を保有することは憲法上できない」との解釈を覆す、明白な憲法違反であり立憲主義の破壊です。
自民党などは「自分の国は自分で守る」と繰り返しますが、敵基地攻撃能力を持てば、集団的自衛権の行使を一部認めた安保法制の下、日本への武力攻撃がなくてもアメリカが海外で戦争を始めたら一緒に相手国に攻め込むことになり、報復攻撃を招きます。日本を守るどころか、戦火を呼び込むのが敵基地攻撃能力の保有です。
どうしたら戦争を起こさないアジアを築くことができるでしょうか。戦争を避け平和を築くには、軍事ブロックなど排他的な対応ではなく、地域の全ての国を包み込む包摂的な枠組みと外交こそ重要です。ロシアの侵略戦争や北朝鮮のミサイル発射は国連憲章・国際法違反で断じて許されません。同時に軍事ブロックで対応すれば軍事対軍事の悪循環に陥り緊張を高めるばかりです。
11月のアジア政党国際会議(ICAPP)で日本共産党は包摂的な枠組みこそと提案し、「ブロック政治を回避することの重要性を強調し、競争よりも協力を強調」と明記し平和の大道を発信する画期的なイスタンブール宣言が採択されました。国内外で戦争をさせない共同を大いに広げ、発展させることこそ重要です。
戦争か平和かの岐路を迎えている今、品川区の行動も問われます。戦時下、地方自治体は国の出先機関でした。区役所も国に住民情報を提供、赤紙を発行し、区民を戦場に送る役割を担いました。その反省から「二度と赤紙は配らない」が戦後の自治体職員の合言葉となり、憲法に地方自治が書き込まれました。
しかし濱野前区長はこの反省を忘れたのか、改憲や核兵器禁止条約などについての姿勢を問うと、「外交・防衛に関することは国会の場で論議すべき。態度を表明する考えはない」と繰り返してきました。
一方で品川区には、例外なき核兵器の即時廃絶と恒久平和を世界に呼び掛ける「非核平和都市品川宣言」があります。その下、今年3月にはロシアのウクライナ侵略に対し、区議会の決議と同日に、区としても抗議文を送りました。
自治体から平和を求める動きも前進しています。市民の後押しで6月に区長になった杉並の岸本区長は、新たに全国首長九条の会の呼びかけ人になりました。首長九条の会は「住民の生命・財産を守る首長の責務を自覚」し、「戦争放棄と戦力不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条を全力で守ること」を目的として全国の首長・元首長126人が参加。東京では、世田谷区長、武蔵野市長も参加しています。
Q.A 区長は、区民の生命・財産を守る使命を負い、非核平和都市品川宣言を持つ自治体の長として、区民の暮らしと憲法・平和を壊す岸田政権の軍事費2倍化と敵基地攻撃能力の保有に反対すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
Q.B 杉並区長のように、全国首長九条の会に参加し、戦争をさせない運動に合流して頂きたいと思います。いかがでしょうか。
2021年、日本の出生数は過去最低。今年はさらに下回り、昨年比約5%減の77万人前後となる見通しです。理想の子どもの人数が持てない理由は、経済的負担や不安定な雇用等にあります。経済的支援を国や都に求めるとともに、区でできる子育て支援を早急に行うべきです。
区長は区長選で、「小中学校給食費の無償化」と「出産費用の実質無償化」を公約に掲げました。「財源確保ができ次第」と述べていますが、品川区はこの10年間で区民税も地方消費税も財政調整交付金も増収が続き、3つだけで10年前より約300億円もの増収です。基金も毎年積み増し900億円を超えています。増収の一部を子育て支援に使えば実現は可能です。以上2点に加え、追加支援2点を求めます。
1点目は、学校給食費の無償化です。
区長選では、区長だけでなくほとんどの候補が学校給食費の無償化を公約。子育て家庭の強い要求の反映です。完全無償化のために新たに必要な予算は約11億円です。
子育て支援と憲法が定める義務教育の無償化の完全実施へ
Q.@ 公約に掲げた小中学校給食費の完全無償化を来年度から実施するよう求めます。いかがでしょうか。
2点目は、出産費用の自己負担ゼロを求めます。
子どもは社会の宝であり、誰もが健康で安全に出産できることが必要です。港区は自己負担がないよう健康保険の出産育児一時金42万円で足りない分を平均出産費用の73万円まで助成しています。わが党の試算では品川区の場合7億円で可能です。来年度、国が出産育児一時金を50万円への増額を検討と言われていますが、とても足りません。
Q.A 港区のように、平均の出産費用までは健康保険の出産育児一時金と合わせて自己負担がなくなるまでの出産助成金の制度創設を求めます。いかがでしょうか。
3点目は、18歳までの国保料無料化です。
全国知事会は、医療保険制度間の公平と子育て支援の観点から子どもの国保料軽減措置を国が速やかに行うことを求め、全国市長会も同様に求めています。そのため品川区も同じ考えとしています。
しかし、18歳まで無料化を求める質問に区は「国保の賦課に関する事項は、政令の基準に従って条例で定めているため区独自の無料化はできない」と答弁。そこで国に確認すると、区が述べる賦課に関する事項は国保法76条、共産党が求める保険料の減免制度は77条であり、「区独自に決めることができ、解消すべき法定外繰り入れにもあたらない」との回答でした。既に岩手県宮古市では18歳まで無料化しています。
区も必要性を認め、国もできるとしています。実施に必要な額は1億5600万円です。他の健康保険にない、収入のない子どもから保険料をとる理不尽な制度は改善すべきです。
Q.B 改めて18歳までの国保料無料化を求めます。いかがでしょうか。
4点目は、安心して子育てができるよう、保育士の待遇改善と配置基準を引き上げ保育の質の確保を求めます。
静岡県の保育園での虐待事件をきっかけに、虐待の背景に保育士の低賃金や70数年改善されていない配置基準があると大きな社会問題になっています。
この間品川区も、企業頼みの安上がりな保育を推進。ビルの一室、園庭やホールのない保育園、保育士の低賃金や低い配置基準は保育の質からも問題です。国は公定価格の8割を人件費として想定していますが、区内の株式会社立認可保育園の事業活動収入に占める人件費比率は3割台の保育園が11園もあり、賃金・経験年数・保育士配置の低さが表れています。これを指摘すると区は「民間ならではのメリット」「その中で保育の質が確保されている」と答弁し、問題にさえ捉えていません。現場は、コロナ対応で保育士の負担は大きくなっていますが、配置基準の引き上げはされず、低賃金の改善も道半ばです。
Q.C 民間保育園で人件費率3割台は改善が必要とは考えないのか、伺います。
Q.D 人件費率5割台以下の保育園に対して、保育の質確保のために保育士の賃金と配置人数の引き上げを東京都とともに指導するよう求めます。いかがでしょうか。
Q.E 保育士の低賃金の改善と70数年前から変えていない配置基準の抜本的な引き上げを東京都と国に求めるべきです。いかがでしょうか。
品川区はこれまで超高層再開発に約1500億円の税金を投入し推進してきました。武蔵小山、大崎、大井町、戸越公園と区内各地に広がり、その下で住民が追い出され、生業を奪われ、街や生活が壊されています。
大井町線の急行が止まらない戸越公園駅まで再開発が広がり、駅南側の戸越5丁目19番地区では23階建て、高さ85mのタワーマンションを建設中。駅北側の戸越5丁目10番地を中心にした戸越公園駅北地区では再開発準備組合が設立され、19番地区と同程度のタワマンの計画です。この2棟をはじめ商店街の両側に高層マンションが林立する計画が狙われています。
工事中の19番地区にお店があった方に話を伺いました。駅前から離れたところに移った方は「売り上げは1/2くらいに減った。家賃が数倍と言われては戻れない。もともと約20店舗あったが戻るのは3店舗ぐらい」とのことでした。お店の売り上げが激減し、元のお店がごっそりなくなり、これまで築き上げてきたものが一瞬にして奪われてしまうのが再開発なのです。
Q.@ 19番地区再開発は商店の営業を脅かし、地域になじんだお店を追い出すものではないでしょうか、伺います。
2棟目となる戸越公園駅北地区いわゆる戸越5丁目10番地計画は準備組合設立から4年経ち、区は総合実施計画に来年度都市計画決定、再来年度再開発本組合設立と記載。始まれば止まらない都市計画手続きが目前に迫っていますが、まともな説明が行われていません。
近隣住民は事業者説明会で初めて知らされ、それから約半年で都市計画決定されるため、突然の発表に驚きます。さらに借家人は関係権利者であるにもかかわらず説明がされていません。地域はこうした人を含めて成り立っており、借家人はもちろん近隣住民にも説明すべきです。
こうした再開発の進め方を見直すべきとの質問に区は計画策定時などに説明している、と答弁。住民に大きな影響を与える再開発の計画は都市計画手続きの直前になって初めて説明するのでは遅すぎます。
Q.A 再開発の計画は、都市計画手続きの直前ではなく検討段階から住民に説明すべきです。いかがでしょうか。
Q.B 関係権利者である借家人への説明は、地権者や建物所有者と同様に行うべきです。いかがでしょうか。
再開発でどこでも同じようなまちになってしまいます。
地域に先祖代々住む方は「この地域は戸越公園、文庫の森があり、自然と文化あふれる街。商店街が賑わい、お祭りが盛んな人情溢れる街。大手ゼネコン、デベロッパーが超高層ビルを建ち並べ、個性のない、再開発にありがちな街をつくろうとしています。戸越の歴史、街並みにふさわしくありません」と語ります。今のまちが好きだからこそ住んでいるのです。
Q.C 商店街や街並みを壊す戸越5丁目10番地の北地区再開発は中止を求めます。いかがでしょうか。
この再開発の契機となったのが補助29号線道路です。29号線は幅20m長さ3.5kmで戸越公園中央商店街に沿って、東側の商店はごっそり削られ、連なる宮前、南口商店街もめちゃくちゃにされます。29号線は濱野前区長が進めてほしいと東京都に手を上げた事で推進されました。しかし当時、住民の合意が得られないと手を上げなかった自治体もありました。新区長の姿勢が問われます。
前区長が推進してきた事業で住民の生活が壊されています。「苦労して建てた自宅と、育んできた近所づき合いが一瞬にして奪われる」などの切実な声が寄せられています。29号線で立ち退きを求められる建物数は672棟。世帯にすれば数千世帯が住み続けられなくなります。
以前にも紹介しましたが名古屋市では住民の声を受け用地買収していた道路事業を廃止。買収用地は公民館、学童保育、公園等に転換しました。政治の姿勢次第で変えられるのです。
Q.D 前区長が進めた補助29号線は継承ではなく中止を東京都に求めるべきです。いかがでしょうか。
荏原第四中学校は、2013年4月の小中一貫校豊葉の杜学園への統廃合と同時に閉校になりました。その後区は、区内私立中学校・高等学校の建て替えのため4年4ヶ月間貸し出し、現在は公立保育園2園の建て替えとともに、公設民営のほうさん保育園に2023年度まで暫定活用する予定。11年間も暫定活用されてきましたが、本格活用の方法はまだ決まっていません。
これまでも特養ホームや避難所、またバレーやサッカー、野球などに利用されている体育館とグラウンドも残してほしいと様々な要望が出されています。
2018年12月に私が実施したアンケートでは上位順に、特養ホーム23%、保育所19%、避難所11%、公園11%、障害者施設10%という回答でした。
同様の質問で緊急に今月から始め荏原四中跡地の周辺で取り組んだアンケートではわずか1週間で約30人から回答が寄せられ、上位順に特養ホーム28%、保育所18%、障害者施設14%、避難所9%、スーパーマーケット9%という回答でした。公共施設としては前回と同様の傾向です。
先の決算委員会で入居施設になると避難所に収容しきれないとの議論がありましたが、防災計画の避難所生活者の想定人数は人口の34%。それ以上の避難者になればあふれてしまいます。避難できる人数を確保しながら避難しなくても済む耐震化など予防対策を強化していくことが必要です。
また高齢者施設や障害者施設と併設されていれば看護師や介護師などもおり、地域のお年寄りの方も安心して避難することができると考えます。
Q.@ 荏原四中跡地の本格活用について体育館とグラウンドの機能を確保しながら特養ホームや保育所、障害者施設などの福祉施設と、震災時には避難所になる区民集会所など住民要望に応えた施設建設を改めて提案しますが、いかがでしょうか。
活用方法の検討については計画段階からワークショップなどを行い住民参加で検討することが必要です。荏原四中など学校跡地は地域のみなさんの愛着や思いがあり、話し合って決めていくことが住民に愛され、利用される施設にしていくためにも大切です。
2020年決算委員会での質問に区は「近隣施設にどういった公共施設があるか、中長期的なニーズ、地元に受け入れられる施設、地域の特性等」「様々な情報を分析し、たたき台を作りたい」と答弁しました。
Q.A これまで四中跡地についてどのような検討をしてきたのか、会議体やコンサル、分析をした情報など検討内容をそれぞれ伺います。
Q.B 今後のスケジュールと、どのような方法で検討していくのか、それぞれ伺います。
品川区総合実施計画では今年度方針決定。来年度計画策定等、再来年度設計の予定となっています。方針決定が今年度に迫っていますが、住民の意見を聴かずに決定しようとしており、議会にも説明はありません。区立幼稚園閉園では利用者にも議会にも意見を聴かず方針を決め、そのまま進めています。
区長の公約には「区役所跡地のまちづくりは区民による検討委員会を設置し、区民ニーズを叶える」と掲げています。四中跡地の活用でも住民参加の検討会を実施すべきです。アンケートでも68%が設置すべきと回答しています。
以前に八潮では、住民がまちづくり検討委員会を立ち上げ、自治会長23人とともに公募で27人が参加。4つの部会を作って地域住民からの意見も含め検討し、提言をまとめました。方針決定前にこうした住民の声を聴き、要望を反映する場が必要です。
Q.C 荏原四中跡地活用について区民の声をどんな形で聞いたのか具体的に伺います。
Q.D これからでも公募や無作為抽出など広く住民が参加でき、意見を反映する検討会を実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
私からは、出産・育児への支援についてお答えします。
初めに、公立学校給食費の無償化についてです。私は、小中義務教育学校給食費の無償化についても重点政策の1つとして掲げております。都内においても、他自治体が導入を表明するなど、学校給食を通じて子どもの成長や負担軽減を図る取組が広がりを見せております。品川区においても、子育て家庭の負担を減らし、安心して子育てをしてもらえる環境づくりに取り組む所存であり、まずは財源の確保について検討を指示したところです。
次に、出産費用への助成についてですが、現在、東京都は、出産応援事業として10万円相当の支援を行っております。また、新聞報道等によりますと、国の社会保障審議会において、来年度より出産育児一時金を50万円に引き上げることが了承されました。こうした点を踏まえまして、引き続き国や東京都の動向を注視してまいります。
私からは、平和への取組についてお答えします。
区では、昭和60年3月に「非核平和都市品川宣言」を行い、核兵器廃絶と恒久的平和の確立に向けた取組を継続して実施しているところです。区といたしましては、こうした取組を継続するとともに、自治体としてできることについては考え、宣言の精神を継続的に広く普及させ、戦争の悲惨さ、平和の大 切さを次世代につなげるよう努めてまいります。
私からは、出産・育児への支援のうち、18歳までの国民健康保険料の 無料化についてお答えします。
国は、保険料の減免の仕組みは個々の事情を勘案し行うものであり、特定の対象者にあらかじめ画一的な基準を設けて行うことは適切でないとの考えを示しており、区独自の無料化は考えておりません。したがいまして、保険料軽減の対象や軽減割合の拡充を区長会および全国知事会を通して引き続き国に求めてまいります。
私からは、出産・育児に係る質問のうち、保育事業に関することと旧荏 原第四中学校の活用についてお答え申し上げます。
初めに、私立認可保育園等においての質の高い保育を実施するためには、人件費比率の引き上げだけでなく、園運営の総合的な支援が必要であり、今後も幅広い支援をしてまいります。
次に、保育園への指導検査についてですが、法令に基づき実施しているところです。保育士の処遇改善につきましては、特別区長会を通じ、人材の安定的確保および定着化推進のため、国における処遇改善に要する財源確保を要望しております。なお、配置基準につきましては、国において責任を持って検討すべき課題であると認識しております。区としましては、今後も私立保育園に対し適切な運営支援を実施してまいります。
続きまして、旧荏原第四中学校の活用についてお答えいたします。
初めに、施設整備についてですが、旧荏原第四中学校がある豊町三丁目は広域避難場所に近接し、防災生活圏促進事業に指定されています。また、近隣は不燃化特区支援事業の指定地域のため、地域の要望でもある避難所の確保など防災の視点が重要であります。一方で、グラウンドや屋内運動場は、サッカーや野球、バレーボール等での利用が多く、地域の方々のスポーツ利用を継続していく必要があると考えています。なお、居住系の施設整備については、避難所確保の観点から地域の方々の意見をお伺いしていく必要があると認識しています。
次に、検討状況についてですが、グラウンドや屋内運動場等の利用状況の調査をはじめ、公共施設整備の庁内検討のほか、建築物のボリュームチェック等の調査を進めています。
次に、区民参加についてですが、地域の方々をはじめ、広く区民の意見をお聞きすることは重要であると考えております。今年度の検討状況を素案とし、令和5年度は区民の意見をお聞きしながら、整備方針を検討していきたいと考えています。今後のスケジュールなど具体的な進め方については、引き続き検討してまいります。
私からは、戸越公園駅前の再開発および特定整備路線である 補助第29号線についてお答えいたします。
初めに、戸越五丁目19番地再開発と商店の関係についてですが、再開発では、新しい建物で商店を継続するかどうかは、土地建物の権利をお持ちの方がご自身で選択できる仕組みとなっております。また、借家して商店を営んでいた方は、オーナーとの話合いにより商店を継続するかしないかを決めていただくことになるため、商店を追い出すものではございません。
次に、住民への説明についてですが、再開発事業は、地区内のまちの課題解決に向けて地区内の権利者が主体となって進められている事業であり、近隣住民に対しては、計画策定時や工事着手時などの機会を捉えて事業者などは適宜説明会を開催し、コミュニケーションを図っております。
次に、借家人への説明についてですが、建物所有者が行ってもらうことになりますが、円滑に調整が進むよう再開発準備組合が適切にサポートしていくと聞いております。
次に、北地区再開発についてですが、現在、商店会の方を含めた地区内権利者がまちづくりを進められております。また、計画に当たっては、町会や商店会など地域住民で構成されたまちづくり協議会と意見交換を行い、街並みの継承や商店会の活性化などの視点も踏まえた検討が進められており、地域住民が連携して進めているまちづくりについて、区は引き続き支援してまいります。
最後に、東京都が進める特定整備路線であります補助第29号線ですが、木密地域の防災向上には、火災の延焼拡大を防止する延焼遮断帯の形成と建物の不燃化を併せて進めることが重要であり、東京都へ中止を求める考えはございません。
自席より再質問させていただきます。
まず、平和の問題です。岸田自公政権は、説明なしに大軍拡でこれまでの考え方を大転換し、日本が戦争か平和かの岐路に立っています。先ほどのご答弁で何も答えていませんでした。戦争で負担増で区民の命がかかっているにもかかわらず、濱野前区長と同様に国に何も言わないんでしょうか。区長に伺います。お答えください。
次に、子育て支援です。学校給食費無償化は、財源確保を指示との答弁でした。これは来年度実施ということでしょうか。確認させてください。
出産費用の無料化については、国が50万円、都が10万円と、合わせて60万円です。港区では平均で73 万円なので、足りません。公約をどう実現するのでしょうか、伺います。
次に、再開発です。商店を追い出すものではないとの答弁でしたけれども、賃料が何倍にも跳ね上がって続けられません。19番地では20店舗から3店舗しか残らないと。これは実態として追い出しです。なぜ追い出しではないと言えるのか伺います。
29号線については、防災のためとのことですけれども、道路まで燃え尽きるのでは防災にはなりません。29号線に投入する600億円、これを住宅の不燃化、耐震化に使ったほうが区民の暮らしを守れます。防災を口実に数千世帯を立ち退かせる29号線をこのまま続けるんでしょうか。伺います。
最後に、荏原四中です。居住系の施設とおっしゃっていたと思うんですけれども、それは特養ホームや保育所、障害者施設を検討しているのか伺います。居住系施設の理解を得るためにも、住民参加が重要です。意見を聞きながら方針を検討との答弁もありましたけれども、区民の意見をどのように聞いていくのでしょうか、伺います。以上です。
小中義務教育学校の給食費の無償化については、まずは財源の確保について検討を指示したところになります。また、出産費用の助成についてですが、国や東京都の動向を注視してまいります。
品川区といたしましては、非核平和都市宣言を行って以降、区の実施する各種平和事業を通じまして、核兵器廃絶と恒久平和のための意識の啓発を継続的に行っていると考えております。先ほどご答弁申し上げましたとおり、宣言の趣旨を広く区内に届けてまいりたいと、このように考えているところでございます。
私からは、再開発に関する再質問にお答えします。
商店の継続につきましては、オーナーとの話合いによって決めていただくものでありまして、区とし ましては、再開発組合のサポートを含め、民民でのそういった適切な対応をしていただくよう、再開発組合へ指導・調整していきたいと思っております。
私からは、29号線についてお答えいたします。
東京都が進めます特定整備路線であります補助29号線についてですけれども、まず品川区で取り組んでいる品川区内の不燃化の取組におきましては、不燃化特区というものを導入いたしまして、建物の除 却や建て替えに補助をしております。そういった中では、まだ不燃化率といたしましては50%台というところで、最終目標であります70%に今到達させようと努力しているところでございます。
そして、それに併せまして、延焼遮断帯としての機能、面的な不燃化と線で炎症を遮断するという、 そういった2つを併せて進めることで、建物、あるいは道路につきまして強力な不燃化の効果が現れてくるというところで現在進めているところでございます。
したがいまして、東京都が進める特定整備路線、そして区が進める不燃化の取組、この2つを併せて行うことが重要と考えておりますので、中止を求める考えはございません。以上でございます。
私からは、旧荏原第四中学校の活用についてお答え申し上げます。
私どもが確認している地域の要望では、非常にこの地域は防災に対する意識が高く、また、不燃化特区支援事業の指定地域でもあるため、地域の要望としましては、避難場所の確保など防災の視点についての強い要望があるものでございます。
また次に、地域の方の意見を聞く方法につきましては、現在検討しているところでございまして、今後のスケジュール、具体的な進め方は、この後に検討後、皆様のほうにご説明をしていきたいというふうに考えているところでございます。
再々質問をさせていただきます。
まず、平和です。答弁は区の取組を語っただけでした。質問でも紹介したとおり、戦争の反省から憲法に地方自治が位置づけられました。大軍拡による増税や社会保障削減で住民に大きな負担をもたらし、暮らしを壊す。こんなときに、区民の生命・財産を守る区長として国に意見を言わないんでしょうか。 言うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、子育て支援です。学校給食費は、実施に新たに必要なのは11億円です。出産費用の無償化も8億円です。区にお金がないわけではないのに、なぜ来年度から実施すると言えないのか伺います。2つとも区長の公約ですから、来年度から実施することを求めますけれども、いかがでしょうか。
次に、再開発です。なぜ追い出しではないのかと言えるのかと聞きましたけれども、まともな答えはありませんでした。再開発によって追い出され、人生が壊されているんです。オーナーとの話合いでということで言っておりますけれども、区が組合を指導・調整するというんでしたら、このまま住み続けるということもちゃんと指導していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。そういう選択 肢をつくるように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
29号線については、面と線で強力な不燃化をすると言いますけれども、不燃化が進めば道路は必要なくなります。道路の両側で火災が起きても、道路は必要ないです。意味がありません。私は先日、区民 からメールが届きまして、必要のない29号線を廃止して、買収用地を福祉・環境に活用してほしいというものでした。これが区民の気持ちです。区長の姿勢次第でこれができるんです。こういう方向にぜひ転換していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、荏原四中です。検討ということなんですけれども、地元のアンケートでは、特養ホーム、保育園、障害者施設、避難所の要望が強いということで、この検討をぜひしていただきたいと思います。そのために、住民要望に応えた整備検討のためにも、広く住民が参加できる検討会の実施を改めて求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
私からは、再々質問のうち、子育て・育児に係る質問のところ、また、旧荏原第四中学校の活用についてご答弁申し上げます。
まず、1点目の子育て家庭の負担を減らすことについての取組についてですけれども、区長の方針の下、私ども、まずは財源の確保について検討しているところでございます。
次に、旧荏原第四中学校の活用につきましては、今後のスケジュール、具体的な進め方につきましては現在検討中でございます。地域の皆様のご意見を広くお聞きしながら、整備方針を進めて検討していきたいというふうに考えているところであります。
再々質問にお答えいたします。
先ほどから答弁申し上げていますとおり、区といたしましては、区が行っている取組を継続するとともに、自治体としてできることについては考え、宣言の精神を継続的に広く普及させ、戦争の悲惨さ、平和の大切さを次世代につなげるよう努めてまいります。
私からは、再開発に関する再々質問にお答えいたします。
繰り返しになりますけれども、商店を継続するかしないかにつきましては、オーナー等の話合いを含めて決めていただくものでございますので、区としましては、再開発組合のサポートを含め、民民で適切に対応していただくように再開発組合に指導していきたいと思っております。
私から29号の質問にお答えいたします。
まず、延焼遮断帯でございますけれども、この延焼遮断帯の効果につきましては、消防庁のシミュレーション等もありますけれども、現実的に火災が発生したときには、ご指摘のとおり道路の両側から火災が発生する場合もあるかもしれません。
また、片側からの発生もあるかもしれません。いずれにしましても、両側にいたしましても、その遮断帯によって面的な広がりを時間的に抑えるという効果は一定程度認められているというふうに区としては認識をしております。
また、区としましても、面的整備としましては、耐震診断ですとか耐震設計、改修、こういったもの も併せて面的な整備を行っているものでございますし、特定整備路線延焼遮断帯には、もう一つの機能として緊急輸送路としての役割もございます。
災害時に、道路の両側の不燃化を進めることによりまして、緊急輸送路としての安全性を確保するといった機能もございますので、引き続き東京都と連携して、面的な整備と、そして29号線の整備につきましては、区としても協力していくという考えでございます。