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のだて稔史区議 第4回定例会
「区営住宅の新規建設についての陳情」への賛成討論

2023.01.12 のだて稔史区議

 日本共産党品川区議団を代表し令和4年陳情第59号「区営住宅の新規建設についての陳情」に賛成の立場で討論を行います。

 本陳情は住宅に困窮する高齢者等区民の支援のために区営住宅の新設と連帯保証人の廃止を求めるものです。以下、賛成理由を2点述べます。

 1点目は人権の基盤である住まいを保障することこそ自治体の役割であり、そのために増設が必要だからです。

 直近3回の応募倍率は一昨年7月が約36倍、昨年1月が38倍、昨年7月が47倍と高止まりです。申し込んだ方は入居するための要件を満たしており、住宅に困窮している方です。しかし、何度も申し込んでも入れないのが現状です。また高齢者はエレベーターがない住宅の高層階に空きがあっても申し込みを断念せざるを得ません。高齢者の住宅状況は深刻で、古いアパートが壊され立ち退きを迫られても引越し先が見つかりません。こうした区民の生活を支えるべきですが、区営住宅が役割を果たせているとはいえません。住まいは生活の基本であり、憲法25条に基づく健康で文化的な生活にとっての基盤です。「住まいは人権」この立場で増設することこそ必要です。

 この間、自公政権による新自由主義が蔓延し、格差と貧困が拡大。その上、現在はコロナや物価高騰により、収入が年金のみの世帯やひとり親世帯など区民の暮らしが追い詰められ、高い住居費が家計を圧迫しています。だからこそ区営住宅の役割発揮が求められています。

 しかし、品川区まちづくりマスタープランに区営住宅は維持・管理だけで、増設の考えは記されていません。品川区の公営住宅比率は1.7%と特別区全体の3.5%よりも低い状況です。この間、区内の都営住宅も2007年に大井林町・伊藤町、2015年に元芝など、区が移管を拒否したため168戸も減らし、公営住宅の役割を後退させてきました。

 また区は「民間住宅を含めた住宅ストックは量的に充足している」といいますが、民間住宅では家賃が高く借りられません。また高齢者はそもそも60代になると借りられないのが現状です。他会派からは居住支援協議会で対応しているとの意見もありますが、協議会は民間活用の促進を目的としています。区営住宅であれば低所得者は低廉な利用料で借りられ、環境が保障された住まいを確保でき、生活も安定します。自治体が生活の土台となる住まいを保障することが人権を守ることにつながるのです。

 また区は「公営住宅法に低額所得者の住宅不足を緩和するために、必要が認められるときは供給を行わなければならないとなっており、現在は法の趣旨に沿っている」と答弁しましたが、応募が47倍にもなっている状況で法の趣旨に沿っているとは言えません。公営住宅法の目的には住宅に困窮する低額所得者に供給するとあります。申込者が47倍、数百人もいるのですから区営住宅の新規増設こそ必要です。あわせて高齢者住宅も同様の状況ですので増設が求められています。

 2点目は連帯保証人が入居における障壁と負担になっており、解消が必要だからです。2018年に国が「公営住宅の入居に際して連帯保証人を確保できないために入居できないといった事態が生じないように連帯保証人の確保を公営住宅への入居に際して前提とすることから転換すべき」とする通知を出しました。これを受け都営住宅では「連帯保証人を用意できず入居をあきらめる事例もあることから」、連帯保証人を廃止し、緊急連絡先に変更しました。2020年には23区の中でも12区が廃止しています。

 区は「個人、法人の保証人、いずれも見つけられなかったケースはないので、妨げとは考えていない」としていますが、そもそも申し込む前にあきらめてしまう方がいます。兵庫県では申し込む前に自らの判断であきらめてしまう人が残ってしまう懸念が、完全に排除できないことも理由として連帯保証人を廃止しました。こうした視点こそ必要です。

 また保証会社を使うとその分年間1万円の費用がかかり、ただでさえ低所得で生活が苦しいにもかかわらず、更に生活が圧迫されてしまいます。区は「本人が支払いが難しい時に連帯保証人から納めてもらうケースもある」や「連帯保証人に連絡されないように支払いが遅れることを未然に防いでいる側面もある」と答弁しますが、滞納せざるを得ない状況に陥った人には生活支援策につなげることこそ必要です。申込者の障壁となり入居者に負担を強いている連帯保証人は廃止すべきです。

 以上、各議員の皆さんにも陳情へ賛同いただくことを呼びかけまして賛成討論を終わります。

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