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中塚亮区議が予算特別委員で会総括質疑を行いました。
「森澤区長の基本方針」
「区立3幼稚園閉園撤回および区立認可保育園の存続」
「住民を追い出す再開発について」

2023.03.23 中塚 亮 区議

質問項目

  1. 森澤区長の基本方針
  2. 区立3幼稚園閉園撤回および区立認可保育園の存続
  3. 住民を追い出す再開発について

質問

中塚副委員長

 日本共産党品川区議団を代表して、石田ちひろ区議会議員に続き、私、中塚亮が総括質疑を行います。
私からは、森澤区長の基本方針、区立3幼稚園閉園撤回および区立認可保育園の存続、住民を追い出す再開発について伺います。

森澤区長の基本方針

中塚副委員長

 まず施政方針にて、森澤区長の基本方針が示されました。新しいキーワードは示されますが、説明が乏しく、どんな品川区を目指しているのかよく分かりません。区長は、「新時代のしながわ」、つまり、「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていけるしながわ」と説明します。そこで伺いますが、ならば、今までの古い時代とは何を指すのか。新しい時代とは、今までとどう違うのか、伺います。生きがいとは、自分らしく暮らすとは、どのような環境を整えることで実感できると考えているのか伺います。

 重点施策、「子育て•教育で選ばれるしながわ」ですが、款別審査でその意味を、転入増につながる、 政策の効果で人口増につながれば、9割の方が住み続けたいと言っている、それも選ばれるということと説明します。なぜ重点施策に人口増を掲げるのか伺います。長期基本計画では総人口のピーク を2044年としているが、このピークも先にずれるという想定を変えたのか伺います。そして、現在品川区で暮らしている、住んでいる人も、選ばれるということとはどういう意味なのか、伺います。

 そして、「攻めと守り、戦略的な予算編成」と言いますが、攻めとは具体的にどの事業か、守りとは具体的にどの事業か、それぞれ伺います。

企画部長

 初めに、「新しい時代」についてでございますが、3年にわたる新型コロナ対策は新しいフェーズを迎え、にぎわいのある日常の回復に向けて動き出しています。その一方で、世界的なエネルギー供給不安や物価高騰、また自然災害に対する不安などから、先行きが不透明な状況にあります。さらには深刻な少子化は、我が国の成長などにも大きな影響を与えるとされており、地方自治体としても喫緊の課題として取り組むべきものと認識しています。
こうした社会・経済情勢を考えますと、現在は時代の大きな転換期にあるものと捉えております。その中で、子育て、教育、福祉、行政の仕組みも含めまして、時代に合わせて変えていく必要があると考えており、今後進むべき方向を未来志向的に捉え、「新しい時代」と表現したものであります。
また、施政方針では「古い時代」という言葉、表現を使っておりませんので、「新しい時代」との対 比ということでお答えさせていただきますが、コロナ禍以前に日常と捉えていた様々なことが、それに当たるのではないかと考えております。

 次に、生きがいを感じ、自分らしく暮らすことについてですが、人それぞれ、生きがい等に対する価値観は異なりますが、家計などの経済的な面、健康や住まいなどの生活環境が安定しているごとで実感できるものではないかと考えているところであります。

 次に人口増加についてですが、平成4年度策定の総合実施計画の推計値が最新であり、総人口は2041年にピークを迎えると推計しており、想定を書いたものではありません。また、私どもは人口増を重点施策に掲げているのではなく、区民ニーズを的確に捉えた施策を展開していくことで、区民の方にも引き続き品川区に居住していただくということも、選ばれることの一つであると考えているところであります。

 次に、攻めと守りについてですが、まず、攻めについてですが、令和5年度は、3つの無償化をはじめ、大胆かつ重点的に多くの新規事業を予算化し、積極的に推進していくことを表現したものでありま す。また、守りにつきましては、経常的に必要な事業や公共施設の老朽対応、これまで確実に実施してきました事業を滞ることなく進めていくこと、さらには、将来世代に大きな負担を回すことがないよう、基金の積立てなども行い、持続可能で健全財政の基盤を堅持していくことを表現したものであります。

中塚副委員長

 結局、施政方針をなぞっているだけなのですけれども、「新時代のしながわ」、未来志向的に捉えているとご説明がありましたが、従来の品川区は、住民福祉を23区で最低にまで遅らせ、一方で再開発によるタワーマンションは23区でトップ。福祉最低、開発最高とゆがんでいます。 この区政への反省と転換が必要だと私は思います。森澤区長にその考えはあるのか、伺います。「新しい時代」とは従来の何をどう転換するのか、改めて伺います。

 「子育てで選ばれるしながわ」ですが、保育、給食、医療、3つの無償化で、再開発によるタワーマ ンションへの転入を進め、開発マンションの販売を伸ばしたいのが狙いなのではないでしょうか。「選ばれるしながわ」とは、開発マンションを購入させて人口増を進めたい、品川区のまちづくり戦略なのか、伺います。

企画部長

 まず、区政の転換等についてでございますけれども、区長は、これまでの区政のよいところを継承しつつ、時代や区民ニーズに合わせて発展させるとしており、継承と発展を念頭に区政運営を進めております。新しくすることにつきましては、3つの無償化をはじめ、様々な新規事業を 実施し、「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていけるしながわ」の実現に向け、取り組んでいくことと考えております。

 次に、「選ばれるしながわ」ですが、区民ニーズを捉えた施策を展開していくことで、まずは区民の方に、引き続き品川区に居住していただきたいと考えております。また、区外にお住まいの方が転居を考える際には、品川区が進める各施策を、転居先を選ぶときの判断基準の一つとしてお考えいただければと考えているものでございます。私どもは、開発マンション等の購入を求めているというものではございません。

中塚副委員長

 結局、福祉最低、開発最高への反省の弁は一言もありませんでした。

 「新時代のしながわ」ですが、区長の考えは、新しい言葉は言いますけれども、結局その中身についてはよく分かりません。改めて、地方自治法では、地方自治体の本旨を、地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることが基本と定められております。森澤区長はここをどう理解しているのか、しっかりご説明ください。なぜならば、森澤区長の施政方針からは、住民福祉の言葉は一言もないからです。基本がないのは重大な問題です。区長が考える「新時代のしながわ」とは、住民福祉の増進をどのように位置づけているのか伺います。

企画部長

 地方自治休の本旨等についてですけれども、区長が施政方針で述べました、「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていけるしながわ」の実現につきましては、区民の生きがいやダイバーシティーの実現、そして生きがいを感じるために、家計、建康、住まい等の安定を図るというものでございます。これらを目指すことは、住民福祉の攝iを進めるということでありまして、4つの重点施策をはじめ、施政方針に掲げる各施策を推進しまして、福祉の増進に努めてまいります。

中塚副委員長

 誰もが生きがいを、ダイバーシティーなどなどを目指すと言いますけれども、それを保障する具体的な策がない。23区最低の福祉への反省もない。これでは駄目だと思います。

 森澤区長の施政方針に沿って、キーワードになる言葉を中心に伺いました。地方自治体の本旨は住民福祉の向上です。開発にうつつを抜かし、住民福祉は23区で最低とは、とても地方自治体の姿とは言えません。本格的な転換を強く求めたいと思います。

区立3幼稚園閉園撤回および区立認可保育園の存続

中塚副委員長

 続いて、区立3幼稚園閉園撤回および区立認可保育園の存続を伺います。私の家の近所にある区立伊藤幼稚園ですが、昨年、突然の募集停止と閉園が発表され、保護者に怒りと混乱が広がりました。区は 保護者の声も受け、来年度のみ募集を再開しましたが、このクラスが最後となることや、急な変更による混乱で、希望者は残念ながら2名と激減です。開園50周年記念を行ったばかりの伊藤幼稚園の歴史が、こんなに乱暴に閉ざされることは許せません。また、時期は未定ですが、同時に閉園が発表された 城南幼稚園、浜川幼稚園の保護者や、入園を希望する方も、戸惑いや憤りを感じています。区長が替わったら計画も変わるのかとおっしゃっている方もいらっしゃいましたが、品川区より計画撤回の考えはありません。閉園理由を、行政財産の有効活用と説明しますが、3つの当該幼稚園の運営が、税金の無駄遣い、非効率だと言いたいのでしょうか。区長は区立3幼稚園の閉園をなぜ撤回しないのか、理由を伺います。 また、閉園について、直接の保護者にすら相談なく、意見も聞かず、一方的に閉園を決定し、保護者の 間に大きな混乱を起こしたことは重大です。こうした前区長の対応は適切だったと思うのか、私は反省 すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

子ども未来部長

 私からは、幼稚園等の運営に関するご質問にお答えいたします。

 区立幼稚園につきましては、昨今の社会情勢の変化、ライフスタイルの変化する中で、区立幼稚園の需要の調査といったところを行ったところでございます。そうした結果の下に、区立幼稚園の今後の運営等についての方向性というものを出させていただいたところでございます。幼稚園のニーズの変化に 対応して、行政運営資源の有効活用をすることで、幼児教育•保育の充実、機能強化を図るといった考え方に基づいておりまして、単独の設置の3園の閉園の中止ということは考えてはございませんけれども、一方で、幼保一体施設の幼稚園につきましては、就学前教育の一層の充実というところで努めてまいりたいと考えているところでございます。

 なお、この方向性の決定以降、保護者会や未就園児の会でのご説明、入園希望者へのサポート等、所管といたしましては努力してきたところでございますが、一部、進め方に対して、そういったところでお声を頂いた中で、柔軟な対応を取らせていただきました。この間、様々なご意見を頂戴したところ、事実でございます。今後の進め方につきましては、そういったことを踏まえまして、より適切に進めて まいりたいと考えてございます。

中塚副委員長

 その方向性を出したのは、前区長です。私が伺ったのは、3幼稚園閉園をなぜ森澤区長は撤回しないのかと伺いました。お答えください。

 保護者の声を受けて柔軟な対一応と言いましたが、やはり適切ではなかったと思っているのか、反省はあるのか、改めてでございます。

子ども未来部長

 繰り返しのご答弁になってしまいますけれども、ニーズ調査等を基に、こうした方向性を出させていただいたといったところでございます。そうしたことから、その方向性については変更する考えはないというご答弁をさせていただいたところでございます。

 また、進め方等につきましても、今回の件で、いろいろな件でお話を頂いたところもございます。そういったことに対しましては、そういったお言葉を受け止めて、柔軟な対応等もさせていただきました。今後につきましては、より適切な進め方というのを考えていきたいと思ってございます。

中塚副委員長

 「子育てで選ばれるしながわ」と言いながら、3幼稚園の閉園を、何の反省もなくそのまま閉園とは許せません。小規模だからこそ安心して通うことのできた歴史ある伊藤幼稚園を、こんな形で終わらせるとは許せません。閉園の理由を行政財産の有効活用と、区はこれまで述べてきました。教育にまで、幼稚園にまで、効率化を求め、閉園をする。これが森澤区長の考える子育て支援なのでしょうか。教育にまで、成果を出すまでの過程に効率化を求めるとはゆがんでいます。子どもたちが 友達同士、話をしたり、一緒に歌を歌ったり、体を動かしたり、学んだり、先生と共に成長していく過程の保障こそが教育ではないのでしょうか。伺います。

 閉園は、幼稚園と併せ、区立認可保育園にも向けられています。区は在り方検討と述べますが、区立認可保育園の目的について、今までと現在に違いがあるのか。つまり、「新時代のしながわ」では何を 変更するのか、伺います。検討内容ですが、具体的に区立園の名前を挙げて、閉園する園数も具体的に数字を挙げているのか伺います。また、数字を伺いますが、認可保育園の4月入園について、第1次および第2次の不承諾通知数は何人か。第2次の不承諾通知数について、0歳、1歳、2歳、3歳、4 歳、5歳、それぞれ年齢別にご説明ください。

子ども未来部長

 まず、区立幼稚園のご質問の部分でございます。

 これまでのニーズ調査のとおり、いろいろな大きな区民ニーズの変化があったというところでございます。こうしたそれぞれの大きな変化に対して、我々行政といたしましても、それに対応していくということは大変重要な視点であると捉えてございます。そういったところにも素早くいかに対応できるか といったところの視点で動いているといったところでございます。そうしたことを踏まえながら、幼児教育•保育の充実、機能強化を図るといった考えに基づきまして、進めていくものでございます。今後も就学前教育の一層の充実に努めてまいりたいというところでございます。

 また、区立保育園の部分でございますけれども、こちらの目的・役割等につきましては、地域の乳幼児教育や子育て支援の中核施設と捉えてございまして、待機児童対策をこれまでやってきましたけれど も、それに加えまして、保育の質の維持・向上といったところを、私立園を牽引していくような役割というところで捉えてございまして、この部分に関しましては変わりはございません。しかしながら、先ほど来申し上げておりますとおり、社会情勢、ライフスタイルが大きく変化してございますので、こうした中で、今後十年、二十年先を見据えた保育の計画というのが必要だろうというところで考えている ものでございます。そうした中で、区内福祉の今後の在り方といったところの検討に入ったというものでございます。

 その検討の内容というところでございます。区立保育園に求められる役害Uというものを改めて整理する中で、将来の施設の維持・更新の見通しも含めて、区内のどの地域にも同じ子育て支援が提供できるような計画の策定に向けて、そのありようを検討しているといったものでございます。

 お尋ねの、令和5年4月の入園申請の数値でございます。1次不承諾者数は818人、2次の不承諾 数は726人。2次の年齢別申し上げますと、0歳が142人、1歳が349人、2歳が99人、3 歳が96人、4歳が30人、5歳が10人でございます。

中塚副委員長

 今、答弁の中に、区立認可保育園について、役割について整理していきたいとご説明がありました。私が伺ったのは、今までとこれからと、その役割に何か違いがあるのかしっかりご説 明ください。また、先ほど、具体的な区立園名を挙げて検討しているのか、数を挙げて検討しているのかと伺いました。お答えください。

柏原子ども未来部長

 こちらも繰り返しの部分になってしまいますけれども、保育に対するニーズというものも大きく変化してきているといったところでございます。そうした中で、区立園のありよう、 役割といったところを改めて整理したいというところでございます。

 先ほど申し上げました、現在の役割というのは、基本路線としては変わらないというものでありますけれども、新しいニーズ、状況の変化にどう対応するのが区立保育園の在り方かというところを検討しているといったところでございます。

 それから、在り方検討の中の内容のところでございますけれども、特に個別の園の名前を挙げてなどというところではなくて、現在は、その方向性、ありようを検討しているといったものでございます。

中塚副委員長

 認可保育園は、仕事と家庭の両立、子どもの健やかな成長にとって欠かせないものです。これは、これまでも、これからも、決して変わりません。むしろ、さらに大事になってきている のではないでしょうか。認可保育園に申し込んで、希望した園に入園できず、不承諾通知を受け取った方が2次で726人です。区は、これでも実質ゼロと言うのでしょうか。これは実態とは大きく異なると思います。保育園に入園できなければ仕事は辞めなければならず、区立園を減らすということは、「保育園落ちた。日本死ね」と全国に広がった、あの当時の深刻な状況を、品川区自らがつくるもので はないのでしょうか。伺います。今でも、フルタイム・共働きであっても希望園に入れず、非正規雇用の入園は依然として困難です。4月入園でこの状態ですから、年度途中はさらに困難。4月入園で空きが生まれることは、年度途中の引っ越しなどにも柔軟に対応できます。定員割れではなく、いつでも入 園できますということです。仕事と家庭の両立を本気で考えるならば、4月入園と併せて、年度途中でも保育園に入れる環境づくりが、品川区の役割だと思いますが、いかがでしょうか。閉園検討は撤回すべきです。それぞれお答えください。

柏原子ども未来部長

 区立保育園の今後のありようのところのご質問でございます。

 我々が検討してございます、これは幼稚園の部分でも先ほどご答弁申し上げましたけれども、世の中の情勢が変わってきているといったところに対して、その環境にいかにいち早く、行政として、区として対応できるかというところ、我々はそこが求められているというところも1つ重要な視点だと考えてございます。委員が提示された部分でございますけれども、社会・経済情勢の変化への対応等の重要性を鑑みながら、現在その検討に入っているといったところでございます。

 1例を申し上げますと、先ほど申し上げた不承諾数の数もございますけれども、令和5年4月入園の1次選考時の定員に満たなかった認可保育園ですと、0歳児クラスで5 3園、1歳児クラスで:12園ありました。これは、令和4年と比較しても増えてきている状況がございます。入園内定者の中で最も低い率で内定になった方も、フルタイム•共働きで40名を下回った園が多数出てきているといった現状もございます。こういったところも捉えながら、今後の人口動向や保育需要の動きを的確に捉えて、利用しやすく質の高い保育教育に努めてまいりたいと考えてございます。

中塚副委員長

 森澤区長は「子育てで選ばれるしながわ」と言いますが、実際は幼稚園を減らし、保育園を減らし、子育て施設を保護者と地域から奪おうとしています。こうした区政は転換し、安心して子育てできる品川区を強く求めたいと思います。

住民を追い出す再開発について

中塚副委員長

 最後に、駅前タワーマンションなどの再關発事業について伺います。再開発によって、住み慣れた我が家に住み続けることができず、また地元のお客さんに慣れ親しんだお店も続けることができず、住民も店舗も、まちから追い出されています。これまでも、都市開発法第20条と第87条の規定で、本組合が認可されると、地権者は、再開発に反対していても本組合に強制加入させられ、権利変換が認可されると、土地と建物の所有者は本組合のものになり、そのままいると、自分の家に住んでいるのに不法占拠とされ、最終的には行政代執行です。自分の家なのに、不法占拠です。つまり、地権者の意思にかかわらず、住まいや店舗が奪われるのです。これを追い出しと呼ばずに何と呼ぶのか、伺います。なぜ、 自分の家なのに、最終的には不法占拠になるのか。根拠条例や裁判の経過なども含めて、説明を求めます。

都市整備推進担当部長

 再開発に関するご質問にお答えいたします。まず、組合施行の市街地再開発事業でございますけれども、法的な手続の流れとしまして、都市計画決定、組合設立、権利変換の手続がありまして、その後、建築工事を経て、建物が竣工することとなります。

 まず、組合設立に当たっては、都市計画法第20条により、施行地区内の全ての地権者・借地権者は 組合員となる旨が規定されております。次に、権利変換についてでございますけれども、権利変換計画に基づいて、開発前の土地所有者などの権利を、原則として等価で、新しくできる再開発ビルの床の権利に置き換える手続でございまして、従前の権利は都市再開発法第87条の規定によりなくなります。 区としましては、法令に基づく手続を適正に進めるとともに、一人でも多くの地権者の方々にご理解いただけるよう、事業主体であります再開発組合に対して働きかけていく考えでございます。

中塚副委員長

 再開発に反対していても組合に強制加入。自分の家なのに不法占拠。この一体どこに同意があるのか。追い出しそのものだと思いますが、なぜこれを追い出しとは認めないのか、改めて伺います。

 そして、不法占拠や裁判について、つまり誰が誰を不法占拠として裁判で訴え、誰がその家から出ることになるのかご説明ください。

都市整備推進担当部長

 繰り返しの答弁になりますけれども、再開発事業につきましては、基本的には、老朽化した木造建築物が密集して道路が狭いといった、地域の課題の解決に向けて、安全で 住みやすいまちを構成していくために、事業地域内の地権者の方々が建物を共有化し、都市の基盤となる道路や風致を整備していく事業となっております。

 その権利につきましては、基本的には法に基づいて保護されておりますので、追い出しというような 観点ではなくて、権利は法律に基づいて保護されているという視点でございます。そういったものでございますので、区としましては、防災性の向上、にぎわいの創出など、まちの課題を解決するために、 地域主体で検討されているまちづくりにつきましては支援していく考えでございます。裁判のことにつきましては、我々は区の立場としてご回答という立場にございませんので、答弁は控えさせていただきたいと思います。

中塚副委員長

 権利が保護されていると言いますが、実態からかけ離れています。再開発に同意しているから組合に入っていると説明する方もいますが、実際は強制加入です。地区内に残ることも出ることも自由と言いますが、実際は同意がなくとも、自分の土地建物は本組合に奪われるのが再開発です。これは追い出し以外の何物でもありません。品川区は、地権者が追い出される実熊をリアルに直視すべ きです。こうした追い出しの実態をなぜ認めないのか、改めて伺います。

 駅前などでご商売された方、地域のためにと懸命に働いた方、こうした方々を追い出すのはやめるべきで、とてもまちづくりとは言えません。土地を奪って、高度利用して、ゼネコンとディべロッパーの独り勝ちではないでしょうか。伺います。こうした再開発はやめるべきです。いかがでしょうか。

都市整備推進担当部長

 再開発事業に関しましては、老朽化している木造建築物が密集し、道路が狭いなど、地域の課題解決に向けて、安全で住みやすいまちに更新していくため、事業地内の権利者の方々が建物を共同化し、都市の基盤となる道路や風致を整備していく事業でございます。また、都市計画の観点から申しますと、公共性や必要性、緊急性が高い地域において、適切な補助金を活用して 事業が実施されるものでありますので、開発企業の利益を増やすためのものとは考えてございません。

 次に、再開発事業の仕組みについてですけれども、法令に基づいて、各権利者の権利が保護されておりますので、新しい建物に床の権利を受け取ることも、補償を受け取り事業地外へ転出することも、ご自身で選択できる仕組みとなっております。区としましては、防災性の向上やにぎわいの創出など、まちの課題を解決するため、地域主体で検討されておりますまちづくりが早期に実現するよう、今後も引き続き再開発組合などを支援していく考えでございまして、再開発事業を中止する考えはございません。

中塚副委員長

 住民を追い出している再開発に全く反省がない。追い出しの事実すら認めないとは許せません。新たに品川区長になった森澤区長は、自ら進める開発の足元で住民が追い出されている、積み重ねた努力も人付き合いも奪われている実態に目を向けるべきです。「区民とともに進める新時代のしながわ」と言いますが、一体どこが「区民とともに」でしょうか。

 再開発事業の中止を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

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