2023.09.21 安藤たい作区議
質問項目
日本共産党を代表して、一般質問を行います。はじめは、
「いじめや不登校の解決のためにも、全ての子どもが学びに希望を持てる学校をつくろう 」
です。
1999年に始まった品川「教育改革」。学力テストと学校選択制など市場原理の導入、市民科など規範や道徳の強調、学校統廃合を進めるための小中一貫教育などの上からの「改革」は、学校現場に多忙と萎縮をもたらすと同時に専門性や裁量を奪い、子どもたちのストレスは増えゆとりが奪われました。「改革」の24年によるひずみは、限界を迎えています。
ひずみの一つは、いじめの問題です。
2020年2月に区立中で発生したいじめ事案。「きえてよ」「今日中にころす」「しね」等の紙片を下駄箱、机などに繰り返し入れる。被害生徒は教室で意識を失い倒れ、過呼吸になり、適応障害の診断を受けました。いじめ重大事態との認定も行われず、いじめは継続し、被害生徒は他区へ転校を余儀なくされたという事例です。
先月末、第三者委員会が調査報告書をまとめ、区長に答申しました。その指摘は、区教委の基本的な姿勢や能力を大元から問う衝撃的な内容でした。
いじめ重大事態としての認知と対応の遅れの原因の一つとして、区教委が「本件いじめの重大性や本件いじめが被害生徒の心身に与える影響を十分に理解していなかった」との根本的な指摘。さらに、今回の事態を通して、「品川区においていじめが適切に認知されていない可能性」、「そもそも教育委員会事務局には自ら解決しようとする姿勢が見られない」などと指摘。「いじめの重大事態」は、この件の他にももう一件調査中ですが、「重大事態」であろうとなかろうと、いま品川では、いくつものいじめが放置されている可能性がある、という指摘は重大です。
いじめの解決という課題は、子どもが安心して学校で学び成長するために不可欠な課題で、何よりも優先して取り組むべきものです。しかし区教委は、「教育改革」を上から押しつけ、現場をその成果に追い立ててきた一方で、子どもの姿や苦しみや人権には十分に関心が払われない体質や文化をつくりだしてしまったのではないか。私はそう思わずにいられませんでした。
Q@・いじめ問題調査委員会の報告を受け、具体的に何に取り組むのか、区長、教育長、それぞれに伺います。
QA・報告書の「本件いじめが被害生徒の心身に与える影響を十分に理解していなかった」、「教育委員会事務局においては、そもそもいじめ問題について自ら解決しようとする姿勢は見られない」との区教委事務局に対する厳しい指摘をどのように受け止め、どのように改善していく考えなのか、伺います。
ひずみの二つ目は不登校です。
不登校の子どもは、2017年度から2022年度までの5年間で、小学校で55人から286人と5.2倍超、中学校でも155人から362人と2.3倍に急増。これは、今の学校が安心して通える場所ではないと感じる子どもが増えていることの一つの反映です。
不登校の原因は様々であり、全ての子どもに当てはまる一律な解決策というものはありません。理由も言えなかったり、そもそも本人も分からない場合もあります。しかし、たとえ学校に行かないとしても、その子の学ぶ権利を保障することは重要な課題であり、いくつか提案します。
超多忙な担任の先生だけでなく、不登校の子どもに目を向けられる大人の存在、人的体制の充実が必要です。
QB・川崎市のような不登校の子どもの支援にあたる専任の教員の配置。専門職のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、学校図書館司書と委託化された用務員は直接雇用に切り替え、各学校に毎日配置すること。それぞれ求めますがいかがでしょうか。
子どもの意思を尊重しつつ、その子にあった多様な教育の機会を確保すべきです。東京都ではフリースクールを利用する家庭に対し、調査協力金という形で1か月2万円を支給する事業が行われています。
QC・マイスクールの定員拡大、フリースクールに通う家庭の経済的支援のため、都の「フリースクールに通う不登校児童・生徒支援調査研究事業」を周知するとともに、区独自でも助成するよう求めます。いかがでしょうか。
教師が子どもと関われる環境整備、多忙化の解消もまったなしです。
QD・教師一人当たりの担当授業時間数の削減。ただちに小中学校の35人学級を実現するとともに、更に30人学級に進むよう求めます。それぞれいかがでしょうか。
目の前のいじめや不登校に向き合い、解決へ努力することはとても大切なことです。同時に、学校が子どもにとって大切な場となること、全ての子どもが学ぶことに希望が持て、通うのが楽しいと思える学校づくりが根本的には重要です。
私は8月、区議団で、東大名誉教授の佐藤学氏が進める授業改革の実践を学ぶため、「三重学びのネットワーク」にオンラインで参加しました。
従来の、一人の教師の発問に全員で答える一斉授業ではなく、いわゆるできる子もできない子も一緒の4人ずつのグループ学習がほとんどの時間を占めます。教科書レベルの課題は基本的に最初の15分で終わり、教科書を超えるレベルの課題に挑戦していきます。お互いに聴き合い、学び合いながら、誰も取り残されることなく、全員が学びの主人公となっていきます。
小学2年の算数と中学1年の漢文の授業の動画を拝見し、その後の意見交換に参加しました。グループの仲間同士で聴き合いながら課題に挑戦する、学びに真剣な子どもたちの姿と集中力、どうしたら子どもたちに質の高い学びを提供できるかと真剣に議論する教師の姿。衝撃でした。拝見した中学1年のクラスの子どもたちは、小学生の時は学級崩壊に近い状況だったと聞いて更に驚きました。学ぶことの楽しさ、希望をつかんだ子どもたちはこうも変わるのかと思いました。
佐藤氏は、「学びは子どもの人権の中心であり、生きる希望の中心」「学びに希望を持った子どもは崩れない」と語ります。実際、氏が支援したある自治体の中学校は、1年間で年間50件に達していた保護者の呼び出し事例が0件になり、不登校も4分の1に減ったといいます。学びの共同体の教室では、競争・差別・排除の社会ではなく、共同とケアの関係が作られる効果です。
現在、この学びの共同体の改革のネットワークは、国内約3000校に広がり、これは全国の小中学校の1割にあたる数です。
QE・教師の自主性と創意工夫を尊重し、全ての子どもたちに質の高い学びを保障する授業の改革は大変重要かと思いますが、区教委の見解を伺います。
QF・区教委は、全国の学校で広がる、学びの共同体の授業改革と学校改革を進めるネットワークの動きについてどのように評価されますか、伺います。また、調査・研究を始めるよう提案しますがいかがでしょうか。
次は、 「羽田新ルートは今すぐ撤回し、海上ルートに戻せ アンケートに寄せられた被害の実態は全て公開を」です。
昨日、羽田新ルートの区民アンケートが締め切られました。アンケートについて、7月20日付「朝日」では、「昨年の区長選で各候補が、『ルート撤回』や『賛否を問う住民投票の実施』などを主張し、争点の一つになった。初当選した森沢区長は区民アンケートの実施を公約していた」と報道。区民の声と世論と運動が、森沢区長をして実施させたものです。
行政がほぼ全区民を対象としたアンケートで、市街地低空飛行の影響調査を行うことには大きな意味があります。
Q@・アンケートの回答数は何人か、直近で分かる数字をお答え下さい。アンケート結果は、個人情報には当然配慮しながら自由記述欄も含め全て公開すること。ルート直下・付近の実態が分かるよう、町域毎のクロス集計の発表を求めます。それぞれいかがでしょうか。
共産党が区長に国に意見を述べるよう繰り返し求めるのは、それが新ルート撤回に極めて重要だと考えるからです。新ルートにおいて着陸寸前で滑走路の手前に位置する品川区は、騒音等最も被害が大きい自治体です。ところがその当事者中の品川は、区長も、議会もこれまで一度も新ルートの撤回を求めたことはありません。区が「早急に具体化を」と求めている「固定化回避検討会」における、2ルート同時並行によりカーブを描いて進入する経路も、品川を避けて飛ぶ事はできません。新たな被害地域も生みだしかねず、航空評論家の杉江弘氏は安全性からも問題があると指摘しています。
かつて、品川区は健康被害を含めたアンケート調査も行うなど区民とともに運動し、1981年には品川区長と大田区長の立ち会いの下で都知事に当時の運輸大臣と確認書を交わさせ、滑走路を移設、「音の沖合移転」を実現させました。区長の姿勢が国策を変えた大きな実績があります。
QA・現区長は、この国策を変えた実績について、どう評価しているのか伺います。ここに学ぶべきかと思いますが、いかがでしょうか。
「国際競争力強化」の名の下、経済効率最優先で、何が何でも東京・羽田に一極集中。世界にも例がない低さと時間、都心の密集市街地の真上を低空飛行させ、住民の暮らしと環境、安全を犠牲にする。新ルートは根本的に間違った政策です。
国は、将来の滑走路増設や飛行する時間帯の延長など、更なる増便も視野に入れています。実際、成田空港では「機能強化」の名で、3本目の滑走路増設が決まり、夜11時から翌6時までの飛行禁止時間は深夜1時から翌朝5時までに短縮されました。
孫子の代まで品川の空に都心低空飛行を残すわけにはいきません。今、撤回させることが必要なのです。
QB・あらためて区長に求めます。国に羽田新ルートの撤回を申し入れて下さい。いかがでしょうか。
次は、 「庁舎跡地は区民の財産 開発企業の利益のためでなく、特養・障害者施設など区民のために活用を」 です。
いま、庁舎建て替えを契機に、中央公園や下神明駅まで至る地域も巻き込んだ大井町・広町一体を、開発企業が儲けのために食い物にする巨大開発が進められようとしています。
庁舎建て替えの検討は、始めからJRの広町開発利益の最大化のために進められてきました。共産党は、その検討内容が99%黒塗り・非公開となった問題や、現庁舎は2011年に耐震化されたことも指摘し、検討は急ぐべきではなく、徹底した情報公開と区民参加で進めるよう求めてきました。あらためて、密室で、狭い敷地に超高層ありきで進められてきた現行計画は白紙にし、徹底した情報公開と区民参加での検討を求めます。
日建設計等に委託された検討には、現庁舎跡地の敷地も検討対象地域に含まれており、区は庁舎跡地を「多くの集客が可能なアリーナ等の多目的施設」にする考えを示してきました。更に森沢区長は、「区役所費用を200億円減らす」と述べ、定期借地権で跡地を長期に民間企業に貸し出し施設を建設することも含む、官民連携手法、PFIによる検討を始めています。
これまでも繰り返し紹介してきましたが、渋谷や豊島の新庁舎建設では、公有地が70年にわたる定期借地で開発大企業に貸し出され、高層マンション等が建設。区民要望は後景に追いやられ、将来の区庁舎単独建替えが不可能になるなど、弊害は明らかです。一等地の公有地を長期に企業に貸し出して一時金を得たとしても、長い目で見れば区民にとっては損失であり、「区民負担の軽減」などと正当化できるものではありません。
Q@・庁舎跡地活用のPFI による検討は、区民の利益になるように見せかけながら、開発企業に広大な公有地を提供し、もうけさせるための手法ではないのか、伺います。
QA・PFIや官民連携手法による検討は、止めるよう求めますがいかがでしょうか。
6月議会で「現庁舎の場所に中央公園を移転し、現中央公園側と下神明駅前の宅地エリアを含め、アリーナを整備しては」と質問がなされ、8月の行革委員会で中央公園も検討地域に含めることが突然報告されました。「中央公園を大幅に再編、いじるということもありうるのか」との質問に、課長は「そういう提案もありうる」と答弁。天然芝や樹木、噴水。子育て世代など幅広い区民に親しまれている中央公園。緑を壊し、公園を移すことは環境破壊と税金の無駄遣いそのものです。
QB・現・中央公園は無くすべきではありません。今のままで存続すべきです。いかがでしょうか。
区は、学識経験者や区内団体代表、公募区民が加わる跡地等活用検討委員会を立ち上げました。しかし同時に、民間事業者へこの土地を使ってどんな事業を行えるか提案させる「対話型市場調査」も行われ、その結果は検討委員会の後半に報告されるとのスケジュールです。8/30の検討委員会では、「検討委員会の役割が今一つ薄いのではないか」との意見が出、区は「(ここで)施設をしぼりこんでいくことは考えていない。区民ニーズと対話型調査のマッチングを行うところ」などと説明。検討委員会の形骸化が浮き彫りになりました。
公有地は区民のものです。障害者や子ども・若者の支援に日々取り組む団体や地域からは、活動拠点や福祉施設の増設を求める切実な声が議会に届けられています。活用には、「住民福祉の増進」との自治体の使命を中心に、切実な住民要望こそ最優先にすべきです。
QC・庁舎跡地は、情報公開と住民参加を貫き、切実な特養ホーム、グループホーム等障害者施設など、福祉の充実につながる活用を求めます。いかがでしょうか。
最後は、 「大崎西口駅前地区開発全ての権利者・住民を追い出し超高層オフィスビルにする再開発は止めよ」 です。
23区で1,2を争う突出した開発補助金総額。加えて、人的体制の強化。立体化担当課長に始まり、都市整備推進担当部長を東京都から招き、今年度からは広町事業担当の部課長も新設。この間、1人ずつだった開発所管の部長と課長は3人へと、3倍化。品川区は、23区中、もっとも熱心に超高層再開発を誘導・推進する区政です。
森沢区長就任後に改定されたまちづくりマスタープランでも、大崎、戸越公園、武蔵小山、品川駅南、大井町周辺に加え、西大井、立会川や中延の各駅周辺も拠点に位置づけられ、開発は広がる一方。区長は「教育・子育てで選ばれる品川」と述べ、開発マンションによる子育て中間層の転入増を強く意識し、第一回定例会では、座右の銘として、自ら勤務していたディベロッパー・森ビルの元社長が掲げていた言葉を挙げ「強い感銘を受けた」とあえて述べ、開発業界への配慮も忘れませんでした。
Q@・前区政の継承と発展を掲げる区長には、前区政から続く超高層再開発推進姿勢を改める考えがないのか伺います。開発推進は見直し、地方自治体の使命である「住民福祉の増進」に立ち返ることを求めますが、いかがでしょうか。
開発推進姿勢の品川区の下では、開発企業の手法の悪質さも加速します。
何度も取り上げてきた大崎西口駅前地区開発の問題です。5棟の分譲マンションが含まれるこの地区は、再開発の法律ではマンション一棟が1人と数えられるため、権利者数は15人とされています。
QA・現在、地区内の土地所有者、借地権者、マンションの区分所有者はそれぞれ何人か、伺います。
当地区は、2018年に「マンション再生まちづくり計画」の指定を受け、住宅を含む2棟の案で計画が進められてきましたが、2020年に突如、事務局の大成建設がオフィスビルしか建てず、隣の再開発マンションを住民の受け皿にする案を提示。地区内の全ての権利者・住民を駅前一等地から追い出す計画に、反対の声があがりました。
区が自ら作成し、「分譲マンション等の建替えを促進する」と目標に定めた「マンション再生まちづくり計画」も無視し、建替えどころかマンション自体を無くす。都市再開発法に定めている、「権利変換手続きによって再開発地区内に土地や住居が与えられる」との原則すら無視するものです。私は昨年の一般質問でこの点を質したところ、区は、マンション再生まちづくり計画の中に「周辺街区との協調による住み替えも視野に運用すること」と書かれていることをもって、「逸脱していない」と問題視せず、長年この地で暮らし、住み続けたいと願う住民の気持ちを一顧だにしませんでした。
QB・大成建設が進めるオフィス一棟案は、再開発のルールを逸脱するものだと思わないのか、あらためて伺います。
そもそも再開発とは、住民の居住権を「公共の福祉」の名の下に乱暴に奪い取る仕組みになっています。地権者の3分の2の賛成で本組合が認可されると、地権者は全て本組合に強制加入となり、権利変換を経て、土地と建物の所有者は本組合のものに。そのまま住んでいると不法占拠とされ、最終的には行政代執行になり追い出されるのです。
しかし区は、「法令の規定により、新しい建物に床の権利を受けることも、補償金を受け取り事業地外へ転出することも権利者ご自身で選択できる仕組みとなっている」と繰り返してきました。この区の説明は、そのまま住み続ける選択がそもそも無いにも関わらず、勝手な二択の強制を正当化している点で根本的に間違っていますが、今回の大崎西口駅前地区では、その二択すらなく地区外転出以外の選択肢がないという点で、更に悪質なものです。
地区内のあるマンションでは、超高層再開発ありきでない防災対策の模索として、単独の耐震化の議論も継続して行われており、今年6月には耐震診断についての勉強会も開催されています。マンション住民のここに住み続けたいとの願いを無視し再開発を押し付けることはあってはなりません。
QC・区は、全ての権利者・住民を追い出し超高層オフィスビルにする再開発計画は白紙にするよう大成建設に求めるべきです。いかがでしょうか。
安藤たい作議員の一般質問にお答えします 私からは、いじめ問題調査委員会の報告を受けた取組についてお答えをいたします。今般の調査報告書における指摘および再発防止等に係る提言を区として真摯に受け止め、いじめ早期発見と早期解決に向け、組織一丸となって取り組んでまいります。具体的には、令和6年1月にいじめ相談窓口を区長部局に設置し、いじめの相談対応や支援を行うとともに、いじめ専用のポータルサイトを立ち上げ、相談受付や防止啓発を行ってまいります。
私からは、教育委員会のいじめに対する取組についてお答え申し上げます。 教育委員会といたしましては、今回の調査結果を受け、法令を遵守したいじめの認知およびいじめの重大事態の対処について、学校と一丸となって取り組んでまいります。今年度、既に校長・園長等を対象とした研修をはじめ、生活指導主任会、若手教員研修においても、法令に基づくいじめの定義、いじめの認知やその対応について周知徹底を図っております。さらに、全教職員を対象とした講演会を行い、いじめについての理解を深めたところです。今後もいじめに関する教員研修の強化、全児童・生徒に定期的に実施しているアンケートの結果に基づくいじめの認知や、児童・生徒への支援の強化、いじめの重大事態への認定フローの作成などを確実に行ってまいります。
次に、調査委員会の報告書の指摘事項については、教育委員会といたしましても真摯に受け止め、事務局内の認識を改めるとともに、いじめの未然防止・早期発見・早期解決に向け、全力で対応を進めてまいります。特にいじめの重大事態に係るケースや、解決が困難なケースにつきましては、区長部局とも緊密に連携し、適切な調査の実施や問題の解決に努めてまいります。
私からは、不登校支援等についてお答えいたします。 まず、不登校支援のための専任の教員の配置等についてです。教員の定数があるため、不登校支援に特化した正規教員の配置は困難ですが、学校では、学校と家庭の連携推進事業等、国や都の施策を活用して支援員等の充実に努めております。引き続き児童・生徒や保護者の意思を尊重し、個々に応じた支援に努めてまいります。なお、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは直接雇用を行っており、学校図書館司書や学校用務は業務委託を行っております。それぞれ適切な方法により業務を遂行しているところです。
次に、マイスクールについてですが、一人ひとりの学習に合った環境づくりや支援体制の整備を進めているところです。今後、マイスクールの拡充を含め、校内における支援体制の充実にも努めてまいります。また、フリースクールに通う家庭の経済的支援についてですが、都の調査研究事業について、各学校から対象となる児童・生徒のいる家庭へ確実な周知を行い、申込みもあったところです。区独自の支援については現時点では考えておりませんが、国や都の動向等を注視してまいります。
次に、学級ごとの児童・生徒数については、小学校では学級編制等を定めているいわゆる標準法の改正により、段階的に35人学級が進んでおり、令和7年度には全学年で35人学級となります。また、30人学級を区独自で行う考えはございませんが、本区では独自に固有教員を採用するとともに、複数の指導者によるきめ細やかな指導を展開できるよう、教科担任制や習熟度別少人数指導などを取り入れております。1人の教員の受け持つ授業時数の削減に寄与するだけでなく、複数の大人が児童・生徒に関わる 環境を整えています。なお、中学校における35人学級の導入につきましては、国において検討されるべきものと考えております。
次に、質の高い学びを保障する授業についてです。本区におきましても、教師の自主性と創意工夫を尊重しており、教育会において、教員同士が品川区立学校教育要領にのっとり、最新の専門的知識や指導技術等を身につけられるよう研究活動を行っております。教員は常に子どもたちに質の高い学びを保 証する授業の提供に尽力しております。次に、授業改革などを行うネットワークについてです。教育委員会といたしましては、特定の研究団体による取組を評価する立場ではございません。本区においては、教育会や区指定の研究校による授業研究を支援し、研究の成果を広く周知することで、品川区が目指す児童・生徒像の実現に努めてまいります。
私からは、羽田空港の機能強化についてお答えいたします。 初めに、区民アンケートにつきましては、9月8日現在、約8万4,000件の回答があり、回答率は 23.4%であります。また集計につきましては、年代や町名等の属性とのクロス集計を行うとともに、テキストマイニングツールなどを活用し集計の上、公表する予定です。なお、自由意見につきましては、個人情報等の観点も踏まえつつ、公表の在り方を検討してまいります。
次に、1981年の沖合移転確認書についてですが、当時、航空機の飛行が東京モノレールの線路を越えて内陸側に進入するなど、禁止事項が守られない中、国により空港に隣接する東京都の埋立地を利用し、空港規模を拡張しようとする報告書が取りまとめられました。そこで、区として国と都に働きかけを行い、埋立地への滑走路の移転について、品川区と大田区が立会いの下、国と都により確認書が交わされたものでございます。羽田新飛行ルートにつきましては、区はこれまで一貫して区民の不安払拭のため、国に落下物対策、騒音軽減への取組、さらに区民への丁寧な周知と説明を継続して行うよう求めてまいりました。また、新ルートの固定化を回避し、技術革新を踏まえて検討を行うことを求め、現在、国において検討がなされているところです。今後はアンケートの結果を把握・分析し、具体的な解決策を検討するよう国に働 きかけてまいります。
私からは、庁舎跡地に関するご質問にお答えいたします。 初めに、庁舎等活用の手法についてですが、官民連携事業は、行政と民間が連携することで民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図るもので、全国的に多くの事例もあり、庁舎跡地等で活用することで、区民ニーズの実現と区民負担の軽減を両立できると考えているところでございます。
次に、下神明側の現庁舎跡地と一体的なまちづくりについてですが、区民の皆様からも幅広くご意見等をいただき、区民ニーズをかなえるために必要となる今ある機能を生かしつつ検討を進めていく予定です。最後に、跡地等活用の進め方についてですが、8月より庁舎跡地等活用検討委員会を開催し、幅広い視点でご意見やご要望をいただいていく予定で、会議資料等は区ホームページで公開し、周知しております。また、ワークショップやアンケートの結果を踏まえ、区民意見等を取りまとめ、区民ニーズのかなうまちづくりの実現に向けて段階的に取り組んでまいります。
私からは、再開発等の質問にお答えさせていただきます。初めに、区の再開発事業についての考え方についてですが、再開発は地域の方々が地域の課題解決に向けて検討を重ね、安全で住みやすいまちに更新していくために建物を共有化し、都市の基盤となる道路や空地を整備していく事業であります。区はまちづくりマスタープランに基づき、地域ごとの課題や特性に応じ、都市計画制度などを活用しながら、まちの安全性や快適性、利便性を高めるまちづくりを進めてまいります。
次に、大崎西口駅前地区内の権利者についてですが、土地所有者は14名、マンションの区分所有者は5棟で約200名、借地権者については権利関係の確認を要する方が複数名いると準備組合から聞いております。
次に、建物計画についてですが、現在準備組合は様々な意見を取りまとめ、オフィスのほかに少数の住宅等を設置する1棟案や、周辺街区との連携など地域特性に応じた検討を進めており、マンション再生まちづくり計画を含む法令等に逸脱していないと考えております。区としましては、地域の方々が建物の老朽化やオープンスペースの不足など地域の課題を解決するため主体的に進められているまちづくりを引き続き支援してまいります。
自席より再質問いたします。 教育ですが、いじめの報告書の区教委に対する指摘は大変厳しいものです。いじめが被害生徒の心身に与える影響を理解していない。いじめ問題を自ら解決しようとする姿勢が見られない。これらの指摘をどのように受け止め改善していくのか伺いました。真摯に受け止めるとは、どこをどのように受け止めるのか。認識を改めるというのは、何を改めるのか伺いたいと思います。不登校も急増しておりまして、先ほどの答弁では、新たな改善策や手だてはほぼありませんでした。それで現状を改善できるのか伺いたいと思います。それと、紹介した学びの共同体の実践なんですが、現場に支持されて全国に広がりつつあります。評価する立場でないということでしたけれども、私は調査・研究から始めることを提案しました。研究もしないということなんでしょうか、伺います。
羽田です。アンケートで区が掲げたのは、目標回答率45%、今の数字は、これは程遠いなと思いました。回答率を上げる努力が足りなかったと思いますが、いかがでしょうか。それともう一つ、国を動かした経験について、経過は述べられたんですが、私はそれに学ぶべきではないかと区長にも言いたいんですけれども、質問したんです。お答えください。
庁舎跡地活用については、中央公園は今のままで存続をと求めました。この点、もう一点伺いたいと思います。
最後、開発です。区長から開発推進の見直し表明はありませんでした。改めて区長の開発推進姿勢が浮き彫りになったのではないかと思います。大崎西口駅前、地域が主体的に進めるまちづくりを支援といつも繰り返していますけれども、準備組合が実績に取り仕切っているというのは、事務局の大成というのは誰もが知っているんです。なぜ区は大成ばかり支援するのか。
異論がある方も含めた現にそこに住んでいる住民こそ支援すべきなのではないでしょうか、伺います。以上です。
安藤議員の再質問についてお答えを申し上げます。私からはいじめの問題についてお答えを申し上げます。先ほどもご答弁申し上げましたが、この調査報告書につきましては、教育委員会として真摯に受け止めと申し上げました。一つ一つご指摘されている内容について、教育委員会で我が事として受け止めて、きちんと検証してまいります。その上でなんですが、これまで教育委員会でも、いじめ防止対策に取り組むとともに、学校支援チームHEARTSや指導主事が学校と共にいじめ問題には対処をしてまいりました。しかしながら、反省点とするところでは、いじめに対する法令の認識が不十分であったこと、教育委員会での組織的な対応に瑕疵があったことなど、こちらの調査報告書でも書かれていますことをきちんと反省し、改善をしていきたいと考えております。今、研修を実施しまして、いじめについての認識を改めて徹底をさせているところです。また、いじめ防止対策推進基本方針、区の方針についても改定をし、引き続き学校と連携して、いじめ予防対策を進めるとともに、いじめが起きたときの様々な問題の解決に尽力をしてまいります。
不登校等に対する再質問にお答えを申し上げます。まず、不登校の対策でございますが、先ほども申し述べましたが、まずは支援員の配置ということでの強化策を取り入れていくというようなこと、あるいはマイスクールにおいて、一人ひとりに合った環境づくりということで拡充にも努めているというようなことに取り組んでいるところでございます。不登校の数が増えているというようなことも認識しておりますので、現状も分析しつつ、児童・生徒や保護者の意思も尊重し、個々に応じた支援、今後も研究してまいりたいと考えてございます。それから、団体に対する調査・研究についてでございますけれども、こちらにつきましては、先ほど品川区の考え方につきましては申し述べたとおりで、区としては、教育会、区指定の研究校による授業研究も行い、それを積極的に区教委としても支援し、研究の成果を各学校へ広く周知しているところでございます。そのほかにも国や東京都などから様々指導の方法等についての情報提供がございます。そういったものも参考にしながら、区としての取組を進めてまいります。
私からは、区民アンケートの回答率についてお答え申し上げます。区民アンケートにつきましては、回答率をできるだけ上げるために、回答の仕方につきましても、郵送以外にもインターネット回答も設けるなど、回答しやすい環境を整えてまいりました。また、そのほか周知に関しましても、広報紙、ホームページをはじめ、SNSや様々な広報媒体を使いまして、適時 広報を図ってきたところでございます。また、期間の延長等につきましても、区内にありますふれあい掲示板等で周知を図り、区民の方々に回答していただけるように呼びかけてきたところでございます。9月20日に回答の期限を締め切りましたので、その後の集計につきましては、今後集計し、また公表等 をしていきたいと思っております。 以上でございます。
私からは、羽田新飛行ルートの1981年の確認書についてお答えをいたします。この確認書についてですけれども、当時は空港に隣接する東京都の埋立地があり、そこに空港を移転、また滑走路を移転するという選択肢があって、それに対して区が国と都に働きかけを行えたというところでございます。また、今回の羽田新飛行ルートですけれども、これも国からの説明では、増加する空港需要に対応するため、複数の選択肢のシミュレーション等による詳細な検討を行った、そういった検討を行った上での唯一の方法として採用したという説明がありました。いずれにしましても、国の立場としては、空港需要に対応しつつ最大限周辺環境に配慮した選択肢として採用されたんだというふうに区としては認識をしているところでございます。今回の新飛行ルートにつきましては、区民の立場に立ちまして、区としては区民の不安の払拭に向け、また理解を深めていただくために丁寧な情報提供、そして、複数回の丁寧な説明を求めて、それが今まで実現したというところでございます。今現在では区民アンケートを行っているというところで、今後集計をした後に、国に対して強く必要な解決策を具体的に検討するように強く求めていく、そういった予定でございます。 以上でございます。
私からは、安藤議員の庁舎跡地に関する再質問にお答えいたします。品川中央公園につきましては、廃止を前提として検討を進めるものではございません。区民のニーズを把握した上で、必要となる今ある機能は生かしつつ、庁舎周辺の一体的なまちづくりについて、今後段階的に検討していくものでございます。
私からは、安藤議員の再開発に関する再質問にお答えいたします。まず、再開発に関する考え方でございますけれども、区はまちづくりマスタープランに基づいて、地域ごとの課題や特性に応じて、都市計画制度などを活用しながら、まちの安全性や快適性、利便性を高めるまちづくりを進めていきたいと考えております。次に、大崎駅前地区におきましては、現在再開発準備組合の皆さんが様々な意見をまとめ上げて、最適なプランを構築しようと取り組んでいらっしゃる段階だと認識しております。そのため区としまして も、地域主体でまちづくりが円滑に進められるように準備組合を支援してまいりたいと思います。
自席より再々質問いたします。 まず、いじめの報告書ですが、法令の認識ですとか組織的な対応ということもありまして、一つ一つ という話がありましたけれども、質問でも指摘したように、いじめが被害生徒の心身に与える影響を理解していないというこの指摘、かなり根本的な重要な指摘だと思うんです。こういった指摘を受けて、そこについてはどのように考えているのか、どうどのようにこう受け止めているのか、認識をどのよう に改めるのか伺いたいと思います。それと、学びの共同体ですが、質問で紹介したように、この実践は、子どもたちが学びに希望を持てることが、学校生活、その後の人生にいかに大切になるのかということを示していると思います。この実践は、東京都ではまだ導入しているところはないと聞いております。なぜかたくなにこの調査・研究すらも拒むのか、私は分かりません。理由を改めて伺います。羽田ですが、かつて品川区は、国策に対しても働きかけも行い成果も上げたことを紹介しました。ここになぜ学ばないのかと伺いました。区が国に働きかけるというのは、効果があったわけです。そうは思わないのか、伺いたいと思います。中央公園については、今ある公園、緑も樹木も芝生も親しまれている公園を壊して移して、環境破壊、無駄遣い、そのものだと思います。ぜひこれは廃止させないということで強い決意を持っていただきたいというふうに、これは要望です。最後、開発ですが、地域主体のまちづくりを支援と言いながら、区は再開発備組合の総会にも出席するなど再開発推進側の支援に偏っているのは明らかです。なぜ差をつけるのか。再開発の現行計画に異議を持つ方の支援はどうなっているのか伺いたいと思います。
いじめに関する再々質問にお答えを申し上げます。調査報告書のご指摘は大変厳しいものだと受け止めております。これまでも品川区教育委員会としましては、様々いじめの対策を講じ、また教員向けにも研修をしてまいりましたが、それが十分徹底されていたかというところのご指摘だと受け止めております。今後も、先ほども申し上げましたとおり、研修をより徹底させていくとともに、教員一人ひとりがいじめを生み出さない学級をつくるという、子どもが安心して授業を受け、学級風土をつくっていくというところに、未然予防というところに注力もいたしまして、対応をしていきたいと思っております。
教育の指導方法に対する再々質問についてお答えを申し上げます。品川区では、区の教育会や研究校において、授業の質を高め、児童・生徒が教科の狙いを達成していくことを目指して研究を進め、授業がより分かるようにというようなこともその狙いの1点に進めているところでございます。授業が分かることが学校が楽しくなり、また学校に行きたくなる要因の1つとも認識しております。区でこれまで取り組んでいた取組をより積極的に進め、それで先ほど申し上げましたが、国や東京都などから様々指導の方法についての情報提供もございますので、そういったものは 参考にさせていただきたいと思います。
私からは、羽田新飛行ルートについてお答えをいたします。まず、前回の1981年の確認書、こちらについては、東京都の埋立地というところがあって移転の可能性が見えていたというところがございます。今回の新飛行ルートにつきましては、複数のシミュレーションの中で、国としては唯一の方法として採用したという、そういった状況でございます。区といたしましても、国策として進められているとはいえ、その時々の状況に応じて、可能な限り品川区内に対する環境影響については最小限となるように国に働きかけていくという必要があります。前回につきましては、その移転地を活用した方法があるということで、区として具体的に働きかけを行った。今回につ きましては、可能な限り環境影響の軽減に向けて、まずは騒音対策、そして、落下物の安全対策もそうですけれども、さらに固定化回避検討会によるさらなる検討を国に今求めているというところで、その結果もまた間もなく出てくるというところでございますので、それについては区としてはまた対応を考えていくというところでございます。また、先ほど申し上げましたアンケートについても、今後、国に対して効果的に働きかけていくというところでございます。以上でございます。
私からは、安藤議員の再開発に関する再々質問にお答えいたします。 現在、大崎西口駅前地区では様々な意見があることは承知しております。様々な機会を捉えてご意見を聞いているところでございます。しかしながら、現在当地区におきましては、再開発準備組合の皆様が様々なご意見をまとめ上げて最適なプランを構築しようという状況で取り組んでおられると認識しておりますので、区としましても、地域主体でまちづくりが円滑に進められるよう今後も支援していきたいと思っております。