2023.10.19 安藤たい作区議
質問項目
のだて区議会議員に続き、総括質疑を行います。まず、再開発について伺います。
区内各地で超高層再開発が開発企業のもうけのために行われ、その下で住民が犠牲になっています。 行政、品川区が住民に寄り添うどころか、一緒になって推進、さらに広げようとしていることにも、住民からは強い怒りの声が上がっています。
もともと品川区では、再開発事業を担当する部課長は都市環境部長と都市開発課長の2人だけでした。 しかし区は、再開発を進めるために人的体制を強化してきました。また、再開発補助金という形で莫大な税金も投入されてきました。再開発を担当する部課長は、現在それぞれ何人いるのか、伺います。都市再開発法に基づく市街地再開発に投入してきた税金額は累計幾らになったのか伺います。また、その額は2 3区の中では何番目になるのか伺います。
再開発を担当する人数ということなのですけれども、市街地再開発事業に携わっている部署ということでは都市開発課になりますけれども、部長1名と課長2名が所属しております。
次に、これまでの補助金の額と、あと順位ということでございますけれども、現時点での2 3区内での順位については把握しておりませんけれども、区からの補助金に関しましては、事業が完了したものと、現在事業中の事業が完了するまでの予定額を合わせまして、合計で約1,5 3 0億円になります。
委員長の許可を得ましたので、パネルを提示します。こちらなのですけれども、これは昨年度、代表質問にあたり行った2 3区調査の結果です。調査係も通しております。品川区の再開発の税金投入額は、当時で1,520億円余で、中央区と並び、2 3区 で断トツに突出しています。建設棟数は文字どおりトップです。そして、さらに再開発推進のための人的配置。2人から、立体化担当課長を増やし、都から、今答弁されていますけれども、都市整備推進担当部長を招き、今年度からはさらに総務部に、広町事業担当部長と広町事業調整担当課長も増やしました。それぞれ3倍に増やしてきました。品川区は23区中、最も熱心に超高層再開発を呼び込んでいる自治体になっているということが分かると思います。
しかし、そうして熱心に区が進める再開発により、住み続けたいと願う住民が追い出されています。私は款別審査で、武蔵小山で既に建った2棟の超高層開発ビルについての状況について伺いました。改めて、武蔵小山パルム駅前地区•駅前通り地区、それぞれについて伺いますが、事業協力企業名、できた開発ビルの住戸数と店舗数、税金投入額と容積率は何%から何%上乗せしたのか、また従前の地権者数、土地所有者数と借地権者数、商業店舗数も伺いたいと思います。
まず武蔵小山パルム駅前地区でございますけれども、事業協力企業は、三井不動産レジデンシャル、旭化成不動産レジデンス、鹿島建設になります。住戸数は6 2 4戸、店舗区画は4 7区画になります。区からの補助金額でございますけれども、約101億円で、容積率につきましては約300%上乗せしていますので、4 0 0%から7 0 0%という形になります。また、従前の権利者数でございますけれども、組合設立時におきましては、共有者名義を個々に数えると、土地所有者数が2名、借地権者数が113名で、従前店舗数につきましては、詳細については区は把握しておりませんけれども、約100店舗程度と考えております。
続きまして、駅前通り地区でございますけれども、事業協力企業は、住友不動産、五洋建設になります。住戸数は5 0 6戸、店舗区画で13区画、区からの補助金額でございますけれども、約7 3億円となります。容積率は約300%上乗せしていますので、3 5 0%から6 5 0%という形になります。また、従前権利者数でございますけれども、共有者名義を個々に数えると、土地所有者が164名、借地権者が15名で、従前店舗数は、詳細については区は把握しておりませんが、約40店舗になります。
また、私は款別審査で、開発終了後にどれだけの地権者が戻ってこられたのかと伺うと、区は、把握はしているが個人情報であり、再開発準備組合が非公表としているので公開しないと、答弁を拒否しました。私は、これだけの税金を投入して、区も公共事業と公言している事業で、どれだけの従前地権者、住民が戻ってきたか、住み続けられたかも公表しないというのでは、これが正しい税金の使い方かチェックすらできないではないかとただしました。先ほども15件の調査の話がありましたけれども、そう思います。
では伺いますが、2地区について、地権者のうち何%の方が戻ってこられたのか、割合を伺います。割合なら答えられるのではないでしょうか。それと、パルム駅前地区の地権者は115名、駅前通り地区は179名の地権者ということです。うち何人戻ってきたかという公表は、個人情報とは関係ないと思います。なぜ公表できないのか、改めて伺いたいと思います。
パルム駅前地区および駅前通り地区におきましての、戻ってきた地権者の数ということでございますけれども、再開発組合に確認したところ、現在事業中でありまして、個人情報に関する情報につきましては非公表ということで、区としては聞いております。
割合について伺ったのですが、割合はお答えできないでしょうか。併せて、再開発組合は認可されると、行政代執行権という公権力も付与されます。ただの1民間団体ではありません。また、莫大な公金の支出も受けています。再開発ビルに入った権利者の数を公開しないという組合の言い分は、私は通用しないと思いますが、いかがでしょうか。なぜ品川区は再開発組合の言いなりになるのか、伺います。
また、地元の住民の方に伺うと、戻ってきた地権者は、両地区とも僅か2名ですとおっしゃるのです。 区は、再開発によってほとんど地権者が戻ってこられていない。つまり、住み続けられないまちをつくっている。その実態を知られたくないから、数を公表しないのではないでしょうか。どうでしょうか。 伺います。
割合につきましては把握しておりませんので、お答えできません。
市街地再開発事業においては事業者が組合となりますので、情報の取扱いにつきましては組合が判断するものと、区は認識しております。なお、地権者の動向の取扱いについてなのですけれども、事業が完了するものについては、今後、組合と協議してまいりたいと思います。
市街地開発事業につきましては、市街地の土地を合理的に活用するとともに、都市機能の更新を図るために行われる事業でございます。地域ごとの課題に対応し、住みやすさ、快適さを向上させて、地域の経済の活性化など、地域全体の発展を目標に進めておりまして、区としては、地域主体で進めているまちづくりについては支援したいと思っております。
区内では、もうあちこちで再開発が行われています。完了している再開発が山ほどありますので、ぜひ公表してください。そして、開発企業のもうけのために、莫大な税投入で住民を追い出し、最低限の実態すらも隠蔽する。こんな超高層再開発を、品川区はさらに小山三丁目第1地区•第2 地区開発で事業認可を狙い、3棟も新たに建てようとしています。中止するよう強く求め、次の質問に移ります。
次は、いじめの問題なのですが、2 0 2 0年に区立中学校で起こったいじめ重大事態に対して、区長部局が立ち上げたいじめ問題調査委員会の8月末の答申は、品川区教育委員会の能力と資質を根本から問うものでした。報告書は、その結語の中で、「本事案においては多数の関係者がいたにもかかわらず、 当該関係者のいじめ重大事案に係る認識不足等により、本来早期になされるべきであったいじめ重大事態の認定がなされず、本件いじめの解明は不可能なものになってしまった。品川区の関係者一同においては、かかる事態を重く受け止め、今後、同様の事態が二度と発生しないように、品川区におけるいじめに対する対応・体制の整備、再発防止策の実行に取り組む必要がある」と述べています。まさに今回のような重大な事態を再発させずに、いじめを解決できる学校をつくるために、この報告・提言を活かせるかどうか。学校と区教育委員会に、そして私たち大人一人一人にも、私たち議会にも、行政をチェックしてただす役割が問われていると思います。その立場で質問していきたいと思います。
まず、改めて今回の事例で、被害生徒に対してどんないじめがなされ、どんな被害が生じたと考えて いるのか。経緯や事実を紹介するとともに、区教育委員会の認識を伺います。併せて、区教育委員会がいじめの重大事態だと判断したのはいつになるのか、伺います。
今、いじめ調査委員会の報告書の内容について冒頭触れられました。区教育委員会としても、関係する職員一同が非常に重く受け止めているところでございます。
まず、今回の事例の内容でございますが、令和2年に区立中学校生徒1名に対しまして、何者かによって、学用品の損壊や、机の中に「死ね」などと書かれた紙片の投入が繰り返しあり、被害生徒は学校生活に不安を覚え、適応障害と診断されました。学校では、被害生徒の訴えの後、直ちにこれをいじめと認知するとともに教育委員会に報告し、警察とも協力しながら、いじめ行為の停止に向け、生徒への指導や調査を行うなどの対応を行ってまいりましたが、いじめを解消することができず、当該生徒は他区の中学校への転校を余儀なくされたといういじめの経緯でございます。
教育委員会といたしましては、学校と共にいじめの行為を停止しようと動いておりましたが、結果的にいじめを解決することができず、またいじめの重大事態として適切な対応をすることができなかった ことで、被害生徒の方に長い間、つらい思いをさせてしまっていること、ご家族には大変なご心労をおかけしてしまい、大変申し訳なく思っております。
区がいじめの重大事態だと判断した日付でございますけれども、教育委員会は本件について、令和4 年3月に、被害生徒の保護者から、いじめの重大事態に当たるのではないかとお申出を頂き、同年4 月2 0日に品川区いじめ対策委員会を開催し、いじめの重大事態に該当することを確認いたしました。その後、学校から重大事態の調査結果についての報告書の提出、および教育委員会にていじめの重大事態の発生報告を行ったものでございます。判断日といたしましては、令和4年4月2 0日ということになります。
このいじめにより、被害生徒は救急搬送を3回、6回意識を失いました。回復困難な傷を負い、希死念慮すら抱きました。問題は、なぜ区教育委員会が、これを深刻な事態と受け止められな かったのかだと思います。
報告書は、学校から教育委員会事務局に対して、本件いじめの事実関係が適時に報告されていたこと、また、区教育委員会事務局は被害生徒保護者から複数回、直接、要望・相談も受けていたことを事実認定しました。その上で、こう述べています。「本件いじめは、『死ね』、『消えろ』、『殺すぞ本当に』などと記載された紙片が、げた箱や机等に挿入されるという様態で発生している。物理的な暴力を伴うものではないものの、誰だか分からない者に悪意を持たれ、殺すぞなどと生命を脅かす脅迫をされることで、被害生徒が覚えた不安感、被害生徒の精神状態に与える影響は想像に難くない。中学生である被害生徒が強いストレスを与えられれば心身に影響を及ぼすのは当然であり、現に被害生徒は従前、健康に過ごしていたにもかかわらず、意識を失い、倒れ、救急搬送される、過呼吸で倒れるようになるなど、いじめに起因して体調に支障を来しており、適応障害の診断も受けている。本事案の状況を踏まえれば、被害生徒の生命にも影響を及ぼし得る状態にあったということは想像できるはず」と述べています。なぜ区教育委員会は、このような事態を把握していたにもかかわらず、いじめの重大事態と捉えることができなかったのか、伺います。
続けて、さらに報告書は、区教育委員会の当事者意識の薄さも指摘しています。2 2ページの部分で す。「本事案における教育委員会事務局の対応経緯を踏まえると、教育委員会事務局においては、そもそもいじめ問題について自ら解決しようとする姿勢は見られない。学校の設置者として自らが負う義務を理解し、また被害生徒やその保護者の置かれた立場を理解しようとすれば、本件いじめの解決に向けた手段を自ら取ることができたはずであるが、学校や保護者からの相談や要望について、受け身で対応していたものと評価せざるを得ない」との記述です。伺いたいと思います。なぜ区教育委員会事務局は、これだけの事態に際し、受け身で対応したのか、何が原因だったのか、今後こうした姿勢は変わるのか、伺いたいと思います。
学校は、いじめの行為が発覚した当初から、いじめの認知を行いまして、教育委員会にも報告を行ってございます。繰り返されるいじめの行為に対して、教育委員会事務局の指導主事や HEARTSも学校訪問を行い、状況を把握し、支援策を講じてまいりました。しかしながら、本件いじめを重大事態とできなかったのは、当時の担当者を含む教育委員会事務局が、具体的にどのような事態がいじめ重大事態に該当するのかという理解が不足していたことが原因であると考えます。保護者からの申出があったということですが、その後も、区教育委員会としての、いじめの重大事態についての 理解や検討、判断の仕組みも不足していたと認識してございます。
このいじめにつきまして、教育委員会は、学校からの報告の下、いじめ行為の停止に向けた取組について、学校訪問や関係機関を交えたケース会議にて今後の対策を検討するなど、当時できる対応は行ってまいりました。しかしながら、結果的にいじめの解決には至らず、教育委員会による主体的な対応にならなかった現状がございます。調査報告書によりご指摘を頂いていますとおり、教育委員会と学校とのコミュニケーション、意思疎通が不十分であり、解決に向けた方策を学校と共に十分練ることができなかったことが原因だと考えてございます。
現在は、指導主事をはじめ、HEARTSのメンバーも含め、いじめの解決が困難な事例の対応に現在も当たっており、学校と教育委員会が一丸となって、いじめ問題に取り組む姿勢を持ってございます。
姿勢を持ってございますということなのですけれども、少し厳しい指摘になりますが、款別審査において私は、議会に報告のない新たないじめの重大事件が2件、この件と合わせて計4件、発生していることをただしました。区教育委員会は、「調査が終わったら報告しようと思っていました」というような答弁だったと思います。
こうしたことを見ると、やはり根本的な反省が足りているのかと。いないのではないかと思わざるを得ないのです。他の3件の重大事態について、これは法における生命心身財産重大事態なのか、不登校重大事態なのか、伺います。調査結果はいつ頃出るのでしょうか。被害者保護者による申出なのかなど、どのような経緯で重大事態と認定されたのか、伺いたいと思います。
また報告書は、品川区においては、法施行以降、本事案に至るまで、いじめ重大事態として認知されたケースは一件もないと述べています。つまり、9年近くゼロだった重大事態が、昨年4月2 0日に保護者の申出により初めて認定されて以後、ここ半年の間に新たに3件も認定されたということになります。これまでも重大事態が見逃されてきた可能性があるのではないか。区教育委員会の認識を伺いたいと思います。
現在、新たないじめの重大事態が発生したことについて、区ホームページにて公表しているところでございます。款別審査で担当課長からも申し上げましたが、今後、議会にも適切に報告ができればとは考えてございます。
品川区いじめ対策委員会で、この案件につきましては現在、調査中の案件となってございます。こちらの詳細についての説明につきましては、調査終了時に区長へ報告するほか、ご家族の了承を得た上で、区ホームページへの公表、議会への報告をさせていただきます。
調査につきましては、事案ごとにかかる時間が異なりますが、現在の3件のうち1件は11月末、残り2件は12月末を目途に、現在、調査を進めているところでございます。
また、5月の記者会見でも報告いたしましたが、令和3年度にいじめにより不登校になった事案が1 件ございました。いじめそのものは早期に解決しており、その後、登校にも至ったものではございますが、いじめの重大事態として認定しておりませんので、説明させていただきました。今後、法に基づき、いじめの認知はもとより、いじめの重大事態の認定を適切に行ってまいります。
最後に、今後の対策の具体化について伺いたいのでずが、2 012年の区内での痛ましいいじめ自殺の事態を受け、様々な体制を取ってきたと思います。しかし、このような深刻な事態が起きた。対応もできなかった。これまでのいじめ対策の何が悪かったのか、何が足りなかったと考えていのか、伺います。併せまして、報告書の検討事項、提言を受けて、区教育委員会はいじめ解決防止のためにどんな対策を取るのか、伺いたいと思います。
教育委員会ではこの10年間、ご紹介のありました痛ましい事件と同種の痛ましいいじめ事案を起こさぬよう、人権尊重を最重要視し、品川区いじめ根絶宣言の策定、各校におけるいじめ根絶宣言の作成と掲示、品川教育の日による学校間の情報共有や、いじめ防止に関する講演会の実施、目安箱やアイシグナル、いじめ専用電話の設置などのいじめ相談窓口の設置、全児童・生徒に対する生活アンケート、それから学級風土調査などの各種調査、児童・生徒役員懇談会など、様々な取組を行ってまいりました。それぞれの取組につきましては有意義なものと捉えており、いじめは絶対に起こしてはいけないという強い意志の下、教育委員会、学校は尽力してまいりました。
しかしながら、児童・生徒のトラブルが起こった際に、学校はそれぞれ対応を行っておりますが、それが法に基づくいじめに当たるかどうかの検討を組織的に行い、適切にいじめとして認知していない可能性がございます。教育委員会、学校に、法に基づくいじめの認知についての理解が十分ではなかったと考えております。
この反省を踏まえ、教育委員会も認識を改め、現在は、たとえ好意で行った言動であっても、相手が心身の苦痛を感じれば法令上のいじめに当たり、適切に認知するよう、繰り返し学校に対して指導しているところでございます。また、学校いじめ対策委員会の方針の中に「いじめのない学校づくり」という文言がございましたが、いじめはどの学校でもある、起こり得ることとして、「いじめを決して許さない学校づくり」という文言に改め、対応を行っているところでございます。
また、報告書の提言でございますけれども、いじめをまず早期解決したり未然に防止したりするためには、児童・生徒と日常的に接している教員が、意識的に児童・生徒の様子を観察し、適切にいじめを認知したり、いじめの予防的な視点を持った学級経営をする必要があると考えております。また、教員が1人で抱え込まず、組織的に対応することが大変重要です。いじめ対策委員会からの報告書を受け、本区の区立学校におけるいじめの認知の実態を改めて確認したところ、いじめの認知件数や認知率の低さが認められましたので、6月の校長や生活指導主任を対象とした研修会において、こうした本区の実 態を提示し、法に基づいたいじめの認知を徹底するとともに、学校いじめ対策委員会を中心とした組織 的対応を行うよう指導いたしました。
さらに、いじめ問題調査委員会より、同様のご指摘と、いじめの実態把握調査の必要についてご提言を頂きました。このご提言を踏まえ、学校教育委員会がいじめの実態を適切に把握できているかの調査を近日中に行ってまいります。また、次年度に向けて、効果的ないじめ予防プログラムの実施を検討してございます。いじめの被害児童・生徒への支援だけでなく、加害となってしまった児童・生徒への指導・支援、そして学級の大半を占める傍観者の意識を変え、いじめの未然防止を行うだけでなく、日常 の児童・生徒の気持ちの変化を把握するツールの導入により、いじめの早期発見につなぎ、早期解決を目指してまいります。
それと、報告書には、「本事案における教育委員会事務局の対応の問題点を踏まえると、教育委員会以外に、いじめ問題について迅速かつ的確な対応を行える部署の設置を検討すべきである」 として、これを受けて区長部局で相談窓口の設置が進められています。しかし、その体制ですが、1年ごとの任期である会計年度任用職員3名のみなのです。区長部局設置のいじめ相談窓口は、報告書の提言が確保要件とする、いじめ事案を迅速に解決するのに必要なリソース・権限を有する組織になっているのか伺います。また、会計年度職員の体制で、組織としていじめ事案に取り組むノウハウを蓄積するということも書いているのですけれども、これができるのか、伺いたいと思います。
区長部局における対応についてでございますけれども、学校教育委員会と連携する一方で、弁護士であるいじめ相談専門員を配置します。この知見を活かしながら、教育委員会や学校へ助言することや対応を促すことなど、解決に向けた取組を、ソーシャルワーカー、それから職員も一丸となって進めてまいりたいと考えてございます。
区長部局で対応することは、例えば被害児童・生徒、保護者の方が、学校や教育委員会に相談しづらい状況に置かれた場合に、相談しやすいということに意義があります。また、1つの事案に対して複数の視点から対応に当たることで、あってはならない漏れをなくし、対処をより迅速、より的確に行うことができると考えてございます。
国においては、こども家庭庁など各府省が連携しまして、学校の外からのアプローチによるいじめ防止対策に取り組むことを進めております。調査委員会の報告書でも提言されており、区といたしましても、学校・教育委員会の外からの解決に向けた取組を行うものでございます。
また、つい先月、9月、寝屋川市に職員を派遣し、視察を行ったところでありまして、区での事例を積み重ねることと併せて、他の自治体で発生した事案での対応や取組を絶えず確認し、それらも参考に、組織としていじめ事案に取り組むノウハウを蓄積していきたいと考えております。
様々、対策が語られました。
文教委員会などでは、既にこれまでも全教職員を対象に講演会や研修なども行ったなど、様々もう既に対策も打っていると伺うのですが、現場の先生からは、再任用や非常勤教員の方は実際に子どもを教えているのですが、全職員にやったという講演の対象外で、見ていませんという話も伺いましたし、それだけではなくて、現場では今回のいじめは全く話題になっていないということも伺いました。区立中学校に通う私の子どもにも聞いてみたのですけれども、この事案が同じ区立中学校で起こっているにもかかわらず、知らなかったと言われたのです。これが現場の実態なのですけれども、これでどうして、対策を取る、今後は大丈夫だと思えるのでしょうか。
私は、この事例を教訓にすべきだと思います。ぜひ、全ての学校、教員で、今回の事例を正面から認識し、再発防止に向けた議論をすべきだと思います。そのためにも、対策委員会、調査委員会、2冊の報告書を全ての教職員に手渡して読んでもらい、全ての学校で話合いを持つよう、区教育委員会はすべきだと思いますけれども、この点について、いかがでしょうか。
今、徹底が不十分であるというご指摘を頂きましたが、そちらについても、今後きちんと対応していけるように、学校長を中心とした学校の取組をより一層強化し、児童・生徒にも適時適切に指導・啓発を行ってまいれればと思ってございます。
今回、指導報告書2点につきましては、5月と9月に各学校には電子データで配布してございます。 校長・園長連絡会においても、調査結果の趣旨について説明しております。また、学校では年3回以上の校内研修会実施を義務づけておりまして、併せて2つの調査報告書の活用も求めております。本区で 起こったいじめの重大事態について振り返り、自校で同種のいじめが起こった際にどのように組織的な 対応をするのか、教員間で議論する場は大変重要だと考えております。
教育委員会といたしましては、校長会を通じて、実際に行われた校内研修会のモデルケースを紹介するなどして、管理職を含めた全ての教員がいじめ問題への理解を深めるだけでなく、児童・生徒と共に いじめ問題に向き合い、よりよい学校風土を築くことができるよう支援を行ってまいります。
ぜひ、実際に議論をしていただきたいと思います。終わります。