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安藤たい作区議が賛成討論を行いました
「品川区立学校図書館の充実に関する陳情」への賛成討論

2023.12.06 安藤たい作 区議

 日本共産党品川区議団を代表して、陳情第45号「品川区立学校図書館の充実に関する陳情」に対する賛成討論を行います。

 本陳情は、区立小中学校の学校図書館に配置されている学校司書を、現状の2.5日15時間から、週5日30時間に増やし、毎日配置することを求めるものです。現役の図書館司書や司書教諭OB、図書館ボランティア、利用者などが加わり、制度充実の運動に粘り強く取り組んでこられた「品川の図書館・学校図書館を考える会」から、1226名の署名とともに提出されました。

 今年は学校図書館法公布70年の節目の年にもあたります。学校図書館は同法で設置が義務付けられている施設です。文科省の学校図書館ガイドラインにおいて、司書の存在は、図書館を運営していくための専門的・技術的職務に従事するとともに、図書館を活用した授業や教育活動を教員とともに進めることが望ましいとされています。学習指導要領でも「計画的に学校図書館を活用し情報活用能力を育成」することがうたわれ、小・中の教科書でも学校図書館の利活用、情報活用教育にページがさかれ、授業での図書館の活用が求められています。学校図書館、司書の役割は大変大きくなっているのです。

 だからこそ他区ではこの間、荒川、葛飾、杉並、世田谷、港、足立で週5日、渋谷、中野、文京、大田で週4日など、配置時間を増やしてきています。品川での学校司書配置の導入は関係者の熱意もあり、2005年と比較的早いものでしたが、この間増えずに推移し、現在では23区でも10〜13番目だと図書館長も認めています。学校図書館が担うべき新たな役割にふさわしく時間数で配置時間を増やしていくべき時です。

 このような学校図書館の多様で重要な役割を果たす上で、学校司書の週5日の配置は必要であり、以下、賛成理由を2点述べます。

 1点目は、図書館を活用した授業支援を行う点で必要だという点です。

 前述した通り、多様な資料を比較・選択し、読み取る力の育成には、本を知り、本と人を結ぶ専門家である学校司書の存在は重要です。司書は、実際に、レファレンス、教員の選書への助言や情報提供、児童生徒に対する授業の導入における読み聞かせやブックトークなどの様々な授業支援業務を行っています。ところが、週2.5日、15時間の配置では、学級数が多い大規模校になればなるほど、子どもにとっては、こうした司書の支援を受けた授業を受ける回数が少なくなってしまうのです。これでは教育環境に差が生じてしまうことになります。求められる司書の仕事を十分に行える時間数の確保はどこでも必要であり、大規模校からでも計画的に週5日に増やしていくべきです。

 2点目は、常に開いて誰でも相談・訪れることのできる図書館を実現するために必要だという点です。

 品川区では、地域の図書館ボランティアも含め学校図書館を運営していると説明されています。しかし学校や地域により、ボランティアさんの確保・配置状況はばらつきがあるのも事実です。司書教諭の配置も39名に限られています。中心となる学校司書が週2.5日のみの配置では、毎日朝から放課後まで学校図書館を開けておくことが難しい状況です。実際に、必要な時に鍵を受け取り開館する、という実態もあります。
また、品川の不登校の児童生徒数は急増しています。教室にはいけないが本は好き、図書館には通える。そうした子どもたちへにとって、いつでも空いていていつ来ても良く、なじみの大人がいて見守ってもらえる、声をかけてもらえることが安心の居場所となります。

 全ての学校で、子どもも先生も気軽に立ち寄ることができる常時開館の環境を実現するため、時間数を増やすべきです。

 以上、賛成理由を述べてまいりましたが、委員会審査では、学校図書館や学校司書の役割は重要だとの意見が委員から相次ぎました。であるならば、どうしたらその充実が図れるか、毎日の配置が可能になるか。それを提案し、迫っていくのが私たち議会の役割ではないでしょうか。

 今年度から5年間の委託契約を結んだばかりだから変更は難しいとの反対意見がありました。しかし、実際の契約書の契約期間は1年となっています。5年連続して受諾することを前提に総合評価方式で選定したと言いますが、次年度の契約にあたり、時間数を拡大する提案や相談ができないわけがありません。図書館長も繰り返し「司書の配備については、機会を伺いながら検討していきたい」とも述べており、子どもに必要なことであるならば、必要な契約内容の見直しを臨機応変に提案すべきだと思います。

 また、週5日にすると予算が2.5倍になるがその財源をどうするのかという意見、特別支援の支援員拡充の方が優先順位が上ではないかとの意見もありました。しかし、子どもたちにとって必要なことであるなら、特別支援であっても、学校図書館司書であっても、予算を付け両方とも行うべきです。週5日配置に新たに必要となる財源は今年度の予算書から1億7千万円余と試算されますが、2022年度決算で、品川区の財政は63億円の黒字、今年も基金に49億円余積み増し、基金総額は980億円余に上ります。また、今年度予算を昨年度予算と比べても、このわずか一年で、特別区民税、地方消費税、財政調整交付金を合わせて計72億5,000万円の増収となっています。子どもたちの学びと心の支援のために出せるお金は十分にあるのです。

 今年4月は、5年に一度行ってきた学校図書館の業務委託契約の更新にあたるタイミングでした。品川図書館長は質疑の中でも、今回の新たな契約にあたり、昨年度から図書館部会の校長先生など現場に聴き取りを行い、勤務日数を増やすことを予算要望してきたと言います。しかし、最終的には、全体の予算の配分の中で見送られ、実現することはありませんでした。区長はこの4月から小中学校給食の無償化に踏み出しました。あらたに増やした予算は11億円でした。どうか、学校図書館司書のかけがえのない役割を区長にもご理解いただき、その充実を、一日も早い毎日の学校司書配置を実現していただきたいと思います。

 議員の皆さん。陳情を採択し、区民から願われ、現場からも要望されている学校図書館司書の5日配置の実現を区長部局にせまっていこうではありませんか。陳情への賛成を重ねてを呼びかけまして、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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