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鈴木ひろ子区議 令和6年予算特別委員会 総括質疑
「ジェンダー平等推進条例とユースクリニックについて」
「国民健康保険と後期高齢者医療保険、介護保険の保険料トリプル値上げ」
「介護保険の人材不足について」

2024.03.21 鈴木ひろ子区議

質問項目

  1. 「ジェンダー平等推進条例とユースクリニックについて」
  2. 「国民健康保険と後期高齢者医療保険、介護保険の保険料トリプル値上げ」
  3. 「介護保険の人材不足について」

ジェンダー平等推進条例とユースクリニックについて

鈴木議員

  続きまして、共産党品川区議団の総括質疑を行います。私からは、ジェンダー平等推進条例、国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険のトリプル値上げは引下げこそ、それから介護の人材確保、地域包括支援センターの設置を求めて質問したいと思います。 まず、ジェンダー平等推進条例とユースクリニックについて伺います。全国2番目のジェンダー平等が入った条例を大きく評価します。ジェンダー平等を推進するに当たり、課題と今後の取組について伺 います。共産党が代表質問で求めたユースクリニックについて、区は検討すると答弁しましたが、ユースクリニックとは何か。その必要性、都の「わかさぽ」の取組と現状、区が検討する具体的な中身やスケジュールについてもお聞かせください。

総務部長

 ジェンダー平等条例に関するお尋ねでございます。現状の課題といたしましては、やはり世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数が日本ではG7の中では最下位ということと、さらに順位が下がり続けているという状況がございます。それから、性的指向およびジェンダーアイデンティティーの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律の施行に伴いまして、理解増進が必要だという背景があると思ってございます。そうした中で、これ らのギャップの解消などにつきまして、尊重する意識などについて、条例の基本理念として掲げている ところでございます。これを受けて今後の取組でございますが、何よりもまず周知・啓発を図っていくこと。それから、Q&Aなどもつくりまして、正確な条例の趣旨が伝わるように努めてまいりたいとございます。併せて相談体制の拡充や、それから計画的な施策の推進などについても、これから取り組みまして、各施策に条 例の考え方を活かしていきたいと考えているところでございます。

子ども未来部長

  私からは、ユースクリニックについてのご質問にお答えいたします。まず、ユースクリニックとはといったところのご質問かと思いますけれども、一般的には、10代から20代前半の若い世代の方の性や体の相談ができる、若者専用のクリニックといったところが定義になろうかと思います。スウェーデンが発祥の地と聞いてございます。それから、都が行っております、とうきょう若者ヘルスサポートの部分でございますけれども、思春期特有の健康上の悩みについて相談を受けているといったところでございまして、都内在住・在学・在勤の中学生以上の10代の方が対象といったことで、対面やメール相談、電話相談を行っていて、週2回程度の運用だと聞いてございます。それから、ユースクリニックの区における必要性といったところのご質問でございますけれども、区といたしましては、いわゆるクリニックというところを銘打った、病院のような医学的に高度な知識や設備を持った機関というよりは、男性・女性ともに身近で気軽に相談ができる場といったものが必要ではないかという認識でいるところでございます。検討内容、スケジュールというところでございますけれども、こういった必要性に鑑みながら、どういった機能ができるのか、相談体制はどういったものがいいのかというのを、今後検討してまいるといったところでございます。

鈴木議員

  ジェンダー平等推進条例を基に、遅れたジェンダー平等をぜひとも進めていただきたい と思います。特に、自分の人生を自分で豊かに選び取る権利の保障、リプロダクティブ・ヘルス・ライツの具体化、その一つであるユースクリニック品川版を早急に具体化するよう求めて次の質問に移ります。

国民健康保険と後期高齢者医療保険、介護保険の保険料トリプル値上げ

鈴木議員

  今年は何と、国民健康保険と後期高齢者医療保険、介護保険の保険料トリプル値上げです。しかも、この物価高に苦しむ中、すさまじい値上げです。国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の保険料がどれほどそれぞれ値上げになるのか、具体的にお知らせください。また、国民健康保険と後期高齢者医療保険の保険料は、どちらも過去最大の値上げ額となるのか確認させてください。

健康推進部長

 私からは、国民健康保険と後期高齢者医療保険の保険料についてお答え申し上げます。 国民健康保険料の40歳以上の1人当たりの平均年間保険料につきましては、令和5年度が19万1,651円、令和6年度は20万5,612円、値上げ額は1万3,961円でございます。後期高齢者医療制度につきましては、令和4・5年度が10万4,842円、令和6年度は11万156 円、値上げ額は5,314円で、こちらは令和7年度には11万2,535円となる見込みでございます。額だけを比較いたしますと、これまでの最高額ということになってございます。

福祉部長  

私からは、介護保険料の推移についてお答えいたします。今、手元にある資料でございますが、第六期、2015年につきましては5,100円。これは、毎月の基準額でございます。第七期、2018年については5,600円。第八期、2011年について は6,100円。今、第九期ということで2024年、今、予算で計上させていただいております標準額の保険料については6,500円でございまして、値上げ額は400円となっております。その前の年が、値上げ額、増額が500円でございまして、今回は400円ということになっております。

鈴木議員

  国民健康保険と後期高齢者医療保険の保険料はともに過去最大ということでのご答弁で した。本当にすさまじい値上げです。特に国民健康保険は昨年も過去最大の値上げで、今年はさらにそ れを更新という状況です。23区の区長会も、さすがにこれを放置できないと、昨年11月に厚生労働大臣宛に、国民健康保険制度の見直しに関する提言を出しました。この中の国民健康保険の構造的課題とは何か、ご説明いただきたいと思います。国民健康保険制度が危機的状況だと、この中では述べていますが、5項目の見直しを要望しています。区民に関わる1から3項目までを読み上げて、ご説明いただきたいと思います。

健康推進部長

 まず、令和5年11月16日の特別区長会から国への提言において、被保険者の高齢化が進み、医療費水準が高い状況にある一方で、被保険者の構成では保険料の軽減をされている世帯が6割を超えるという、低所得者が多いところが構造的な課題として指摘してございます。また、この提言の中の1から3項目を読み上げます。1、被保険者の低所得化や、1人当たり医療費増による保険料増は、個々の自治体の努力だけで解決できることではないことから、国民健康保険財政基盤のさらなる強化および国庫負担割合の引上げを実施することにより、制度の維持を図ること。2、所得水準が低い被保険者が増えていく現状を踏まえ、低所得者層の負担軽減を図ること。3、子どもに係る均等割額の減額措置については、次元の異なる少子化対策が掲げられる中、子育て世帯の経済的負担をさらに軽減すべく、軽減対象が現行の未就学児までという制限を撤廃すること、および公費による軽減割合の拡大を実施すること。ただいま読み上げました1から3の項目につきましては、国民健康保険の構造的課題に対しまして国に財政支援を依頼するとともに、低所得層の被保険者に対する保険料負担の軽減を求めたもの、併せて子どもの均等割保険料の軽減の拡大を求めたものでございます。

鈴木議員

  今ご説明いただきましたように、国民健康保険制度がいかに危機的な状況か。これは区長会の認識でもあると思います。私は経年的に、改めてどれだけ国民健康保険料が値上げされ続けてきたのか、具体的に伺いたいと思います。40代夫婦、子ども2人、4人世帯の場合、今から15年前、2009年度と、新年度の保険料が幾らなのか。値上げの額と、何倍になったのか。年収300万 円と500万円について、それぞれお答えいただきたいと思います。

健康推進部長

 40代夫婦、未就学児の子ども2人、4人世帯の、年収300万円と500万 円の場合の、2009年度と2014年度、2024年度の保険料についてお答えいたします。年収300万円の場合ですが、2009年度は17万9,829円で、2014年度は32万2,674円、2024年度は40万4,055円となってございます。また、年収500万円の場合、2009年度は32万8,505円、2014年度は51万8,278円、2024年度は66万3,305円でございます。比較では、2009年度との比較では、22万4,220円の増で約2.2倍、2014年度の比較では8万1,380円の増で約1.2倍、年収500万円の場合ですと、2009年度との比較では33万4,800円の増で約2.2倍、2014年度とでは14万5,027円の増で約2.8倍の増でございます。

鈴木議員

  本当に経年的に見ると、どれだけ国民健康保険料がすさまじい値上げなのかということ が分かると思います。15年間、実質賃金は上がっていません。自営業の方々が、もう本当にますます大変な状況です。年金は引き下がっています。しかし国民健康保険料は、今の300万円の方でも18 万円から40万円に、2倍以上に上がっているわけです。さらに、これからも値上げ続きと。これが国民健康保険料です。300万円というと月25万円ですけれども、25万円の収入の4人家族に1か月4万円、賃貸住宅であれば家賃を引いた残りはほぼ15万円になりますので、4人家族で4万円の国民健康保険料はあまりに過酷ではないかと思いますが、区はこれを妥当だと答弁しました。改めて、この保険料が妥当なのか、負担が重いとは考えないのか、伺いたいと思います。これは、協会けんぽ、組合健保の2倍なのです。構造問題で、所得の低い人の保険制度が国民健康保険です。組合健保や協会けんぽの2倍の保険料になっているのが国民健康保険です。同じ収入で、しかも所得の少ない人の国民健康保険が、加入保険によってその2倍もの差があるというのは是正が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

健康推進部長

 現在の国民健康保険制度は、誰もが適切な医療を受けるために設けられた制度でございますけれども、内容におきましては、各自治体において、国等からの負担金と加入者の方に納付していただく国民健康保険料を財源に運営してございます。特別区では、医療費総額や加入者の所得を推計し、特別区統一保険料により保険料を決めておりますので、これまでご答弁しましたとおり、区としては、この保険料をお願いしているところでございます。根本的な問題につきましては、先ほど申し述べました構造的な課題というものがございますので、こちらの解決が非常に重要であると考えているところでございます。

鈴木議員

  この保険料、これだけの過酷な保険料が重いとは考えない。高いとも言えない。それが区の立場でしょうか。国民健康保険料の負担が重いというのは、全国知事会も市長会も区長会も、国費を1兆円入れるべきだ、国費を増やせと求めているではないですか。それなのに、負担が重いとは区は言えないというのはなぜなのか、改めて伺いたいと思います。厚生労働省の文書が出ていますけれども、その文書の中でも、保険料負担が重いと、はっきりと書いているのです。それなのに重いとは言えないのか。厚生労働省とも認識が違うのか。なぜ言えないのか。これもお答えいただきたいと思います。

健康推進部長

 繰り返しの部分が生じて申し訳ありませんが、特別区長会は昨年、国に対して、国民健康保険制度の見直しに関する提言として、構造的な課題があるというか、進行しているということを踏まえ、安定的で持続可能な制度とするための抜本的な改革を求めております。この中で、委員がおっしゃっているような負担に関することについては、国が抜本的に改革すべきということで強く求めております。その実現のための短期的・中期的な項目といたしまして、国民健康保険財政基盤の強化や、低所得者の負担軽減など、5つを要望してございます。区といたしましても、もちろん今の状況がいいということではなく、国にも要望していることでございますので、引き続き、東京都、国に対して要望してまいります。

鈴木議員

  保険料の負担が重いというのは、厚生労働省も言っているのです。それなのに、それを言えない。私は、これはこういう立場に、しっかりと区民の立場に立っていただきたいと、これは強く求めておきたいと思います。国も立っている立場ですから、そこにしっかりと立ってください。構造問題も認めているわけです。そして、そういうことで、これは誰が考えても、負担が重いということを言わざるを得ないと思います。そんな中で、私は国民健康保険料の値上げではなくて、引下げこそすべきだと。一般財源をこれまで削減し続けてきました。これを戻して引き下げることを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。それから、区としてすぐにできる、18歳以下の子どもの国民健康保険料は無料化を求めます。いかがでしょうか。改めて、国民健康保険加入の子どもの人数と、18歳までの無料化に必要な区の負担額もお答えください。

健康推進部長

 国民健康保険料の引下げに関するお尋ねです。国民健康保険料の賦課に関する事項は、政令で定める基準に従って条例で定めるものでございますので、独自の保険料軽減は考えてございません。子どもの保険料免除は国民健康保険制度のことであり、 国・都に対して引き続き要望してまいります。 現在、令和5年6月1日現在で18歳までの被保険者の人数は4,188人で、これらの方に対して 保険料無料化に必要な予算は約2億円と試算してございますけれども、現行で既に未就学児については、 既に5割、減額しておりますので、約1億5,000万円必要と試算してございます。

鈴木議員

  国民健康保険減免は、国民健康保険法第77条で、国民健康保険料の減免ができるとなっています。ぜひこれだけ、私はこのままいくと国民健康保険崩壊につながっていくのではないかと、本当に心配しています。ぜひ、区でできる、すぐにでもできる子どもの国民健康保険料の無料化に踏み出していただきたい。これを強く求めて、介護保険の質問に移ります。

介護保険の人材不足について

鈴木議員

  深刻な人材不足です。介護の現場はどこでも、人材紹介会社に年収の3割もの紹介料を払わなければ人材確保ができない状況になっています。この事態を区としてどう捉え、改善のために何ができると考えるか、伺います。また、人材登録・紹介の仕組みを区が行うとした場合、課題が何か、伺いたいと思 います。

福祉部長

 介護現場の介護人材についてでございます。 区では、施設事業者の運営事業者から、コロナ禍以降、コロナ以前の経済状況に戻るにつれ、介護人材の確保が難しさを増している状況であるということは聞いております。このため、国においては介護人材の確保と生産力の向上のための処遇改善加算の一本化、介護報酬の改定など、都においても居住支援特別手当を事業化、区におきましても介護福祉専門学校の運営支援などによる人材確保と定着支援のため、都とは別に独自の居住支援などの事業に取組を、令和6年度予算を提案しているところでございます。また、運営事業者本体につきましても、IC導入による介護職員の事務負担軽減や介護人材の確保などを進めているところです。 私ども、人材登録の仕組みにつきましては、区が行うための課題というのは、今、東京都でも福祉人材情報バンクシステム「ふくむすび」というのもございますので、こちらにも既に区内の事業者80事業者ぐらいが登録している現状ですので、その状況を確認していきたいと思っております。

鈴木議員

  私は本当に、紹介会社というのは大変な介護現場の弱みに付け込んだ商売であり、大変な実態の悪循環をさらに進めるものだと思います。そして、制度そのものをゆがめるものだと思います。 大本は、国が紹介会社の規制を行い、ハローワークなどが機能する仕組みにすることも必要だと思いま す。そして大本には、介護職員の待遇改善へ、国の政治の転換が必要だと思います。次に、地域包括支援センターについて伺います。23区で品川区だけが、地域包括支援センターが地域に一か所も設置されていません。地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネ ジャーの3職種の配置が必要です。20か所の在宅介護支援センターで、社会福祉士が配置されている箇所数、それから保健師が配置されている箇所数をお答えください。それから、ぜひ地域に設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。品川区は、保健師や社会福祉士が配置されていなくても、配置されている他区よりもしっかりとケアができていると答弁しました。でも、他区よりしっかりケアができていると言う前に、私は他区の状況をぜひ見ていただきたいと思うのです。どんな活動をしているのか、ホームページでかなり詳しく紹介されている、例えば世田谷区の状況など、ご覧になられているか伺いたいと思います。

福祉部長

 品川区の地域包括支援センターに対するお問合せでございます。品川区の地域包括支援センターにつきましては、高齢者福祉課を総合的な拠点といたしまして、20か所のサブセンターとして、東京都のホームページ等でも広く周知しているところでございます。その中では、保健師の配置につきましては、全体で地域包括支援センターとして5人、そして社会福祉士は23人でございます。また、地域包括支援センターの仕事といたしまして、地域支援の総合相談、それから虐待防止などの権利擁護事業、介護予防ケアマネジメント、包括的ケア、継続的ケアマネジメントがございますが、区といたしましても、介護保険制度の推進委員会と共に、幅広い方と共のご意見を聞きながら、地域包括支援センター運営協議会などを実施し、この制度の運営の向上に努めているところでございます。世田谷区の場合は直営ではございませんので、それぞれの地域包括支援センターの運営協議会の中で、それぞれ事業の評価をされていると聞いておりますが、品川区は直営で高齢者福祉課が実際に運営しておりますので、サブセンターなどと、まずは高齢者福祉課が中心となって連携しながらやっているという、地域包括支援センターの役割を十分果たしているという現状でございます。

鈴木議員

  私は在宅介護支援センターにどれだけ配置されているかということで伺ったので、その 数をお答えください。

福祉部長

 在宅介護支援センターにおける設置につきましては、今、手元に資料としては、全体の数値、保健師5人、社会福祉士23人というのが、地域包括支援センター全体の数字ということでお答えさせていただきます。

鈴木議員

  実際は在宅介護支援センターでやっているわけですから、それを答えてくださいという のが私の質問でした。質問にはしっかりと答えていただきたいと思います。そして、地域包括支援センターが設置されていないのは品川区だけなのです。保健師や、そして社会福祉士をしっかりと配置していただいて、地域の質の向上のためにもぜひ進めていただきたいと要望して終わります。

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