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沢田英次区議2000年第1回定例会代表質問「財政問題」「2000年予算」「中小企業」「石原改革」

2000.03 沢田 英次 区議

代表質問項目

  1. 自自公政権による開発主義がもたらしている財政破綻について区長の見解を問う
  2. 大型開発を突出させ、福祉・教育職員を削減する2000年予算を問う
  3. 中小企業を区内産業の主役に据え、それにふさわしい支援を
  4. シルバーパス有料化、ねたきり手当全廃など福祉を後退させる石原『行革』に反対を

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代表質問

私は日本共産党を代表し、以下四点にわたり質問を行います。


自自公政権による開発主義がもたらしている財政破綻について区長の見解を問う

初めに、「自自公政権による開発主義がもたらしている財政破綻について区長の見解を問う」について質問します。

来年度予算案によると、年度末の国と地方自治体の長期債務残高は六百四十五兆円、予算規模八十五兆円のうち税収は四十八兆六千万円、国債費は三十二兆六千億円で、借金返済に三八・四%を充てることになります。長期債務残高はGDP比一・三倍になります。これがどんなに異常なのかは、第二次世界大戦末期と比べれば明らかです。一九四三年、国債残高とGDP比が一・三倍ですから、現在の日本の財政は戦争末期並みという危機的な状態と言わなければなりません。

小渕総理は「二兎追うものは一兎を得ず」と、財政再建より景気回復を優先させ、公共事業予算を五%増大させた九九年予算と同様の予算編成をしております。毎日新聞の二月十五日の社説は、小渕内閣の行った「無制限かつ大量に財政資金を散布した結果を直視することが空恐ろしくなる。よほどの大増税でもしなければ、今後日本という国家は財政面から破綻するであろう」と警告します。財政状況をこのまま放置すれば、消費税の大増税や戦争末期の三百倍に上げた悪性インフレの再来を起こし、国民の財産を帳消しにするという危険性が大と言わなければなりません。事実、小渕総理は昨年九月、「消費税率は財政状況を踏まえて検討されるべき」と、消費税増税の方向を明らかにしました。国債を乱発して、後は国民に消費税増税、洪水は我がなき後に来たれでは、余りにも無責任ではないでしょうか。

さて、六百四十五兆円もの借金、財政破綻はどうして生まれたのでしょうか。その第一は、九〇年以来、日米構造協議でのアメリカの内需拡大の圧力と財界の要求に従って、十年間で総額六百四十五兆円の公共投資基本計画に沿って大規模な公共事業を拡大し、全国で開発に熱中したからであります。もう一つは、景気対策の名で公共事業積み増しが無規律、無制限に拡大したことです。その点で小渕内閣は歴代内閣でも最悪、わずか一代で大型公共事業や銀行支援など百一兆円もの国債を乱発したのであります。

マスコミ各紙は日本の財政破綻について特集を組み報道していますが、ここで二月十七日付東京新聞の社説「借金王はもう返上しよう」を紹介します。「国内総生産に対する政府債務残高の比率は、先進国中最悪とされてきたイタリアをすら上回るのは確実だ」「財政赤字国という烙印を国際金融市場から押された『ルーズな国』の仲間入りをすることにならざるを得ない」としています。

国の財政破綻は、消費税増税や医療や年金など社会保障の連続改悪をもたらしています。今国会で年金改悪が審議されています。三十五歳以下の人は生涯にわたり一千万の給付が削減されます。その要因の一つは、九四年の年金改悪の際、全会一致で基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる決議をしているのに、実行しないからであります。また、介護保険で国民から二兆円余の保険料を徴収しながら、二千三百億円もの国の介護の予算を削減する。これが高い保険料、使用料の要因になっているのであります。国民にとっても、地方自治体にとっても、国の財政破綻は決して他人事ではありません。

ここで、我が党の財政再建策について述べることにします。

第一に、開発至上主義を改めることです。生活に密着した福祉、教育などの公共事業予算を増大させつつ、ゼネコン型公共事業を見直し半減することであります。飛行機の飛ばない農道空港、誘致企業のない工業団地など、無駄な公共事業は全国至るところにあり、これを徹底して見直すことであります。また、社会保障には二十兆円、公共事業には毎年五十兆円という、世界にはない財政の間違った使い方から、社会保障中心の財政の使い方に改めることであります。

第二は、六十兆円から来年度七十兆円に拡大した銀行の支援枠を直ちに見直すこと。破綻処理は銀行業界の責任で行うことであります。

第三は、歳入面では税収の空洞化を正すことが重要です。大企業、高額所得者の課税ベースを広げるなど、不公平税制を見直すことが必要です。

我が党は、余りにも巨額の借金のもとで、一、二年での財政再建はとても無理であり、十年程度の期間を設け、段階的に取り組むことが必要だと思います。そうすれば、介護保険や消費税減税のための予算を確保しつつ、財政を破綻から再建の方向に切りかえることが可能だと確信します。

さてここで、区長の政治姿勢について述べさせていただきます。我が党は、これまでゼネコン型再開発の見直しを求めてきました。区長は「再開発には国からの補助金と財調から金を引っ張ってきた」と専ら財政手腕を誇示してきました。しかし、財調はもともと区の財源であり、財政手腕を強調するのは論外。それでは、国庫補助金を取ったことが自慢できるのでしょうか。これまで述べてきたように、再開発に財政をそそぐことにより、社会保障を細らせ、財政の流れをゼネコン大企業に振り向けたこと、それにより国家財政を破綻させた、その責任の一端があることは明白です。

同時に、品川区においても、保育園や学校職員を削り、中小企業予算は二十三区で最低水準に置いてきました。一方、再開発を聖域とし、これまで投入された補助金は百八十億円にも上ります。加えて、区の自主財源を百十億円余も支出しているのであります。「福祉を削って、開発を突出」、品川区はゼネコンの下請なのでしょうか。

先日、吉野川の可動堰をめぐり住民投票が行われ、推進派がボイコット戦術を行ったもとでも、九〇%が可動堰建設反対の意思を示しました。このほかにも愛知万博をめぐる開発問題でも、原子力発電所の巻町の問題でも、無駄かつ環境破壊をもたらす公共事業の根本的見直しを求める草の根の運動は、全国に広がっております。私は、国でも地方でも開発至上主義を見直すべきと、このことを述べ、質問に移ります。

  1. 区長は、国、地方自治体の財政破綻の原因についてどう考えるか、お聞かせください。無駄な公共事業を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
  2. 品川区の再開発の推進が、国の財政破綻の一端となっていることに反省はないのでしょうか。

大型開発を突出させ、福祉・教育職員を削減する2000年予算を問う

次に、「大型開発を突出させ、福祉・教育職員を削減する二〇〇〇年予算を問う」に移ります。

今回の高橋区長の施政方針演説の問題点を三点にわたり指摘したいと思います。その第一は、区長は、施政方針で子育て支援や教育改革・プラン21を重点施策としたことを強調しています。しかし、共通しているのは、メニューは広げるが、肝心の職員を削減し、サービスを後退させる危険があるという問題です。

まず、子育て支援ですが、病後児保育三園、休日保育二園、延長保育および子育て相談の拡大を明らかにしました。これらの施策は我が党や保育関連団体が以前より要求していたことであり、父母の要求に応えたものであります。問題は、これだけの新たな事業を行うのに、正規職員ゼロ、非常勤四名しか配置しない問題です。それでなくても、保育園では、「行革」の名でこの三年間に百二十八名もの職員削減、一園当たり三名から四名の減となっています。こんなに職員を減らしながら新たな事業を行うのですから、「預かるのが精いっぱい」、こんな状況が広がって当然です。不規則勤務は月八回を超えないという労使の確認があったのに、月十七回に及んでいる例もあります。職員の増員なしで延長保育を行えば、いわゆる変則勤務を細切れ状態でつなぎ、綱渡りの保育にならざるを得ません。このために、一日の子供に十人もの職員が入れかわり立ちかわりかかわる例も生まれているのであります。

母親に抱っこされたい赤ちゃんが、次々と保育者がかわる。赤ちゃんにとってスキンシップが何よりも大事なときに、こんなことでいいのでしょうか。親の帰りを待つ子供に愛情を持った施策とはなっていないと言わなければなりません。区は「工夫と努力でできる」と言いますが、物には限度があります。私の経験からいっても、我が子一人を見るだけで精いっぱいなのに、何人もの子供の保育は本当に大変なことだと思います。父母からは「せめて登園時ぐらい、担任の先生に子供のぐあいや様子などについて話したい」との声が多数出されています。この問題に加え、保育園給食の五園の民間委託で、十二人の職員削減も提案されています。手づくり給食やアレルギー食など、今までどおりできるのか不安も広がっています。

教育の面でも同様です。区長は特色ある学校づくりを目指し、学区域のブロック化導入を成果として強調しています。一方、来年度、事務職員、用務など八十二名の学校職員を削減しようとしています。教育長は、NHKの「クローズアップ現代」で学校選択自由化に当たり、教育条件の整備を進めると強調しました。しかし実態は、コンピュータを導入したことで職員は削減できるとしています。区内の学校は少子化が進み小規模校化、教職員が少ないという小規模校特有の困難に直面しており、運動会など学校行事を職員全体で協力して行っております。

ある先生に聞きましたが、「うちの生徒が大田区でいわゆる『おやじ狩り』を行い、その解決に翻弄されている。今、学校では不登校や成り立たない授業などさまざまな問題が山積みしており、学校ブロック化はパフォーマンスばかりに目が行き、そうした問題の解決を一層困難にする。職員削減は残念だ」と語っていました。言うこととやることが逆だと言わなければなりません。

第二の問題は、今回も大崎駅東口第三地区をスタートとするなど、大規模開発を突出させている点です。三井不動産、フジタが進める東五反田二丁目第一地区に二十一億七千万円、金陽社など二十の地権者が進める大崎駅東口第三地区に新たに三億二千万円、第一地区と第三地区に関連して十五億四千六百万円が盛られるなど、総額三十七億円の補助金が投入されることになります。

ここで、現在工事中の東五反田二丁目第一地区について取り上げます。この開発は、敷地約一・四ヘクタールに地上十七階のオフィスビル、三井不動産の三十階建て分譲住宅二百四十四戸、住都公団の賃貸住宅百四戸となっています。この計画は都の副都心計画の一環であり、地区更新計画を立て、建設大臣の承認を得るなど、上位計画に沿って計画されたもので、決して多くの地元住民から持ち上がったものではありません。ここで問題点を三点指摘したいと思います。

第一は、東五反田第一地区再開発に対する度外れな優遇です。第一地区の補助金は、総事業費二百七十四億円のうち四十五億が四十九億円にふやされ、補助率は一七・九%で、通常の再開発補助の倍以上にもなっています。三井不動産の住宅になぜ二十億近い補助をするのか、いまだに納得できる説明がされておりません。また、当初、再開発組合に二本の地区幹線道路を整備させると言いましたが、いつの間にか地区幹線道路四号を免除したのであります。その上、大崎駅取りつけデッキ等に新たな税金投入であります。

第二の問題点は、今回新たに予算がついた大崎駅第三地区と、東五反田二丁目地区はともに品川の工業の中核となってきました。開発により、東五反田二丁目には一九八一年に七十一工場あったのが、十五年後の一九九六年には四十工場と約半減。通称ソニー通りには飲食店や工場労働者を対象にした商店がありましたが、現在では火の消えたようなまちになっています。区がゼネコン型開発を進め、中小工場を追い出し、製造業を衰退させる。一体だれのための、何のための開発かが問われているのではないでしょうか。

第三は、住民の声を聞かず、工事協定も結ばず、工事を強行した点です。中高層建築にかかわる紛争と予防の調整条例では、高さの二倍の距離の住民と円満な話し合いをすること、モデルをつくって工事協定の締結を奨励していますが、一部を除き多数の近隣住民とは工事協定が結ばれていません。地上げで工場、住民を追い出した三井不動産、フジタには至れり尽くせり、それなのに民間マンション建設では当然行っている工事協定も結ばない。これが都市計画事業なのでしょうか。

大きな第三は、地方自治否定、中央直結の姿勢の問題です。高橋区長は施政方針で「平成十二年度は品川区が自立した基礎的自治体となった新たなスタートを切る記念すべき年」を強調しました。区長の姿勢は、住民の立場からの施策展開よりも、政府の方針を「日本で一番」に具体化する中央直結の姿勢が目立っています。先日も、第三次長期基本計画の検討委員会で、区が進める再開発は政府の「民間活力」の方針に沿ったものだと強調。また、学校選択自由化も、NHKの「クローズアップ現代」で政府の教育改革を具体化したと、教育長は強調しました。昨年末中小企業基本法を改悪し、ベンチャー企業や創業支援のみ、既存の中小企業の支援を打ち切るこの案にも、もろ手を挙げて賛成しました。区民の願いよりも政府の方針を絶対視する、これが特徴であります。

しかも、情報公開制度を有料化している数少ない自治体の一つであります。情報公開なくして、住民の参加はあり得ません。地方自治は、国から独立した団体自治と、自治体の仕事を住民の参加と意思に基づいて進める住民自治から成り立っており、高橋区長の姿勢は、団体自治も住民自治に対してもその対極にあると言わなければなりません。品川区は、かつて住民の直接請求運動で準公選運動で区長公選の法改正を実現しました。輝かしい歴史を持っているのであります。政府の激しい妨害、干渉に抗して、住民と共同して貴重な成果を上げた教訓を思い起こすべきときではないでしょうか。そこで、質問します。

  1. ゼネコン奉仕の大規模開発から、中小企業、公営住宅、福祉基盤整備のまちづくりに転換すべきと思いますが、いかがでしょうか。
  2. 乳児の保育者が一日に十人も代わる事態は、人権上も子どもの権利条約の点からも問題があると思います。区長の見解と是正を求めます。
  3. 学校事務職員、用務など八十二名の削減方針を決定するに当たって、どのような検討が行われたのでしょうか。学校選択自由化に当たり、教育長は教育条件の整備を進めると言いながら、職員をなぜ削減するのか、お答えください。
  4. 地方自治体は政府の下請でなく、住民の自治機関であります。中央直結の政治を改めるとともに、住民自治の立場に立つべきと思いますが、いかがでしょうか。

中小企業を区内産業の主役に据え、それにふさわしい支援を

次に、「中小企業を区内産業の主役に据え、それにふさわしい支援を」について質問します。

私はまず、品川区における中小企業が、区民生活と区政にどのような役割を果たしているのか述べたいと思います。中小企業は、第一に区民に雇用と所得の機会を提供するという点です。区内の中小企業に働く人は七割を超えており、中小企業が衰退すれば、それだけ区民の仕事を奪うことになります。第二は、中小企業とそこに働く労働者は区税収入で占める位置も大であること。また、中小企業での所得は、大企業と異なり地域内の資金循環をもたらし、地域経済を活性化させること。第三は、地域生活に必要な財やサービスを生産・供給することにより、暮らしを支えていること。第四は、中小企業は、町会でも、消防団でも、お祭りでも地域コミュニティの中核となっていること。また、地域文化の継承者であり、担い手であることなどであります。商店も、工場も、営業という営利活動ですけれども、地域に欠かすことのできない公共的な役割を果たしている点を見逃してはならないと思います。

大企業はどうでしょうか。大企業の多くは利潤追求を至上命題とし、業績向上を何よりも優先します。地域は企業活動を支える空間的手段であり、渡り鳥的に事業所の立地展開を行うのが常であります。経営不振に陥った日産自動車が地域や下請の影響を二の次にし、村山工場の撤退を進めたのはその典型です。通産省の調査では、全国の大型店は一九九二年から九六年までの五年間に千三十一店舗が閉鎖された。その大半は駅前や中心市街地だそうであります。中心市街地より郊外型の方が収益性が高いとなると、地域への商店街の影響がどうなろうと撤退をする、利潤追求のなせるわざであります。品川でも、着工直前に東品川四丁目地区の開発からダイエーが撤退したのもその一例であります。以上の理由から私は、品川区が中小企業振興を地域産業政策の中心に据え、計画的、総合的に支援することがとりわけ重要であることを指摘します。

ここで、日本共産党品川地区委員会と区議団は一月後半から、党が作成した中小企業政策に対しての意見交換と、区が取り組んでいる産業振興マスタープランの策定に中小企業の声を生かすことを目的に、製造業訪問を行ってきました。ここで製造業の実態を述べたいと思います。訪問先ではほとんどのところで歓迎され、工場内に案内されました。主な特徴点を述べることとします。

第一は、不況、産業空洞化などの影響を受け、倒産と隣り合わせの企業が少なくなかったという点です。西五反田の金型業のところでは、社長と従業員の二人は仕事をしておらず、机に向かっていました。「仕事はどうですか」と尋ねると、「仕事を逃さないためにファックスが入るのをじっと待っている」とのことでした。「金型は高い加工技術が必要で、競争力が強いのではないか」と言うと、「アジアではむしろいい機械を持っており、仕事を持っていかれる」「銀行を助けるのもいいが、まじめに働きながら銀行が貸さないため、悪いと知りつつ商工ローンに走らざるを得ない我々を救ってほしい。住民税が払えないから融資の対象にしないのはおかしい」と語っていました。

また、ある町会役員をしている町工場の社長さんは、「三人の息子は皆出ていってしまった。私の代でこの仕事は終わりだ。家内といよいよとなったら裏の柿の木にロープをかけて首をつろうか、いや、柿の木はもろいからやめた方がいい。半分冗談、半分本気で話しているんですよ」と語っていたことを忘れることはできません。今回の訪問の中で、二件の中小企業経営者の自殺を区内で耳にしました。新聞に報じられることもなくこんなに自殺が起きている、ここに中小企業の危機的な状況が象徴的に示されていると私は思います。

もう一つ特徴は、少なくない工場が仕事に誇りを持っており、日本の先端技術は中小企業により支えられていることの実感です。二葉町のY製作所は創業三十五年、試作製造を看板に掲げて一人で仕事をしています。十年前に二千万円のワイヤーカッターを購入。東芝やホンダ、富士通の仕事を受けていました。放電加工のこの機械でも百分の一の精度を出せると誇らしげに語っておりました。驚いたのは、厳しい精度が要求される宇宙ロケットのカメラ部品を東大から受注しているとのことでした。

もう一人は、西五反田の息子さんと二人で旋盤、フライス盤の仕事をしているAさん。うちはソニー、NEC、富士通の仕事をしている試作中心だ。富士通の仕事は精度が一番うるさく、一千分の四から八を求めてくる。富士通は「おたくはいい仕事をするので仕事を出したい」。NCを入れれば八百万ほどするそうですけれども、仕事を出せると言ってきている。NCを買って不況の中で仕事が続くのか不安もあり、検討中だとのこと。

この二軒の社長さんは、仲間と仕事を回し合うなど、協力し合いながら仕事をしていることも共通しています。いずれもどこにでもある町工場ですが、日本の最先端の仕事を町工場が第一線で支えていることに感心させられました。

さて、区内製造業はどこも将来の展望を見出し得ないでいますが、私は最近、エーモン・フィングルトン著「製造業が国を救う」を読み、確信を持つことができたので紹介します。「製造業に未来はなく、今後はポスト工業化、すなわち情報通信、金融、流通など先端サービス産業が主流となる」との主張があるが、「二十一世紀のグローバル経済は、日本が最も得意とする『製造業』の時代となる」としています。著者は、世界の九〇%の人たちは貧困の中におり、彼らが欲しがるのは、ホームページ作成用のソフトやアメリカの新聞記事のデータベース、ウォール街の最新金融商品よりも実態のあるものを望んでいる。世界中の人々がアメリカ人並みの生活水準達成のためには、生産量を五倍に拡大する必要があり、「製造業こそ二十一世紀の世界の需要にこたえるものだ。先端製造業から撤退をひた走るアメリカは必ず敗北する」としているのであります。

今、区内の中小企業、製造業は、産業空洞化と大不況の前に抜き差しならない危機に立たされていますが、高い金属加工技術と、地域全体が一つの工場とも言えるネットワークを形成している品川、大田区の工場は地域の誇りであるとともに、世界の要請にこたえられる将来性を持った存在ではないでしょうか。それだけに、従来の量産型加工から試作型開発への転換、下請型から水平的ネットワークの形成に向け、中小企業経営者はもちろん、危機を乗り越えるための行政的な全面的な支援がどうしても必要だと思います。

以上、主に製造業のことを述べましたが、以下五点にわたり質問します。

  1. 品川の中小企業の区民生活と区政に果たしている役割をどのように評価するのか。また、第三次長期基本計画やマスタープランに中小企業の役割と産業の主役に据える記述を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
  2. 中小企業を本格支援するためには、多様な機能を持った支援センターの設置がどうしても必要だと思います。墨田区のように精密測定器や機械を配備し、必要なときに利用でき、技術指導も受けられる体制、パソコンなど機材を常備し、操作の仕方、経営のノウハウを恒常的に学べる場、商業や工業に関する資料の収集と貸し出しなどの機能を持たせた支援センターの建設は、区内中小企業にとって限りない援軍になると思います。いかがでしょうか。
  3. 第三は、来年度の中小企業予算を実質前年比一三〇%とした当局の努力を多としますが、それでも二十三区比較では下位のグループだと思います。中小企業支援を本格化させるためには、中小企業予算を墨田区のように一般会計の二%、二十億円以上に引き上げることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  4. マスコミ各紙は、台東区が皮革産業と協力し、台東ブランドの売り出しを行ったことを報じました。私は、区内の産業界とタイアップして、金属加工を品川ブランドとすることを提案します。マスタープランの調査で製造業のネットワークの実態を調査し、それぞれがどんな技術を持っているのか、得意わざは何なのかを明らかにし、関係者と協議し、インターネットを通じ世界に発信することはできないでしょうか。
  5. 斡旋融資制度の条件に住民税納税を条件にしていますが、長い間きちんと納税をし、長期不況により納めることができなくなった商店、工場に対しこの条件を緩和することはできないでしょうか。また予算案では、事業運転資金の返済期間を一年延期したことは評価しますが、希望者には十年程度延期することはできないでしょうか。

シルバーパス有料化、ねたきり手当全廃など福祉を後退させる石原『行革』に反対を

最後に、「シルバーパス有料化、ねたきり手当全廃など福祉を後退させる石原『行革』に反対を」について質問します。

石原都政は、来年度予算案で財政再建推進プランを具体化。老人医療費助成制度や老人福祉手当を全廃、シルバーパス全面有料化など、都民にとってかけがえのない福祉や医療体制を軒並み切り捨てるものとなっています。切り捨ての対象となった福祉の十事業だけで都民への影響額は四百五十億円、経過期間終了後には年一千億円にも上る大幅なものであります。

ここで、切り捨てられようとしている十の福祉事業の主なものについて、その内容を述べることにします。まずシルバーパスですが、無料パスをなくし、住民税非課税の人七十万人に千円の負担、課税の人八万五千人に二万五百十円で買う仕組みとなります。しかも、負担額は規則で定めるとして、知事裁量によって果てしない値上げの道を切り開くものとなっています。シルバーパスは、家に引きこもりがちな高齢者に地域に出ての社会参加を促すもので、二十六年の歴史を持ちます。

私の知り合いのAさんは、ゲートボールチームの監督をしています。メンバー五人のうち二人はシルバーパスをもらって、上大崎から目黒に出て、林試の森に出かけているといいます。九十三歳のKさんは、パスが有料化されればチームから抜けたいと言っており、Aさんは「ゲートボールに出かけられるから元気でいるのに」と語っております。三年前の都議会議員選挙では七割の都議が「シルバーパスの現行制度の存続」を公約に掲げ、石原知事自身も存続を公約しているのであります。全面有料化は公約違反と言わなければなりません。

高齢者福祉手当、寝たきり手当は来年度から新規は一切認めず、手当を年四分の一ずつ減額し、三年間で廃止。品川では千三百三十八名の手当が全額奪われることになります。都は、介護保険と重複を全廃の理由にしていますが、寝たきり手当は介護だけでなく、お年寄りの生活を支える手当ともなっているのであります。

私の知り合いで飲食業を営むTさんは、いとこのKさんを介護しています。Kさんは七十五歳で慢性関節リューマチを患い、立ち上がることができず、紙おむつをしています。Aさんは入浴サービスや訪問リハビリ、訪問看護などのサービスを受けてきましたが、無年金で、収入は高齢者福祉手当の五万五千円と三千円の障害者手当だけとなっています。Tさんの店の売り上げは二十万円そこそこ、利益は八万円以下で、食べていくのがやっとだといいます。Tさん夫婦の保険料とKさんの保険料を合わせて五千八百円、Kさんの現行サービスを受けた一割負担は一万百円、合わせて一万六千円の新たな負担増になります。この上、寝たきり手当五万五千円を打ち切られれば、とてもやっていけない。Tさんは「介護保険料が払えず、サービスが受けられなくなったらどうしよう」と途方に暮れております。高齢者福祉手当の打ち切り撤回を都に申し入れるべきではないでしょうか。

心身障害者医療助成は、所得制限の強化で四人に一人、三万六千人を対象外、さらに本人負担を導入。重度障害者手当、障害者福祉手当も所得制限を導入、強化するとなっています。我が党との懇談で障害者団体のある方は、「石原知事は福祉のことをまるでわかっていない」と怒りをあらわにしていました。このほかにもひとり親家庭医療費助成への本人負担導入、乳幼児医療費助成の入院食事代負担を導入など、福祉全般にわたり廃止、後退が貫かれております。

先日、党議員団は社会福祉法人を訪問しました。都の運営費補助廃止の影響を聞きました。担当者は「まだ確定ではないが、六人分の人件費補助削減で、年間事業費の一五%、五千二百万円が減少するかもしれない。このままだと正規職員をすべて非常勤にしないとやっていけない」と厳しい顔つきで語っておりました。石原知事の提案は、高齢者、障害者、子供、低所得者、被爆者など、弱者が生きていく基盤を破壊するものであり、命と暮らしを守るべき地方自治体の責務を放置するものと言わなければなりません。

ここで、今回の見直しの理由となっている都財政危機、都の債務残高は七兆円を超え、歳入不足は七千億円に及ぶ事態がどうして生まれたか述べたいと思います。都財政危機の最大の要因は、臨海開発に三兆円の財政投入に代表される大型開発に熱中してきたことが最大の理由であります。石原知事は臨海開発を東京再生の起爆剤にすると言明、来年度も開発予算がめじろ押しです。最終補正と来年度予算案では臨海開発に六百億円以上、第三セクターの赤字穴埋めに一千六十億円、汐留など大型開発に七百億円など、公共事業関連予算は総額一兆円を超え、これはバブル前の二倍の額になっているのであります。臨海開発など大型開発をそのままに石原行革を行っても、財政再建はおぼつかず、財政悪化と福祉切り捨ての悪循環は断ち切れません。

当区議会でも、昨年九月議会で都民生活への影響ははかり知れないと、全会一致で財政再建推進プランに関する意見書を提出。我が党は区民生活や福祉を守る立場から、石原行革について毅然とした態度をとるよう求めるものであります。そこで、質問します。

  1. 昨年、区長は飯沼議員の質問に、区の施策に影響を及ぼす見直しについては、区側と十分協議の上対応すべきと答弁しました。福祉十事業削減が区財政と福祉施策へどのような影響を及ぼすのか。また、都とどのような協議をしたのか。今後も現行制度維持を働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  2. 都財政危機を解決するために、臨海開発を初めとする大型開発にメスを入れるべきと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。
  3. 江戸川区長は、区独自で老人福祉手当、乳幼児、ひとり親家庭に対する医療費など、福祉五事業を存続することを明らかにしております。もし福祉十事業が打ち切られるような場合、区単独でも低所得者対策を実施すべきではないかと思いますけれども、ご所見をお尋ねいたします。

以上で、日本共産党を代表しての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


答弁

会議時間延長について

議長(須藤安通君)

沢田英次君の質問の途中ですが、この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。

区長(高橋久二君)

沢田議員のご質問のうち、初めに、国の財政についてにお答えを申し上げます。

まず、国の現在の財政運営は、本格的な景気回復の実現を目指したものと理解をしております。また、区の再開発事業は、活力にあふれた個性あるまちを目指して推進しているものでございます。これまでまちづくりとして高い評価をいただいたことはあっても、これが国の財政破綻の原因になったとは聞いておりません。

次に、都の福祉施策の見直しは、社会状況が大きく変化する中で、福祉サービスの基本的なあり方を現金給付型から在宅サービス重視に転換するものでございます。お尋ねの影響額でございますが、都制度に基礎を置く区の施策については、区としても同様の見直しを行ってまいりますので、影響はほとんどございません。

また、都との協議についてのお尋ねでございますが、昨年十二月十六日、区長会として、見直しの考え方、乳幼児医療費助成事業の対象の拡大など六点にわたりまして要請をいたしました。その結果、例えばシルバーパスについて見れば、住民税非課税世帯から六千円を徴収することになっていたものを千円に引き下げ、乳幼児医療費の助成については、対象者を五歳未満へ一歳拡大するなど変更をさせております。

なお、現行制度の質問でございますが、都といたしましても、区長会や関係団体、都議会の要望を踏まえまして、最終的に決定したものでございます。したがいまして、今後は、都として条例改正などの所定の手続を行う中で、論議されるものと思っております。

次に、東京都の財政危機の原因と対策について、どう考えるかとのお尋ねでございますが、都財政をめぐる論議がさまざまございますが、最大の原因はバブル経済の崩壊にあると思っております。現在、東京都といたしまして、財政再建の真剣な取り組みが行われているところでございまして、その推移を見守ってまいりたいと思っております。

次に、制度存続に関するご質問でございますが、お尋ねの高齢者福祉手当や心身障害者福祉手当などの各制度は、いずれも都制度に基礎を置くものでございますので、区といたしましては、都の見直しに沿って対応してまいります。また、新たな助成制度の設置につきましては、施政方針で申し述べましたとおり、金銭サービスから在宅サービスへの転換をするもので、新たな助成制度については考えておりません。

次に、大規模開発の見直しに関する質問にお答えいたします。

区は、これまで居住機能と商工業、オフィスが調和した、安全快適なまちづくりの実現を目指すとともに、産業、福祉、教育、文化など、区民生活を支える施策全般にわたり、その着実な進展に取り組んでまいりました。その点、区議会はもとより、区民の皆様にも十分な理解と支持をいただける内容であったと自負をしているところでございます。したがいまして、今後とも、社会経済環境の変化に柔軟に対応していくことはもとより、これまで同様、ハード、ソフトの両面にわたりバランスのとれた施策の展開に努めてまいりたいと考えております。なお、第三次長期基本計画につきましては、現在、検討委員会において区素案の検討をいただいているところでございますが、その内容は、ただいま申し上げました観点から構成しているものでございます。

次に、地方自治と中央直結に関するご質問ですが、区の施策につきましては、基本的に地方自治の本旨に基づき、区独自の判断と責任において実施するものでございます。ご指摘の再開発につきましても、品川区のまちづくり構想を基本といたしまして、関係権利者との発意と合意があって初めて進められる事業であり、これに国の補助を活用するものでございます。また、教育改革につきましても、品川のよりよい公教育を実現する観点から、品川の実情に即した方策を推進するものでございます。いずれにいたしましても、区の主体的な施策として実施するものでございまして、中央直結との指摘は当たらないものと考えております。

なお、区は今後、地方分権の推進や特別区制度改革の実現を踏まえまして、これまで以上に品川区の独自性を生かした施策を展開し、区民の期待に応えてまいる考えでございます。

その他の質問につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。

福祉部長(小沼毅君)

私からは、区立保育園児の保育環境の実態の見解と是正にかかわる質問について、お答え申し上げます。

区立保育園の経営につきましては、在園児への適切な処遇、いわゆる最善の利益を考慮し、現状では直接処遇について、国・都の配置基準を上回る正規職員を配置し、必要に応じて非常勤職員や臨時職員が補完するという方法をとり、一人一人の子供の活動を大切にしながら、健康、安全で情緒の安定した環境での保育を実施しているところでございます。このような手法は、国や都の保育や子供の処遇内容についてのいわゆる指導検査においても承認を得ており、ご指摘のような権利条約違反はないものと認識しておりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

地域振興部長(本間敏明君)

私からは、中小企業を区内産業の主役に据え、それにふさわしい支援策を、のご質問にお答えいたします。

まず、中小企業の役割と位置づけに関するご質問でございますが、中小企業は品川区の産業の発展をリードし、地域社会の活力を形成してきた大きな存在であると考えております。今後の産業振興を考えるに当たりましても、その認識に変わりはございません。長期基本計画の素案につきましても、そのような趣旨を記述したものでございます。

次に、中小企業の支援センターの設置に関するご質問ですが、以前にもご答弁申し上げましたとおり、区独自で施設を設置する考えはございません。ご指摘の支援機能を果たす施設として、東京都城南地域中小企業振興センターがございます。同センターは、品川・目黒・大田の三区を管轄区域とし、素材の特性や耐久性などに関する依頼試験の受け付け、製品開発・技術開発の支援、技術の実地指導などを行っております。昨年来、産業ニュースに同センターの施設案内の記事を連載するなどして、区内の製造業関係者への周知に努め、利用の促進を図ってきております。

次に、予算に関するご質問ですが、自治体の産業振興策には、産業の構造、規模、立地など、それぞれ異なる事情がございますので、予算額の表面的比較は意味がないものと考えております。品川区におきましては、現状で求められ、かつ必要と認められる中小企業対策に要する経費を予算案として提出しているものでございます。

次に、製造業に関連するご質問でございますが、産業振興マスタープランの策定に当たっての実態調査では、工業集積の空洞化現象、受注構造の変化、情報化への対応に着目した調査項目を設定することにより、今後の有効な施策展開、特に企業間のネットワーク形成に役立てたいと考えております。また、産業振興マスタープランの策定に向けて、区内製造業が有する技術力のPR手段として、現在、既存の企業データベースの活用策を検討しております。

次に、中小企業事業資金の利用条件に関するご質問でございますが、融資のあっ旋に当たりましては、事業税および特別区民税、または法人都民税の滞納のないことを要件としております。このあっ旋要件につきましては、事業の原資として税金も運用していることから、当然に導かれる利用条件であり、区民の一般的理解を得られるものと考えております。

また、事業資金の返済期間に関するご質問でございますが、本定例会に運転資金の返済期間を四年から五年に延長する条例改正案を提出しております。返済期間を十年にとのご提案ですが、現行の返済期間は、融資規模が同じ程度の国民生活金融公庫など他の公的融資制度と比較いたしましても、相応の水準にあるものと考えております。


再質問

沢田英次君

この場から再質問をさせていただきたいと思います。大変多岐にわたっていますので、絞って質問させていただきます。

公共事業の債務残高が六百四十五兆円になったというのは、最近出ているここ十日ぐらいのマスコミの社説でも、朝日、毎日、東京、一斉にこの問題は重大な問題だということで、財政再建を図れと、二兎を追えという論評が出ているんですね。私、区長に聞いたのは、こういう公共事業が六百四十五兆円もどんどん進めて、財政がたまったことに対して区長はどう思うのか。景気対策だというのは小渕総理が言っているんですね。小渕総理が景気対策だとどんどんどんどん百一兆円拡大しちゃったんです。その小渕総理の言うことではなくて、地方自治体の長として、こういう財政状態でいいのかどうなのかという率直な意見を私は聞いているので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

それから、先ほど具体例を述べましたけれども、寝たきりの、都の関係ですけれども、石原さんのやっていることですけれども、お宅の実例を報じました。これは決して誇張もないし、事実です。こういう方の場合にどうしたらいいんでしょうか。それでも頑張れと言っても、実態的にはどうにもならない事態が出ているということに対して、こうしたらいいということを言ってほしいと思います。私、生活保護の申請に行きましたら、同居で同じ屋根の下だからだめだと区側から断られました。じゃどうすればいいんだということが広範に今広がっている点を、再度尋ねたいと思います。

それから、中小企業の問題ですけれども、全体としては前向きで取り組んでいることについてありがたいと思いますし、評価を惜しむものではありません。だけど、私ども、何度もこの支援センターをつくるということを言っているのは、やっぱりこれがあって初めて本格的な中小企業の総合的な支援ができるということを、墨田に行って本当に感じたんです。先ほど都の城南の振興センターをというふうに言いましたけれども、例えば機器の開放で品川の経営者が利用しているのは、平成十年度で二百四十四件なんですよ。ところが、大田は三千十八件。けた違いですよ。私どもは、製造業を訪問して、今試作製造をやると精度がうるさいから、その検査をなるべく身近でやりたい。だけど、一人、二人でやっているから、半日も工場をあけて出られないんだ、近場にあれば本当にありがたい。結構この意見、強いんです。だから私は、ぜひこれはやっていただきたいということを要望したいと思います。

先ほど二%、二十億円程度と私は言いましたけれども、必要な仕事についてつけるんだと、それはそうだと思うんです。私ども、二十億程度必要なんじゃないかというのは、支援センターだとか、そういうことの展開の中でやろうとすれば必要なんじゃないかという、そういうことで聞きましたので、もう一度ここのところはご答弁いただきたいというのと、私が質問した品川ブランドとして、品川のネットワーク、工業加工技術を、やっぱり世界のインターネットで、こういうあれからどうぞ注文をくださいということをぜひやってほしいと思うんですが、答弁されておりませんでしたので、ご答弁をお願いしたいと思います。

最後にしますけれども、先ほど保育園の、私、一人の赤ちゃんが本当なら一人の母親に一日抱かれて情緒が安定するのに、次々といろんな資格のある人ない人を含めて十人も一日にかわって、先ほど別の発言者もありましたけれども、どうしてその情緒の安定だとかスキンシップが私はいくのかということを聞いたのに、それは権利宣言に抵触することはありませんと。違うんですよ。そんなにくるくる変わるようなことで子供さんのために本当になっているのか、このことを聞いたんです。

子供の権利条約第三条では、児童に関するすべての措置をとるに当たって、公的もしくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益を主として考慮されるものとする。あるいは、六条の二項では、締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保すると。十人もくるくる変わるような保育が、ここで述べている精神に私は外れるんじゃないかということを聞いたんです。そこのところをもう一度お答え願いたいと思います。


再答弁

区長(高橋久二君)

国の財政につきましての再質問にお答え申し上げます。

あれは私が答弁したのでございまして、小渕総理が答弁したのではございません。したがいまして、私の考えを申し上げました。

それから、保母の問題でございますが、私は、いつもこの問題になりますとちょうど革新区政を思い出すわけでございます。確かに四十七年、輝かしいこの革新区政、品川区が二十三区で第一番目の足を踏み出しました。ところが、この革新区政のために品川区は、あのときオイルショックを受けまして、一番先に赤字を出しました。三年続けて赤字を出しました。その赤字の原因は何かというと、人件費でございます。あのときの人件費は、総体に占めますシェアの中で四一%を超える人件費を払いました。したがいまして、二十三区の中で品川区が赤字を出すのは当然なんだと。それは人件費をつぎ込むからだったんです。その人件費のもとになりますのは保母さんでございました。それをよくお考えになった上でご質問していただきたいと思っています。現在の保母は、国または都の保育基準よりか上回っております。私は、したがって保母が足らないとは申し上げておりません。また、思ってもおりません。そういうことをよくご理解のほどお願い申し上げます。

それからあと一つ、現在、この各自治体が財政危機に陥っています。品川区もおかげさまで健全財政を維持しております。私は、この五十年から三カ年間品川区が赤字を出した、その経験を踏まえまして、絶対赤字を出さない区政運営をしていこう、これが私の基本的な姿勢でございます。したがいまして、忘れもしません、二期目の選挙のときに共産党から、品川区長はお金をためるのが趣味なんだと。そのお金は区の税金なんだから、区民のためにどしどし使えと、こういうふうな意見がございました。私はそれを我慢して金を使わずにためていたから、基金に積んでいたからこそ、現在の品川区があると私は確信をしております。

以上でございます。

地域振興部長(本間敏明君)

中小企業振興策に関しましての二点の再質問にお答え申し上げます。

まず、品川ブランドに対する考え方という再質問でございますが、台東区の皮製品のように最終製品を製造する業種の多い地域での地域ブランド、それから一般的な製品ブランドと同様に品川区のブランドを考えるということは無理な点があると、かよう考えております。

それから、二点目の墨田区並みに二%程度の予算規模に引き上げるべきではないかという再質問でございますが、二十三区中下位グループにいるというご指摘がございましたが、前にもご説明申し上げましたとおり、二十三区の産業経済費のうち、この職員費ですとか貸付金、それから勤労者共済会など第三セクターの委託費などを差し引きまして、同じ条件で産業振興に関する事業費を他区と比較いたしますと、全体の中では真ん中に位置をしてございます。しかし、行政規模ですとか産業規模の大小、これを考え合わせますと、上位の区と何ら遜色のない事業内容を展開していると、かよう認識をしている次第でございます。

以上でございます。

高齢者部長(新美まり君)

高齢者福祉手当に関し、ご質問の中の例に対する対応はどうかという点についての再質問でごさいますが、生活保護の関係も含めましてご質問のみでは事情が不明な点がごさいますので具体的にご相談をいただければ、保護課とともに十分ご相談に応じたいとぞんじますのでよろしくお願い申し上げます。

福祉部長(小沼毅君)

それでは、私の方から沢田議員の再質問に対しましてお答え申し上げます。

平成十年度版の厚生白書ではこういうようなことが言われてございます。読み上げてみますと、「子育てにおいて、愛情を持って子育てをする者の存在が必要なのであって、それは母親以外の者であることもあり得るし、母親を含む複数人であっても問題にすべきものではない」と。つまり、人が替わるとか替わらないということではございませんで、その処遇した者がいかに愛情を持って接するかということが情緒不安等を引き起こさない原因であると、このように考えてございます。

以上でございます。

以上

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