2000.06 鈴木 ひろ子 区議
一般質問項目
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日本共産党区議団を代表して一般質問を行います。
まず初めに、在宅介護サービスの利用料はすべて3%に軽減を、シルバー産業の独占の仕組みを改め、地元事業者に依拠した介護体制をについて質問します。
4月からスタートした介護保険、まだ3カ月経過したところですが、我が党が指摘した問題点が現実となって吹き出しています。当区議団はこの間、区民との懇談会や特養ホーム、支援センター、介護支援事業者、サービス事業者の訪問調査を行い、利用者、介護者、ケアマネージャーやヘルパーさんなどから切実な声をたくさん聞いてきました。2点に絞って質問し、改善を求めたいと思います。
まず第1は、利用料負担が重過ぎるために、今までのサービスを切り下げざるを得ない人がたくさん生まれている問題です。そして、こうした方々の多くが生活と健康を悪化させ、閉じこもりや家族介護への逆行を引き起こしています。
87歳の女性は要支援の判定でした。1人暮らしで慢性心不全があり、ヘルパーと訪問看護を利用していましたが、限度額を超えてしまうため訪問看護を週1回から2週に1回に減らしました。サービスは減らしても利用料はこれまで1,000円だったものが6,150円に、6倍の負担増です。この方は訪問看護をやめたため病状の変化を発見できず、心不全を悪化させ1カ月後とうとう入院し、今では重症になっています。75歳の男性は脳梗塞で身障2級、要介護4で老夫婦世帯です。訪問看護を週2回から最低必要な排便管理のみ1回に削り、楽しみにしていた車いす散歩、リハビリがなくなりました。その結果、1歩も外に出ることのない寝たきりの生活に逆戻りです。しかも利用料はこれまでの1,400円から12,300円の8倍以上の大幅な負担増となりました。
これらの事例は特別ではありません。区内のある支援事業者では、サービスを実際に切り下げた人が25%もいるというデータが出ています。これは制度の根幹にかかわる重大な問題です。
ケアマネージャーの方からは共通して、これまではその人にどんなサービスが必要かでプランを立てられていたのに、介護保険の導入でその人が利用料を幾ら払えるかでプランを立てざるを得なくなったと、厳しい批判が寄せられました。
また、利用者、介護者からは今までの方がよかった、貧乏人からどれだけお金を取れば気がすむんだ、お金のない人は死ねと言われているようだなど怒りの声がたくさん寄せられています。
品川区は介護保険でサービスを低下させないと繰り返し答弁してきましたが、ここに指摘したこうした実態をどうとらえているのでしょうか。私はサービスを低下させないためには、利用料負担の軽減がどうしても必要だと思います。
全国で独自の軽減措置をとっている自治体がふえています。都内でも港、渋谷、中央区など10を超える自治体が利用料3%の軽減措置をホームヘルプサービスの新規利用者まで拡大し、中央区や武蔵野市、三鷹市などではほかのサービスにまで拡大しています。
また、保険料の徴収が10月から実施されますが、利用料の重い負担に加えて保険料徴収が実施されればサービスを削らざるを得ない人がさらに拡大することが危惧されます。保険料徴収についても再検討が必要と考えます。
そこで質問します。
2つ目の問題は、ケアプラン作成と身体介護サービスを支援センターや大手のシルバー産業が独占し、地元中小業者には回さないというゆがんだ仕組みを改める問題です。
ケアプランの作成については、13カ所の介護支援センターが在宅サービス利用者3,800人の95%を行い、他の17カ所の支援事業者ではわずか5%という実態が明らかになりました。地元の中小業者からはおたくでプランを立ててほしいと頼みに来た方まで断らなければならないのはおかしい。港、大田、目黒、世田谷など他の区の利用者については私たち中小事業者が訪問調査からケアプランの作成までやっているのに、地元の品川区だけがケアプランも立てられない。利用者がサービスやケアマネージャーを選べるという介護保険の趣旨から言っても納得できないと怒りの声が寄せられました。
一方、支援センターではケアマネージャーの受け持ち人数が多いところでは100数十人にも及び、連日深夜までの労働、時には泊り込んでの作業になるなど超過密労働の実態が明らかになりました。これは厚生省が適正な受け持ち人数としている50人を大幅に超えています。ケアプランの作成は毎月行うもので、ケアマネージャーはそのためにも利用者の要望を十分に聞き、サービス業者との調整を図ることや利用者の状態の変化を正確に把握し、1人1人にきめ細かい対応が必要となります。過剰な受け持ち人数ではそれが不可能です。区民が安心して適切なサービスが受けられるためにも、現在の支援センターの独占体制を緊急に是正する必要があります。
訪問介護の介護報酬は1時間当たり家事型が1,530円、身体介護は4,020円と大きく差がつけられています。品川区は大手シルバー産業に介護報酬の高い身体介護を独占させる仕組みとしているために、地元事業者にはほとんど介護報酬の低い家事型介護しか回りません。
ある事業者は、家事型介護だけでは経営が成り立たないと率直に語っていました。このしわ寄せが現場で働くヘルパーさんの肩にも重くのしかかっています。あるヘルパーさんからは、介護保険になるからと資格を取ったのに、時給がそれまで1,540円だったのが1,050円に、約3分の2に削られてしまった。しかも働く時間が細切れで給料に計算されない移動時間ばかりがふえて、実収入は以前の約半分、全く生活設計が狂ってしまった。ひど過ぎるとの声が寄せられました。
家事型介護の低過ぎる介護報酬の上に品川区による大手シルバー産業への身体介護独占の仕組みが地元中小業者の経営を困難にさせ、そこで働くヘルパーさんの生活を圧迫しています。
そこで質問します。
次に、受験中心の教育を改め、子供の成長と発達に即した教育をの質問に移ります。
我が党はこれまでいじめや不登校、学級崩壊などの教育問題を繰り返し取り上げ、区教育委員会に是正や抜本的な対策を求めてきました。しかし、今日ではそれらの現象にとどまらず、凶悪な少年犯罪が続出し、全国に衝撃を与えています。
今、子供たちに何が起きているのでしょうか。名古屋市内で起きた中学生グループの5,000万円恐喝事件は約9カ月の間80回に及ぶ恐喝と過酷な暴力が繰り返されていました。被害者の少年や母親が学校や警察に相談に行ったのに、なぜもっと早くに解決できなかったのでしょうか。また、加害者の少年たちはなぜ過酷な暴力を加え続けたのか、良心の呵責を感じなかったのか、大金を使うことに違和感はなかったのでしょうか。今こそ日本の社会全体でこの問題を考え、学校教育のあり方や子供たちが健全に育つ環境に改善するよう取り組むべきと考えます。
まず、学校教育の問題はどうでしょうか。
学校は学問だけでなく、市民的道徳を教えるところでもあります。しかし、凶悪事件を起こした17歳という世代は小学校時代に既に学習のおくれがちな児童についての対策が学習指導要領から外され、受験第一の教育の対象にされてきたのです。例えば、九九を習っていない1年生なのに時刻の読み方が出てくるなど詰め込み教育の中、3割の子供がわかればいいとばかりに理解できなくてもどんどん授業が進められてきました。その結果、勉強がわかるようになりたいのに授業が苦痛、学校が楽しくない、行きたくないという子供たちを増やしてきたのです。
2年前に実施された国民の健康、スポーツに関する調査では、授業がわからず不安を感じると答えた子供は小学校6年生が47・7%、中学3年生で62・5%、高校3年生は52・1%と実に半数にのぼっています。これではストレスやイライラを抱えた子供がふえるのは当然です。しかも教師を減らしてきたために、十分に子供と接する時間がとれず、子供たちの心をつかめなくなっていることもこれらに拍車をかけているのではないでしょうか。
こうした実態に、国連子供の権利委員会は、日本の教育制度は極めて競争的であること、その結果、子供の身体的及び肉体的健康に否定的な影響を及ぼしていることに照らし、過度なストレス及び不登校を防止し、かつそれと戦うための適切な措置をとるよう日本政府に勧告しましたが、政府はこれを放置してきました。
さらに子供たちを取り巻く情報の問題もあります。日本ではテレビで暴力シーンやポルノ、戦争賛美など人間を粗末に扱う有害な番組がたくさんあり、1日に何回も放映されています。これらが子供の心をむしばんでいるのではないでしょうか。ヨーロッパやアメリカなどでは子供がテレビを見るであろう時間帯にはこうした有害な番組は放映しないよう自主的規制がされています。日本でも社会全体でこうした自主的ルールの確立が必要だと思います。
そこで質問します。
次に、中学校への選択制導入について質問します。
6月21日、品川区臨時教育委員会で小学校に引き続き来年度から中学校でも新1年生を対象に区立中学校全18校の中で入学する学校の選択制を実施することを決定しました。これまで我が党は学校選択制はいじめ、不登校の解決にはならない。むしろ受験中心の競争教育に拍車をかけていくことにつながり、学校と地域の共同を困難にさせていくと指摘し、見直しを求めてきました。
区長や区教育委員会は選択制によっていじめや不登校が解決するかのように繰り返し述べていました。ところが、4月24日のプラン21推進委員会の審議録を見ると、学校を選んで入学した後に学校が荒れて他の学校に移りたいと保護者が言った場合はどう対処するのかとの質問に対して、教育委員会は在校生は好ましくない、選択したら父兄も一緒になって学校をよくしていこうという力が働かないと学校はよくならないと回答し、選択制ではいじめや不登校の解決にはならないことをみずから認めています。
今回決定した中学校の選択制は全校を対象に選択を広げ、定員制を設け、それを超えて集中した場合には抽選で振り分けるとしています。選択できるとしながら、希望しても入れない子供がたくさん生まれることになり、親にとっても子供にとっても小学校では考えられないような影響と混乱が予想されます。しかも、中学校は受験が目前です。競争教育に一層拍車をかけることになるのではないかと心配されます。
小学校の選択制についても、学校現場での強い反対の声がありましたが、今回の中学校の選択制についても教職員組合が実施した全中学校教職員を対象にしたアンケートで8割の先生たちが反対の意向を示しています。学校の格差が生まれはしないか、学校と地域の連携がとれなくなる。受験競争に拍車がかかるなど不安の声がたくさん挙げられています。プラン21の推進委員会での審議は行われてきたようですが、子供と教育の問題は区民の重大な関心事であります。区民が自由に討論に参加できるような場をたくさん設けるなど子供たちのよりよい教育のために区民の共同を呼びかけていくことが大切ではないでしょうか。
そこで質問します。
以上をもちまして日本共産党を代表しての一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
鈴木ひろ子議員のご質問の在宅介護サービスにかかわるご質問のうち、初めに利用料及び保険料に関してお答え申し上げます。
まず、在宅介護の利用料をすべて3%に軽減をし、10月から保険料徴収の再検討を国に要望すべきとのご質問でございますが、ホームヘルプサービス利用者に対する3%の軽減措置及び高齢者保険料の特別措置は介護保険制度の円滑な実施のため、国の特別対策として決定をされ、本区においても議会の議決をいただき、既に実施をしているものでございまして、現段階において追加的な措置を要望する考えはございません。
次に、区独自に在宅介護サービスの利用料を3%に軽減すべきとのご質問でございますが、利用料の原則1割負担は介護保険制度の基本をなす部分でございますので、国の特別対策を基本に実施をし、区独自の対策は考えておりません。
なお、ホームヘルプサービスの軽減対象者につきましては、区として従前負担がなかった全利用者を3%に軽減をし、一定の配慮をしているところでございます。
次に、有害な情報から子供を守るための自主的なルールの確立についてのご質問でございますが、21世紀の担い手である青少年が心身ともに健やかで、人間性豊かに地域社会の一員として重んじられ、健全な環境の中で育成していくことはすべての区民の願いでございます。
しかしながら、地域の中には青少年の性的感情を刺激したり、残虐性を助長する有害な図書やビデオ、チラシ等がはんらんするなど地域環境の悪化が憂慮されております。
このような環境の改善を図るため、青少年対策地区委員会連合会では、有害図書やビデオ、性風俗ポスター等について区内全域にわたり店頭などにおいて環境実態調査を行い、現況の把握に努めますとともに、この調査結果をもとに各警察署長あて有害な図書やビデオなどの商品の取り締まりと販売やレンタルを行う業者に対する行政指導を強めるよう要請をいたしました。
また、地区委員会独自でも販売やレンタルを行う業者に対しまして、一般図書とは区分して陳列をする。レジの近くなどお店の方の目の届くところに置く。自動販売機では販売、レンタルはしないなど業者で自主ルールの確立について強く要請を行っているところでございます。
次に、青少年問題協議会、PTA等にも呼びかけ、区民とともに取り組んではとのお尋ねでございますが、区では青少年対策の総合的な推進と関係機関との連絡調整を図るため青少年問題協議会を設置をしておりますが、その重点目標の1つに青少年を取り巻く環境浄化運動の推進を掲げてございます。これを受けて青少年対策地区委員会では有害図書を未成年者に対し「売らない買わない読まない」の3ない運動の推進を決議をし、区内の各小中学校、各警察署、PTAや町会、自治会、地域健全育成運営協議会と協力をし、地域環境の浄化を推進するなど青少年の健全育成に努力をしてきているところでございます。
今後とも関係団体との連携を密にいたしまして、青少年が健全に成長できる環境づくりに努めてまいります。
その他の質問につきましては担当の部長からお答えを申し上げます。
それでは、私の方からは受験教育がいじめ、あるいは不登校等の要因になっているのではないかというご質問、それから、中学校の自由選択制についての、このご質問にお答えを申し上げます。
まず、今の受験教育といったものがいじめや不登校の要因になっているのではないかということでございますけれども、このいじめ、あるいは不登校といったような問題は家庭、学校、地域、そういったものの問題が複雑に絡み合っておりますので、個々のケースによりましてその要因はそれぞれ異なるということは、多くの研究機関からも既に報告をされているところでございまして、大変これは1つにだけ原因を求めるといったようなことはなかなか難しいことだろうと、こう考えております。
さらに、第15期中央教育審議会の答申にも示されているとおり、受験競争だけにその要因を求めることには無理があると考えております。
次に、物事の道理を身につけさせて命を大切にするような教育を推進したらということでございますが、この件につきましては、従来から教育委員会、そして学校はあらゆる教育活動を通じて規範意識の育成であるとか、あるいは自他の生命の尊重といったような教育をしているところでございます。また、この規範意識の育成であるとか生命尊重といったような心を育てるということは、学校、それから保護者、地域、それぞれが本来なすべき役割、あるいはその機能といったようなものを見直し、それを十分発揮する、そしてそこから相互に連携を図りながら子供たちを育ていく、こういうところから育ってくるものであろうと、このように考えているところでございます。
次に、中学校の選択自由化についてでございますが、これにつきましてはさきに築舘議員にご答弁を申し上げましたとおり、小中学校の通学区域の弾力かにつきましては、保護者のさまざまなニーズにこたえるために、学校の選択権を保護者の方々に持っていただくものでございます。
また、ことし3月に実施をいたしました保護者の方々へのアンケートでも4分の3の方々が学校選択を望んでおります。したがいまして、中学校の通学区域の弾力化を中止する考えはございません。
なお、実施に当たりまして、これは当然のことでありますが、施設的に制約がございますので、抽選に漏れた場合には補欠登録、そして指定校変更の制度で対応をしてまいります。
次に、教育をめぐりましてのシンポジウム等を通して議論を起こしたらというようなお尋ねでございますが、例えば、中学校の通学区域の弾力化につきましても、子供たちや保護者へのアンケート、さらには区政協力委員、あるいは区政モニターの方々から広く意見を求めております。したがいまして、シンポジウム等を開催することは考えてございません。
次に、学校施設の整備等につきましてですが、これまでもこの件に関しましてはその充実に努めてまいりました。子供たちがさらに豊かな教育環境の中で学習ができるよう、今後とも一層充実に努めてまいりたいと考えております。
また、30人学級についてでございますけれども、文部省の調査研究協力者会議の報告を見ますと、現行の40人学級を維持するということでございますので、その中で教育水準の向上に努めてまいりたいと思います。
最後に、部活動等につきまして、これまでも先生方の異動等によりまして指導が困難になった場合にはいろいろな手を講じております。これからも子供たちのニーズにこたえられるような学校教育の充実に努めていきたいと考えているところでございます。
私からは在宅介護サービスに関するご質問にお答えいたします。
ケアプラン作成と身体介護サービスを地元中小事業者にとのご質問でございますが、まず、ケアプラン作成につきましては、制度導入時において区内の在宅介護支援センターが担う趣旨につきましては、地元の事業者にも従来より説明し、理解をいただいているところでございます。
今後は民間訪問介護事業者等のケアプラン作成の体制等も踏まえ、必要な調整を行い、連携を強化してまいります。
また、訪問介護サービスにおける在宅介護支援センターに併設するヘルパーステーションを運営する5事業者と地元ホームヘルプ事業11社との役割分担につきましても、従前の家政婦紹介所を活用したホームヘルプサービスから、請負型のサービス提供、さらに介護保険による給付へと移行するこの間の経過の中で順次地元事業者にも一定の割合の身体介護サービスを担っていただいてきたところでございます。
この間、11社の地元事業者はケア協議会という自主的団体を結成しておりますが、区としてはこの協議会と情報交換や必要な調整などの支援を行い、地元事業者の育成にも配慮しております。今後さらに各事業者の体制を踏まえながら適切にサービスの調整をしてまいります。
次に、介護サービス従事者の賃金等の実態の調査に関するご質問ですが、これらは事業者側の問題であり、区として調査する考えはございません。区といたしましては、良質なサービスが提供されるようサービス向上の観点から事業者に対し対応をしてまいります。
自席より再質問させていただきます。それぞれご答弁ありがとうございました。
まず、介護保険の問題ですけれども、介護保険の導入で利用料の負担が重過ぎるために、これまでのサービスを減らさざるを得なかった、こういう方が我が党の全国の調査では15・3%にのぼる、こういうことが明らかになっています。品川では一体この利用料負担が重過ぎるためにサービスを低下させた、こういう方が何%になっているのか、把握されていたらお聞かせいただきたいと思います。また、把握していないようであれば、緊急に把握すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
それともう1つ、この問題で言えば、介護保険が導入されたことで新たに利用料と保険料が本当に区民の生活を圧迫しているという実態があると思うんです。特に住民税非課税の世帯ですとか、1人暮らしの年金暮らしの方がどんな生活をしているのか、こういう大変な生活を強いられている、こういう方の生活に対して区としてどうとらえているかということをお聞きしたいと思います。こういう方たちは本当に今までもぎりぎりの生活だったのが、それをさらに切り詰めて、電気代がかかるからテレビも見ない、また、食費もできるだけ安いものを探して買いながらおかずも減らしている、こんな実態になっているわけですけれども、こんな大変な実態というのを区として把握しているかどうか、このことをお聞きしたいと思います。
まず、この区民の大変な生活の実態をつかむということがまず第一に必要なんじゃないかなと思いますので、ぜひとも区民の実態に対しての調査を区として行っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
そして、国に対しては特別対策ということなので、これ以上利用料を3%に軽減ということは求めないというご答弁でしたけれども、国として在宅サービスの利用料をすべて3%に軽減するのに必要な金額というのは、厚生省の試算でも1,000億円ということで、我が党の質問の中で答えています。住民税非課税者であれば800億円でこれはできるわけです。今回、介護保険の導入で国が介護の費用を2,500億円削減しましたよね。これほど削減しているわけですから、やる気さえあればすぐにでもできることだと思うんですけれども、この区民の実態を考えてぜひとも国に対して改めて要望していただきたいと思います。
また、国がこの対策をとらないときに、区としても1割というのは制度の根幹だからやることは考えていないということですけれども、品川区独自で3%の軽減措置をとるのに必要な金額というのは1億9,000万円です。今回品川区でも区の方から出していただいた試算で介護の費用を今までよりも2億6,000万円減らしましたよね。こういうことを考えれば、本当に姿勢さえあればすぐにでも実行可能ということなので、ぜひとも区民がこれほど介護保険になったために減らしているという、こういう実態があるわけですから、改めてそういうことをなくするためにも軽減措置をとるということで検討していただきたいと思いますので、改めてお聞きしたいと思います。
それともう1つ、ケアプラン作成の問題ですけれども、事業者の方には一定の割合身体介護の方も回しているというご答弁でしたけれども、これは私たち各事業者それぞれのところ、ずっと実態を回って聞いてきました。この中では身体介護は1割ぐらいです。あと9割は家事型というふうな状況です。
それで事業者の労働条件なんかも、事業者側の問題だから区としては調査する考えはないということでしたけれども、事業者の実態と言っても、結局品川区のシステムとして介護報酬の高い身体介護を回さない。そのためにヘルパーさんたちの賃金がこれだけ3分の2ぐらいに減らされているという、こういう実態があるわけですから、これは本当に品川区のやり方としてヘルパーさんがこういう実態になっているということをわかっていただくためにも、ぜひとも調査はしていただきたいというふうに思います。
それと、きのうの朝日新聞でシルバー産業の最大手であるコムスンが事業所の4割、人員の3割削減に踏み切ったということで報道されていましたけれども、いろいろな部分で有利な大手でさえこんな状況があるわけですから、品川区の中小業者がケアプランも立てられない、介護報酬の安い家事型しか回らない、これでは本当に経営が大変だということは明らかだと思うんです。そういうところでぜひこの制度は仕組みは変えていただきたいと思いますし、また、大手シルバーに品川区は身体介護を丸々依存しているような状況ですけれども、コムスンのように大手が撤退するということになったらば、果たして大手に依存の品川区のやり方で区民の介護を守ることができるのかどうか、こういう問題も出てくるんじゃないかと思うんです。その区民の介護をきちんと保障していく、そういうためにもぜひ大手シルバーの優遇の仕組みを改めるべきというふうに思いますので、ぜひこのことに対して改めてご答弁をお願いします。
教育の問題ですが、30人学級についてなんですけども、文部省でも現行40人学級ということで文部省の調査研究協力者会議、この中で出されていますけれども、これは一律30人になったら約1兆円の財源が必要、この財政上の制約があって、苦肉の策でこういうふうに出さざるを得なかったというのが報道の中で出されていると思うんですね。
今回、改めて、こんな中でも5月19日の最終報告では都道府県の裁量で30人学級は実施が可能だということで、この研究協力者会議が提言をしているわけですから、改めて都に求めていただきたいと思います。
この30人学級、少人数学級というのがどれだけ学校の教育にとって有効かというところでは、先日、アメリカの教育長官が18人学級がどれだけ効果があるかということを言っていますし、また、専門家でも現場の声でも少人数学級というのが多くの声ですので、ぜひとも30人学級には求めていただきたいというふうに思います。
それと、あと学校の選択制なんですが、中学校まで実施することにした目的について、改めてお聞きしたいと思います。学校の選択制が本当にいじめや不登校、学級崩壊、こういう学校が抱える問題の解決につながると考えているかを……
鈴木ひろ子君にお伝えいたします。再質問ですので、簡潔にお願いいたします。
改めてお聞きして再質問としたいと思います。
介護サービスに関する再質問にお答えいたします。
1点目の介護保険導入後のケアプラン作成、介護サービス利用上、利用料の関係で利用を控えた方のパーセントでございますが、私どもとしては特段の把握はしてございません。
今後調査をということでございますが、品川区におきましては、これまでもご説明しましたとおり、個々の方々のケースに合わせて個別にご相談に乗り、サービスを調整できる体制を全区的にとっております。その中での個別のご相談に乗りながら、具体的に解決策をとっていくという体制でおりますので、調査をする考えはございません。
2点目の、利用料の3%軽減等の再質問につきましては、先ほどご答弁を申し上げたとおりの考え方でございます。
それから、3点目に地元のホームヘルプ事業者の方々の問題でございますが、私ども長年にわたってホームヘルプサービスにつきましては地元事業者の方々に依頼をする形でサービスを提供し、先ほどご答弁したような制度上のいろいろな変遷の中で今日に至っているわけでございます。地元の事業者の方々はそれぞれご自分の事業の経営について中長期的にお考えの上、事業を進めていただいているというふうに認識しておりますし、ケア協議会の場でそれぞれの事業者のご意向、要望、あるいは全体としての要望等も十分聞きながら相互理解の上で品川区のホームヘルプサービス体制をつくっているところでございますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
再質問にお答えいたします。
まず、少人数の件でありますけれども、これは何人ならばいい、何人ならばよくないという、こんな簡単になかなかいかない問題があります。さまざまな議論もありまして、これは一概に言えない部分もあるわけであります。いろいろなご指摘があるわけでありますけれども、先ほど議員もご指摘のとおり、これから国、都、さまざまなところでも動向を見守っていきたい、かように考えているところでございます。
それから、中学校の選択制がいじめ、いろいろな問題を解決しないんじゃないか、制度を入れれば状態が途端によくなると、こういう問題ではないわけでありまして、地域や学校や保護者が少しでも力を発揮しやすい、そういう制度の中から今ある課題をみんなで解決していこうと、こういう問題でありまして、制度をつくったからころっと事態がすべてよくなる、こんなことは全く考えてございません。
鈴木ひろ子君、再々質問ですので、簡略にお願いいたします。
介護保険ではぜひとも区民がどれだけ大変だということをつかんでいただきたいと思います。区民の大変な実態にぜひとも心を寄せていだたきたい。そこから改善の方針というのが出てくるのかなと思っています。介護が必要な人のためにできた介護保険であるにもかかわらず、介護保険ができたために介護が受けられなくなっている、こんな事態は絶対おかしいと思いますので、まず実態からつかんでいただくというところから、ぜひともやっていただいて、負担軽減の対策をとっていただくよう要望したいと思います。
あと、教育の問題では、学校の選択制がいじめや不登校の解決に即つながらないということでしたけれども、それどころか現在起こっている問題に拍車をかけるということになると思いますので、また、学校をよくしていこうという、地域の力を発揮するということで今おっしゃっていましたけれども、こういうことが地域の力を弱めるということにつながると思いますので、改めて中止をしていただきたいと要望して質問を終わりたいと思います。
以上で、鈴木ひろ子君の質問を終わります。
以上