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鈴木ひろ子区議01年第2回定例会
「介護保険」「特別養護老人ホーム」「学童保育」「新しい歴史教科書」

2000.06.28 鈴木 ひろ子 区議

一般質問項目

  1. 10月の介護保険料満額徴収を前に保険料・利用料の負担軽減を求める
  2. 特別養護老人ホームの増設は区民の願い
  3. 学童保育クラブの増設と、障害児に常勤の指導員の配置を求める
  4. 侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の見解を問う

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一般質問

日本共産党を代表して一般質問を行います。


10月の介護保険料満額徴収を前に保険料・利用料の負担軽減を求める

まずはじめに「10月の介護保険料満額徴収を前に保険料・利用料の負担軽減を求める」「特別養護老人ホームの増設は区民の願い」の2点について質問します。

第1点目は保険料・利用料の負担軽減についての質問です。

介護保険実施から1年余が経過し、特別養護老人ホームや老健など施設の不足、福祉現場の労働条件悪化など危惧されたさまざまな矛盾が浮きぼりになっています。とりわけ低所得の高齢者が保険料・利用料の負担が重過ぎるために十分なサービスを受けられないことが最大の問題です。さらに10月から65歳以上の保険料が満額徴収になれば保険料は2倍、年間では昨年の3倍となります。特に23区で一番高い品川区の保険料です。住民税非課税世帯・第2段階の高齢者夫婦の場合、昨年度の保険料は1万4850円だったものが今年度4万4550円、来年度は5万9400円となります。今年1月の医療改悪での大幅負担増、4月の年金改悪による収入減に続くものですから、高齢者の負担は耐えがたく、怒りと悲鳴が渦巻いています。ますますサービスを我慢せざるを得ない状況が広がるのではないかと心配です。

1年経った品川区のサービス利用の実態はどうなっているでしょうか。区は在宅サービスの伸びはほぼ順調と述べています。その理由に前年度対比でサービス総量が伸びていることをあげていますが、サービスを利用する人数そのものが増えているのですから総量が伸びるのは当然です。問題は区の計画に対してどうかです。計画を超えたのは唯一3%の経過措置のあるホームヘルプサービスのみ、他のサービスは軒並み計画を下回り6〜8割台という状況です。限度額に対する利用率は45〜46%で区の計画の55%より10%も下まわっています。他の自治体と比較しても、利用率を明らかにしている18区中10番目という低さです。これでどうして順調と言えるのでしょうか。

利用料負担がサービス利用を抑制していることは明らかです。あらためて利用料助成の拡大を求めるものです。

そこで質問します。

  1. 区が行う当面の対策として、ホームヘルプサービスの3%への軽減策を拡充し、新規利用者も含めて第2段階まですべてのサービス利用料を3%に引き下げることを求めます。都も利用料減免を検討するとしているので積極的に働きかけること、同時に国に対しても在宅サービスの利用料を住民税非課税者まで無料にするよう求めるべきと考えます。
  2. 区として行っている低所得者への保険料減額制度を第2段階(住民税非課税世帯)全員に拡大すること。同時に国に対して保険料満額徴収まえに住民税非課税者の保険料を免除する恒久的な対策を求めるべきと考えます。いかがでしょうか。

特別養護老人ホームの増設は区民の願い

次に特別養護老人ホームの増設問題について質問します。品川区の待機者は、昨年6月186人から今年2月には368人とちょうど2倍に膨れ上がっています。区は平成11年度とほぼ同じで待機者は増えていないとしています。しかし介護保険導入前区は、「今すぐ必要な人ばかりではなく将来の保障のためという方が多いために待機者が多くなっている」と説明し、制度導入の際に今すぐ必要な人に絞って受け付けて186人になったわけです。即対応を迫られる切実な方々ばかりが1年も経たないうちに368人にまで増えたわけですから事は重大です。ここで事例を紹介します。中延の方は夫が要介護1、妻は24時間在宅酸素の要介護4、娘さんが仕事をしながら2人をみきれないと夫が八王子の老健に入所して2年余がたちました。妻は2年間会うこともできない夫をなんとか区内の特養ホームに入れて生きているうちに会わせてほしいと懇願していました。しかし要介護1では入所の権利はあっても入所はきわめて困難というのが品川の現状です。つい先日、「夫に会いたい」と言う切ない願いも叶うことなく亡くなられました。特養ホームを申し込んでも入れない方が区内中にあふれています。入所を待っている間になくなられる方もたくさんいます。

他区の状況を見ると、13年度に特養ホームの開設を予定している区は23区中13区に上り、合計1867ベッドとなっています。品川区の区内特養ホームのベッド数は高齢者人口対比でみても23区中9番目。もはやトップクラスとは言えません。

区は在宅重視といいますが、在宅で特養ホームに匹敵するサービス、例えば、3度の食事、週3回の入浴、24時間の介護などを受けようとすれば膨大な自己負担が必要です。今の在宅サービスでは特養ホームの代わりにはなりません。

区は特養ホームの建設は行わないとしていますが、どんどん膨れ上がる待機者しかも待ったなしのこの状況をどう解決するつもりでしょうか。16年度西五反田に開設予定のケアホームは利用料が月20〜29万円です。品川区の高齢者の8割を超える方は年間所得が250万円以下。圧倒的多くの方にとってケアホームは高嶺の花という状況です。ケアホームだけでは根本的な解決策にならないことは明らかです。

そこで質問します。

  1. 増えつづける特別養護老人ホームの待機者の対する根本的な対応をどう考えているのか。
  2. 特別養護老人ホームを増設すべきと考えますがいかがでしょうか。

学童保育クラブの増設と、障害児に常勤の指導員の配置を求める

次に「学童保育クラブの増設と、障害児に常勤の指導員の配置を求める」を質問します

少子化で子どもの数は減っていますが、児童センター、学童保育ともに大幅な利用増になっています。経済不況の影響で、パート労働に出る母親が増加、小学生の母親のうち5割が就労しています。また、母子家庭・父子家庭の増加も要因になっています。益々需要が高まる学童保育クラブについて2点質問をします。

1点目は、学童保育クラブの増設問題です。

品川区も、2001年4月には、39学童のうち、6割にあたる23学童が定員を超えている状況です。父母より「日々生活をする育成室のスペースが狭く、生活環境が悪化している」との訴えがあり、複数の学童を調査してきました。西中延学童では、14畳の畳のスペースに、51人の子どもたちがひしめきあい、おやつを食べていました。不特定多数の子どもたちが遊びにくる児童センターの中で、育成室は、子どもたちが学校から帰り、ランドセルを置きホッとする家庭に代わる場所です。時には体を横にし休息をとる、子どもたちになくてはならないスペースです。これから暑い夏がやってくるのに、狭いところでクーラーもなく、どのように過ごせばいいのでしょうか。6月中旬でしたが、すでに室温は、28度に達していました。課長は、昨年、私の質問に対し、「育成室のクーラーも、優先課題を整理したうえで、今後検討したい」と答弁されました。環境悪化の下、クーラー設置を早急にお願いしますが、いかがでしょうか。

次に学童の専用室についてですが、厚生労働省は今年3月の課長会で「子ども1人当たり畳1枚(1.65平方メートル)が横になって休んだりするのに必要な広さ」と基本的な考えを示しています。品川の実態は深刻です。北品川学童は、今年度東海学童が閉鎖されたため、定員の156%受け入れ、子ども1人当たり0.7平方メートル。宮前学童は143%で1人当たり0.8平方メートルです。前に述べた西中延学童では畳1枚に子ども3人〜4人と劣悪な環境です。この状態をどうとらえているのでしょうか。利用が益々増える中、定員を超える詰め込みでは事故さえも心配されます。東中延学童が休館してから、特に中延・荏原地域は、定員超過が著しくなっています。需要を調査して、必要なところに増設を求めます。

2点目は、「障害児に常勤指導員の配置を求める」です。

3年前児童センターと学童保育の一体化運営が行われ、障害児担当は全て非常勤職員になりました。常勤職員が削減されたことも合わせて、障害児保育に大きく影響しています。障害児の受け入れは、認定されただけでも56人となっています。障害児等育成実施要綱が変更されたこともあり「通常の保護育成が可能と判断され」、障害児学級に通っていても認定をはずされたケース、認定されていても職員配置がされていないケース、1館に4人から5人も受け入れているケースなど増えています。定員超過の中で障害児1人1人に手が掛けられず、置き去りにされている状況が明らかになりました。子どもたちの様子を伝えます。自閉傾向のA君は、多動ですぐに外に出ようとするので目が離せず、指導員は常に追い駆け緊張して見ているのが精一杯。「あれもだめ、これもだめ」禁止の言葉が多くなり、落ち着いて何かをやろうと言う時間もゆとりもないと言います。ダウン症のB君は、言葉が出ないので自分から友だちとの係わりが持てず、大人が援助できないと1人うろうろしていて身の置き所がありません。指導員の丁寧な援助があってこそ、A君・B君の「大きくなりたい、成長したい」要求をかなえることができるのではないでしょうか。担当者は、障害の内容を含めその子どもを理解し、家族も含め援助する役割があります。だからこそ常勤職員の配置を求めているのです。

非常勤職員が、障害児のために、がんばって対応していることは十分評価しています。しかし、資格・経験は問われず、1年限りの雇用契約のため、生活の見通しは立たず、働き続ける保障はありません。子どものことを理解する為の研修や、打ち合わせの時間もないまま、保育にあたっています。個人の意欲・努力にも限界があります。非常勤職員の待遇改善を求めます。常勤よりも多くの非常勤を配置していることからも人手が必要なことは明らかです。専門性と経験豊かな常勤職員の計画的配置を求めます。

そこで質問します

  1. 学童保育クラブの育成室にクーラーの設置を求めます。また必要な場所に、学童保育クラブの増設を求めます。お考えをお聞かせください。
  2. 障害児の発達を保障するため、常勤職員を配置してください。

侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の見解を問う

最後に「侵略戦争を美化する『新しい歴史教科書をつくる会』の教科書の見解を問う」について質問いたします。

「新しい歴史教科書をつくる会」が、侵略戦争を正当化した教科書をつくったこと、政府が検定を合格させたこと、に対し国内外から大きな批判が広がっています。

21世紀を切り開いていく子どもたちを育てる教科書は、憲法と教育基本法の精神にのっとって編成されるべきです。憲法前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して…」と明記、そして教育基本法は、「真理と平和を希求する人間の育成を期すること」を求めています。

ここで「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書について問題点を述べます。

「つくる会」の教科書は、侵略戦争の反省もなく歴史の事実をゆがめています。この教科書は137件もの検定意見がついた前代未聞の内容となっています。

「つくる会」は「検定に合格したのだから何も問題はない」としていますが、本当に問題がないのでしょうか。検定後の問題点について述べます。

まず、1910年の韓国併合についてです。日露戦争後、日本の植民地政策など併合への過程は全く書かれず、しかも、「日本政府は韓国の併合が日本の安全と満州の権益を防衛するために必要であると考えた」との記述を残しています。さらに併合後「鉄道、灌漑施設を整えるなどの開発を行った」との記述が付け加えられ、日本による植民地政策を美化しその過ちを後景に退かせています。

この教科書は、アジア・太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んでいます。この呼称は、太平洋戦争開始の四日後、1941年12月12日、政府閣議で、「大東亜新秩序建設を目的とする戦争」――日本を盟主としてアジア諸国を支配下におく大東亜共栄圏づくりが戦争目的であることを表現する呼称として決定されたものです。ここでも侵略戦争としての反省がありません。

「南京大虐殺」については南京事件の記述の後「日本軍によって民衆にも多数の死傷者がでた」とだけ書き加えた。そして東京裁判の叙述では「南京事件の実態については様々な見解があり、今日でも論争が続いている」としています。ここには「南京大虐殺」について1993年の、日本政府の官房長官談話で「日本軍の関与」を認めており、国連人権委員会の報告でも認められた国際的にも確定した事実です。

また、「従軍慰安婦」の強制についての記述は一言もありません。

これらを見ると「つくる会」の教科書は、侵略戦争を賛美していることは明らかです。憲法の恒久平和の立場は微塵もなく戦争のできる国づくりを目的にしていることは明瞭です。日本の侵略と植民地支配がアジア諸国の人々に多大の犠牲と苦痛を与えたことは歴史的事実であります。「つくる会」の教科書は教科書としてふさわしいとは到底いえません。

また、国内外からも、厳しい批判が出されています。

毎日新聞は4月4日付社説で、「中学生が学ぶのにふさわしくないため、教科書として優れているとは評価しがたい」と述べ、「日本を美化し、特に近現代史における日本の行動をやむを得なかった、と正当化している」と批判しています。

本日の朝日新聞社説は「つくる会」の教科書について「過去と対話する歴史を」の見出しで、「この地球では、どの国も一国だけでは生きていけません。未来を担う世代は過去と、そしてほかの国々と対話を重ねることが大切ではないでしょうか。それを促すのが教科書であって欲しい、と思うのです」と述べています。

近隣諸国からは、中国教育省をはじめ、シンガポールやマレーシアのマスコミ、韓国内の59団体など各界各層から痛烈な批判が相次いでいます。

次に、教科書を採択するにあたっての問題点にうつります。

平成12年4月1日付けで制定された「品川区立小・中学校使用教科用図書採択要綱」には、教科書を教材として使用する教師の意見を反映する仕組みが全くありません。教員はもちろんのこと区民や子どもの意見を聞く場がないことは大きな問題といえます。

教科書の選定にあたっては、子どもたちの姿を把握し、その地域の特性をつかみながら一番合うものを選択することが大事であり、教育の第一線に立つ教師の意見を聞くことは何よりも大事なことではないでしょうか。

日本も賛成をしたユネスコ・ILO「教員の地位に関する勧告」には、教員は「教科書の選択ならびに教育方法の適用にあたって、不可欠の役割を与えられたものとする」とされております。また、1997年3月の閣議決定では「多くの教員の意向が反映されるよう」都道府県の取り組みを促しています。区の要領には「学校票もしくはそれに類するアンケート調査は行わない」としています。これは、明白なILOや閣議決定違反です。

中野区では「採択指針」の中に「意見聴取の方法」の項を起こし区民、学校、児童生徒からの意見を聴取することを明確にしています。教科書展示場から意見や手紙、FAX、電子メールを送れるようになっていますし、児童生徒には教師からの聞き取りなども含むいろいろな方法で意見を聞いています。採択にあたって教師はもちろん、中野区のように区民や子どもの意見も聞く場を持つよう強く要望し、質問します。

  1. 「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書は、子どもたちに歴史の事実を伝えていません。教科書としてふさわしいといえるのか、教育委員会としての見解を求めます。
  2. 区教育委員会の教科書採択にあたっては、教師や子ども、区民の意見を聞く場を確保すべきだと考えるがいかがか。

答弁

区長(高橋久二君)

鈴木ひろ子議員のご質問にお答えを申し上げます。

介護保険制度による利用料、保険料および特別養護老人ホームに関するご質問でございますが、まず在宅サービスの利用料の負担軽減についてでございますが、制度導入前の平成11年度の利用実績に比較しますと、ホームヘルプは時間にして1・66倍、デイサービスは延べ利用者数で1・22倍、ショートステイも利用日数に1・23倍、訪問入浴は利用者数が1・35倍と訪問介護を除き、各サービスとも利用人数、サービス量とも増加をしてございます。とりわけホームヘルプにつきましては、新規に利用開始をされる方が月平均130人にのぼっております。

以上のような状況から、必ずしも利用料負担がサービス量を抑制しているとは言えない状況と認識をしてございます。したがいまして、ご質問の在宅サービス利用料の無料化、軽減等については区の実施は当然でございますが、国、都への要望は現在考えておりません。

次に、国に住民税非課税者の保険料の免除に関する恒久的な対策をとるように求めるべきとのお尋ねでございますが、介護保険料は社会全体の介護を支える仕組みでございまして、高齢者の生活実態もさまざまな中で、個々の状況を考慮せず、住民非課税であるということで一律に保険料の免除を行うことは制度の趣旨にも反することとなります。

また、区として行う予定の低所得者への保険料減額を第2段階全員に拡大することも同様でございます。したがいまして、区における実施および国、都への要望を行うことは当面考えてございません。

次に、特別養護老人ホームの待機者および増設についてのご質問にお答えを申し上げます。

待機者についてでございますが、ご質問にあります待機者数の差は昨年6月の時点については3カ月間、本年3月分は6カ月間と申し込み期間の差によるものでございまして、希望が2倍に増えたわけではございません。特別養護老人ホームの入所希望者は平成11年度が381人に対しまして、平成13年3月時点では368人と微減となっております。

以上のように、品川区における特別養護老人ホームの入所希望者は、入所調整システムをとることによりまして、大幅な増加とはなってきておりません。したがいまして、特別養護老人ホームの希望者への対応につきましては、今後とも希望の実態に即した適切な入所調整を行うことで対処してまいります。

最後に、特別養護老人ホームの増設でございますが、特別養護老人ホームにつきましては、これまでの計画的な整備により現時点での必要量はおおむね確保できているものと考えております。今後の要保護者の増加に対応する施設の整備につきましては、入所施設の選択肢の幅を広げる上からも、従来型の特別養護老人ホームではない新たなタイプの施設整備について検討してまいります。

その他の質問につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。

教育長(若月秀夫君)

私からは、初めに新しい歴史教科書をつくる会の教科書についてお答えを申し上げます。

我が国には教科書検定制度がありまして、文部科学省の検定を通った教科書はすべて採択の対象となることは議員もご承知のことと存じます。教科書の検定は文部科学省において学習指導要領の趣旨に基づき、さまざまな検定基準で厳正に実施されるものであります。したがいまして、検定を通った教科書はすべて採択の対象になるものと理解をしております。

次に、教科書採択に当たって教師や子どもの意見を聞く場を確保すべきとのご質問ですが、本区では総勢150名以上の教員で組織をします教科書研究会を設け、詳細に各教科書を研究しております。そしてその結果を20名の校長と2名の学識経験者および4名の保護者からなる教科書調査検討委員会に報告し、そこでもさらに研究協議を重ねているところです。

このように、日々子どもたちと接し、子どもたちの実態や考え方をよく理解している教員や保護者が教科書について検討したり、調査資料を作成したりしておりますので、議員ご指摘の点については十分対応していると認識をしております。

福祉事業部長(小沼毅君)

私からは、鈴木議員のお尋ねのうち、学童クラブの増設と障害児に常勤指導員の配置をついてのご質問にお答えいたします。

初めに、育成室のクーラーのお尋ねですが、現在、単独の学童保育クラブは全クラブに、児童センターと併設の学童保育クラブには4クラブに設置しており、育成室にクーラーが設置されていない18クラブにつきましては、状況に応じてクーラーが設置されている図書室やクラブ室、集会室などの部屋を活用しながら児童の健全育成を行っております。

現在、クーラーの画一的な整備計画はありませんが、児童センターの大規模改修などの際におきまして、施設状況を勘案しながらクーラーの設置も行っているところです。

次に、学童保育クラブの増設についてのお尋ねですが、現行の入会システムは定員を超える入会申請があった場合には保護者の希望に沿いながら、かつ児童の健全育成を損なわない範囲で定員の枠を超えて受け入れる弾力的な対応をしております。その結果、平成13年4月1日現在、全39クラブのうち17クラブで定員の1割を超える児童を受け入れている一方で、15クラブで定員を下回っている状況があるのが現状でございます。

毎年の入会児童数は社会経済状況の変化や地域特性などによりまして年度ごとに変動し、需給予測を見極めるのは困難でございますけれども、定員を大幅に上回るクラブにおいては、施設の改善や近隣の余裕のあるクラブへの入会調整などを行いますので、現時点で増設する考えはありません。

次に、障害児の受け入れに伴う常勤職員の配置についてのお尋ねですが、平成10年度に児童センターの職員配置基準見直し、3年間が経過したところでございます。今後も放課後の短時間の育成には非常勤職員を、また学校休業期間の1日を通した育成にはアルバイト職を活用しながら児童の健全育成と効率的な運営に努めてまいります。


再質問

鈴木ひろ子君

自席から再質問させていただきます。

まず、介護保険についてなんですが、サービスは前年度対比で伸びているというふうなことなんですけど、これは先ほど私が発言したところでも言いましたけれども、利用する方々が伸びているわけですから、当然それが伸びるというのは当然だと思うんです。品川区が計画をして、それに対して保険料も出てきているわけですから、計画に対してどうかというところが一番大事なところだと思うんですけれども、計画に対して実際これだけそこまで到達していないという、そういうふうな状況についてどういうふうに見ているのかについて、改めてお聞きしたいと思います。

それともう1つ、特養ホームについてですけれども、これも微減ということで、今、区長さんの方から言われましたけれども、これも先ほど言いましたように、区の方がこの381人という人数は申し込んでも実際に入れるよというふうに通知したときには断る方がすごく多いというふうなことで、そういう将来の保障のためということで申し込んでいる人が多いからこんな人数になっているんだということをずっと説明をし続けてきたわけです。それを今は本当にどうしても必要だという方しか受け付けないという厳しい基準にして、なおかつどんどん増え続けているというのが今のこの実数だというところに、本当に大事な重大な問題があるというふうなところだと思うんです。

年間に大体特養ホームに入れるのが150人から160人というふうに言われていますので、368人というと、その200人の方が本当に切実な方々ばかりだと思うんですけれども、今も事例に上げましたけれども、それだけでなくて本当に切実な方ばかりのそれの200人、入れない200人をどうしようと考えているのかということについて、改めてお聞きしたいと思います。

それと学童保育クラブの問題についてに移りますけれども、クーラーの問題では他の部屋を活用してということで言われましたけれども、他の部屋には大分つけていただいたという経過があって、それはそれで本当にありがたいことだと思っています。しかし、その他の部屋というのは児童センターに遊びに来た子どもたちが全部使っている部屋なわけです。そこの他の部屋を使って食事をしたり、学童保育クラブの子どもたちがお昼ご飯を食べたり、また、そこで宿題をやったりというふうに使える部屋ではないわけです。その部屋がクーラーがついていない、しかも先ほど言いましたように、例えば14畳の部屋に51人です。これには本当に驚いたわけなんですけれども、こういう状況をそのまま置いておいていいのかということだと思うんです。画一的な整備計画はないということで、大幅な改修をしなければ、改修をするときにしかつけられないというご答弁でしたけれども、本当にことしもまた暑い夏がこれからやってくるわけですから、一刻も早くこのクーラーを育成室に優先してつけていただきたいということを、改めてお聞きしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

それともう1つ、障害児の常勤職員についてなんですけれども、この非常勤の今の労働条件というか、その待遇改善についてもかなり大変な状況にあるという、個人個人の努力では限界だというふうな状況にあるというところで、せめてこの非常勤職員の方の障害児に当たる方の研修、あるいはみんなで話し合う時間を保障するという打ち合わせの時間を保障する。こういうところだけでも改善していただけないかというふうに思うんですけれども、この点についてお聞きしたいと思います。

それと、最後の教科書問題ですけれども、私もこの教科書の展示、この間品川図書館に行って見てまいりました。改めてこのつくる会の教科書とほかの教科書を見比べたときに、いかにつくる会の教科書が異質なものかというのを、比べると本当によくわかるというのは、私は改めてびっくりしたわけなんですけれども、親の立場として我が子にこんな教科書で教育してほしくないというのを本当に強く思った次第なんです。見に行った方はそういう意見をたくさん私も聞いているわけなんですけれども、ぜひそこのところにも、見に行っても実際にそこでアンケートもなければ感想を書く場もないわけですから、そこのところに親や区民がアンケートや意見を述べる場をぜひつくっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

それともう1つ、この教科書に一貫して流れているのは戦争賛美だと思うんです。そこのところで区教育委員会として、アジア太平洋戦争について、これは侵略の戦争であったという立場で教えるのかどうなのか、このことについて改めてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。


再答弁

保健高齢事業部長(新美まり君)

介護保険に関する再質問2点お答えいたします。

まず、第1点目が事業計画の数値との比較でどうかというお話でございますが、誤解がないようにちょっとこちらを述べさせていただきますが、介護保険事業計画で数量を出しておりますのは、あくまで供給量の見込みということでございます。そういう意味では供給体制をここまでは確保する、そこまで使ってもいい形で給付費を算定するという、そういった数字でございます。

ホームヘルプサービスにつきましては、ソフト型のサービスでございますが、12年度末で計画に対しましての対比率で言いますと1118%になります。一方、デイサービスにつきましては利用人員ベースで92%でございます。この92%が高いか低いかということは、100は定員ベースでの供給量でございますので、当然定員以内で実際に利用することになりますので、そういう意味では92というのはかなり高い利用率というふうに言えるかと思います。

以上、そのような性格だということを、ぜひご理解いただきまして、具体的にそれぞれについてどうであるのかということをチェックをお願いしたいということでございます。

2点目の、特別養護老人ホームにつきましての希望者数でございますが、ただいまご質問に、あたかも12年度以降、希望の受け付けを厳しくしたかのようなご質問内容でございましたが、そういうことはございません。基本的に在宅サービスをかならずつなぐという努力を意識的にやっておりますけれども、希望される方については全員受け付けをし、審査会の中では優先度につきまして一定の基準のもとに必要度の高い方から低い方という形で優先度を審査しているものでございます。したがいまして、現在におきましても実際にお声をかけて、もう少し頑張るという方も当然中には入っていらっしゃる状況でございます。

というふうなこともございました昨年3回調整会議をやりましたが、ご通知を申し上げ、入所調整の運営をしてまいりまして、現時点で大きな苦情をいただいているということはございませんので、私どもこの新しいシステムのさらなる改善とよりよい運営に今後とも努めていく所存でございますので、よろしくお願いいたします。

教育長(若月秀夫君)

鈴木ひろ子議員の再質問にお答えをいたします。

まず、歴史教科書でありますけれども、これはもういろいろな方がいろいろな教科書をお読みになりまして、お持ちになる感想はこれは全くご自由でございます。また、この歴史というものの事実に対しての考え方というものも、現在さまざまな考え方があるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、文部科学省の検定を通った教科書については、本教育委員会としては粛々としてその採択の事務に当たっていきたいと、こう考えているところでございます。

また、展示会等においてアンケートをというようなご質問でございました。これも先ほどお答えをいたしましたように、本区におきましてさまざまな検討委員会、研究会をつくりまして、そうした実態に応じた声というものを聞くシステムがございます。展示会には展示会の目的がありまして、これからもこの展示会においてアンケート等をとるという考えは持ってございません。

福祉事業部長(小沼毅君)

私からは、鈴木議員よりの再質問2点ございましたけれども、ついてお答え申し上げます。

前後しますけれど、まず非常勤職員の方の話し合い等の問題でございますけれども、これは現在の雇用状況等を見ますと、少なくとも話し合うとか、その処遇の状況、あるいはそのお子さんの今抱えている課題なり問題なり、これは常勤、非常勤問わず、その中でチームを組むなり、あるいは工夫しますから、少なくともあるはずでございます。そういう点では、私の方も今後この辺のところは誤解のないような形で現場を指導していくようにしたいと思います。

それから、初めのクーラーの関係でございますけれども、具体的なところで14畳の部屋で云々という、51名というお話が出ましたけれども、これがおやつの時間帯のことが1つあろうかと思います。おやつというのは、ある時間帯を決めまして、今のやり方ですと、そこの部屋に集まりまして集団で食べるという状況でございますので、それがすめばあとそれぞれの部屋に分散していく、あるいは流れていくと。こういうことが1点ございます。

それと、もう1つはクーラー設置についての考え方でございますけれども、これは先ほど私の方で画一的に云々ということを申し上げましたけれども、最近言われていますのは、子どもの汗腺機能の衰えであるとか、自律神経性の問題だというようなことが多々言われてきてございます。そういうことも踏まえまして、私どもは施設状況なり、それから、ほかの諸状況等を勘案して弾力的に対応したいということでございますので、重ねての答弁になりますけれども、画一的にクーラー設置という考えは現在持ってございません。


再々質問

鈴木ひろ子君

介護保険の問題については、やはり利用料が高くて、なかなかサービスが受けられないというのは各種の世論調査、それから、いろいろな調査の中で明らかになっていることですから、そしてさらに、これについては保険料がことしの10月からは倍額徴収になるわけですから、それが本当に低所得者にとっては死活問題になりますので、区民からすれば倍額徴収ということです。今まで1回も全額とられたことがないわけですから、区民からすれば倍額徴収というのが実態です。

そして、そういうところで言えば減免制度の拡充というのは区民の切実な願いですから、改めてこのことについては要望したいと思います。

あと、特別養護老人ホームについてですけれども、大きな苦情は受け付けていないというところに私は驚いたんですが、私たちの周りにも本当に切実な方が、皆さんもそうじゃないかと思うんですが、本当に大変な方がどうして入れないだという方があふれているのが実態だと思うんです。そのことに対して、それでは切実な方は入れて、入れていない方は切実ではない状況だ、まだ待てる状況だというふうに区はとらえているのかどうか、そのことについて1つお聞きしたいと思います。

そして介護保険というのは保険料を払うかわりにサービスを選択できる、選ぶ権利があるということで導入された制度です。しかし、保険料はとりながらサービスは基盤がないために受けられない、選ぶことができないという状況になっているのが今の状況ですから、そしてそれをまた解消する計画も持ってないということでは、区民は本当に希望が持てないと思うんです。特別養護老人ホームを申し込んで切実な状況であるにもかかわらず、入れない方は希望が持てないし、これでは契約違反ということになるんじゃないかと思いますので、改めてこのことについてお答えいただきたいと思います。

それと、あともう1つ、学童クラブでは本当にクーラーの問題ではおやつのときだけで、あとはいいんだということでおっしゃいましたけども、おやつだけじゃなくて食事もそうなんです。1畳の畳みに3人も4人も座って食事もとり、宿題もやり、おやつも食べるというような状況になっているわけですから、これは改めて私たちの暑いときにクーラーがないというのを考えれば、これは切実さはわかると思うんですけれども、改めて区の温かいご配慮をお願いしたいと思います。

それと、先ほど非常勤職員の研修についての答弁がありませんでしたので、この答弁について、改めてお聞きしたいと思います。

それと、教科書問題では、これもアジア太平洋戦争を侵略ということで教えるのかどうなのかということについての答弁がありませんでしたので、これについてもお聞きしたいと思います。

それともう1つ、たくさんの方から、先生からも区民からも親からも意見を聞いているということなんですけれども、これは区が決められた人だけからの意見なんですね。委員会にしてもそうです。そして、先生の意見も区民の意見も親の意見も、区が決めた人だけでなくて、もっと広く意見をとるということで、ぜひそういう機会をつくっていただきたいという要望を申し上げたいと思います。

再質問についての答弁、よろしくお願いいたします。


再々答弁

保健高齢事業部長(新美まり君)

特別養護老人ホームの入所希望についての再々質問についてお答えをいたします。

措置制度から介護保険制度にかわりまして、私どもとしましても特別養護老人ホームの入所につきましては可能な限り在宅から施設へという流れをきちんとつくる。従来はともすれば在宅は在宅、施設は施設と切り離したサービス対応という側面がなきにしもあらずでございましたので、これを機に入所調整システムということを含めて在宅を活用し、必要の高い方から施設へということで、現在、入所調整システムを運営しているところでございます。今年度は1年の実施を踏まえまして、必要な改善等を具体的に検討していきたいと思っておりますので、ご質問にありますようなことは私どもとしてはないというふうに認識しております。

また、サービスの選択ということから申し上げますと、先ほどご答弁申し上げましたように、入所施設についての新たなタイプをつくることで、同じ介護入所施設についての選択の幅を広げていきたいというのが品川区の現在の考え方でございます。

教育長(若月秀夫君)

再々質問にお答えを申し上げます。

歴史の教科書の検定というものに当たりまして、国の方では、国は特定の歴史の認識であるとか歴史事実等を確定する立場で行っていないというのが文部科学省の立場であります。したがいまして、本区においてもその立場にのっとって採択を進めていきたいと考えております。

福祉事業部長(小沼毅君)

私からは再々質問にお答え申し上げます。

クーラーでございますが、再度申し上げますと、画一的な対応は考えておりません。

それから、研修云々でございますけれども、これは先ほど申し上げましたけど、処遇問題等についていろいろ話し合うこと。つまりオンザ・ジョブ・トレーニング、これも立派な研修でございます。職務を通じての研修ということで対処しているつもりでございます。

以上

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