2001.09.20 南 恵子 区議
一般質問項目
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日本共産党を代表し、以下3点にわたり一般質問を行います。
まず質問に先立って、9月11日に米国で起きた同時多発テロについて述べさせていただきます。
初めに、無謀なテロのため亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。今回の同時多発テロは、多数の市民の命を無差別に奪う史上例を見ない蛮行で、絶対に許されません。卑劣なテロ行為は米国への攻撃にとどまらず、国際社会全体に対する攻撃であり、世界の法と秩序に対する攻撃です。我が党はテロを強く糾弾します。
一方、米国は大規模な報復の準備を進めています。小泉内閣も医療・輸送・補給活動の目的で自衛隊の派遣を決めました。これは周辺事態法制定の際、インド洋への派遣は考えられないとした政府答弁を覆すものです。軍事力でテロに報復することは多数の市民を犠牲にし、大規模な惨害をもたらすことになり、武力行使とテロの悪循環を招く危険があります。我が党は、テロ根絶のためには軍事力による報復ではなく、国連が中心になって国際法に基づき、実行犯および支援者を厳正に処罰するために、可能なあらゆる努力を尽くすべきと考えます。
さて、第1のアジア・太平洋戦争を正当化してはならない。区長の侵略戦争の見解を問うの質問をいたします。
今年の夏は、アジア・太平洋戦争について熱い議論がありました。その発端は「アジア解放のための正しい戦争だった」「自存自衛のための戦争だった」と、侵略戦争を正当化する教科書を検定合格させた教科書問題、そして、小泉首相のA級戦犯を祭る靖国神社参拝を強行したことが発端となりました。憲法の前文の冒頭には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と述べているように、戦後の政治の原点は、日本政府が起こしたあの侵略戦争の痛烈な反省をすることから始まっています。2つの問題は、これを根本から覆すものと言えます。
私はまず、アジア・太平洋戦争は「つくる会」や靖国神社が主張するように、アジアを解放するための戦争だったのかどうかについて述べます。一昨日の9月18日は、日本軍が中国東北部に駐留した、日本軍がみずから引き起こした鉄道爆破を中国軍のしわざだとして攻撃した、柳条溝事件のちょうど70周年目に当たります。
日本は、これを口火に中国東北部に侵略しました。「満州の権益を守るため」という口実で、中国全土、さらに東南アジア全体へと侵略を拡大していったのです。日本軍の侵略は中国、韓国を初め、アジア各地で2000万人の命を奪う大きな惨禍をもたらしました。このほかにも、国際的にも問題となった従軍慰安婦や731部隊の細菌人体実験まで起こしました。これが正しい戦争と言えるのでしょうか。シンガポールの新聞「聡合早報」は、日本政府について「歴史の責任を次の世代に引き継がせた上、次の世代が引き続き歴史につきまとわれた上、隣国の同世代の人たちと争うように導いている」と述べています。
朝鮮半島への韓国併合も重大です。日露戦争の1910年、日本は韓国に総監府を置き、陸海軍を大規模に動員して戒厳令を敷いた上で韓国併合、日本の植民地としました。これに抵抗した者は容赦なく虐殺。朝鮮では日本語や日本の姓名をつけることまで強要したではありませんか。韓国が歴史教科書に対して歴史の歪曲であり、繰り返し修正を求めることは当然であります。
ここで、靖国神社参拝について述べます。まず小泉首相は、靖国神社参拝を「熟慮を重ねた」として8月13日に強行しました。言うまでもなく靖国神社とは、天皇のための名誉の戦死をした人々を英霊として祭るという、侵略戦争と軍国主義を推進する精神的シンボルでした。これは紛れもない歴史の事実です。靖国神社自身、あの戦争は正義の戦争であるとし、戦争の反省は微塵もありません。
イギリスのBBC放送や、アメリカのAP通信社のホームページでは、靖国神社については「戦争神社」と表現しています。そして「戦争犯罪人が祭られている神社だ」と紹介しているのであります。このような神社、靖国神社への参拝に対して、政府として戦争責任を免罪することになるとの批判が起きるのは当然ではないでしょうか。もしヒットラーの墓をドイツの大統領が参拝したら、国際世論はどうなるかを考えただけでも、小泉総理の過ちは明らかです。
私は、戦争で亡くなられたすべての遺族の方に政府が慰霊を行うことは大事な課題だと思います。その追悼は再び戦争を繰り返さない誓いをすることであります。
そこで、質問をします。
次に、保育園の待機児解消は急務。保育園の増設と未認可保育園の支援をの質問に移ります。
少子化が進む一方で、保育園に入りたくても入れない待機児童はふえ続けています。品川区も例外ではないと思い、伺います。
今年4月1日の待機児数は114名でしたが、9月には251名にふえています。そのうちのほとんどがゼロ歳、1歳、2歳児です。区は今年度中に入園可能な人数は40名程度だと言いますから、単純に見ても210名が残ってしまいます。最初から入園をあきらめて申請しない潜在的待機児と、延長夜間保育など特別保育実施により需要がふえることも予想すると、今後ますますふえ続け、深刻な問題になっていきます。
区長は、雑誌「遊育」7月23日号のインタビューで「待機児の内訳を聞くとほとんどが休職中。親にとって保育園に預ける方が楽。現在の待機者そのものが本当の待機者なのかという点も考えないといけないでしょう」と発言していらっしゃいます。区長の発言は、99年厚生省が行った国民基礎調査、働きたいのに仕事を探せない理由に「育児のため」との答えが8割という報告がありますが、働きたいとの願いを持つ女性の実態を見ないだけでなく、政府の仕事と子育ての両立支援策にも反するものであります。仕事と子育ての両立で女性がどんなに苦労しているのかを区長は理解しようとしないだけでなく、支援を拒む発言であります。
今必要なことは、待機児解消のための計画をつくることです。品川区は、待機児解消、子育て支援として、新たに私立幼稚園でゼロ歳から2歳までの保育、「とどらあるうむ」未認可保育室を始めました。訪問させていただきましたが、今年の4月にスタートし、20名定員のところ、7名のお子さんに職員4人で、丁寧な保育がされていました。保育室設置基準に基づき都と区から補助が出ていますが、基本保育料は4万5000円、ミルク代や給食費、延長保育料を含めると約6万円にもなり、父母負担は決して軽くありません。
理事長さんは「経営的には話にならない状態」とおっしゃっていました。国からの補助が全くないため、他の私立幼稚園への拡大は見込めないと心配するものであります。また、区内未認可保育園の園長さんも「保育料が高いために途中でやめざるを得ない人もいる」と話していらっしゃいました。公立・私立保育園の不足を補完してきた未認可保育園の役割は大きく、今後も重要です。「とどらぁるうむ」も含めて、区の設置基準に基づいて運営されている未認可保育園が、保育料等利用しやすい施設になるよう支援を強く求めます。
ここで、国の子育て支援策について述べます。
政府は、1986年に保育所運営費の国庫負担率を10分の8から10分の5に引き下げましたが、これが自治体の負担をふやし、保育所増設にストップをかけ、待機児を大量につくり出しました。待機児問題を解決するに当たって、まず政府の責任を明確にすることが必要です。小泉内閣は「待機児童ゼロ作戦」を掲げていますが、児童福祉法第24条による保育園の増設には背を向け、定員の25%増しという「つめこみ保育」と、「規制緩和」の名で職員の配置基準を決めた最低基準、国基準を引き下げただけでなく、保育を民間営利企業の手にゆだねようとしています。国の責任を投げ捨て、最小のコストで最大の受け入れを追求する小泉内閣の「待機児童ゼロ作戦」では、子育てと仕事の両立を求める親の願いにこたえることにはなりません。
子供の命を預かる保育事業は、保育の質を確保するための公的な規制が必要であり、民間企業の市場参入や施設間の競い合いが、必ずしも子供にとって質のよい保育をもたらすものではなく、反対に大きな危険をはらんでいます。区は、国への責任を求めるとともに、国や自治体の公的責任を拡大するように、公立保育園増設を柱とする待機児解決策を緊急に策定するよう強く求め、質問いたします。
最後に、都市計画道路163号線一本橋地区の事業は、まちづくりのビジョンを示し、住民合意を基本にの質問を行います。
都市計画道路163号線一本橋地区の拡幅計画が進められています。一本橋地区の拡幅計画とは、補助26号線から補助205号線までの道路延長550メートル、幅員5メートルを15メートルに拡幅するものです。区は、事業推進の必要性について、防災上の安全性の確保と、補助26号線の開通によって予想される交通渋滞の解消を挙げています。
8月30日に区主催の事業説明会が開かれましたが、参加者から2つの問題が出されました。
1つは、拡幅工事によって商店街の半分が対象となっており、商店街そのものが成り立たなくなるとの不安が非常に強い点です。参加者から「商店街をつぶす気なのか」「だれがこの計画を決めたのだ」など、厳しい意見が相次いで出されました。また、拡幅することにより歩道の確保ができ、学童の事故を未然に防ぐという区の説明に、「PTAと商店街が一緒になって子供を守る努力をしてきたから、今まで一本橋通りで学童の事故など一件もないんだ」、こんな発言もありました。
私は、産業振興マスタープランをつくり、区内商店街の支援を進めながら、商店街の存続が危ぶまれるこの計画に対して対案も示していないのでありますから、不安が出るのは当然だと思います。区は、道路拡幅だけのスタンスではなく、商店街や住民に将来成り立つような一本橋地区をどんなまちにするかというビジョンを示すべきではないでしょうか。関係者の意見を聞きながら、用地買収だけでなく、まちづくりのあり方を一緒に考える姿勢が必要と思います。
2つ目の問題は、関係者の意見に耳を傾ける姿勢に欠けるという点です。「我々の意見が反映されるのか」との質問に、「都市計画道路の基準があるので、意見は聞けない」と、木で鼻をくくったような答弁でした。全体として住民の意見に耳を傾けるというより形式的に説明会を開いた、その実績づくりの感が否めませんでした。長い間住み続けてきた住民の皆さんや商店の皆さんが立ち退かなければならない一大事のときに、区がこのような姿勢で臨んでいいのでしょうか。この間、道路拡幅の買収が住民の合意が得られず長期間とまった事例はたくさんあります。事業を円滑に進めようとするのなら、住民の合意は避けて通れません。改めて住民への情報提供、話し合いを繰り返す努力を欠かせないことを強調します。
ここで、我が党が実施した住民アンケートの結果をご紹介します。拡幅事業に「反対」が55%、「賛成」は18%、「不安・わからない」は27%、そして「今後も住み続けたい」は75%、「営業を続けたい」が88%です。全体として反対や不安の声が強いもとで事業を進めようとするなら、まず住民との信頼関係をつくることが極めて重要だと、この点でも思います。
ここで、1980年の計画道路見直しの際に区計審が付した意見を紹介します。補助163号線について「道路拡幅により商店街の存続が危ぶまれるものについては、将来の生活設計ができるような手法を導入するなど生活と営業の発展、環境改善に考慮し人心の安定を図る事」と、住民意見を反映した答申をしています。区は以前、「一本橋地区再開発計画を提案したとき、住民は乗ってこなかった。まちづくり計画の関心はない」との発言をしています。しかし、高層ビルの開発に商店が不安を持つのは当然です。
我が党は、震災で廃墟と化した神戸市の長田区の復興を見るため調査に出かけましたが、商店街に沿って5階建てビルを建て、その1、2階には商店が入り、その後背地には高層住宅を配置する再開発を進めていました。まちづくりの手法は、買収方式だけでなく、再開発、区画整理事業など数々ありますが、住民とともにどのような手法で、どのようなまちにするか、胸を開いて話し合うべきではないでしょうか。
私は最後に、住民との信頼関係を築いて百反道路の拡幅を実現した事業を紹介します。この計画は、第2京浜国道交差点付近の狭くなった道路を、6メートルを11メートルに拡幅する任意事業です。平成7年から百反道路沿道懇談会や勉強会を2カ月に1回程度行うなど、数え切れないほど話し込んだといいます。区側の誠実な対応に信頼が深まり、道路用地として区に提供することで合意が成立しました。こういう教訓を163号線のこの問題でも生かすべきではないでしょうか。
そこで、質問します。
以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
南議員のご質問のうち、太平洋戦争に関してお答えを申し上げます。
平成7年8月15日の村山内閣総理大臣談話におきまして、「我が国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し、多大の損害と苦痛を与えました。ここに改めて痛切な反省の意を表し、心からおわびの気持ちを表明します」と述べております。区といたしましても、この談話を原則といたしまして、2度とこのような戦争を繰り返さないため、「非核平和都市品川宣言」のもと、種々の平和事業や国際交流事業に取り組み、世界の恒久平和の実現に向け、今後も努力をしてまいります。
その他の質問につきましては、担当の部長からお答え申し上げます。
私からは、保育園の待機児解消策についてのご質問にお答えいたします。
初めに、政府の「待機児童ゼロ作戦」についてですが、本年7月政府は「仕事と子育ての両立支援策の方針について」を閣議決定いたしました。その中の5本の柱の1つが「待機児童ゼロ作戦」と称されていることは、十分承知してございます。この内容は「保育所、保育ママ、幼稚園における預かり保育等を活用した平成16年度までに15万人に上る受け入れ児童数の拡大、空き教室等の既存公共施設等を活用した民営型保育所の新設、さらに定員の弾力化や設置基準の緩和」などがうたわれております。その多くは、従来から区が取り組んできたものでございます。
次に、待機児解消計画の作成についてでございますが、現在、荏原市場跡地の区民住宅など、区内には大規模な住宅の計画がございます。保育所定員につきましては、今後地域バランスを考慮しながら、さまざまな手法を検討し、適宜適切に対応してまいりたいと考えておりますので、現時点でご質問の計画を作成する考えはございません。
次に、「とどらぁるうむ」と未認可保育園への財政的支援についてですが、区では従来から認可保育園を中心に保育施策を進める一方、待機児解消策の1つとして、補完的・経過的な視点から「とどらぁるうむ」を含め、現在6カ所の認可外保育施設の運営に助成しております。当面、引き続き一定の財政的支援を行ってまいります。特に「とどらぁるうむ」につきましては、初めて幼保一元化の試みのもと、幼稚園の人的・物的な教育資源を生かした新たな子育て支援策として取り組んでいるところであり、積極的に支援してまいりたいと考えております。
私からは、都市計画道路補助163号線第・期区間の事業化に関するご質問にお答え申し上げます。
初めに、住民説明会を今後も開催すべきであるとのご要望でございますが、8月30日の全体説明会においては、本事業の事業化に至った経緯、背景、必要性、さらに整備効果等につきまして、一本橋通り沿道の皆様を中心に幅広く区の考え方をお示しし、ご理解とご協力をいただいたものでございます。当日は、250人を超える地域の皆様にお集まりいただき、改めて本事業に対する地元の皆様の関心の高さを認識したところでございます。お集まりいただきました住民の皆様からはさまざまなご意見、ご質問が出され、活発な質疑応答を行い、区としての考え方についても十分説明し、全体説明会の目的は達成されたものと考えております。
今後の進め方でございますが、ご承知のとおり、今回事業化する区間は、区役所側の入り口部分を除いて、ほとんど一本橋通り沿いに計画されており、商店街の皆様が特に道路計画の影響を受けることになります。区としては、一本橋商店街のご協力が得られなければ本事業の進展はあり得ないことから、今後は商店街など道路計画にご協力をいただく方々に十分なご説明が必要であると考えております。
そこで、区民生活事業部と連携し、まず9月8日の商店街振興組合理事会に出席させていただきまして、道路計画のご説明をし、今後のお話し合いの進め方などを相談させていただきました。その結果、商店街を5つのブロックに分けて、より詳細に個々の皆様のご質問にお答えできるよう説明会を開催することになり、去る11日から18日までの5日間実施したところでございます。この説明会には、商店街の会員の方はもちろん、商店以外の一般の方にもご参加いただき、皆様の生活再建や不動産、営業、法律問題など、都市計画道路事業の推進に付随する諸問題にとどまらず、将来の一本橋通りのまちづくりや商店街のあり方など、さまざまな意見交換をいたしました。
区としては、皆様の心配事や不安に対しましては、現時点で考えられる精いっぱいの説明を行ったつもりでございます。また、関係する町会、商店街振興組合からご要望がございましたら、同様の説明を行うことでご理解をいただいているところでございます。したがいまして、今後ともこうしたきめ細かな説明会を積み重ねてまいりますので、改めて全体の事業説明会を開催する考えはございません。
次に、(仮称)まちづくり協議会の設置についてでございますが、ブロック説明会の中で、参加者からの発意で、街路事業と併行して、再開発や共同ビル化を視野に入れた「まちづくり協議会」を設立するための勉強会を立ち上げたいという提案がされまして、参加者の皆さんの同意が得られました。区としては、地元の皆さんの自主性、主体性を尊重しながら、これに最大限の支援をしてまいりたいと考えております。
次に、事業に当たっては、品川区都市計画審議会の答申どおりの案を示すべきではないかとのご質問ですが、答申は生活再建、営業の継続と発展、環境改善に配慮し、人心の安定を図っていくというものでございます。この精神を基本に、商店街を初めとする住民の皆さんと話し合いを進め、ご意向を確認しながら取り組んでまいります。
次に、補助163号線の整備によって補助26号線の渋滞が解消できるのかとのご質問でございますが、現在、東京都で事業中の補助26号線は、区の東西を結ぶ補助幹線道路として、平成17年度の完了が予定されております。この補助26号線が開通いたしますと、中原街道や第2京浜国道方面から相当数の車両が流入するようになり、区役所前交差点から大井町駅周辺の慢性的な交通渋滞が発生するという予測がされております。これを解消するためにも、補助163号線の整備は必要であり、大井町駅周辺の交通ネットワークを形成することにより、交通渋滞は改善されるものと考えております。
それぞれ答弁ありがとうございました。自席からの再質問をさせていただきたいと思います。
まず、アジア・太平洋戦争への区長のご認識を伺わせていただきましたが、村山談話を引用されていらっしゃいました。今のところこの談話は、今まで歴代政府がとってきたものの中で、おおむね了とできるという内容であるわけですけれども、その上に立って、私は、さらに品川区長として、すべての行政の分野においてそういう精神を大いに広げて、行政を行っていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。
また、なぜならばというと、品川区民も、あの悲惨な侵略戦争の中で満蒙開拓団が1056人だったかの方々がおいでになって、800人ぐらいの方々が命をなくされているという状況がありますし、また日本の国内でも荏原や品川でも大きな空襲があり、多くの方々が亡くなられたという、そういう歴史の経過を見るならば、やはりすべての分野に行政の行っていく精神として、あの侵略戦争を再び繰り返さないと先ほど区長はおっしゃっていましたけれども、そういう立場で貫いていただきたいということを強く要求したいというふうに思います。
そして、2つ目の保育園の問題ですが、この間、区も待機児の解消に取り組んできたと、こういうふうなお話、ご答弁でありました。しかしながら、それであるならば、待機児の数が年々ふえ続けています。また、今年の数も先ほどご紹介いたしましたけれども、また今年も今までになく一段と倍加しているわけですね。そういう実態の中で、今やっている施策で解消できるというふうに考えていらっしゃるのかどうか、そこをちょっと伺いたいというふうに思います。
それともう1つは、「遊育」の区長のご発言を紹介させていただきました。「この待機児そのものが本当の待機者なのか。そういうことでもう少し考えなきゃいけない。吟味が必要だ」というふうなご発言です。今いらっしゃる例えば251名の9月時点のこの待機者の方々のうちに、本当の待機者、本当じゃない待機者、そういうふうなことで吟味する必要があると考えていらっしゃるのか、このこともあわせて伺いたいと思います。
私はなぜそのことを重ねて質問するかというと、今、本当にこの品川区の女性の方々も、子供を産んで育てても、しかし働きたいんだ、生活のためだけじゃなくて自分が社会参加したいんだという、そういう希望がたくさんありますよね。品川区がおとりになった、1999年ですから、2年前に「人権にかかわる意識調査」という調査をされた、これが品川プランに載っておりますけれども、ここの中で、女性が結婚・出産後も働き続けるために必要な条件はという質問に対して、30・5%の方々が「保育園や子供の世話をする人を確保すること」と答えていらっしゃいます。
こういうことからしても、やはり待機児を入れたい、子供を預けて働きたいという方たちがたくさんいらっしゃる、30・5%いらっしゃるわけです。しかも、品川区は女性も社会参画するんだという、率先してこういうプランを出しているじゃありませんか。そういう中で、どうして本当に待機者なのか、本当じゃない待機者なのかと見る必要があるのかということを、私は区長の認識を改めてお伺いしたいというふうに思うんです。
それとこの3つ目の、支援については、これから「とどらぁるうむ」の方も幼保一元化の中でしていくという答弁でしたが、「とどらぁるうむ」に限らず、本当に今まで公立保育園、あるいは私立の認可保育園の補完的な役割をしてきている、こういう未認可保育施設に対して、本当に経営そのものが厳しいんですよね。こういうところをどれだけ支援するかという、それこそいろいろな工夫、努力をされて、支援を本当に広げていただきたいということもあわせてお願いをしたいと思います。
それから、最後の163号線につきましては、私が要求した全体での説明会をしてほしいということについては考えてはいないけれども、個別のところともっと個々に対応していきたいということでお話しでしたけれども、それで、そういう対応をしていくということは了解することは了解するわけですけれども、しかし、ではあの8月30日の説明会で、すべて品川区の考え方、そういうものについては理解できたというふうに考えているのかどうか、そこをちょっと重ねてご質問したいと思います。
以上です。
保育園の問題につきまして、待機児の問題についてお答えいたします。
私どもで現在おります待機児に対しまして、いろいろと入園の手続をとります。入園する際に対しまして保育園の希望をとりますが、第1希望以外は入園はお断りというふうなことが結構ございます。それが本当の待機児でしょうかと、こういうふうに申し上げたものでございます。
2点目の「とどらあるうむ」と未認可への支援の問題でございますが、先ほどもご答弁申し上げましたが、私ども現在、いろんな財政支援等を実施しているところで、その上にたって臨んでいきたいと思います。
以上でございます。
私からは、3点目の補助163号線に関するご質問にお答え申し上げます。
8月30日の説明会ですべて参加者の方が理解されたのかということでございますが、私どもとしては、163号線・期区間の必要性等の総論につきましては、一定のご理解をいただいたというふうに理解しております。しかし、この事業を進めるためには各権利者の方々、地権者の方がそれぞれ持ったいろいろな心配事等がございます。これらにつきましては、その1回の説明会で到底解決できるものではございませんので、個々の説明会を6回重ねてまいりましたし、今後もそういう説明会は必要に応じてご要望があれば行っていくと、こういうことで先ほどもご答弁をさせていただいたところでございますので、よろしくご理解のほど申し上げます。
先ほど区長が答弁していただきました、第1希望しか出さない方についてのお話でしたけれども、私は、女性が子供を産みながら、家庭の仕事もしながら働くということが、やっぱり本当に大変だということを区長がどこまで理解していただけているのかなということを率直に感じたんです。だって、遠いところに、例えば八潮から荏原の方の保育園があいているからといって、通い切れないじゃありませんか。その間の保育園は年度途中では全然あいていない、こういう状況ですよ。
私は、今年の7月に受けた保育相談、1歳になるかならないかのお子さんだったと思うんですけれども、お母さんが夜11時まで働いている。ですから当然子供は保育できないので、おばあちゃんが葛飾からずうっと1週間泊り込んで、土日だけお帰りになって、そうやって保育している。ところが、近所の保育園におばあちゃんも健康状況が悪いので、遠い保育園には通い切れないから近くの保育園にと求めたんですけれども、どこもあいていないんです。南大井に住んでいらっしゃいましたから、南大井保育園、水神保育園、大井保育園、東大井保育園、全部あの周辺の保育園を調べていただいたんですけれども、どこもあいていないんですよ。
仕方がなく八潮を見ると、今、八潮は非常にあいている状況が数年前と全然違ってありまして、八潮の保育園に紹介しましたら、いろいろ悩んでいらっしゃいましたけれども、しかし、ずうっとお母さんが夜11時まで、おばあちゃんが保育しているという状況を見るよりは、やっぱり保育園に入れて、そしてきちんと保育していただいた方が、お母さんも、おばあちゃんも、子供さんにとってもいいんじゃないかということで、私はそういうふうに勧めたんです。
そういう状況で、本当に働くお母さんたちの実態が大変なんですよ。あと、現状があいていないという状況があるから、だから第1次希望しか出せないから、これは待機児とみなせないという、そういう発言、そういう見方というのは、私は正しくないし、実態をきちんと見ないというふうに思います。そこのところを、もっと働く女性の大変な状況をしっかり受けとめるような、そういう行政姿勢を持っていただきたいということを要望して、終わります。
以上