2001.11.22 桜井 恵子 区議
一般質問項目
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日本共産党を代表して一般質問を行います。
最初に、「横暴なリストラに反対しくらし・地域産業を守る取組みを」について質問します。
不況の進行と大規模なリストラによって9月の完全失業率は5.3%となり、完全失業者数は357万人、潜在失業者800万人、10人に1人の割合で失業者となっている史上最悪の事態にあります。また、品川区に事業所を持つ富士通では大井一丁目の事業所を数年後に閉鎖、もしくは縮小し16,400名の人員削減、ソニーでは17,000名という大リストラ計画が進められています。品川区内でも210名の従業員を抱える中堅企業が40歳以上の従業員、50名のリストラを行うとしています
こうした大手企業は、国際競争力に勝てないからといってリストラを正当化していますが、大企業、427社がため込んだ内部留保は実に102兆円にものぼっており、国家財政で見ると税収の2,5倍にもなります。リストラを進めなければ、つぶれてしまうと言う企業など一社もありません。情報関連の大企業などは、ITバブルでぼろもうけをして、計算が狂ったからリストラをし、さらに儲けを高めていこうなどという、企業責任など一切考えていない態度に終始しています。富士通の秋草直之社長は、週刊東洋経済10月13日号で「株主に対してはお金を預かり、運営しているという責任あるが、従業員に対して責任はない」と語り、「従業員が働かないからいけない」「経営者の目的は、利益であり、雇用は目的ではない」と発言、憤りを呼んでいます。
政府の大企業支援策もまた、大きな問題です。産業再生法で労働者1人の首を切ると100万円もの減税をしたり、会社分割法で持ち株会社化を進め、利益をあげる事ができるように、リストラ支援・大企業支援の法律まで作り上げている政治では、真剣に雇用の拡大策を考えているとは思えません。
私は、区内の雇用状況がどうなのか、11月9日に五反田ハローワークをたずね、求人、求職状況を聞きました。館内には職を求める方があふれています。9月の求人が6,235名に対し、職を求める方は8,577名、求人倍率は0.73倍と低い状況です。とりわけ、45歳をこえると求人倍率は0.32倍とさがり、職を見つけることはきわめて困難な状況です。毎月、12,000名あまりの求職者がパソコンでの職探しをするそうですが、9月に就職できた方は360名。これでは、ハローワークを通じても就職が難しい事態といえます。
今、大切なことは、政治の責任として、第一に新たな失業者を作らない政策への転換です。欧州では当たり前となっている解雇規制のルールを確立すること。欧州議会では10月23日に解雇規制強化法を採択しました。これまでの規制をさらに強化し「労働者側が要求したときはリストラの決定を延期しなくてはならない」としています。また、大企業支援のための産業再生法を廃止し、企業の社会的責任を全うさせることです。
第二に、必要なことは、ワークシェアリングで雇用増加のための取組むことです。サービス残業の根絶、残業時間の法的規制を進め、中小企業に対しては適切な助成措置を行えば雇用の増加を進めることが出来ます。失業者に対する生活保障を抜本的に拡充する事も重要な課題です。現在の失業給付は最長でも11ヶ月で、それ以降はなんの扶助も給付もありません。給付水準の拡充は命を守っていくためになんとしても必要となっています。
地方自治体でもあたらな動きが広がっています。新潟県柏崎市では市長や知事、議会がNECの工場閉鎖に対して「社会的責任を守れ」と本社交渉をおこない、リストラ計画を手直しせざるをえなくなっています。また、静岡県議会は「大企業の雇用削減計画は熾烈をきわめ、これが断行されれば勤労者だけではなく、下請中小企業や地域経済、自治体への影響は計り知れず到底看過できない」として国に対する「雇用確保に関する意見書」を提出するなど道理の無い大企業のリストラ計画に対し、地域経済を守る地方自治体が懸命な努力をしています。
品川区では「産業振興マスタープラン」を策定し、地域経済の振興を目指しています。この立場を堅持し、現在、区内で起こっているリストラの現状はどうか、どのように区民生活に影響しているかを調査し、必要な手立てを取るべきと考えます。地方自治体がなしうる、すべての手段をこうじて区民生活を守っていく事が、緊急に求められているのではないでしょうか。
以下質問をいたします。
次に「子どもの願いに応えて教室にクーラーの設置を」について質問します
荏原四中のPTAから要望書が9月、教育長に提出されています。「今年は、異常な猛暑の中、教室の室温は40度を越える日々も多々あったと子どもから聞いています。窓を開けると大井町線の騒音、3分から5分間隔のときは先生の声も聴きにくい状況です。夏場の劣悪なる環境状況を何とか改善を。来年14年度までに各教室にクーラーを設置していただきたい」と。私が、大崎中学校を訪れた際、PTA会長さんも『私達もぜひクーラー設置をお願いしたい』と要望されました。平成14年度、小、中学校連合会よりそれぞれ、『冷房設備を』との要望が出されています。
今日、ヒートアイランド現象が深刻化し、23区の平均気温は1・2度も上昇しており、一年のうちで気温が30度を超えた時間数は20年前に比べて2・1倍にもなっています。昨年の例で見ると7月中で30度以上の気温だった日は24日、また、9月をみると、30度を越えた日は10日ありました。暑い夏を過ごすのにクーラーはなくてはならない必需品です。
学校のクーラーは、校長室・職員室・事務室・主事室・保健室・音楽室には設置されていますが、普通教室、いわゆる子どもたちが学習する教室はほとんど整備されていません。あるのは、航空機騒音の八潮地域の小中学校5校と、新幹線騒音の杜松小学校、複合施設の戸越台中学校です。
教育委員会は、先の決算委員会でクーラー設置について「私どもも今後、クーラーについては大きな研究テーマだと認識している。十分議論を煮詰めてから答えを出していきたい。」と答弁しました。また、11月6日の文教委員会でも「2002年度教育予算編成に関する陳情、区内小、中学校、全教室の冷房化を進めることの項目の審査の際、いろんな趣旨を踏まえながら検討をしている」「設備に要する費用は1教室当たり250万円、小中学校の教室は600教室ですから約15億」と説明しました。
陳情書では、子どもたちが暑さのために授業に集中できないこと、1時間目から教室の30度を越えていること、思考力は落ち、ノートが汗でぬれてしまうことなど具体的な状況を述べています。また、ある教師は子どもたちが特別教室で授業を受けている間、窓を全開し少しでも空気の入れ替えをしているものの、次の授業のときはたちまち元に戻ってしまい、学習に集中できるようにずいぶん苦労をしていると話しています。著しい成長期にある小中学生が一クラスに30人前後も、狭い教室に一日中、一緒にすごすということは、大変なことです。また、かって夏休み前の一週間位、短縮授業となっていましたが、今は、普通どおりに授業をしています。
食べ盛りの子ども達ですが、夏場は、給食の残量も極端に多いと給食調理のかたがたも心配していました。
参考までに区内の私立学校を調査しましたが、8校すべての普通教室にクーラーは設置されていました。また、23区では、中央区立の小中学校の普通教室はすべてにクーラーを完備、荒川区でも来年度からクーラーを計画的に設置するとしています。
今、子ども達のストレスも多く、荒れている学校も聞きます。一人一人を豊かに成長させていくために、よりよい学校の環境改善がもとめられています。現在、品川区は、学校選択制により中学校では区内、自由に選択できるということで、特に戸越台中学校は、来年度も60名を超える入学希望者がいます。全館冷暖房で温水プール、ランチルームもあることもその主な理由に挙げられており、学校関係者も評価しています。選択や競争というなら、学校設備は充実し格差を是正していくのが前提ではないでしょうか。21世紀の学校づくりを検討されているのですから、プランに教室にクーラー設置をぜひ入れることを求めたいと思います。
そこで質問します。
最後に「文化センターを全面委託化による貸し館ではなく、地域の文化、コミュ二ティ−のセンターに」ついて質問します。
当区では、5ヶ所の文化センターがあり、子どもから高齢者まで多くの方が利用し交流を深めています。文化センターは、文化やスポーツを誰でも気軽に参加できることを目的に設置された社会教育施設です。この施設を利用している登録団体は、2042団体、2万人を超える区民が利用していると思われます。
現在、区は、この文化センターを全面委託化、貸し館にし、団体、グループへの会場提供のみにしていく方針を出しており、地域の区民の交流や学習機会、懇談などの支援を縮小させていこうとしています。私は、この間、五つのすべての文化センターを視察して改めて問題点を感じました。
特に、南大井文化センターの会館の運営に如実に現れています。センターを利用されている方から「南大井文化センターの窓口がなくなり入り口で挨拶する職員もいなくなり交流する場所もなく、これが文化センターといえるのかと」と厳しい意見をいただき、視察しました。確かに、文化センターの窓口が閉鎖され、受付は、左口の大井第一地域センターの受付の隣に間借りしている形で、非常勤の職員と民間会社からの派遣の方が対応しています。最も利用される土、日には文化センターの関係者はいません。昨年まで、一階の和室は、地域の交流のために使われ、事務室には職員がおり、いついっても相談もできグループ同士の意見交換もできたそうです。「今は、事務室もなく、和室もかぎがかかったまま、相談する職員もいない。せめてソファぐらいおいて、地域の人がいったら、相談に応じてほしいし、交流の場もお願いしたい。南大井センター祭りの際、お客が来ても接待できなく恥ずかしかった。区は生涯学習の振興を長い間、やってきていたのに、なぜ、今、生涯学習の活動を停滞させ地域の活動を大切にしないのか」と、区の対応の冷たさをうったえられました。昭和51年5月、地域の住民の要求で建設され南大井文化センターは、すでに貸し館となっているのです。
文化センターの一大イベントのセンター祭りについても区の対応は問題です。11月11日、東品川文化センターを訪問。センター祭り「かもめさい」はシルバーセンター利用者とも交流をされ大変にぎやかでした。手づくりのクッキーを売って、アフリカへ医療器械を輸送する費用に当てるとがんばっている女性達もいました。参加者はおよそ1500人。祭りは、1年間の成果を発表し、交流を深め、活動を活発にしていくことを目指しており、祭りをとおして、団体間のネットワークが生まれ、住民自治をすすめていく絶好の機会となっています。企画、運営は、利用者団体協議会が行っています。費用は、登録団体が年間1000円負担している中で賄っているとのことです。文化センターが大きな役割を担っていることを痛感しました。
こうした意義あるセンター祭りに対して区の対応はどうでしょうか。かって職員も共に取り組み支援していた行事やグループ活動も今は、会場だけ提供という風に変わっています。当然、区民との関係も希薄となっており、信頼関係も弱まっています。
この間、区は、文化振興事業団、スポーツ協会を作り、区の施設や事業を委託。また、各施設にいた社会教育主事や事務職員を削減し、文化センターの現場から本庁に配置換えしてきました。今年度は、東品川文化センターの館長が南大井文化センターを兼務。一部業務を地域センター所長に委託しています。職員定数を13名削減、荏原文化センターと五反田文化センターは3名、ほかは2名です。受付業務は、基本的に民間会社へ委託し、来館者の応対、施設の利用、社会教育団体の育成、各種学級、講座の事務局、施設利用者の助言、維持管理にいたるまですべて対応を求めています。すでに全面委託化のレールが敷かれております。
あらためて自治体の社会教育行政とは何なのか。地方公共団体は、社会教育の奨励に必要な施設の設置および運営、集会の開催、資料の作成、頒布その他の方法によりすべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して自ら実生活に即する文化的教養を高めるような環境を醸成するように努めなければならないと社会教育法第3条にその任務が明記され、教育委員会は、そのための責務を負っています。当然、教育活動育成のための施設使用の無料、減免も醸成の一環といえます。区の姿勢は、明らかにこうした内容に背をむけているではありませんか。
文化センター事業を通して区民同士の交流が深まり、地域のコミュ二ティ−を培っているのです。住んでいる町の環境はどうか、子ども達の育成について、高齢者の介護など、住みやすいまちづくりへと発展していきます。来年度から学校5日制も実施され、子ども達も活動できる場所を求めています。財政効率主義ではなく、区民の願いに応えた文化センター事業の拡充を求め質問します。
現在、景気の動向は、雇用情勢も含めて、大変厳しい状況に置かれている。従来からの経済対策を盛っては、日本経済の再生はできないと、国は経済の抜本的な構造改革に取り組み、産業界においては企業の体質改善に向けた努力、いわゆる経営の合理化に伴うリストラが展開されている。このような国と産業界の取り組みが進展するとその結果、一時的にはこれらの影響がさけられない。しかし、その影響を最小限度に抑えるために新たな雇用の創出や雇用のミスマッチの解消、いわゆるセーフティネットといわれる雇用対策が講じられている。景気と雇用の問題は、表裏一体の関係にあるだけに、今後、これらの取り組みが着実に成果を上げ新たな経済成長を生み出すように期待している。
区内大手企業に対する働きかけについては、ハローワークによるとこれまで区内野大手企業の人員整理などが、区内の雇用状況に直接的な影響を及ぼした事例は少ないということです。しかし,区内中小企業に何らかの形で影響を及ぼし、さらに、地域雇用の問題に波及することが危惧される。区として,大手企業に働きかえはできないが、区内中小企業の経営基盤の安定強化や経営体質の改善に向けた支援策として、融資斡旋や各種の助成事業により、地域雇用の安定をはかるべきその充実に努めている。
就労相談の窓口の設置について、パートタイマーの出張サービス相談はしているが、ハードの問題,人員配置などで難しい。区としては,高齢者向けにシルバー人材センターを活用した新たな就業システムを来年度から実施するための準備をすすめている。新システムについて、ハローワーク情報の紹介や独自の職業紹介も実施していく。
学校保健法に基づき、毎年、環境衛生検査を品川、荏原両薬剤師会に委託して実施している。ことしも6月12から7月19日まで学校ごとに4教室の温度を測定。その結果、八潮地区など冷房機設置以外の小中学校において、最高温度が33,5度、最低温度が21,0度、平均すると27,7度ということであった。
現在の子ども達がたとえば、暑さや寒さなど多様な環境でさまざまな体験や経験をし、たくましく生きていく力や忍耐力を身につけていくことも大切。その一方、近年、都会の気温が高くなっているヒートアイランドという現象については認識しているので、普通教室におけるクーラーの整備二ついて、今後、学校を改築していく際の課題として研究している。
社会教育行政は、区民一人一人が自主的,主体的な学習や文化・スポーツ活動を通して生涯に渡り人間性豊かな人生が送れるよう、社会教育活動が行える環境づくりに努めて行くことが行政の責務である。文化センターは、地域に密着した身近な文化施設として生涯学習の場や機会の提供を基本に,区民が買うどうできる場として位置付けている。この間,運営方法を含めた事務事業の見直しを行い、その結果文化センター個々で実施していた事業を本課へ集中し、より効率的な執行体制のもとに職員の再配置を実施してきた。
南大井文化センターは,地域センターおの複合施設であるという特徴を生かすため4月から地域センターとの一体的な運営を開始している。受付の窓口については.利用者がわかりづらいとの意見もいただきましたので,表示板を提出するなど改善を進めている。
地域住民の交流ができる場の確保について、文化センターの旧事務室については、各種会合や打ち合わせなど地域の方に利用していただいている。今後もセンター利用者画より使いやすくなるよう活用を図っていく。
文化センターの改修計画については,綜合実施計画にもとづいて緊急度等を考慮して順次すすめていく。
来年度完全学校週5日制の実施を踏まえて,子どもを対象にした文化センター独自事業の拡大は考えていないが、今後とも子どもの動向にあわせ、学校や地域と十分連携を図りながら対応する
企業の社会的責任がある、とくに雇用の責任があると考えるが区長の考えは。
学校改築をまたずに、漸次計画的にクーラーの設置をお願いしたいが再度質問をする。
現在の南大井文化センターの内容は条例と違うのではないか。社会教育行政は,区民の社会教育活動を支援,援助し地域のコミ二ティーをつくり地方自治を育成していく役割をになっていると考えるが,再度伺いたい。
企業の社会的責任はあるといえばある。しかし、企業が体質をまもるための自主防衛としての努力はすると思う。政治の責任は,自治体は権限がないので、国のほうが、責任をとるべきと考える
学校改築の際の検討課題としてうけとめさせていただきたい。
文化センターには、非常勤,あるいは,委託の人間がいて対応している難しい問題は、本課で受けているので、条例に違反しているとは思えない。
クーラーを必要だと考えているのか
必要だと考えている。しかし、暑いときは暑い、寒いときは寒いということも教えることも必要ではないか。ただ、ヒートアイランドもあるので理解のほどを。
以上