2002.03.01 宮崎 克俊 区議
一般質問項目
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日本共産党を代表して一般質問をおこないます。
初めに、品川区を株式会社化させる福祉切捨ての「行政評価システム」を問うについてです。
品川区は、新たな行革の手法として「行政評価制度」を導入。全706事業のうち212事業について事業評価を実施、その結果を新しい事業部制のもとで新年度予算案に反映させました。
なぜ、品川区が行政評価システムを導入したのか。その背景を述べます。
1996年、経団連の「財政構造改革に向けた提言」の発表を受けてマッキンゼー日本支社が「自治体自ら稼ぎ、自ら経営」など自治体に民間経営手法取り入れを主張。こうした財界の提起を受けて自治省が2000年3月、地方公共団体における行政評価のモデルを提示しました。狙いは、国と地方で莫大に膨れ上がった借金解消を口実に自治体のスリム化と市場化です。ここにルーツがあります。
行政評価システムを導入してつくった新年度予算はどうか。その特徴は、今回も「小中一貫校」で「全国初」を盛り込みマスコミ受けを狙っている一方、区長は施政方針で、既存事業の改善で経常予算前年比8・4%減。政策的予算19・6%増の問題解決型予算となった、職員定数109名削減し昭和58年から1,163名削減したと自画自賛しています。しかし、問題は区民にとってどうかということです。
私は、行政評価システムの問題点を4点にわたって指摘したいと思います。
第1は、福祉や区民生活に密着した事業に大ナタを振るっていることです。
初めての事業評価による新年度予算では、生活保護の入浴券70枚支給を60枚に削減、勤労者生活資金融資斡旋とエコクリーン事業助成は廃止、保育園給食調理業務の民間委託は10園から19園へ拡大、学童保育クラブ人員削減。そして、区民相談の年金労務相談、神経難病検診、女性福祉資金貸付はそれぞれ他制度に吸収し廃止する計画となっています。
これらは区民に必要ないのというでしょうか。例えば勤労者生活資金融資斡旋の廃止理由について、区は利用が落ち込みスケールメリットがない、都も同様の制度があるなど言います。しかし、この制度は現在、20区近くで持っており、中小企業に働く労働者がいざという時に頼りになるもの。この不況のかなでこそ必要ではありませんか。
また、区民大学は参加者に受講料を負担させる、自転車駐輪場は新たに5駅8ヶ所で有料化です。サービスを改善するわけでもなくなぜ有料化なのでしょうか。先日、区民の方から「大崎駅前の駐輪場で、新しくラックをつけたなと思って自転車を入れたら、突然カギがかかって150円とられた。品川区はお金がないのか」と聞かれたので、私が400億円を超える基金があり超健全財政だと説明すると「それならなんでこんなところでお金をとるのか」とかんかんになって怒りました。
第2は、大規模開発の際限ない推進と税金投入です。
事業評価結果では再開発はすべて「A」拡大です。新年度計画策定に着手する大崎駅東口第3地区は、大林組主導の再開発で総事業費640億円、うち税金から100億円も補助金を予定しています。さらに大崎駅西口地区全体が都市計画決定されるそうです。ニューシテイをはじめ大崎駅周辺の再開発はこれからの計画も含め334億円もの税金投入です。これをさらに拡大するのはなぜですか。区民が望んでいるのでしょうか。
第3は、行政評価に客観性のないコスト主義を持ち込んでいる問題です。
区は、行政評価システムと併せ人事・財政権限を持った事業部制を導入、そして事業部間で「全国初」、「23区初」の目新しい事業とコスト削減を競わせています。しかもコストは、事業費だけでなく人件費、事務費、減価償却費も対象にしますから、給付型の福祉、保育園や高齢者福祉施設のような一定規模の施設と人手を必要とする事業は「コスト高」となり縮小せざるを得なくなる仕組みです。
先日の区議会行革委員会における区の説明を紹介します。成人式の評価について、トータルコストの算出に成人式にかかわった職員人件費を按分、減価償却費は成人式の準備で区役所を使った分の按分、つまり区役所の使用まで経費に加えたのです。その結果、成人式は「必要性」のポイントは高いが、経済性・効率性のポイントが低く「見直し」の評価になりました。こんなコストの算出が必要なのでしょうか。新成人に社会人としての自覚を持たせるとともに、前途を祝福するという成人式の目的よりコストを優先するのはなぜでしょうか。
行政評価システムは福祉削減をもっともらしく見せるための手法としか思えません。
第4は、区民不在ですすめられている問題です。
この評価には区民の声は反映していません。区は、事務事業評価は行政自身が行い、政策評価は外部評価を導入すると説明してきました。しかし、今回の事業評価は政策評価そのものではありませんか。
行政評価というなら、区民が行政をどう評価し何を望んでいるのか、区民の意見を中心にして、区民自身が評価に参加することが必要ではないでしょうか。
この不況のなか、福祉の充実で区民のくらしと営業を支えることが求められるのに、行政評価システムは「儲からない」福祉は斬り捨て、「儲かる」事業は拡大、大規模開発の推進に「お墨付き」を与える役割しか果たしていません。ここに、自治体の役割を忘れて利潤を追求する株式会社化した高橋区政の姿がよく表れているではありませんか。品川文化振興事業団の不祥事もこうした姿勢が背景にあることは明らかです。
行政評価は、区民の暮らし、営業を守るために役立つものこそ必要だと強調して、以下、質問します。
次に、介護保険、利用料の軽減と特別養護老人ホームの増設をについて質問します。
わが党区議団はこの間、議会のたびに、低所得者の保険料・利用料軽減や特別養護老人ホーム増設、ホームヘルパーなど福祉現場の労働条件改善、民間事業所に対する差別的対応などについて取り上げ、改善を求めてきました。今回は3点にわたって質問します。
第1は、低所得者の利用料負担軽減についてです。
介護保険は低所得者にとって負担が重過ぎます。保険料は昨年10月、区独自の減額制度が実現しましたが、適用は区の見込みの1割程度という実態です。わが党は今議会に制度利用者を拡大するため条件を緩和する条例改正を提案していますので、サービス利用料軽減について質問します。
東京都は、今年1月から低所得者の介護サービス利用料を1割から5%に軽減するため、区市町村への支援策を実施しました。これを受けて23区中9区が実施、3区が実施の方向で検討中とのことです。この制度は、事業者負担や対象を預貯金60万円以下としているなど問題点はありますが、低所得者の負担を軽減する積極的なものです。ところが、品川区はこの制度を使わないといいます。せっかくの制度をなぜ使わないのでしょうか。
質問します。
都の利用料減免を生かすとともに、品川区独自に基準を拡大し低所得者への利用料軽減措置を行うよう求めますがいかがでしょうか。
第2は、在宅介護の要、訪問介護の問題です。
介護報酬は身体介護、家事援助、複合型に分けられ、それぞれ格差がつけられています。特に家事援助の介護報酬は1時間当たり1,520円と低く、実際にヘルパーさんに支払われる賃金となると平均で時給が1,000円〜1,100円、この中には移動や報告書作成の時間などは含まれてなく、実質は700円〜800円台です。重労働で、時間に追い立てられ、精神的にも緊張度が高いのに高校生のアルバイト代より低い状況です。品川区は、介護報酬の高い身体介護は大手シルバー産業に独占させる仕組みですから、介護報酬の低い家事援助しか回ってこない中小の民間事業者とヘルパーさんは深刻です。
これは、利用者にも影響しています。現場の声を紹介します。身体介護を受けている方は「買い物を頼みたいと思っても頼めない」、また、家事援助を受けている方は「体を拭いてもらいたいと思っても利用料が高くなるので頼めない」などの声が寄せられています。またヘルパーさんからは「そもそも人の生活は全部つながっているものだから、介護を身体と家事に切り分けることはできない」「身体介護で入っても台所が汚れていたらきれいにしたいし、生ゴミがたまっていたら処理もしたい。身体だけやって家事をやらないのはつらい」。家事援助のヘルパーさんも「オムツが汚れていれば換えてあげたい」などの声が多数寄せられています。
訪問介護を身体介護と家事援助に区分けし、介護報酬に格差をつけていることが、現場でさまざまな矛盾を引き起こしており、是正が求められています。
質問します。
区内事業所で働くホームヘルパーの労働実態を調査すること。そして、訪問介護は家事援助、身体介護などの介護報酬の差をなくし介護報酬そのものを引き上げるよう国に働きかけることを求めますがいかがでしょうか。
第3は、特別養護老人ホームの増設についてです。
特養老人ホームへの入所待機者は介護保険が始まった一昨年4月は186人でしたが昨年10月には458人、実に2・5倍になりました。
リウマチで15年も自宅で療養してきたAさんは、脳梗塞を起こし要介護5と認定されました。お嫁さんは家業を営みながらの自宅介護は限界だと特養ホームに申し込みましたが1年以上たっても入れません。保健高齢事業部長は「必要性の高い人は概ね6ヶ月で入れる」といいますが、なぜ入れないのでしょうか。区の窓口では「82歳では特養に入るにはまだ若い、自宅介護が長いが公的サービスを使っていなかった」というのです。現在3ヶ月ごとに老人保健施設を転々としながら凌いでいますが、お嫁さんは「転院先を探すのも大変、やっとなれたと思ったら、また寝台車で次ぎの施設に移らなければならない、かわいそうだ」と涙ぐみます。この方は、いったいいつになったら入れるのでしょうか。
西五反田にできるケアホームは利用料だけで月22万円〜29万円、これでは一部の高額所得者しか利用できないでしょう。品川区は取り崩し可能な基金が400億円もあるのですから、みんなが待っている特養ホームを建設してください。厚生労働省は、来年度小規模特養ホーム建設も補助金対象にすると発表しています。区も来年度、「暮らしのインフラ整備検討経費」を予算化していますが、あらためて小規模もふくめて特別養護老人ホームの増設を求めます。いかがでしょうか。
最後は、憲法こそ平和の「備え」。アメリカの戦争に日本国民と自治体を参加させる有事法制に反対をについて質問します。
小泉首相は、施政方針演説で今通常国会に有事法制提出を明言。政府・与党は3月末をめどに法案作りをすすめています。
有事立法は、1954年に憲法を破って自衛隊をつくったときから、歴代の自民党政権が一貫してやろうとしてきたものです。くり返し立法の企てがありましたが、憲法とは絶対相いれない危険な内容でしたから実行できませんでした。これを一気呵成にやろうとしているのです。
先日、戦争で中国に行ったというお年寄りは「政治のことはよくわからないが、また戦争するような感じがする。自分が若いときと同じようになっている。戦争は絶対ダメだ」と私に話してくれました。私の父親も満州に出兵、敗戦後シベリアに抑留され、昭和24年の秋にようやく帰国。幸い生きて帰れましたが、みなさんの身近でも戦争の犠牲者がいるのではないでしょうか。戦争放棄を誓ったこの日本を再び「戦争する国」に変える有事立法は断じて許すわけに行きません。
有事立法は、政府が進める戦争に協力することを国民に強制し、協力しない国民には罰則を与えるものです。
政府が戦争を起こしたら、国民の土地や建物、物資を勝手に使う、医者や看護婦、運送業者、土木建築業者などの国民も政府の命令一つで戦争に従事させる、これを罰則付きでできるようになります。それに従わなかったら、戦争に協力しない犯罪者として罰せられる。自治体もかつての戦争で、赤紙を配り、物資調達をさせられましたが再び同じことをさせられるのです。これが有事立法です。戦争に協力しないものを犯罪者にするのですから、憲法違反のなにものでもありません。
しかも、今、現実に政府が想定している戦争とはどういうものでしょうか。
小泉内閣は「日本に対する武力攻撃が行われた際の対処」だといいますが、いったいどの国が日本を侵略しようとしているというのでしょうか。防衛庁長官は日本への侵略の可能性について「想定できない」と答弁しています。日本への武力侵攻の可能性ないとなれば、結局、有事立法は日本がアメリカの戦争に協力するときに国民を動員することに狙いがあることは明らかです。
いま直面する最大の戦争の危険は、アメリカの「テロとのたたかい」です。ブッシュ大統領はイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸国」と名指しして、一方的な軍事力行使の可能性を公言しています。これには隣の韓国、中国だけでなくNATO諸国も反対の声をあげています。ところが、そうしたなかで日本の小泉首相だけが日米首脳会談で支持を与えたのです。このままいくと、イラクに対する戦争にアメリカと日本だけが参加するという事態になってしまう危険が現実にあるのです。
先日、評論家の加藤周一さんは新聞のインタビューで「いま、日本に外から武力で攻撃が加えられるという可能性は非常に少ない。むしろ一番危険なのは日本かもしれない。…東北アジアにおける危険な武力は、日米安保の武力ではないか」と、有事立法に警鐘を鳴らしていました。
小泉首相は、日本国憲法を持ち出して「世界で名誉ある地位を占めたい」からと言ってアメリカの戦争に協力しました。しかし、これは憲法の精神をねじ曲げた、許しがたい発言です。憲法をいうなら報復戦争への協力でなく、国連を中心とした取り組みに切り替えるために指導力を発揮することが日本政府の役割です。「備えあれば憂いなし」と有事法制を持ち出すなど論外。日本国憲法を徹底していくことこそ最大の「平和の備え」ではないでしょうか。
区長、有事立法は自治体に戦争協力を義務づけます。国政の問題だとして逃げるわけに行きません。戦争放棄の憲法を持つ日本が有事立法を制定することについて見解を伺います。
戦争の危険が増してきているなかで、区長は自治体の長として有事立法に反対すべきです。あわせて「非核平和都市宣言」の立場から新たな核兵器開発と核実験にも反対するよう求めますがいかがでしょうか。
以上で、一般質問を終わります。
宮崎議員のご質問のうち、有事立法の法制化に関する質問にお答え申し上げます。
国は今国会審議の前に、有事の際の対応を定めました総合的な法整備について、具体案について慎重に検討を進めていると聞いてございます。いずれにいたしましても、国会において十分審議をされ、決定される事項であると考えておりますので、毎回のことながら区長としての見解は差し控えさせていただきます。
それから、核実験の非核平和都市の問題でございますが、前々から申し上げております品川区は非核都市宣言をしてございます。それには、やはり核を持ち込まない、つくらない、使用しないと3原則をこれからも堅持をし、非核の問題につきまして区民に訴えていきたいと思っています。
私からは、行政評価システムに関するご質問にお答えいたします。
初めに、行政評価の結果に関してでございますけれども、行政評価は成果重視、コスト重視の観点から政策や事務事業を評価し、見直すための行財政改革の新たな手法として実施しているものでございます。特に事務事業評価は個別の事業ごとに必要性、代替性、効率性、経済性、有効性などの点から評価し、限られた資源である人材や財源等の有効活用を図ることを目的としてございます。事務事業評価結果のまとめにおいて、拡大する事業として掲げたものは基礎的自治体として当然行うべき税や保険料の徴収、防災対策、少子化対策、高齢者対策事業など、それぞれの事業の実績や進捗の状況を踏まえ、特に将来への必要度が高く、今後、重点的に実施すべきであると判断したものでございまして、その中には都市を再生する再開発も当然含まれてございます。
一方、廃止・中止する事業として掲げたものは、事業実績が極端に少なく、必要性がなくなっているもの。また代替性の点からアウトソーシングなどほかの手段で事業目的が達成できるもの。あるいは費用対効果の点から事業の統廃合を進めるべきものなどで、求められている区民サービスをより有効に提供する考え方の中で整理したものでございます。
次に、行政評価による競い合いについてでございますけれども、品川区の事務事業評価の特徴は、挑戦加点評価を行うことにより、よい意味での競い合いを導入していることでございます。挑戦加点評価は、従来の行政にありがちなマイナス面を取り出して評価するやり方から、知恵を出し、新たな試みをした場合に積極的に評価を与えるものでございます。事業の実施に当たっては時代の変化に取り組み、区民要望に裏打ちされたものや、ニーズを先取りしたものが求められており、新たな発想、大胆なアイデアを生み出すチャレンジ精神が必要となっております。したがいまして、こうした仕組みを設け、努力することによって区民により満足していただけるサービスが可能となり、ひいては区民に信頼される区政になると確信しているところでございます。
次に、文化振興事業団の外国債購入に対する事務事業評価はどうなるのかとのご質問でございますけれども、事業団内部の具体的な財産運用については、今行っております事務事業評価の直接の対象となるものではございません。また、区の事業部制と事業団とは同列で比較するものでもございません。
次に、行政評価に区民の意見を反映させるべきとのご質問でございますけれども、事務事業評価は行政みずからの責任において自己点検をする仕組みであることを特徴としてございます。評価の結果につきましては、わかりやすくまとめ、区民に公表することによって行政の説明責任を果していく考えにあります。その結果、区民の方々から寄せられた意見等につきましては、今後の事業執行の参考にさせていただきます。
私からは、介護保険制度にかかわるご質問にお答えいたします。
まず、東京都の介護保険サービスにかかる生計困難者への利用者負担額軽減措置についてでございますが、昨年10月に提案された都の制度は、独自の収入基準等を設け、軽減対象となるサービスの種類および事業主体を拡大した上で生計困難者のサービス利用の自己負担額を10%から5%に減額するというもので、軽減された5%につきましては半分の2・5%をサービス事業者が、残りの2・5%分については都と区が折半して負担するというものでございます。
この都制度は、対象者が究めて少数と見込まれること、実施期間が平成17年3月までの3年間と限られたものであること。また、この制度を実施するかどうかば個々の事業者の判断によるとされていること等の課題を有していると考えております。品川区といたしましては、介護保険にかかる諸施策は保険制度の趣旨に即し、その枠内で工夫すべきものと考えておりますので、今回の都の制度を採用しないことといたしました。また、区独自にサービス利用料を5%に軽減する措置を設けることにつきましても、今述べました基本的な考え方から、現時点ではその実施は考えておりません。
次に、ホームヘルパーに関するご質問ですが、介護報酬の見直しにつきましては、平成15年度から始まる第2期介護保険事業計画の策定を前にして、国の社会保障審議会介護保険給付費分科会におきまして現在議論が進められているところでございます。訪問介護の介護報酬につきましても、賃金等を含む経営実態の調査を踏まえた議論がなされるなど、さまざまな角度から検討されていくと聞いておりますので、その動向を注意深く見守ってまいります。
次に、特別養護老人ホームについてのご質問にお答えいたします。
まず、介護保険導入後の特別養護老人ホームヘの入所希望者の推移につきましては、平成12年制度導入直後2カ月間の入所申し込み者数は183人で、1カ月当たりの申し込みし者数に換算しますと92人となります。これに対し、昨年9月時点で6カ月間の申し込み者は458人、月当たり76人でございまして、大きな変化は生じていないところでございます。
このような状況の中で、区では昨年12月に従来型の特別養護老人ホームにかわる新しいタイプの介護専用施設(仮称)ケアホーム西五反田の建設に着手いたしました。この施設は居住環境を重視するとともに、きめ細かな介護サービスを提供するため全室個室、ユニットケア方式を取り入れています。この施設整備により、入所型の介護施設の選択肢がふえ、多様な区民ニーズに対応できるものと考えております。今後も引き続き区民のニーズに合わせた入所施設整備について検討してまいります。
それぞれご答弁いただきました。自席から何点か再質問させていただきます。
まず、有事法制の問題、区長さんからご答弁いただきました。私も質問のとき言いましたけれども、これはもう非常に危険な段階に来ていると私思います。ですから、国政の問題だとかいうことでなくて、やはり今、自治体としても動くときだということを改めて言っておきたいと思います。戦争のときは、やはり自治体も非常に苦い思いをしたと先輩からも聞いております。私は直接は伺っておりませんけれども、そのときの自治体の役割というのは非常に大きなものがあったと思います。それが1つ。
もう1つ。核兵器の問題なんですけれども、きょうも新聞で出ておりました。これは核問題だけじゃないんですけれども、終末時計、アメリカの科学雑誌「グレーテン・オブ・ザ・アトミック・サイエンティス」が4年ぶりに針が動かされた。人類の終末まで残り7分のところになったということなんです。何で動かしたのか。この理由について同誌では、ブッシュ政権の核戦争体制、この間題としてABM弾道弾迎撃ミサイル、こういうところで本当に現実に危ないということを指摘しているわけですから、これはぜひ非核自治体宣言の立場で頑張るのであれば、こういうことに対しても抗議をしていただきたい。少なくとも今までは核実験に対しては抗議をしていたんです。ところが臨界前の核実験になってから抗議してないんですよ。今、臨界前の核実験がアメリカだけでなくてロシア、そしてこの前はイギリスまで拡大しています。これはCTBTが有名無実になって死文化されようとしていると私は思います。宣言では、いかなる理由であれ、即時に核兵器を捨てよ、こういうふうに呼びかけている立場で、ぜひこれは呼びかけをしていただきたい。このことをお願いします。
行政評価のところでありますけれども、文化振興事業団のこの問題はあっちの問題なので知らないよということなんでしょうけども、そういうことではないと思います。私はまさに株式会社化した姿勢がその背景にある。もう一体ですから、ここのところはそういうことで逃げないでいただきたい。
質問したいんですけども、私は例示しました。成人式、経済性、効率性が原点、例えば、この説明によりますと区役所の部屋を使った、この部屋を按分しているんだ、減価償却をつけているんだ。じゃあ、ほかの自分の家を使ってやったら経済性がアップするんでしょうか。こういうものなんですか。あと成人式は850万円となっているんです。一方では東口第3地区100億円も投入する計画が、わずか423万円、こっちの方が少ないんですよ。何でこうなるのか。全くこれはシステムとしておかしい。点数化といいますけれども、これは点数そのものが主観から入っている。私はそう思いますけれども、ここのところの答弁をいただきたい。初めに結論ありきというところでやっているんじゃないかと思いますので、ここのところを再答弁お願いしたい。
あと、介護保険の問題ですけれども、選択肢が増えるとかおっしゃいました。でも、これは今お話したように高嶺の花なんですね。所得の低い方が待っているんですよ。ここのところをどう考えるかだというふうに私は思います。特養を待っている方、この方をどういうふうに思っているのか。例えば、待機者、この方々は空きがあれば入れる方でしょう。そうではないんですか。
宮崎克俊君に申し上げます。再質問ですから、簡略にお願いいたします。
わかりました。待機者がふえている。これは以前と比べて伸びが鈍っているという説明ですけれども、ふえていること自体をどういうふうに考えているのか。そこのところの見解をぜひお聞かせいただきたいと思います。
再質問にお答えいたします。
核兵器の問題につきましてのご質問かと思っております。品川区がたしか昭和60年だと思いましたが、非核平和都市品川宣言を行いましたときに、政府や国連、各都市に対しましてこの宣言文をお送りをし、品川区の立場を明確にさせていただきました。したがいまして、この精神はまだ生きていると思っております。今、宮崎議員からいろいろとご意見はちょうだいいたしました。ご意見として拝聴させていただきます。
再質問にお答えいたします。
まず、今回の事務事業評価につきまして、減価償却費などを取り入れたのはなぜかということですけれども、今回の大きな目的は行政の減価を区民に明らかにするということが大きな目的でございまして、これは従来の企業会計手法のバランスシートとも合わせまして、今後、区が区民に対して明らかにしていく大きな仕事であると、このように受けとめてございますので、当然ながらそういう考え方をこのシステムの中に持ち込んでいくということでございます。
それから、再開発の件ですけれども、これは前々から申しておりますように、一般財源は入ってございませんので、したがってこの点につきましては大きな見解の相違というふうに受けとめてございます。
特別養護老人ホームヘの現在の入所申し込み者についての考え方ということでございますが、介護保険になりまして要介護度1以上の方が制度上は入所対象ということになりました。そういう中で品川区としての入所調整システムを運営し、一定の基準のもとに必要度の高い方から優先的に名簿をつくって、それぞれ施設の希望等も聞きながら入所について施設側と調整をしているところでございます。このシステムを運営する中で、私どもとしては、希望という形では400人台、やや微増ではございますが、全体に必要度の高い方からのこのシステムで利用者、あるいは家族の方との関係といったところは一定円滑に運営がされているのではないかというふうにとらえているところでございます。
なお、個別のケースはいろいろ、ご家族のご希望、あるいはいろいろな事情もあろうかと思いますので、それについては個別にご相談に乗っているところでございます。
短時間でやりますけれども、再々質問でやらせていただきます。
行政評価のところですけれども、例えば、個別事業ごとに評価するというふうにおっしゃっていました。私、先日、ある方から話を聞いて本当にそうだなと思ったのは、自分のお父さんを高齢者施設で預かってもらいたいと、そういう方なんですけども、福祉がちゃんとしている。それが自分たちがちゃんと働こうという気になるとおっしゃっていました。私は本当にそうだなと思う。翻ってみると、例えば保育園があって子供を預けていただいているから品川で共働きでやれる、税金を払えるんですよ。だから個別個別でやっていったら絶対矛盾が出てくるんです。こういう全体の評価がなぜできないのかということです。このところを聞かせていただきたいと思います。
特養の方ですけれども、必要性の高いと言いますけれども、毎年毎年入れる人、これは、こう言っては何ですけど、亡くなるのを待っているわけです。限られている。どんどんふえるわけです。この理屈でいくと、必要性の高いこのハードルはどんどん高くなるんですよ。ハードルをいつまで高くするのかということです。これはやはり事業部長自身が言っている。おおむね大変な人は6カ月というところであれば、その線で入れるように仕組みをつくることが大事だと思いますので、そこのところの考え方をもう1度お聞かせいただきたいと思います。
再々質問にお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、区民の立場はいろいろございます。したがいまして、事業ごとに評価はトータル的な判断をしているということでございますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
特別養護老人ホームについての再々質問でございますけれども、先ほどもご説明しました品川区の入所調整システムについてはご案内かと思いますが、一応6カ月の有効期間で名簿を作成し、その時点でまだ入所に至らない方は再申し込みという形で、また新規に申し込んでいただくという形で運営をしております。その間は必要度が上の方でもお声をかけまして、例えば、希望の施設等々あるいはもう少し在宅でできるということで保留なさる方もいらっしゃいます。そういった意味では品川区としては特養だけを特別にということではなく、在宅と施設の連携、あるいは新しい形の施設整備、そういったことを全体的に、総合的に考えて基盤を整備していきたい。そういう考え方でございます。
以上で、宮崎克俊君の質問を終わります。
以上