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予算委員会アルゼンチン債購入問題集中審議
3月11日日本共産党沢田英次議員の質疑

2003年03月11日

3月11日、品川区議会は予算特別委員会で、品川文化振興事業団のアルゼンチン債購入問題での集中審議をおこないました。日本共産党、沢田英次区議団長の質疑の模様を要約して報告します。

「外国債購入は事業団の組織的行為。知らなかったのは区長だけか」…(沢田議員)

沢田議員:第1番目は、アルゼンチン債の購入、例えば第5回アルゼンチン債の購入に際して、係長、次長、事務局長の印鑑が押されいるが、事実経過は。印鑑を押すにあたってどのような書類が配られたのか。

企画部長:決裁の経緯は、(沢田)委員の指摘通りだ。この意思決定は、本来は理事長の意思決定であるべきところを事務局長の意思決定で終わっている。これは違反だ。添付資料は新日本証券からの債券についての提案内容についての資料、債券の格付に関する確認書、債券の格づけそのものについての書類と解説書、最後に取引報告書・計算書という明細書。

沢田議員:そうすると、格付書も含めて、集団的にこれは稟議にまわって通っていった。知らなかったのは理事長だけということになる。それからもう1つ、代表質問でとりあげたが、アルゼンチン債購入にあたって債券格付に関する確認書に高橋理事長の印鑑がおされている問題で、理事長は「これを知らない」と区長として答弁した。誰がこの印鑑を押したのか。理事長印は、いくつあって、どのような流れで理事長印が押されるのか。

企画部長:理事長印の保管は、庶務が担当。理事長印は、財団の意志。よって理事長の印鑑は、稟議上の意思決定を確認して、事務局長をはじめとする庶務のところで、意志決定を確認の上、理事長印を使用することになっている。

沢田議員:今回のこの場合は誰が命じて押したのか。

企画部長:相見前副理事長が「私の命ですべて命じて処理させている」といっているので、そのように受け止めている。

沢田議員:相見前副理事長と受け止めているというが、調査をやりながら一番重要なポイントをあいまいな表現では困る。本来理事長が押すべきところを、決裁権限のない副理事長が理事長の許可もえずに、権限を超えて印鑑を押したというのは私文書の偽造に近い。それで損害を被る訳だから、このことをいっておきたい。

「濱野助役は星野事務局長に相談された時に、なぜ理事長に持ち上げなかったのか」

沢田議員:もう1つ、濱野副理事長が2000年の11月か、12月に星野事務局長から外国債の購入について話があったとき、事務局長の話の中身はどんなものか。

濱野助役(副理事長):星野事務局長から「財団は当時の副理事長の考え方で高利回りで運用するようにとの指示を受けて、外国債を購入した」と相談された。それで私は「財団としては、いわゆる高リスク、高リターンというものは控えるべきではないか」といった。こういうものは売ったり買ったりする種類のものではないから、いわゆる満期が来たものから順に安全なものに切り替えるというふうにした。

沢田議員:(濱野)副理事長が、それを理事長に持ち上げていれば局面は、変わっていたと思う。なぜその時点で理事長に話をしなかったのか。副理事長の責任は極めて大だ。実際に区長に報告したのは翌年の5月だった、と総務委員会に報告されている。これが1つ大きなポイントだった。

「外国債に手を出したのが今回の大きな間違いの一つ」といいながら「違反ではない」−区長答弁、矛盾はあきらかに

沢田議員:次は低格付のアルゼンチン債をなぜ購入したのかという、根本の問題について。今回のアルゼンチン債は投資不適格な、デフォルト(債務不履行)になるかもしれない、「BB」の格付だった。理事長(区長)に聞きたい。「この報告を聞いた時、ガク然とした、由々しき事態だ」といったが…。

高橋区長:株をやったものは、こういうアルゼンチン債の危険性は知っている。私も株が好きでやったこともある。私は絶対に外国債に手を出さない。利益が大きいけれどリスクが大き過ぎる。まず安全性だ、その次が利益。はじめ聞いた時に「あんたがた、株やったことある」と聞いた。相見が株をやったことあるんだろうか。あったなら、外国債にはほとんど手を出さないものだ。これが今回の大きな間違いの1つだと思っている。

沢田議員:「外国債を買ったことは問題なかったんだ」と助役もみんないっている。調査報告でも「問題ない」と書かれている。ところが今の理事長としての発言は「私ならこんなもの絶対に手を出さない」だ。財団の幹部の中、企画部長を含めて、格付「BB」のものを買ったことに対する判断が割れている。理事長の見解を聞きたい。副理事長が半年も前に聞いているのに(理事長に)報告しなかったなかったことをどう考えているのか。

高橋区長:「外国債を買っちゃいけないんだ、買うことは不当だ」という意味で云っているのではない。文化振興事業団で円貨建ての外国債を買うことは可能だ。ただ危険性の問題としてどうだろうかといっているのだ。買うことは違反ではない、それぞれの考え方だ。私だったら買わない。なぜ格付の低いものに手を出さなきゃいけなかったか。証券会社の売り込みに惑わされていなかったか。国はつぶれないから国債は大丈夫だという説明があったようだが、戦前の日本の国債は紙くず同然になった。経済と国とは別だといってやった。助役が報告に来た時、即刻対応しないとどうにもならなくなってしまうといった。文化振興事業団は預かったお金を減らさない努力はしなければならない。早急に対応するよう指示した。

沢田議員:先週の当委員会でペイオフに際して預ける金融機関をどう調査するか質問したところ、収入役は「自己資本比率と格付と株価を厳重に監視する」といった。ところがその収入役が財団の監事として監査をやって、一番のポイントの格付「BB」を見逃してしまった。痛烈な反省がない限り、区民の税金400億から500億円の金銭の管理を任せておけないということになる。調査委員会は、「BB」のものを買ったのは「問題ない」となっている。調査をもう1度やり直すべきだ。どこに今回の一番の問題があったのか。いくつも是正する機会があったのにやられなかった。事務局長に伝わった際、助役(副理事長)が聞いた際、そして監査とあったはず。みんなフリーパス。これはおかしい。全体が狂っている。

「区長は、区民に謝罪すべきだ」…(沢田議員)

沢田議員:次に理事長として、区長としての責任について。理事長として詫びたことは(理事会の)議事録で確認した。なぜ、区長として議会で謝罪しなかったのか。

高橋区長:理事長と区長は「二重人格」。私は性格が違うと思う。品川区の責任者としての区長、文化振興事業団の理事長としての立場は、それぞれだ。それが品川区で何かあったからといって、それぞれの文化振興事業団なり、スポーツ振興事業団なりで謝りますか。それぞれのポジションの責任者として、そのポジションの場において謝るのが理事長の責任だと思う。本会議では、あえてそういうことはいわなかった。あまりにも狂っているという話だが、狂っているのではない。いままでの文化振興事業団が安定した財政運営ができていたために、慣れ過ぎたことで、狂ったこととは異質だ。それがあって今回の事件になったことと思っている。

沢田議員:理事長としての給与は誰から払われているか。

高橋区長:1銭ももらっていない。

沢田議員:理事長として働いている時間は、117万7千円の区民からの税金で支払われているのではないか。その間、賃金カットしているか。

高橋区長:理事長としての報酬はない。私には職員と違って、勤務時間というのはない。3時間ぬけたら、3時間分をカットするという規定もない。当たり前のことをやっている。

沢田議員:最後になるが、その理屈は通らない。区長としての歳費をもらい、理事長としての仕事をしながら、私は報酬をもらっていないということはいえない。なぜこのことを云ったのかというと、区長と理事長は一体不可分だ。人的にも、財政的にも一体不可分の関係なのに、区民には詫びないと胸を張るのではあまりにも情けない、誠意がない。今回、相見元助役の「独断」が強調されてきたが、財団として組織的にアルゼンチン債など外国債を買ったことがあきらかとなった、また「BB」の格付債券を買ったことが理事長は問題だといい、調査委員会では「問題なし」といい、一番重要な問題に対して統一ができていない、この問題は今後徹底究明すべきだ。(終)

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