品川区は第3回定例会に住基ネットに関し「品川区住民基本台帳ネットワークシステムに係る個人情報の保護に関する条 例」を提出されます。
同条 例案は「電気通信回線を切断する」など評価できる点もありますが、第1条 の目的では憲法で保障するプライバシー擁護の規程がない、など不十分な点もあります。
日本共産党品川区議団は、一般質問で取り上げるとともに、同条 例案の審査の中で、修正案を出す方向で検討しています。みなさん方のご意見をいただければ幸いです。
(目的)
第1条 この条 例は、住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)の運用に伴い、区が保有する住民票の記載事項に関する情報(以下「住民票記載情報」という。)の適正な管理について基本的な事項を定めることにより、区民の個人情報の保護を図り、もって住基ネットの運用に対する区民の信頼を確保することを目的とする。
(用語)
第2条 この条 例において使用する用語は、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)および品川区情報公開・個人情報保護条 例(平成9年品川区条 例第25号)において使用する用語の例による。
(区長の責務)
第3条 区長は、区における住基ネットの運用が安全に行われるよう必要かつ適切な措置を講じなければならない。
(運用状況の公表)
第4条 区長は、住基ネットの運用状況について、毎年1回公表するものとする。
(意見の聴取)
第5条 区長は、住民票記載情報の漏えい、滅失またはき損の防止その他住民票記載情報の適正な管理を図るため、住基ネットの運用に関する重要事項について、品川区情報公開等審議会に諮り、その意見を聴くものとする。
(不適正利用に対する措置)
第6条 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、国、都道府県、区市町村および指定情報処理機関(以下「国等」という。)ならびに国等から住民票記載情報の処理に関して委託を受けた者に対し、報告を求めるとともに、必要な調査を行うことができる。
(1)住民票記載情報が漏えいし、滅失し、もしくはき損したときまたはこれらのおそれがあるとき。
(2)住民票記載情報が不正に利用され、または提供されているとき。
(3)前2号に掲げるもののほか、住民票記載情報を保護するため必要があると認めたとき。
(緊急時の対応)
第7条 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、緊急措置として、区が管理する電子計算機と区以外の者が管理する電子計算機とを接続する電気通信回線を切断するなど必要な措置を講じることができる。
(1)住基ネットの安全性を侵犯する重大な不正行為を発見したとき。
(2)区または区以外の者が管理する電子計算機等に重大な障害が起こったとき。
(3)前2号に掲げるもののほか、住民票記載情報を保護するため必要があると認めたとき。
(不正情報取得者等に対する措置)
第8条 区長は、住基ネットから違法もしくは不当な方法により住民票記載情報を取得し、もしくは保有していると認められる者またはその関係人(以下「不正情報取得者等」という。)に対し、必要な調査を行うことができる。
2区長は、前項に規定する調査を行う場合において、必要があると認めたときは、不正情報取得者等に対し、質問し、または文書その他の物件の提出を求めることができる。
3区長は、前2項に規定する調査等により、住民票記載情報を保護するため必要があると認めたときは、不正情報取得者等に対し、当該住民票記載情報の消去、記録媒体の処分その他必要な措置を命じることができる。
(過料)
第9条 次の各号のいずれかに該当する場合は、その違反行為をした者は、5万円以下の過料に処する。
(1)前条 第2項に規定する質問に対し、正当な理由なくこれを拒み、もしくは虚偽の回答をしたときまたは正当な理由なく文書等の提出を拒み、妨げ、もしくは虚偽の文書等を提出したとき。
(2)前条 第3項に規定する命令を受け、当該命令に従わないとき。
(施行期日)
1.この条例は、公布の日から施行する。(品川区情報公開・個人情報保護条例の一部改正)
2.品川区情報公開・個人情報保護条 例の一部を次のように改正する。
第28条第2項中「運営」の次に「および住民基本台帳ネットワークシステムの運用」を加える。
(説明)住民基本台帳ネットワークシステムの運用に伴い、区が保有する住民票の記載事項に関する情報を適正に管理することにより、区民の個人情報の保護を図る必要がある。