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沢田英次区議02年第3回定例会総括質問「大規模開発」「区営住宅」「小中一貫校」

2002.10.11 沢田 英次 区議

総括質問項目

  1. 財政の浪費、大規模開発の見直しを
  2. 区営住宅の建設を
  3. 区民合意ができていない小中一貫校計画は見直しを

総括質問

日本共産党を代表して、総括質問を行います。

再開発問題、区営住宅問題、それから小中一貫校、大きく三つの柱で聞かせていただきたいと思います。


財政の浪費、大規模開発の見直しを

まず、再開発問題ですけれども、平成2年に御殿山の森ビルの開発が竣工して以来、昨年完成したオーバルコートまで次々とオフィス中心の大規模開発が進められてきました。これまでの到達点ですけれども再開発で何件、敷地面積で達成率が大体今の計画で何%ぐらいか、できたオフィスビルの総面積がどれぐらいか、昼間人口はどれぐらいになるのか等についてお答え願います。

また、これらの開発についての区としての評価はどうでしょうか、お答え願いたいと思います。

岩野まちづくり事業部次長

まず、これまでの再開発の達成率ということでございますが、法定再開発ということで言いますと5地区竣工ということでございまして、現在実施中が2地区、都市計画決定が2地区、合計9地区ということでございます。

そこに限定してでございますが、そこで新しくできた床面積、オフィスでございますが約七十数万平米でございます。また、昼夜間人口についてでございますが、昼間人口につきましては約4万人、夜間人口につきましては約6,000人といったことでございます。

先ほど委員のご指摘のような形で、28とか29のプロジェクトがございますが、そういった中では基本的に住民の合意が得られたところについては、ほぼ順調に再開発ということでまちづくりが進んでいるというように評価しているところでございます。

沢田委員

法定再開発として5地区竣工、そして2地区という話がありましたけれども、それ以外の大規模オフィス中心の開発を全部含めますと28から29あると。大変多くの開発がやられておりますし、完成のオフィス面積は全部で7地区、七十数万平米ということでしたけれども、実態的には全部集めれば相当な数だと思いますけれども、残念ながら答えはいただけませんでした。

私どもこれまで品川区の進める再開発に対して、たびたび取り上げてきましたけれども、中でも住民や昔からいた町工場が再開発することに、きれいにはなったけれども住めない事態を繰り返し指摘しててきました。ただ、これは時間の関係で一言だけ私の感想を述べたいと思います。

20年ちょっと前になると思いますけれども、大崎ゲートシティの地に大崎グリーンボウルというボウリング場がありました。そのときに毎晩地域の皆さんが集まって、この地域に場外馬券場は要らないという運動をして請願もし、ついにストップをさせました。ゲートシティの完成に伴って、その当時運動して今あそこにいらっしゃる方は2名しか知りません。二十数名が毎晩やっていたあの開発で、結局住み慣れた地を離れざるを得なくなった、工場も姿を見せなくなったということだけ述べておきたいと思います。

次に、質問をいたします。開発と環境問題です。

ヒートアイランド現象は誠に暑い夜が何日もこの夏は続きましたし、集中豪雨によって今年の夏は8回も水防本部を設けるという異常事態となりました。私は品川区が進める再開発で、こうした環境問題がどのように配慮されているのかお尋ねをしたいと思います。

また、具体的に聞きたいんですけれども、大崎駅東口第3地区の開発で環境問題がどう配慮されたかお答えを願いたいと思います。

岩野まちづくり事業部次長

まず、基本的に大崎駅東口第3地区を限定してのお尋ねでございますが、この地区はご案内のように、従前はほとんど緑地がなかったということでございまして、敷地内の4,500m2の大きな緑地を取ったということ。それから、さらに屋上緑化も約650m2という形で計画されてございます。

そういった緑地のほかに、省エネルギー対策として建物自身の持つエネルギーといったものについても、従前の建物より非常に効率的な冷暖房にしているということ、やはり通風とか採光といったもので環境問題を考えている。さらには注水等を利用して、環境の負荷を低めているといったさまざまな努力を重ねているところでございます。

沢田委員

もう少し聞きたいと思うんですが、大崎駅東口第3地区で開発によって新たに生ずるエネルギーあるいはCO2をどれぐらいに算出しているのでしょうか。

そして、緑地をつくったことによって、それがどの程度軽減をされるのか、試算があったらお答え願いたいと思います。

岩野まちづくり事業部次長

まず、CO2の発生の試算でございますが、現在そういった形の定量的な試算ということはできてございません。ただ、低減するための措置ということで、植栽の中で高木とか中木でございますと、1年間にCO2については11.5kgの軽減効果があるということでございますので、実際に敷地の中を拾いますと約100本ということがございますので、約1.2tほどのCO2の軽減効果があるといった形で現在測定しているところでございます。

沢田委員

共産党の東京都議団が都市再生ゾーンでどれぐらいのCO2を発生するか、東京都のアセス基準をもとに調べました。1,400ha、品川区もこの中に入っていますけれども、75地区、延べの敷地面積1,400haから出る年間のCO2の発生量は約110万t。これは23区の排出量の6.7%押し上げる数字であります。

品川区の開発した五つの大規模開発は77万tと聞きましたけれども、これをこの基準に当てはめますと8万5,000tのCO2が年間発生することになります。今、1.2tのCO2を縮減するという話が出ましたけれども、実態的には人を集中し、車を集め、産業活動を行う、蓄熱をし夜間に放熱をするという問題に加えて、エネルギーを外に排出をする量というのは大き過ぎるというふうに思います。

環境省が調査報告書を9月にまとめて述べているんですけれども、ヒートアイランドの要因となる排熱の多くは都心3区および都心など再開発地域に集中的にあらわれていると指摘をいたしております。また、環境省の調査では、屋上緑化、壁面緑化、省エネ対策を完全にやったとしても、東京23区の温度を0.2度下げることにしかならないと。

これは一つ一つは大変ですけれども、開発をどんどん進めれば進めるほどCO2を放出し、ヒートアイランドや地球温暖化の方向にどんどん進めることになっているということを、私は指摘をしておきたいと思います。都市再生による大規模開発を抑えなければ、焼け石に水の対策になりかねないということを、今明記すべきだと思います。

続いて、オフィスの過剰問題、2003年問題についてお尋ねをしたいと思います。

今度の決算特別委員会で2003年問題の質疑が交わされました。区側の部長の答弁、ちょっと間違えたら申し訳ございませんけれども、「2003年に227万m2のオフィスビルが一斉に完成していく。しかし、その次から70万m2ぐらいに激減するから問題ない」と、みんなが今心配している問題を非常に軽い扱いとして答弁されましたけれども、もう一度その辺の考え方についてお答えを願いたいと思います。

岩野まちづくり事業部次長

先の款別審査でもご答弁いたしましたが、そのときに使った数字は227万m2ではなくて、今年度は218万m2という数字を使わせていただきました。

ちなみに、来年度は73万m2、再来年は72万m2、その次が40万m2といったビルの供給が予定されているということでご答弁申し上げました。この数字についてでございますが、218万haの大きな供給があるというのは、国鉄の清算事業団で用地が汐留、品川等が放出されて、その部分が一斉につくられたという特別な事情がございます。それに伴いまして、一般論としては沢田委員ご指摘のように、オフィス需要については軟化しているということは、そのとおりでございます。

ただ、大崎につきましては、具体的な形でそういった問題について、「2003年問題は大崎に存在しない」といった答弁をしましたが、その理由は二つございます。

一つは、2003年問題が喧伝されていながらも、駅前の再開発ビル、それからかなり高機能のビルについては非常にテナントの需要が強いということがございまして、現に大崎駅前に計画している事務所につきましても、計画供給量の2倍半の引き合いがあるといったことがございますので、そういった点から2003年問題については、大崎については心配ないだろうと。

さらに、現実的に大崎のニューシティにしろゲートシティにしろ、ほぼ99%の状況でございまして、通常の事務所のビルというのは5%ぐらい空室率がないとよくないと言われていますが、いっぱいの状況がございますので、そういった客観的な状況を含めて大崎については2003年問題は必要ないだろうとご答弁申し上げました。

沢田委員

まちづくり事業部次長は日経新聞が8月15日、16日に連載で報じられた「大量供給を既存ビルに打撃」という記事を読んだのでしょうか。再開発ビルがよければいいのではなくて、この不況の中で既存のビルがそちらに移行したら、それこそ既存の中小のビルも含めてオフィス賃料が激減する、オフィスバブルがはじけるということを書いているんです。

ちょっと読んでみますと「森トラストの調査によると、2003年に新たに供給される大型オフィスビルの合計延べ床面積は227万m2、バブル期のほぼ2倍の水準で、東京ドームに換算すると48個分にもなる。再開発の進む丸の内や汐留、品川、六本木などに最新の大型ビルがぞくぞくと誕生する」と書いてある後に「三鬼商事によると、都市5区の千代田、中央、港、新宿、渋谷の空き室率は今年3月末2年ぶりに受給の均衡ラインと言われる5%台に乗せた。7月末時点では6%を突破した」と。

この不景気の中で、バブル期の2倍の床面積がどんどんできてくれば、供給過剰になるのは当たり前、大崎だけいいということでいいのでしょうか、既存の中小企業のビル経営者はどうなるんですか。

その点は、真剣な検討を望みたいと思います。改めて、その点について答弁を求めたいと思います。

岩野まちづくり事業部次長

まず、大崎の再開発によるビルについては、「2003年問題については問題ない」とご答弁いたしました。

それから、中小企業の今言ったような部分につきましては、また別のリポートがございまして、そういって移ることによって、古い設備でやっているビルが新しい形で展開していくによって日本のビル全体がよくなるだろうということもございます。また、国のほうでも、空いた中小ビルについてマンションというような形で展開をすることによって、都市全体のビルの資産価値を高めていこうということでございます。例えば、中小ビルが何にもしないでそのまま手をこまねいていればご指摘のようなことがございますが、やはりそれぞれ中小ビルにしても大きなビルにしても、競争しながらお互いによくなっていくということが日本の社会でございますので、そういった形での競争原理が働くということでございますので、決して悲観をしているということはございません。

沢田委員

私の知り合いの中小ビルの経営者が、1年前に自分のビルから飛び下り自殺をした。詳細は言いませんけれども、それほど今の状況は厳しい状況です。中小でも何とか対策を行えば何とかなるという甘い状況ではないのに、その一方でどんどんビルをつくっていったらどうなるのか、責任を最後まで負えるのか。

それから、再開発に期待をしてついていったはいいけれども、再開発ビルがもし売れないようなことになれば、だれが責任を取るのかという問題が問われていると思います。

この問題についてはここでとどめて、最後に財政問題に移りたいと思います。

品川区はこれまで大規模開発、私どもが言うオフィス中心の開発で、補助金、委託料、調査費で投入された財政は472億円、これは大崎駅東口第3地区と大崎駅西口中地区も入っておりますけれども、膨大な税金が開発に投入されました。

一方で、昨年福祉タクシー券に新たな所得制限を導入したり、生活保護の風呂券を3年連続90枚が60枚にされたり、勤労者の生活資金融資制度を23区で品川区が初めて廃止をしてしまったり、区民の大事な施策が後退してきました。今、大不況のもとで住民の命と暮らしを守る方向を優先すべきなのに、一部の大企業や銀行、ゼネコンのための開発は見直すべきだと思いますけれども、ぜひお答え願いたいと思います。

市岡企画財政課長

今の沢田委員のご質問の中で、まず初めに明確にしておきたいんですが、市街地再開発事業を中心にした再開発の財源というのは、繰り返し何度となくご説明申し上げておりますが、国庫補助金、都補助金あるいは財調の態容補正という形で特定の財源が措置をされておりまして、これと各福祉施策の財源とは全くバーターの関係はありません。

したがいまして、再開発は再開発、これは品川区として良好な市街地を21世紀に向けてつくってきたという自負で区は展開をしてまいりました。福祉施策については、23区のどこと比べても引けをとらない施策をしっかりと展開してきたという、全く別の論理というものを無理やりバーターにするということについては、財政担当者としては明確に否定をしておきたいと考えてございます。

沢田委員

再開発の補助金は国の補助金と23区の都区財調の交付金の半々です。都区財政調整は区の独自の財源だと言ったのはだれでしょうか、助役が言いました。固定資産税や法人住民税、特別区土地保有税を23区が調整をしている交付金です。これが導入されたということは、区税を投入したということと同義語。それから、国の補助金は区民も含めた国民が払った税金です。

長野県の田中知事の脱ダム宣言、あれは税金の使い方が長野県という地域で審判が下されたものであり、今全国でむだな公共事業にお金を注ぐことが正しいのかということが全国に広がっている。

このような状況のもとで大規模開発、ゼネコンや大企業にお金を注ぐことはやめるべきだと、このことを述べて、これとも関係しますので住宅問題に移りたいと思います。


区営住宅の建設を

今のバブル崩壊から始まった不況は、既に10年になんなんとしております。不況は区民生活を直撃しています。その一つのあらわれが住宅難であり、住宅の困窮度の深まりだと思います。

改めて、都営住宅、区営住宅、高齢者住宅の募集の実態はどうなっているのか、お答え願いたいと思います。

2番目は、高齢者家賃助成制度が平成18年度で廃止になりますけれども、この制度を受けている方が現在何人いて、その対策はどう図られようとしているのでしょうか、お答え願いたいと思います。

市岡企画財政課長

再開発をめぐる財源問題について、簡単にご答弁申し上げます。

むだな公共事業と委員がご指摘されましたが、全国で問題になっている公共事業の問題点と品川区のまちづくりの問題とは全く様相は違う問題でございます。

特に、財調でございますが、財調の財源である調整税というのは、企業が立地しあるいはそこで良好なまちづくりが行われたことによって調整税が換用されたものでございます。そういう意味では、品川区がしっかりしたまちづくりをこれまで行ってきたことによって、財調の財源は23区全体に充実をしてきたということを明確にご答弁申し上げます。

山室住宅指導担当部長

平成14年度の公営住宅の応募状況について、ご説明いたします。

5月の都営住宅の募集では、八潮地区で6戸の募集に対しまして、応募者数が656名で募集倍率は109.3倍でございます。

また、7月に区営住宅の登録申込を受け付けました。これは毎年の発生件数があるわけですが、応募者数は全体で478名でございます。空きの見込みは年によって変わりますが、おおむね五、六戸と考えております。

新美保健高齢事業部長

高齢者の家賃補助の対象者でございますが、平成14年6月の時点で95人でございます。

品川区としては昭和60年代から高齢者住宅の施策に取り組んでまいりまして、現在220戸の高齢者住宅のストックを保有しております。そういった既存の高齢者住宅の活用と、それから住宅あっせん制度等の住宅施策を組み合わせまして、家賃補助の対象者に対する住宅の確保を平成18年度までに適切に対応していきたいと考えております。

沢田委員

財政問題ですけれども、77万uのオフィスビルはだれがどれだけ持っていますか。法人と個人とあったら説明願いたいと思います。

結局、国の財政でも国民が払ったもので、来年の債務残高は700兆円になる、もう破綻状況ですよ。そこからどんどんお金を持ってきて、これは国の財政だから我々に関係ないということを地方公共団体の役人が言っていいのか、私はこれは問題だと。国民の税金を有効に使うのが、地方自治体としても国家公務員としてもやらなければならない問題だと思います。

そこで、今住宅問題で発言がありましたけれども109.3倍、大変な住宅難がリストラに遭ったり、高齢になったり、年金が伸びなかったり、こういうもとで深刻になっておりますけれども、二つの事例を紹介したいと思います。

一つは、59歳の前から相談に乗っている肢体不自由4級の女性です。30年間東五反田に居住をし、パートで13万円の収入があったけれども、両足を手術しなければならないために木造2階の急階段を上がり下りを30年間やってきたけれども、ついにその会社を辞めざるを得なくなった。そして、その方は単身ですけれども、公営住宅に14回応募したけれども全く当たらなかった。この方はどうすればいいのでしょうか。

そういう意味で、今いろんな事情で住む家を失った人に対して、高齢者に公営住宅や高齢者住宅を提供したり家賃補助制度を行うべき時なのに、それをみんな後退してしまう、これはおかしいと思います。

それから、大井四丁目のOさん。月7万5,000円の家賃で、前の家賃との差3万5,000円が家賃補助されておりました。これがなくなると7万5,000円の家賃を、加齢をした上に収入が伸びないもとで払っていかなければならない、行くところがない、何とか助けてくれと悲鳴を上げております。

私は改めて問いたいと思います。今こそ低所得者の皆さんに区営住宅、高齢者住宅を拡大することを提案しますけれども、区側の考えをぜひいただきたいと思います。

中尾根企画部長

当区の住宅施策につきましては、バブル経済が始まったころ、やはり同じように区民の方々が区外に転出するという現象をどういうふうにやって、いつまでも品川区内に住み続けられるか、このことの対策のために住宅施策を打ってきました。そのときもいろいろ議論がありました。

一つは、家賃補助のようにして経済的な援助をすべきだということと、もう一つは、いやそうではない、やっぱり定住化を図るためにはストックを用意して、そして長期的な視点からやるべきだと、区は後者を選択してきました。

そのために住宅条例をつくりまして、そして再開発につきましては住宅付置制度を設けて住宅を付置させる。それから、まちづくりと連動した木賃住宅の改良を行う。そして、借上型の賃貸住宅制度を始めた。なおかつ、区民住宅と高齢者住宅の建設を公私のバランスを見ながら、民間を圧迫しない程度の中で運営するという方針の中でやってきました。先ほど数字を申しましたように、計画どおりに進めて完了してございます。

家賃補助制度につきましては、当時もありましたように「新婚さんいらっしゃい」で有名になりました区がありました。あそこの制度は、結果的にもうやめております。多くの区は福祉的な側面としての家賃制度というものはありますけれども、そうではない家賃制度は本質的ではないということがはっきりしてきたと思います。

当区のひとり暮らしの高齢者の家賃補助だけは、例外的に当面の状況を回復するまでの間、必要な制度で緊急にやりなさいという住宅の提言がございまして、それを受け入れたものでございます。

今、状況を顧みますと、新しい21世紀に向けての状況の中で、家賃補助制度につきましては当区にとっても必要がない。

したがいまして、計画どおりに完了しましたので、今後の状況を見ながら将来に向かっては計画を立てていきたいと考えているところでございます。

沢田委員

区民住宅を建てて、子育て世代を定着をさせようというのは、大きく前進して評価できる施策だと思います。

ただ、私は低所得者の社会的弱者が住む家がないではないか、ここのところを手当てしなければ、先ほどの女性は一体どうしたらいいのでしょうか。14回、15回応募して外れている人は、行き場がない。この点に関して、もう一度お答えを願いたいと思います。

最後に、開発問題と住宅問題の件で、私ども区政アンケートというものを全戸に配布して行いました。その中で再開発の問題に対して言いたいと思うんですが、10月8日現在1,074通の回答をいただきまして、改めてこの点についてはこの場を借りてお礼を言いたいと思います。

区が進める再開発に対して、賛成は121、11.3%、反対は455、42.4%、どちらとも言えないが29%、大規模開発より福祉住宅を優先すべきかというのに対して、賛成は670、62.4%、反対49、4.6%、どちらでもないが204、19%。

この結果を見ても、住宅や福祉を大事にしてほしいというのは、区民の圧倒的多数の声であるということを述べておきたいと思います。


区民合意ができていない小中一貫校計画は見直しを

時間がなくなってきましたので、小中一貫校について質問いたします。

午前中の質疑でもあり重複して申し訳ございませんが、改めて小中一貫校の目的と学級数、募集の仕方などを説明願いたいと思います。

また、小中一貫校の要望はどこから上がってきたのか、このことのお答えを願いたいと思います。

中尾根企画部長

先ほどの住宅問題の続きをさせていただきます。

今、品川区には公営住宅、それは都営住宅および区営住宅を合わせまして4,000戸ございます。

したがいまして、こういう手厚い施策を品川区としては進めておりまして、このストックを活用して住み替え可能な制度のソフトの充実を今後させていく、これが今後の品川区の方針でございます。

指田教育次長

小中一貫校のことについてお答え申し上げます。

まず、目的でございますけれども、小学校と中学校に上がる段階におきまして、いろいろ学校間において文化の違いといいましょうか、指導観や生活指導に対しますさまざまな問題がございます。こういったことが児童・生徒の学習あるいは学校生活に対します不安だとか戸惑いを生みまして、一定程度心理的ストレスがたまり、やがて不登校になってしまうといったこともございます。さらには、学力だとか学習意欲の低下といった点もございます。

これらを含め、また同時に教員の間にもいろいろと相互不干渉的な意味合いもございまして、この間連携校教育をやってございましたけれども、やはり効果的な学習指導の妨げになっているという状況から、今回小中一貫校の実現に至ったものであります。

それから、学級規模でございますけれども、小学校は各学年3学級、中学校は4学級を当初予定してございましたけれども、当面中学校は5学級でスタートする予定でございます。

募集方法につきましては、中学校につきましては区内全中学校からの選択制でございますので、改めて言うまでもございませんけれども、小学校については平成18年度からの入学でございますが、ブロック制に限らず広く区内全域からの募集も含め検討を行っているところでございます。

それから、要望がどこから上がってきたかということでございますが、平成12年の学校選択のときから小中一貫校構想というものはパンフレットにも載せてございました。ただ、それが連携教育という形のほうが強いのではないかということでやりましたけれども、そういった点でもともとあったということもございます。同時に、この間連携教育の行き詰まりがございましたので、学校現場からあるいは教育委員会当局としましても、さらに一層の教育という形で一貫教育に踏み切ったという内容でございます。

沢田委員

先ほど、区営住宅と都営住宅を合わせて4,000戸と言いましたけれども、区営住宅はわずか393戸です。これをどんなにやりくりしたからといって、入れる人は限定されてしまいます。

ですから、例えばゲートシティの111億円も区営住宅に充てれば550戸一遍にできてしまう。大企業のオフィスビルよりも区民の皆さんが住める、こちらこそ優先すべきだという政策提言をずっとしてまいりました。

そこで、私は小中一貫校の問題について、もう一言進めたいと思います。

午前中の質疑でもありましたけれども、とりわけ日野中学校の子どもの要望にこたえて、1学年4学級から5学級にする。そして、日野中学区域の希望者全員が入れるようにするということをおっしゃいました。これは要求にこたえたものだと思いますけれども、新たな矛盾が生じます。

一貫校の1学年3クラスから上がってきた子どもと、全区募集する中学校からの新たな2クラス、特にこの中の大半は日野中学校区域の子どもが入るでしょう。一貫校から6年間教育された子どもと中学から新たに入ってきた子どもとの間では、ある意味では学歴差がつくのは当然でしょう。

私は学歴差をつけるために小中一貫校でやろうとしているわけですから、心理的なストレスを解消すると言いながら、中学校に入ったら一貫校の子どもとそれ以外の子どもが3対2で同居する新たなストレスを生ずることにならないでしょうか、どうやって教育をするのか具体的に説明願いたいと思います。

高橋区長

住宅の問題につきまして、ご答弁させていただきます。

今、沢田委員から出ました公営住宅の問題、これは今まで役割分担がございまして、都営住宅は都が建設をずっとしてまいりました。それを受け入れるのはそれぞれの区でございます。

したがいまして、都営住宅と区営住宅を合わせまして約4,000戸ございますけれども、都の役割の中でつくられてきたものでございます。

平成3年に品川区が住宅白書をつくりました。これはご承知のとおり、人口の流出をどこで食いとめようかというための住宅白書でございます。住宅白書の中の目的地、到達点は公営住宅に比較して中間層の住める区民住宅が少ないではないか、これをレベルアップすべきだということで、1,000戸の目標を掲げました。それから高齢者住宅につきましては300戸の目標を掲げたわけでございます。現在、品川区で区民住宅は約400戸ございました。それでは少ないということで、区民住宅のファミーユ下神明と西五反田のほうに500戸、合計で約600戸の住宅をつくる予定でございます。それでやっと区民住宅の目標値に達するわけでございます。これは23区の中で、このような区民住宅を持つのは品川区のみというふうに自負をしてございます。

それから、高齢者住宅につきましても建設型、借上型で鋭意努力をしてまいりました。そのほかにケアハウス、有料老人ホーム等々で、目的の数値を達する状態になってきつつございます。

この問題につきましても、23区の中でこのような住宅対策をやっているのは数少ないと思っております。このように、住宅対策ではかなり均衡の取れた充実した施策を行ってきたつもりでございます。

指田教育次長

沢田委員からのお話では、小中一貫校は学力差をつけるためというお話がございましたけれども、私どもは学力差をつけるために一貫校を設けるわけではありません。

改めて言いますけれども、何回となくご答弁申し上げていますが、小学校から中学校の9年間を見通して、継続的あるいは連続性を持った学校のカリキュラムを組んで、ゆとりの中で勉強をさせたい、しっかりした学力をつけさせたいというところで考えているわけでございまして、この点については否定をしておきたいと思ってございます。

同時に、一貫校のいろんなカリキュラム等、ノウハウについては、近隣校あるいは全校的にも示す予定でおります。そういった中において、各学校がいろいろ工夫を重ねながら、一貫校のよさというものを取り入れながら授業の中で生かしていただきたいということを願っているわけでございまして、当然途中から入ってくる場合においては、そこにスムーズに馴染むようなカリキュラム編成を検討しているというところでございます。

沢田委員

住宅問題ですけれども、私は区民住宅は評価すると言っているのです。

低所得者の皆さんが入るところが、木賃住宅も非常に少なくなってきました。それから、国民年金の平均受給額は6万円いかないです。こうした人たちがどこに住めばいいのかということを、自立自助でいくんですか。そこのところを言ってほしいと思ったんですが、答弁がありませんのでお聞かせ願いたいと思います。

小中一貫校の問題では、一貫教育と言いながら、中学校になると2クラス別のクラスが入ってくるとなれば、これは一貫教育ではない。全区募集をすると言われるけれども、そこに入っても一貫教育を享受したことにならないです、途切れているんだから。なぜこういうことになってきたかというと、研究する一貫教育を学区制の中に持ち込んだための矛盾ですよ。どんなにやっても、ここのところは解決できないし、小中一貫校は慎重にやらなければならないということを、この点では言っておきたいと思います。

次に、エリート教育の問題について否定されていますけれども、お尋ねしたいんですが、教育長はエリート教育を目指すものではないと言いながら、論座3月号では「小学校5年生ぐらいで小学校の学習が終われる子どもは終わらせて、中学の先取りを」と発言をしております。これは能力別の学級を目指すのでしょうか。

それから、授業についていけない子どもあるいはわからない子どもに対しては、どのような対応をするのか教えていただきたいと思います。

それから同時に、一貫校のスタートにあたって、日野中学校の現在の先生にはやめてもらって公募をする。都の教育長にも要請をしているという話があったんですけれども、なぜこのようなことをやるのでしょうか。

高橋区長

住宅の問題につきまして、もう一遍答弁させていただきます。

区民住宅につきまして施策に評価していただきまして、ありがとうございます。

公営住宅の問題、区民住宅の問題は同じでございますが、つくるときは確かに募集します。したがいまして、かなりの住宅が充足されるわけですが、空き室と比較いたしまして応募者が増えるのは当然の問題でございまして、毎年住宅をつくっていくわけにはいきません。ある程度の数をつくり、それを回転をしていくということが必要でございまして、回転をしていく中では空き室に対しましての応募数が上回ることは当然だと思っております。それが多いからもっとつくれというわけには、なかなか住宅は簡単につくれるものではないということを答弁させていただきます。

若月教育長

まず、中学校段階から学級数を増やす、そもそも一貫校としての趣旨に矛盾があるではないか、これは今の学校制度の中に無理にこういうものを押し込むからだというご指摘だろうと思います。

これはよく聞いていただければと思うんですが、教育課程を組むときに、年齢主義という考え方が前提になっているんです。これはどういうことかと言いますと、1885年にアメリカのミネソタで初めて取り入れられたんですが、この年齢になったらこの勉強をする、これは結局、子どもが大人のつくったカリキュラムに合わせていくわけです。これが今の学校の子どもたちにさまざまなストレスやあるいはおちこほれといったような現象を生んでいるんです。

そこで、やはり公教育ですから、一定の国民の知的水準を保つという意味では、学習指導要領に基づいて、目安として年齢相応主義の学習内容が示されていますけれども、実態論として少しでも子どもがそれに合わせるだけではなくて、学校側のカリキュラムをその子どもに合わせてあげようというのが今の新しい教育課程のカリキュラムをつくるときの考え方なんです。

したがって、小中一貫校の中においても、一つの目安としては学習指導要領に基づいた教育課程というのは中心になって組みます。しかし、入ってくる子どもが、途中から入ってくる子どもであろうが、初めからその学校にいる子どもであろうが、その子どもが大人のつくったカリキュラムに合わせるのではなくて、子どもに合ったカリキュラムをこちらのほうから与えていくという考え方に立っているわけであります。

それからもう一つは、エリート教育というのはどういう意味でおっしゃっているのかわかりませんが、エリート教育と才能教育というのは、我々の世界では全く別の概念なんです。そういう意味で、何度も申し上げますけれども、先ほど言った年齢主義に合わせると、能力がある子どもたちには、その子どもに合った勉強をさせていくことは当たり前のことです。

もう一つ、そう言うとすぐ切り捨てるのかという議論が出ますけれども、逆に学習に時間のかかる子どもたちは、その子どもに合わせたカリキュラムで勉強を教えていこうというものであります。これは決して切り捨てることでも何でもないわけでありますので、その辺は十分にご理解をいただきたいと思います。

それから、教員の件ですけれども、日野中学校の先生にやめてもらってということは言っていません。ただ、私としては、これからの新しい試みをするときに、新しい学校の中で自分の力量や自分の特性というものを発揮したい、要するにそれに参加したいという意欲的な教員がいるならば、そういう教員をうちに呼ぶ方法を考えたいと言っていることでありまして、日野中学校の先生にやめてもらってとは申し上げておりません。

沢田委員

まず、住宅のほうですけれども、一つ数字を紹介したいと思います。

平成9年と平成13年の都営と区営住宅の競争倍率を比較してみました。全体にならして35.7倍が88.4倍に倍以上に膨らんでいます。これは住宅難の困窮度を示しているというふうに思います。

一貫校の問題ですけれども、先ほどの論座では、教育長は「こういうコンセプトで学校を運営します。ではこの学校でやってみたいという先生、手を挙げて、そういうこともなぜ区がやってはいけないんですか。それを品川区の中だけでやるかどうかは検討事項ですが、公募制で教員の質を確保する……」と、公募制と堂々に言っているんです。公募制をするということは、現行でいかないということです。私はやめてもらうと、その中でやりたければやれということになるかもしれません。

教育長は論座の中でこうも言っているんです。「私個人としては選抜試験も一つの方法、しかし抽選という方法に落ち着くかもしれないが」、選抜試験をやって合格した子どもを集めてやる。そして小学校5年で6年の教育課程を勉強できるというのは、エリート教育としか取れないというふうに思います。

今、国の調査では、よくわかる子どもが中学校が5%、小学校で20%です。授業がわからないでつらい思いをしている子どもがたくさんいるときに、言葉ではできる子どもはもっと伸ばして、わからない子どもはもっと丁寧に、それはそうです。だけど、そのことが本当に両立するのだったら、教育問題は一遍に解決していると思うんです。

そういう点で、どうしたら解決をするのか、一部の子どもだけではなくて全体の底上げ、しかも一貫校だけではなくて区内の1万5,000人にのぼる子ども全体の、わからない授業が楽しくなるようにするにはどうしたらできるかということを目配りすることが、区教育委員会のやるべき姿だということを強調して、再開発の関連について移りたいと思います。

質疑に入る前に見てもらったほうがいいと思うんですが、これは上のほうが下です。区立第二日野小学校現在地、そして東洋製缶800m2余、これは無償で提供すると。はっきりしていないのが三井不動産、平成元年の6月取得。大成建設は去年の10月取得。そしてここの中に、ここらあたりにあるんですけれども、体育館を取り込んで小中一貫校をやる。そして、この前には約1haの東洋製缶の広大な更地があるという、このことをまず頭に入れていただいて質問をいたします。

一貫校準備ニュースでは、日野中学校に一貫校を選んだ理由に、「副都心として大きく変貌を遂げようとする地域だから」と書いてあります。いつから東五反田の開発地域を文教地区とは言っておりませんけれども、一貫校をつくるということはどの時点で決定されていたのか。

それから、一貫校を必要な用地として買収を進めているとのことですけれども、所有者、面積、予想される地価がわかりましたら教えていただきたいと思います。

若月教育長

先ほどの件でございますけれども、まず公募については、現実に都教育委員会が進学重点校ということで4校指定しました。その際、教員を都教育委員会は公募制にしてございます。そういった先例がありますので、なぜ都教育委員会ができて区教育委員会ができないのかということを述べたものであります。公募制でありますので、日野中学校の教員を除外するものではありません。

2点目であります。選抜試験という話が出ました。これは今の法令上できないわけでありますけれども、ただここで大変失礼でありますけれども、委員には暗黙の前提があります。選抜試験が仮にできたとします。いつ学力テストをすると言いましたか、何を基準に選抜をしたいと思っていますか、運動のできる子どもかもしれません。それは勉強のできる子どもかもしれません。お話の上手な子どもかもしれません。さまざまな基準があるはずです。なぜそれを一定の暗黙で勉強のできる子どもだけを選抜すると勝手に思われるのは、非常に心外であります。

3点目、こういうものをつくるのではなくて、全区の学校全体の底上げをするべきだというご指摘であります。その点は、私も賛成であります。

ですから、全体を底上げするために、まず一貫校でさまざまな試みをしていただき、その成果をほかの学校には広げていきたいと考えているところでございます。

指田教育次長

どの時点で決めたのかという話でございますけれども、平成14年度の予算編成のときでございますので、今年に入ってからというところでございます。

それから、面積等でございますけれども、三井不動産で大体1,100m2ぐらい、大成建設が大体740m2ぐらいという状況でございます。

沢田委員

もう一つ、この問題で聞きたいんですが、大崎の区立体育館を取り組むというのは、どのような事情なんでしょうか。

指田教育次長

大崎の体育館でございますけれども、ご承知のとおり結構老朽度が目立ってきております。そういったところから、いろいろなところで複合化したほうがいいだろうということで取り組もうという結論に至ったものであります。

沢田委員

最近、大崎の体育館の街区の一画にある方から相談を受けました。三井不動産が中心となった準備組合でアンケートを取ってきた。あなたは再開発によりそこにいることを望むか望まないか、これに書いたらいいのか、書かないほうがいいのか、相談に乗ってほしいという相談でした。

大崎の総合体育館がここに動くことによって、北品川五丁目の街区が開発が動く、私は直感的にこのように感じました。

また、東洋製缶が800m2無償で区に提供をするという話、その前には広大な敷地がある。しかも、今度、品川区内の中核となって開発を進めてきた二つのゼネコン三井不動産と大成建設がその土地を買う。全体を見れば、これは開発の起爆剤とねらっているのではないかと思わざるを得ません。

子どもたちも西五反田の日野中学校で大変な不安を得ているときに、もし再開発のために一貫校をあの地に選んだとするなら、それは大きな過ちだと思います。

そこで、さらに質問したいと思います。関係者の合意を得て進める問題です。

先ほどのアンケートでは、小中一貫校を賛成は251、反対は270、どちらとも言えないが324、ほぼ3分の1ずつに分かれております。小中一貫校については、区民の合意ができていない。おそらく、日野中学区域でそこだけ抜き出してやれば反対が圧倒するでしょう。3,500余の移転計画を見直してほしいという区長への陳情が出たことにあらわれているというふうに思います。

私は100年の計と言われる教育を進めるにあたって、地元のPTAや教職員や地域の方の了解を得ないまま進めた計画決定は、やっぱり問題だと思います。ここで立ち止まって、区民全体の合意ができるように見直しをすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

指田教育次長

まず最初に、どうもお話を聞いていますと、開発が先にありきではないかというふうに受け止めているような感じがいたしました。

冒頭申し上げましたように、小中一貫校の構想というのは、何も新しいものではありません。ぜひとも、平成12年の学校選択制ができたときのパンフレットを見ていただきたい。そこには小中一貫校という形の名前は入っています。

そこで、この間具体的に小中一貫校という連携校の行き詰まりのところから出てきていて、ではどこにつくるかという段階においては、さまざまな用地の条件の中において建設できる場所というものを探しました。そういう中において、当時第二日野小学校に隣接するところに区有地が確保できたという情報もございましたし、あるいは用地買収も進めていきたいという話が持ち上がったきましたので、そこで一貫校のところが第二日野小学校のところが出てきたわけです。

したがいまして、たまたま大手ゼネコンあるいは建設の不動産会社が入っているからといって、開発が先にあるんだというのはいかがなものかと考えます。

それから、二つ目でございます。一貫校の問題について、地元の了解なしにという形でございます。

確かに、区長あての陳情は見ましたけれども、私どもが説明に行った段階でも、やはり小中一貫校構想について何も反対するものではない。だめなのは日野中学校を移転することだけが問題で出てきているわけです。したがいまして、この点については、今後ともいろいろと各方面にわたりましてご理解の得られるように努力を進めながら、この問題については解決をしていきたいと考えてございます。

沢田委員

私どもが提案したわけではないですけれども、日野中学校に一貫校をなぜつくれないんだという声が一部ありました。しかし、日影を与えたり、近隣にいろいろあるからという声は没にして第二日野小学校に持っていったんです。そういう点からしても、どうも意図的と思います。

最後に、紹介をしたいと思います。機会不平等という本を書いたジャーナリストの方の「非“ゆとり教育”の成功」という章を読ませていただきます。

『兵庫県の山間部にほぼ全員が全国平均を上回る成績を上げている小学校がある。朝来郡朝来町立山口小学校。読み書き計算の基礎を徹底的にたたき込んだ成果だ。ある教員の話、「ご多分に漏れず10年と少し前までは朝来町の中学校も荒れていました。小学校の段階できちんとした学力を身につけさせ、進路につながてやるしか解決の方法はないということで、全校挙げて取り組んだのです。詰め込みなんかではなく、そのための教材も自分たちで工夫しました。ゆとり教育や新しい学力観を言葉として否定はしません。問題は文部行政というより、まるで勉強が悪いことのようにとらえる一般の誤解ではないでしょうか」。この教諭は学力づくりのコツは課題の限定、方法の単純化、学習の反復につきるという、そしてすべての子どもたちがほとんど全員が全国の水準を超えた』と、このように言っております。ここにこそ、学ぶべきだということを言って終わりたいと思います。

若月教育長

一貫校についての理念は、もう再三申し上げているところでございます。

また、なぜ日野中学校でなく第二日野小学校のほうかということも、本会議でもご答弁をしております。特に、今の第二日野小学校の場合には高い建物、かなり制約も受けるわけであります。そうした意味で、こちらに持っていったわけでありまして、決して意図的ではないということを明確にお答えしたいと思います。

以上

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