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南恵子区議03年第1回定例会「介護保険」「生ごみリサイクル」「保育園増設」

2002.04.05 南 恵子 区議

一般質問項目

  1. 介護保険の基金・一人あたりのため込み額は23区一番、在宅サービス利用率は最低、保険料の減額制度の対象拡大と利用料減免を
  2. 区民が求める生ごみのリサイクルの本格実施を
  3. 公立保育園の増設で待機児の解消を

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一般質問

私は、日本共産党を代表しまして一般質問を行います。


介護保険の基金・一人あたりのため込み額は23 区一番、在宅サービス利用率は最低、保険料の減額制度の対象拡大と利用料減免を

まず初めの質問は、「介護保険の基金・一人あたりのため込み額は23区一番、在宅サービス利用率は最低、保険料の減額制度の対象拡大と利用料減免を」です。

たくさんの問題を抱えて出発した介護保険制度の第1期が終わり、今は第2期に向けて見直しの時期です。我が党は、区民が安心して利用できる制度に改善するために3 点指摘し、改善を求めます。

第1 に、保険料の問題です。保険料を決める段階から、策定委員会で町会代表などから3,300円は高過ぎるとの発言がありました。我が党も、保険料が高いのは事業費を過大に見積もったことが原因、3,300円は取り過ぎであると指摘してきましたが、区は23区で一番高い保険料を決定しました。3年たった今日、我が寛が指摘したとおりとなりました。取り過ぎてため込んだ基金は、最初の2年間で14億4,000万円、今年度も合わせると15 億7,000 万円、65 歳1 人当たりにすると2 万5,922 円にもなります。この額は23 区でこれも断トットップです。

高齢者の負担はふえ続ける一方でした。5万5,000円の寝たきり手当は毎年4分の1ずつ減らされ、4月から全面廃止。シルバーパスの有料化やマル福の段階的廃止に加え、昨年10月からは高齢者医療が増大、往診や在宅酸素を受けている方にとっては5から10倍もの負担となっています。こんな中で、品川区は取り過ぎだとわかっていながら、23 区一番高い保険料を3 年間にわたって取り続けてきました。今回、区は、15 億7,000 万円の基金の中から3億円を取り崩し、2期目の保険料を据え置くとしました。このことば評価するものです。しかし、残りは3期、4期のために積み立てておくとしています。果たして、80歳、90歳、100歳を超えた高齢者から10年後の保険料分まで徴収し、ため込んでおくことが区民の理解を得られるでしょうか。私は、保険料を引き下げ、取り過ぎた分を区民に還元すべきだと思います。

第2 は、保険料減額制度の問題です。これは、我が党の繰り返しの条例提案と区民からの強い要望に区がこたえ、実現したものです。実施後1 年半が過ぎますが、区の当初見込みの1,200名に対して現在でも140名程度、見込みの1割そこそことなっています。低所得者の負担軽減という制度の趣旨が生かされているとは思えません。これは、一つには、対象の条件で、収入で年収96万円以下の生活保護基準を下回るものにしているためです。生活保護では、住宅扶助や医療扶助、老齢加算など個人の状況に合わせて支給され、その上、介護保険料は支給されています。実際、生活保護基準を下回りながら、生活保護を受けていない方から保険料を徴収している、こういう矛盾があります。

二つ目は、預貯金の額を300万円未満としているためです。葬儀費用は13年度の都の調査で区部の平均が402万円かかると報告されています。入院すれば差額ベッド代、老人病院では月に20万から30万もかかります。迷惑をかけたくないと生活を切り詰め、貯金しているというのが実態です。我が党は、今定例会に低所得者減免制度の条例改正を提案します。その主な内容は、収入基準を96万から120万円に引き上げ、賃貸宅入居者についてはその分も加算すること、預貯金は500 万円まで認めるよう提案するものです。

第3 に、在宅サービス利用についてです。区は、保険料が高いのはいいサービスを提供しているからと言ってきました。しかし、在宅サービスの利用率は23区を調査すると最低でした。保険料を決めるときは、区は、3年間の利用率を50%、55%、60%と見込んでいましたが、実態は15%も低い、37、39、43%という状況です。低くなった理由の一つは利用料の負担です。制度前は、8割の方がほとんどのサービスを無料、あるいは、かかっても低額で受けられていました。介護保険制度導入後は、お金のない人もある人もすべて1割となりました。そのため、低所得者の方にとってはサービスを我慢せざるを得なくなったのです。ケアマネジャーは口をそろえて、プランを立てるときに、まず幾ら払えますかと聞かざるを得ないと語っています。

内閣府の報告でも、訪問介護サービスの利用は全体ではふえているのに、低所得者は制度開始前よりも10%も利用が減っているとしています。94歳の寝たきりのお母さんを介護している大崎のおそば屋さんは、夜11時過ぎまで店をあけているが、経営は厳しい。母は床ずれが3カ所もできているのに、1回870円の訪問介護の利用料が払えず、断ってしまったと話してくれました。新たに第2期が出発する今こそ、23区最低の利用率を改善すること。そのためにも、低所得者が必要なサービスが受けられるよう、利用料を3%にするべきです。4月から訪問介護の利用料が現在の3%から6%になります。そうなると、サービスを利用できない状況がさらにふえます。特養ホームに入れない方は今でも640人を超えており、在宅でも施設でも救われないのでは、何のための介護保険なのでしょうか。改善が必要なことを強調して、質問します。

  1. 基金をさらに取り崩して保険料を下げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  2. 保険料減額制度の基準が生活保護基準を下回っています。条件を生活保護基準とし、預貯金を500万円まで広げて、対象を拡大するべきと考えますが、いかがでしょうか。
  3. 在宅のサービス利用料がなぜ区の当初見込みより15%も低い実態となったと考えるのか、この点も伺います。利用率を上げるための対策についても伺います。
    訪問介護の利用料3%を継続するよう国に求めること。また、国が6%に値上げした場合、区独自に継続し、新規も対象とするよう求めますが、いかがでしょうか。
    低所得者の在宅サービス利用料を3%に引き下げるべきと思いますが、この点についても伺います。

区民が求める生ごみのリサイクルの本格実施を

次に、「区民が求める生ごみのリサイクルの本格実施を」の質問です。

我が党は、繰り返し生ごみリサイクルの実施を求めてきましたが、区は消極的な姿勢です。そこで、なぜ生ごみリサイクルが必要なのかを以下3 点の理由を述べ、実施を強く求めます。

まず第1に、ごみ減量の促進と経済的効果です。可燃ごみの排出量は、平成元年を基準にすると、平成12年には41%減量できましたが、それ以降の減量は進まず、対前年比で98 から99%という状況です。平成12年と13年の2年間に排出された可燃ごみは14万トン余、トン当たりの処理量は6万円、収集費用は6割といいますので、約51億円かかっています。一方、可燃ごみに占める生ごみは45%、モデル化したときの経費を全世帯ベースに換算すると33億4,000万円になり、その差は17 億6,000万円です。生ごみリサイクルを実施することは、可燃ごみを減らし、経費が削減になります。

第2 は、環境悪化を防止することです。焼却による大気汚染やダイオキシンの発生を防ぐだけではなく、処分場の延命策にもつながるなど、さまざまな環境保全効果を引き出せます。また、土壌汚染や化学肥料の使い過ぎで土壌はひ弱になり、それを補うためにまた化学肥料を使うという悪循環になっていますが、堆肥の活用で土壌を健康的に回復させ、安全でおいしい食料の生産を可能にします。

第3は、カラス対策にもなることです。ごみ集積所はカラスにごみを散乱されないようにネットで覆つたり、折り畳み集積所ケースを設置したりと、町会の方たちも苦労していらっしゃいます。私は、昨年10月に八潮に住む区民の方たちと一緒に東村山市を訪問し、市営住宅で実施している生ごみリサイクルの様子を見てきました。市営住宅に住む方たちがごみ出しをする朝8時ごろに訪ねましたが、毎朝のごみ出しに当番で出ることば大変ですが、カラスが全くいなくなりましたという話はとても印象的でした。ネットはカラスによるごみ散乱防止に効果はありますが、生ごみがある限りカラスの飛来は防げません。

品川区は、2000年と2001年に生ごみリサイクルをモデル実施しましたが、私は1回目のモデル実施に参加しました。生ごみリサイクル参加者のアンケートには、思ったほど大変ではなかった人が、集合住宅居住者では71%、戸建て住宅居住者では51%、年間を通じて協力できる人は、集合住宅88%、戸建て住宅では62%です。生ごみリサイクルについて賛成かどうかを問うと、76%が集合住宅居住者から賛成、そして戸建て住宅からは61%が賛成という結果で、私は大変心強く思いました。また、モデル実施でできたコンポスト化の質は、有機肥料の原料として肥料会社で再商品化できる品質だったというのです。農水省の委託でNPO法人堆肥化推進協議会が実施した、家庭の生ごみ堆肥化推進に関する消費者・市民の意識調査で、行政に望む支援の設問には、自治体としての回収と集合住宅での共同処理が挙がっています。

区民はリサイクルを望み、協力もする、品質はいいというのでありますから、本格実施の基礎は十分にあります。品川区廃棄物減量等推進審議会でも、委員から生ごみリサイクルも視野に入れるべきとの発言があったと聞いています。実施は区の姿勢にかかっています。そこで、質問します。

生ごみリサイクルの実施計画を策定し、本格実施するべきと思いますが、いかがでしょうか。


公立保育園の増設で待機児の解消を

最後に、「公立保育園の増設で待機児の解消を」の質問です。

子どもを保育園に預けたいという願いは広がる一方なのに、保育園に入りたくても入れない待機児童は年々ふえています。品川区も例外ではなく、昨年4月は188名、待機児童の定義を変えてカウントし直しても153名で、前年より39名ふえています。その後の1月には209名にふえるという状況です。ご承知のように公立保育園は、既に定員を最高で1 割程度オーバーして入所させていますので、待機児解消策は緊急な解決です。

昨年の第4回定例会で我が党の飯沼議員が、待機児解消のため認可保育園の増設を行うこと、民間企業任せではなく、区が責任を持つ認可保育園をふやすよう強く求めました。区は、既に区立二葉幼稚園を保育園と一体化した、いわゆる幼保一元化の幼児教育施設を設置しましたが、来年度は区立西大井保育園開設で12名増、私立どんぐり保育園の第二分園開設で43名増、また、5カ所の認証保育所の開設で合計199名の定員拡大を行います。入所待ちの区民にとって、定員がふえることば入所しやすくなることでありますけれども、職員配置や給食、保育室の広さの問題から、認証保育所ではやっぱり不安、本当は認可保育園に入りたいと願っているのですから、多様なニーズにこたえられるとして認証保育所の開設を進めても、父母の不安は解消しません。

認証保育所はA型とB型の2種類ありますが、ここではA型の認証保育所について取り上げます。認可保育園は地方自治体か社会福祉法人によって運営されていますが、認証保育所の運営は営利企業を含めた民間事業者などです。1日13時間以上開所するなどサービスを競い合うことになります。競い合うというと一見いいようですが、営利を目的にするため、ゼロ歳から1歳児の子供1人当たり2.5平米でよく、国基準よりも低くなっています。

私は、区が待機児解消策として導入した認証保育所についてインターネットの紹介欄を見ると、目黒駅前で既に開設しているところ、不動前駅に3月にオープンするところが紹介されていました。預ける親にとって一番気になるのは職員配置です。国の最低基準に準じるとしていますが、ゼロから5歳の各年齢10人ずつの60人定員の場合を見たときに、職員配置は10人いればいいとなっています。その内訳は、年齢別保育に充実する職員は、ゼロ歳児に3人、1、2歳児に3人、3歳児1人、4、5歳児1人で、合計8人です。これに定員が46から90人までは2人の職員が加算されるので、合計10人ということです。正規職員は年齢別保育に従事する職員の6割でいいので、5人でいいことになります。認可保育園とは大きな違いではないでしょうか。

目黒駅前の保育園は定員が58人です。クラス分けは、ゼロから1歳が同じグループ、2から5歳が同じグループの2クラス。活動量が大きく違う年齢を一緒にするのは無理なクラス分けだと思います。保育料は3タイプに設定してあります。ゼロ歳児の場合、月180時間まで利用すると6万5,000円に消費税、月120時間までは6万円に消費税、月90時間までは5万円に消費税、さらに、1時間超過すると500円がかります。国の徴収基準額を超えないという歯どめはありますが、自由に設定できるのです。

一方、区立保育園の平均保育料は1万7,263円。ゼロ歳から2歳の乳児の平均額で比較しても、2万4,000円弱ですから、この不況時代にはこれは大きな差です。区が来年度定員拡大を予定している199名中、この2カ所のA型認証保育所だけで88名、44%の受け入れになりますが、これでは区民が求める保育園にほど遠いもので、喜ばれるとはとても思えません。むしろ今まで進めてきた保育行政と大きく矛盾し、著しい水準の低下です。

2 年前に全国展開をしているちびっこ園で子どもの死亡事故が発生し、裁判で有罪判決が出ました。この事件は、子育てを商品としてとらえる営利会社が、常勤職員8人は必要なのに、実際には常勤6人と非常勤1人しか雇っていなかった結果起きたもので、国民から厳しい批判が広がりました。待機児解消策を営利目的の企業に任せるのは危険だということを示しています。民間経営に任せたら、品川区でも起こるのではないかと心配になります。このような保育所に預けたいという要求は果たしてどれだけあるでしょうか。

児童福祉法では、保護者から申し込みがあった場合、保育に欠ける児童を保育所で保育しなければならないと自治体の保育責任を明記しているのに、なぜ品川区は23区一だと自慢する保育内容を守り続けようとせず、基準を低下させた認証保育所を導入するのでしょうか。かつて、子育てするなら品川でと全国的に有名になりましたが、名誉ある評価でした。自治体が責任を負う認可保育園の増設でこそ待機児解消を図るべきで、この方向こそ区民の期待にこたえるものだということを強調し、質問します。

  1. 199 名の待機児解消を図る努力は認めますが、認証保育所ではなく、認可保育園の増設で図るべきと思いますが、見解を伺います。
    また、我が党都議団が認可保育所の増設を求めて質問したときに、東京都は予算措置などを含む認可保育所の整備支援をすると表明しています。区にとって心強い支援のはずで、この条件を大いに活用し、認可保育園を設置するべきと思いますが、いかがでしょうか。
  2. 待機児解消策として、認可保育園の増設で57名、27.6%にとどめる一方で、A型認証保育所は88名、44%と、認可保育園の倍です。今後の待機児解消策に認証保育所をどのように位置づけるのか、改めて伺います。

以上で私からの一般質問を終わります。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)


答弁

区長(高橋久二君)

南議員の公立保育園の増設で待機児解消についてのお答えを申し上げます。

議論ご指摘の都による予算措置等の支援は、都議会の会議録によりますれば、都内の認証保育所の入所児童の定数を下回っており、総体として保育所の数は充足しているとの前提のもとになされたものでございまして、都は共産党が指摘するような保育所整備の抑制方針を掲げたことはないとしつつ、保育所の整備は、当該区市町村がその地域で保育ニーズを的確に把握し、分析し、既存の保育所の受け入れ枠の拡大や定員の弾力化などの対策を講じた上で、なお不足が生じ、新増設の必要があると判断した場合に行っていくものと詳細に述べております。

一方、認証保育所についてでございますが、現行の認可保育所が、ゼロ歳児保育や延長保育の実施率が低いなど、都民ニーズにこたえ切れない。認証保育所はすべての保育所におけるゼロ歳児保育や13時間開所を義務づけて、多様な事業者の参入による創意工夫によって、本来認可保育所が実施すべきサービス内容を先導するものと考えており、今後も積極的に推進に努めていくとしております。

現在、区におきましては、集合住宅の建設、都心回帰の現象、品川区の保育を評価された転入者による保育申請の増加などによりまして、入園の待機児が増加をしております。その解消につきましては、ここ2年間で分国や増改築などによりまして、私立で59人、公立で43人、合わせて102人の定員増を実施してまいりました。今後も区としてさまざまな手法を検討し、取り組んでまいります。したがいまして、入園の弾力化、分国、幼保一元化に加え、認証保育所の開設もその有効な手段の一つと考えておりまして、認可保育所の増設だけがその手法とは考えておりません。

次に、待機児解消についての再度のお尋ねでございますが、今述べたように、認証保育所は大都市部での有効な手法の一つとして考えておりますので、状況に応じまして活用してまいります。

保健高齢事業部長(新美まり君)

私からは、介護保険にかかわるご質問にお答えいたします。

初めに、基金をさらに取り崩して保険料の引き下げをとのご質問ですが、当区における第2期の介護保険料につきましては、既に介護給付費準備基金を充当し、第1期保険料と同額に据え置くことを昨年11月の介護保険制度推進委員会に提示し、ご意見をいただくとともに議会にご報告をし、区民にも11月21日号の広報しながわで周知してまいりました。さらに、第1期の準備基金については、適所タイプのリハビリサービスを市町村特別給付として創設し、在宅サービスの充実に充てることで被保険者に還元していくこととし、条例改正案を本定例会に提案させていただいているところです。したがいまして、保険料の引き下げは考えておりません。

次に、低所得者への保険料の軽減措置についてのお尋ねですが、この制度は、平成13年10月から低所得者の保険料負担の軽減を図るため、区の独自施策として実施しているものでございます。収入の要件につきましては、生活保護の生活扶助基準をもとにしているもので、預貯金等も加味しており、生活保護基準を下回っているとは考えておりません。

また、条件の変更につきましても、当区におきましては、第2期の保険料を据え置く方針であるなど特段の事情の変化はないことから、現行制度を継続していく考えでございます。

次に、在宅サービスの支給限度額に対する利用割合についてのお尋ねですが、当区における推移を見ますと、平成13年度39%、その後次第に上昇し、平成14年10月には46%となっております。当初見込みの利用率の設定は国の見込みより高く設定し、サービスの供給量の確保を図ろうとしたものです。実際には、在宅サービス利用者数が想定より15%程度高い水準で推移し、結果、1人当たりの平均利用率は低くあらわれたものと考えられます。

個々のサービスを見ますと、ホームヘルプサービスで、11年度比、利用者数で1.78倍、時間数で2・28倍等、順調に伸びております。在宅サービス利用率は、あくまで1人当たり平均の数字であります。当区といたしましては、必要な方が必要なサービスを適切に組み合わせてご利用いただき、在宅生活を継続できることが肝要であると考えております。したがいまして、単なる量の比較ではなく、重要なことは、高齢者と家族に効果的・効率的なサービス提供をお手伝いするケアマネジメントの充実など、質の問題であると考えております。今後につきましては、質を担保しつつ、在宅サービスの供給量をニーズに合わせ増強していく方針であります。

最後に、利用料についてのご質問にお答えします。訪問介護に関する介護保険導入前からの利用者への利用料軽減は、あくまで激変緩和のための措置であり、現在、新規利用者が8割近くを占める状況を踏まえますと、当初の予定どおり、15年度からは6%の負担としていくことが適切であると考えます。したがいまして、国への要望や区独自の施策は考えておりません。

また、他のサービスにつきましても、第1、第2の所得段階の方のサービス利用率が、他の段階の方と比べて特段低いという状況にはない実態を踏まえまして、1 割の利用料につきましては利用者にご負担いただきたいと考えているところでございます。

環境清掃事業部長(松本嘉夫君)

それでは私の方から、生ごみリサイクルに関するご質問にお答え申し上げます。

平成12年度に集合住宅、平成13年度に戸建て地区の一部で実施をしました生ごみ再資源化モデル事業は、議員のご指摘のとおり、協力度や分別状況はおおむね良好で、肥料化もほぼ順調に行われました。しかし、このモデル事業を検証する中で、処理コストはごみ処理の倍以上となっており、本格実施すれば処理経費が大幅に増大すると見込まれます。また、回収量がふえた場合、区内には堆肥化できる施設や使用する土地を確保することが困難でございます。そのほか、生ごみの保管場所やトータルでの環境負荷など陸路も多く、当面、生ごみリサイクルの本格実施は困難と考えてございます。

区としましては、生ごみの発生抑制を第一と考え、意識啓発、広報活動の充実や生ごみ処理機の購入助成を行ってまいりますので、ご理解のほどお願いいたします。


再質問

南恵子君

自席から再質問させていただきます。

まず、それぞれのご答弁、ありがとうございました。しかし、どれも本当に私の質問には沿わない内容の答弁で、甚だ残念であります。

まず、生ごみの問題から言います。処理コストが倍になる等々いろいろな理由を述べて、当面困難だとおっしゃいますが、しかし、生ごみのリサイクルをしている名古屋市、200万市民がいる市です。20万世帯が現在実施しています。生ごみは、毎日それは回収ルートに乗せれば、ほかの可燃ごみはずっと量が少なくなり、そして今1週間2回の回収ですけれども、1回で済むんです。トータル的にとらえると、コストが高くなると心配されていましたが、絶対にそういうことにはならない、こう思います。この点についていかがでしょうか。

それから、使用の場所が見つからない、こういうお話ですけれども、先ほど私も紹介しましたが、日本の土壌は貧弱、化学肥料を使い過ぎています。戦前は10アール当たり1トンの生ごみ堆肥が使われていたというふうに紹介されて、私は戦前の人間ではありませんから、この辺は資料のみなんですけれども、しかし、そういうふうに使われていたから、だからちゃんと処理ができていて、環境も汚染の心配がなかった。ですから、全国的にそういう体制をとれば、日本の土壌も回復するし、生ごみも解消するし、一石二鳥、三鳥の効果があるわけです。ですから、まずその実践を23 区一、ここを誇る品川区にこの部分でも進めていただきたい、こういうふうに思うんです。ですから、この点についても無理な ことはない、こういうふうに思いますので、見解を改めて伺います。

二つ目の保育園の問題です。それぞれ区長は答弁をしてくださいましたけれども、これも認証保育所は有効な手法の一つだとおっしゃいます。しかしながら、前段で認証保育所は待機児解消策の保育園ではないというふうにおっしゃっていましたから、相矛盾するものだと私は受けとめていましたけれども、現実的に品川区の子供さんたちは、認証保育所の方に入る方たち、設定をしたから入る方たちが、待機児全体の199名の入所枠のうちの44%、半分近くが認証保育所に行っているわけですよね。ですから、こういうことでは、私は、先ほどご紹介したように、こんなに不況のときに保育料が6万5,000円もかかる。プラス消費税もかかる。そして、職員配置は先ほどご紹介しましたように10人、正規職員はそこの5人いればいい。こういうことで本当に果たして子供が健やかに育つでしょうか。区長は、この本会議の中でも繰り返し子供のことをこれからはしっかりと受けとめてやっていきたい、中心的な施策にしていきたいと述べていらっしゃいましたが、そうであるならば、この保育園の待機児解消策もその思いを本当に太くにじませる、そういう解消策で進めていただきたいというふうに思うんです。しかも、東京都が財政的な支援をすると言っているにもかかわらず、そのレールには乗らない。こういうことでありますから、これは子供をちゃんと育てると幾ら言っても、私は耳を疑いたくなる、こういうふうに思いますので、この東京都の財政支援についての見解も改めて伺いたいと思います。

それから、認証保育所等々に入っていらっしゃる方たちは、一時的なものと通過機関として利用される方も大勢いらっしゃると思います。そしてそういう中で、いろいろな苦情、保育に対する苦情、言いたいけれども言えない、そういう状況が多々発生していると思います。そのときの苦情を受け付ける、そういう機関を品川区の保育課に設置をするべきではないか、こういうふうに思うわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。保育については以上です。

さて、介護保険の方なんですが、これについても全く冷たい答弁だと思います。品川区は介護認定率が13・11%と、これは東京23 区の中で18 番目。広く認定を受けて、軽い人まで認定を受けたから、だから品川区は行き届いたサービスが提供できるんだと、そういう仕組みをつくってきたんだと言われましたけれども、しかし、実態は23区の中で18番目という、こういう実態です。しかも、この要支援や要介護1、2度、この方たちの支援は、このうちの61%がこういう段階の方たちであります。

そして、とりわけ低所得者の方々は、個人のところ、第1段階、第2段階、第3段階のところの非課税者、これは全体の中の半分以上を占める、こういう状況ではないでしょうか。したがって、私は、この介護保険料の引き下げはきちんと進めていくべきだというふうに思います。拡大を対象としない、こういうふうな答弁でしたけれども、こういう生活実態を見たときに、高齢者の圧倒的な部分が低所得者という実態を見たときに、非課税世帯と見たときに、やっぱり保険料の引き下げ、そして品川区の……〔「再質問、長いよ」と呼ぶ者あり〕言っている間はちょっと黙っていたいなというふうに思いましたけれども、しかし、私は、低所得者のためのところもやっばり・・・…

副議長(三上博志君)

再質問ですので、簡潔にお願いいたします。

南恵子君

やっぱりきちんとした生活保護世帯を、ここを基準として、さらに現実的には下回るような、そういう収入しかない方たちが対象となっているわけですから、だから1,200名のうちの140名程度しか対象者になっていない。実際は使われていないわけですから、もっとここの窓口を広げること、そして周知を徹底すること、このことも含めて必要だと思いますので、この点についてもご答弁をお願いしたいと思います。


再答弁

福祉事業部長(小沼毅君)

私の方からは、保育園の関係の3 点の質問にお答えしていきたいと思います。

順序はちょっと変わる点がありましたらばお許し願いたいと思うんですが、まず待機児解消策の関係での問題でございますが、認証での問題点として、質の問題と、それから保育料の問題等が中心で挙げられたと思いますが、認証保育所の出発点というのは、大都市特有の保育ニーズに、そもそも現在の認可保育所の機構あるいはあり方では対応できないじゃないかというような現実を前にして、東京都が利用者志向の視点から、具体的には保育時間の延長、あるいは産休明け等の、そういう大都市特有の保育需要に対応するというところから出発した施策ということでございます。

問題は、東京都の見解では、必ずしも認可保育所の方の補完ということではなくて、むしろ内容等、あるいは質においても先導する、あるいは先行するものだというのが、一つの東京都の見解でございます。現実問題としまして、認証保育所の中でも、それぞれ非常に保育の技能の高いところと、必ずしもそうでないところがあること、これは事実だと思います。ただし、品川の方で今後開設等が予定されているところで見ますと、少なくとも私が承知している限りでは、私どもと同じようにISOの取得を目指すというようなところ、あるいは、保育園児の緊急の際における救急救命法の取得を義務づけているとか、そういう形での質的な担保がまず一つ同じA 型の中にもなされているような機能がございます。

それから保育料の問題ですが、これは利用者の方の選択の問題でございますから、最終的に利用者が認可を選ぶか、認証を選ぶかというのは、これは利用者の方の晴好性の問題であるというふうに考えてございます。

それから、財政基盤についての都の考えでございますが、これは先ほど区長の方からの答弁の中でもあったと思いますが、東京都は、必ずしも共産党の指摘するような形での、あるいは認識しているような形での財政支援というふうに考えてございません。これは、第4回定例会の共産党と、それから知事、局長との議事録、あるいは答弁のやりとりを私どもちょっと参考させてもらいますと、先ほど答弁の中で申し上げましたけれども、いろいろな策を弄して、あるいは策を考えた上で、その中で足りない場合については、認可保育所について検討していくということを東京都は建前として申し上げているわけで、基本的な認識としましては、都内の入所児童は定員よりも下回っていると、こういうような現実の問題があるわけです。そういうものの中でいろいろ種々さまざまな選択をすると。したがいまして、品川区としましても、財政基盤もさることながら、先ほど来答弁の中で申し上げていますけれども、分園の方式であるとか、認証保育所の方式であるとか、そういうことをミックスして、都市部、特に品川区の保育にとって一番ふさわしいものを選択していくというのが、基本的な私どもの対応姿勢でございます。

それから、苦情対応の問題でございますが、第一義的には、これはまず各園での問題。具体的には、認証保育所、あるいは認可保育所、公立、私立含めての問題でございますが、その間題と、あと運営全般にかかわる問題というのは当然出てまいります。これにつきましては、当然のことながら私どもは、指導権限がある問題については指導権限を発揮していきますし、それから、何にもまして子供の人命、あるいは身体等を預かる機関でございますから、状況に応じて、当然のことながら苦情対応だけにとどまらず積極的な対応はしていきたいと、こういうふうに考えてございます。ただ、それを保育課の方に専任でつくるかどうかば別としまして、今、所管の方で対応してございますので、そこの対応を充実させていきたいと、こういうふうに考えてございます。

以上でございます。

環境清掃事業部長(松本嘉夫君)

それでは、生ごみリサイクルについての再質問にお答え申し上げます。

まず、コストの問題でございます。私ども、実際にモデル事業をやった結果、現実にコストが高くなっているということでございます。議員ご指摘のように、全国的にすればという過程の話には、現時点では難しい状況でございます。

それから次に、使用する土地につきましては、私どもの区の立地条件を考えていただければ、明らかであるというふうに思っております。いずれにしましても、各地の生ごみリサイクルにつきましては、今、段階では実証実験の段階にあるというふうに思っております。これからバイオガスの開発だとか、そういう技術開発が進むものと思っていますので、その辺の状況を見守ってまいりたいと思っています。

保健高齢事業部長(新美まり君)

私の方から、介護保険にかかわる再質問にお答えいたします。

まず、品川区の要介護認定の率について低いというお話ですが、これも先ほどと同じですけれども、23区で率で比較して高い低いは、ほとんど意味がないというふうに考えております。認定につきましては、認定の内容が適切であるか、申請者にきちんと納得をいただく内容であるか、これが重要でございまして、品川区は現在、高齢者人口に占める割合は13%で推移しておりますが、これは介護保険創設のときの想定の認定率でございまして、おおむね妥当な認定者割合というふうにとらえているところでございます。

第2点目に、保険料の低所得者対策についての再質問でございますが、ご質問にあるように、所得段階第2段階世帯で住民税非課税の方すべてが、高齢者の場合低所得者とは言いがたい実態があるということば、もう皆様ご案内のとおりでございます。高齢者の場合は収入で非課税が出るわけですが、収入のみならず、ストックも含めて現役世代とは違った生活実態がございますので、そこを加味することが重要ではないかと思っております。しかしながら、第2段階で生活扶助を受けないで生活保護基準以下の収入でお暮らしの方がいらっしゃる実態もまた事実でございますので、そこに着目して、生活保護基準以下の収入で、高齢者であるために貯金も一定見て低所得者対策をする。これは既にやっていること でございますので、この点につきましては、先ほどご答弁したとおりの見解を再度ご答弁させていただきます。


再々質問

南恵子君

生ごみの件について、まず申し上げたいと思います。

バイオというふうにおっしゃいますが、バイオガスのこの施設そのものも否定するものではありません。ガスを発生させて電気ができるということとか、また堆肥が使えるという点で、これは一つのそれこそ手法だというふうに思います。しかし、これだって相当な建設費がかかるじゃありませんか。生ごみのリサイクルは、そういう施設建設の費用はほとんどかからないわけです。どうしてここを追求しないで、バイオガスということにこだわるのか。私はそこはやっばり違うというふうに思います。

それから、東村山市では、ご紹介しましたが、99世帯の団地でやり、そこで住んでいる方たちがみんな使い切っていけるんです。ですから、回収していけば、そういうところをいっぱい積み上げていけば、私は、これは本当に現実、しかも早急に実現できる可能性のあるものだというふうに思いますので、改めてこれはきちんと研究もし、そして早急に具体策を持っていただけるように強く要望したい、こう思います。

それから、保育の方の問題ですが、大都市のニーズに認証保育所がこたえたものだというふうにおっしゃいますが、しかし、品川区は、そういう大都市の中でずっとゼロ歳児保育、産休明け保育、そして最近では夜間、すべての保育内容を持ったプログラムで実施できているじゃありませんか。認証保育所に頼らなくたってやってきていたわけです。受けとめる職員体制もあったし。そういうところを東京都が財政支援もすると言っているのにやろうとしないで、営利企業が中心となった認証保育所、ここにシフトしていくということば、私は、これは子供を豊かに育てる、こういう自治体の責任としては放棄をするもの、こういうふうに言わなければいけないと思います。

品川区内の私立の保育園の園長さんの意見を紹介したいと思います。〔「意見だよ。質問しろよ」と呼ぶ者あり〕そういうふうに思いますので、では見解を改めて伺いたいと思います。〔「意見を言っているよ、そんなの」「再質問なんだから」と呼ぶ者あり〕

副議長(三上博志君)

ご静粛に願います。

南恵子君

さて、ある品川区内の認可保育園の私立保育園の園長先生は、園だよりで、「保育園とは、子供にとって生きる喜びと希望を育てる場であるかどうかが問われている。そのために、信頼する大人に丁寧に世話してもらい、思いを受けとめてもらい、ゆったりと安心して過ごしていけるかどうか。ゆっくりと眠り、食事を楽しくおいしく食べて、たっぷりと遊び、満ち足りた1日であるかどうか」これが担保されるのが保育園です。こういう中で子供は健全に育っていくんです。ゼロ歳からl歳の子どもは一つの保育園、2歳から5歳が一つのクラス、こういうところで本当にゆったりとたっぷりと遊べるんでしょうか。だから、認証保育所よりも認可保育園をつくれと言っているんです。〔「副議長、整理しろよ」と呼ぶ者あり〕

副議長(三上博志君)

再々質問ですので、簡略にお願いをいたします。

南恵子君

この点について、答弁をお願いします。〔「そういうことが結果的に自分たちの首を絞めることになるんじゃないか」「何時間もやっているわけじゃないじゃないか」「長過ぎるよ」と呼ぶ者あり〕

副議長(三上博志君)

ご静粛に願います。


再々答弁

福祉事業部長(小沼毅君)

南議員の再々質問にお答えいたします。私立保育園の園長さんのお便りというんでしょうか、考え方の例を出されてのお話でございました。今たまたま私の方では、そういう私立保育園の云々ではないんですが、私立保育園が加盟しているところで、全国私立保育園連盟というところがございます。そこで最近何を言い出しているか、あるいは今後の経営方針、保育の指標として何を持ってき出しているかということを申し上げますと、率直に申し上げまして、その中で保育の質。そこの保育の質の具体的な問題としてISO9001、2年ほど前に私どもが取得したものでございますけれども、そういうところをベースにして、今後、幼稚園と保育園の一体化の問題、あるいは親御さんの複雑化するニーズに対応していこうということでございます。そういうものの中で、先ほど来申し上げていますけれども、東京都においては認証保育所というのが生まれたということ。それから、私ども品川区では、この間いろいろと現場職員の努力等々を重ねまして、区民の新しいニーズなり、要望なりにこたえるものはしてございました。だから、これはこれとして維持していくということでございます。その中で、認証保育所あるいは分国ということを駆使して対応していくと、こういうことでございます。

副議長(三上博志君)

以上で、南恵子君の質問を終わります。

以上

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