2002.04.05 菊地 貞二 区議
一般質問項目
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日本共産党を代表して一般質問を行います。
初めに、「アメリカのイラク攻撃をやめよ、区長の見解を問う」の質問を行います。
アメリカは2 月25 日、イラク攻撃の容認を求める新決議案を国連安保理に提出しました。一方でドイツ、フランス、ロシアの3カ国は査察強化に関する覚書を発表、今、世界は平和解決の道か、戦争という破局を許すのかという大きな岐路に立っています。そもそも大量破壊兵器の問題は平和的、外交的手段によって解決されるべきであって、戦争という手段に訴えてはならない性格の問題です。ましてや国際法や国連を無視した一方的な軍事攻撃は侵略行為そのものと言わなければなりません。武力攻撃が行われれば、罪なき多くの人々を犠牲にすることば明らかであります。日経22日づけ報道では、国連が影響予測をした内部報告書を紹介、イラク攻撃が始まるとイラク国内に住む5歳以下の子供の30%、約126万人が栄養不足で死亡する。こういう危険があるとしています。対イラク問題は2月に入って査察の継続と強化による平和的解決が世界の流れとなりました。10 日の国連安保理ではドイツ、フランス、ロシア3カ国が査察を継続し、「国連の枠組みの中で平和裏に問題を解決する」との共同声明を発表、2月14日、「国連査察団も査察は完了していない」と安保理に追加報告を行い、継続の必要性を強調しました。その後の安保理でフランス外相が喝時点では武力行使が正当化されない。査察が結果を出している。査察によってイラクに大量破壊兵器を廃棄させるべきだ」と演説し、中国、ロシアも査察継続を支持しました。
同時に、アメリカの武力攻撃に反対する声もかつてない高まりを見せています。日本では2月14日のイラク攻撃反対集会に2万5,000人、2月15日には対イラク戦争の企てに反対する行動が78カ国、600を超える都市で行われました。サンフランシスコ25万人、ロンドン200万人、ローマ300万人、世界じゅうで1,000万人以上が参加し、戦争ノーの声が地球を一周しました。戦争が始まる前からこれだけ戦争反対の声が巻き起こったのは歴史上初めてのことであります。アメリカでもイラク攻撃に反対する決議が全米90市議会で採択、ノーベル賞受賞者14人がイラク攻撃反対の共同声明を発表しています。
下院・民主党は、性急な軍事行動を控え、国連査察チームに十分な時間を与えるようブッシュ大統領に書簡を送りました。もちろん、我が党はイラクが国連決議を幾つも無視をし、クウェートに侵略、国内にあっては専制的な政治を行っていることを否定をするものではありません。問題は、フセイン政権が気にくわないと言って、国連決議もないままに武力を政権を転覆する権利はどの国にも存在をしないということであります。ところが、ブッシュ大統領は新たな国連決議がなくとも友好国を率いてイラクへの戦争を強行する。このことをたびたび言明しています。パウエル長官は「いつまでも査察を続けられない」と無理やり戟争の道を進もうとしています。日本政凧まこれに追随する立場に立っています。原口国連大使は、査察の有効性に疑問が生じているとして、米英を支持する演説を行いました。しかし、その内容は国連査察団の報告とは異なるものであり、何の根拠も持っていません。与党公明党の冬柴幹事長は「武力攻撃に反対する声はイラクを助ける美的行為だ」と発言、小泉首相も誤ったメッセージを送らないように注意しなくてはならないと、反戦運動の高まりを敵視する発言を行っています。憲法9条は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」として、戦争の放棄を宣言しています。世界の国々が平和的解決に努力をしているとき、平和憲法を持つ我が国が戦争加担の道を進むなどは到底許されないことであります。この問題をどういう立場でとらえかは自治体の長としても避けられない問題ではないでしょうか。
そこで質問いたします。
日本は侵略戟争の反省の上に、平和の誓いを込めてかち取った世界に誇る日本国憲法を持っています。品川区は核兵器廃絶と恒久平和確立の悲願を込めて、非核都市品川宣言を行っています。品川区議会では、あすの本会議でイラク問題を国際協調のもとで平和的に解決することを求める決議を提案することになっています。区長は32万区民の代表として、アメリカのイラク攻撃に反対を明言すべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、「大型店による区内商店街の影響は大、新たな規制と支援策の強化を求める」質問であります。
厳しい不況が続く中、東品川に出店をしたジャスコの影響により、売り上げの減少を招いていると商店主の皆さんからお聞きしました。文房具店では客足が大きく落ち込んでいるといいます。資本力に物を言わせて24時まで営業するジャスコに個人商店が対抗するのは不可能だ。空き店舗対策などで商店街の魅力を増す以外に対抗手段はないだろうと、商店街全体での取り組みと行政支援を強調されていました。
鮮魚店でも同様に客足が減少し、原価に近い販売で対応しているそうです。「店舗の家賃が20万円、夫婦での営業だから何とかやっているが、これ以上の値下げは不可能だ。シャトルバスで客を運び、ヨーカ堂や大手スーパー等のチラシ合戦には対抗できないのが現状だ」、このように言います。最も影響が大きかったのは昼食を中心にして営業する飲食店です。総じて売り上げは減少し、ひどいところは5割にまで売り上げが減少したという店舗もあります。大型店の出店が地域経済に与える影響ははかり知れないものであることば、こうした現実でも明らかであります。
ここで、大型店規制の問題に触れます。
1970年代の後半、全国991自治体が中型店規制条例を施行し、地域経済を担う商店街保護に乗り出しました。大店法では売り場面積や閉店時間、休日日数など4項目しか規制していなかったのに対し、当時の条例は周辺商店街の同意を要するなど、実質的に大店法を上回るこうした規制力を有するものが少なくありませんでした。地方都市の多くが条例を持ったために大型店は出店しにくくなり、結果として地域経済を守ることにつながっていきました。しかし、通産省の出店抑制政策を条件に、これらの条例を廃止され、商店街は廃業店舗の急増が起こり、社会問題化しています。98年に制定されたまちづくり3法案の論議の際、政府は規制強化と述べましたが、娯楽施設を備え、複合化し、大型化する店舗に資本はもとより販路や人材でも乏しい商店街が対抗するのは不可能と言えます。
品川区でも、大井町駅前はオフィス中心のビル群がつくられ、大崎駅では再開発を進め、住民を追い出した大型店を誘致してきました。1,000 平米を超える大型店は区内小売店の総床面積の65%前後となっており、駅周辺の商店街は一気に衰退し、多くの商店が営業をやめざるを得ない事態をつくり出しています。高橋区政が日本一と言われる再開発を進め、区内商店街の厳しい状況をつくり出したものと言えます。区独自の規制と商店街支援の強化は焦眉の課題と言えるのではないでしょうか。区内中小企業や自営業者が経済循環の担い手であることは認識を一致するところだと思います。小売店の売り上げは地域金融機関に預金をされ、それが地域の中小企業者に貸し出されるという経済循環をつくってき ました。中小商工業研究所の調査では、地域商店街で100万円の買い物をすると1年間に2,400万円の経済効果があると、このような試算が出されています。それに引きかえ、全国展開をしている大型店での購買は、地域で資金が循環することなく本社に吸い上げられ、内外の投資先へと向けられてしまいます。これでは地域の資金循環は途切れてしまい、地域経済はさらに落ち込んでいくことになります。
地域社会での雇用創出や経済循環、きめ細かなサービスの提供など、福祉の要求が中小企業によって担われているというのは、世界的に見ても常識になっています。EU中小企業憲章では、中小企業はヨーロッパ経済のバックボーンであり、雇用の源であり、ビジネスアイデアを育てる大地である。このように位置づけ、アメリカ中小企業法では、国家の安全と経済的繁栄は中小企業の現実的能力および潜在的能力が奨励され、発展されることによってのみ実現されると明記され、多国籍企業や大企業に経済を任せるのではなく、地域の中小企業がその役割を担うことが位置づけられています。ヨーロッパの主要国では、70年代から80年代に大型店などの郊外出店の加速によって町が空洞化した反省に立ち、大型店の出店に対する規制を強化してきました。フランスでは、中小商店の保護と都市計画の適正化を目的とした法律により、大型店の出店に対し事前許可制度をとり、売り場面積では300平米以上の店舗の新設を事前許可の対象とし、イタリアでは、売り場面積150平米以上の商店の新規開業を市町村長による許可制としています。
21世紀の主役として中小企業を位置づけ、高齢化社会の中で、歩いて5分から10分のところで一通りの買い物ができるこうした商業集積を守り、育てるという長期的な視野に立ち、商店街を共有財産として守る政治が今こそ必要ではないでしょうか。
そこで質問します。
最後に、「163号線拡幅事業は地域住民の声を聞き、進行計画を明確にすべき」の質問です。
都市計画道路163号線拡幅工事計画により、大井一、二丁目の町並みは大きく変貌しようとしています。戦後、復興計画を基礎として計画された当該事業は、昭和55年の都市計画道路再検討を経て、平成13年8月の住民説明会で事業着手が報告されました。以後、地域住民と商店街は協議会の結成を初め決議書、質問書、要望書により行政が商店街の再建とまちづくりに責任を持って取り組むよう求めてきました。
私は、昨年の決算委員会で、都市計画道路事業によって廃業もしていない商店や事業所に立ち退きを迫り、近隣住民にも住み続けられるのかと不安を与えている以上、大井一、二丁目のまちづくりを各部連携したプロジェクトチームをつくって支援をすべきと質問しました。区は「要望を情報交換し、その後の措置などについて連携を図っていく。商店街組織の経営、販売促進事業をどのように展開していったらいいのかと相談を受けているので、それについて対処している」と答弁されました。担当部署の職員が懸命に努力をされているのはわかります。しかし、この答弁で明らかなように、総合的な支援策はなく、個別相談への対処にとどまっています。
こうした地域住民への対処を見ると、現在の事業部制は従来どおりの縦割り行政としか思えないものであります。一本橋商店街で昭和32年から半世紀近くにわたって商売を営んできた方にお聞きをしたところ、「買い物客の流れは立会川の暗渠化、八潮団地の建設や大井一丁目の区画整理、そしてスーパーマーケットや大型店の出店など、時代の流れの中で減少し続けた。不況のしわ寄せは自分のような小さな商店に来る。年齢的にも新規開業は不可能。できる限り最後まで商店街に残って見届けたい」と言います。ある方は、「自分の家は3分の1が道路にかかり、狭くて住むことができなくなる。補償では住みかえなどできそうもなく困っている」と言います。担当者に話したところ、隣の空き地を買っては と言われたそうですが、そうした余裕がないから因っている。また家を改築したばかりの高齢者夫婦は、「せめて荏原にできる安心の住まいに優先的に入れるようにしてほしいと思っているが、163号線の担当者が2回来ただけ」と言います。商店主の言葉でも明らかなように、都市計画道路の事業と商店街支援、まちづくりは一体のものです。全体の流れを見据え道路事業、商店街支援、まちづくり、地域住民の生活など統一して考えることが重要ではありませんか。狭い範囲でしか物事を見ずに、道路事業を完成させることばかりを考えていれば、公園で豊かに時を過ごし、町を散策し、買い物をする。安心できる住宅環境をつくる。そういったことが総合されて豊かな住環境と商店街の再生ができるという視点を失ってしまうのではないでしょうか。
公共インフラ整備の原資は何かと言えば税金であります。住民の納めた税金が町をつくっています。住民にはすべてのことについて質問をし、苦情を言う責任もあるし、権利もあるということです。初めての事業説明会が開かれた際、排気ガスによる環境悪化やビル化により人が住めなくなるといった心配に納得できる説明はいまだになされていません。交通事故が減少するといった説明には地域住民が一体となって子どもたちを守ってきた。事故は1件も起きていないと住民は反論しましたが、その解明もなされていません。区は163号線拡幅と大井一本橋商店街振興組合に関する請願を審議した際、「他の部署と連携をして住民の要望を聞いている」と答弁していますが、さきの事例を見てもいかに住民の声を 聞いていないかは明白ではありませんか。
また、住民によってつくられた協議会は、商店街や地域住民によって10回を超える会合を開いてきました。こうした努力を住民自身が行っているにもかかわらず、現在の支援は中小企業センターの一室を貸すこと程度であります。協議会に出席をするのは163号線事業計画の担当者のみでは真剣に考えているとは思えません。町全体を愛し続けた方もいます。先日、商店街の裏手にお住まいであった方が亡くなりましたが、163号線の問題が出てからは自分の育った町をなくしたくない、そんな思いでまちづくりの学習会などに参加し、勉強していました。生活していく町とはそれほど重要なものです。行政支援が一般的な施策にとどまるなら、間違いなく住むことのできない町に変貌してしまいます。住民に心を寄せた思い切った支援策を望むものであります。
そこで質問いたします。
以上で、日本共産党を代表しての私からの質問を終わります。ありがとうございました。
菊地議員の、アメリカのイラク攻撃に関するご質問にお答えいたします。
イラクの大量破壊兵器問題につきましては、世界の平和と安全の維持を目的とした国際連合の安全保障理事会において、査察を行いながら協議されているところでございます。我が国の対応につきましては、政府が方針を決定すべき事項であると考えていますので、区長としての見解は差し控えさせていただきます。
ご質問にもございましたように、品川区は昭和60年に平和を願う区民の総意として、非核平和都市品川宣言を行っております。核兵器の廃絶と世界平和の実現は品川区の基本的な願いであることを申し上げさせていただきます。
私からは、大型店に関するご質問につきましてご答弁申し上げます。
大型店の影響調査に関するご質問ですが、商店街の売り上げの低迷は、大型店との価格競争だけに原因を特定できるものではございません。不況による個人消費の伸び悩み、流通構造の変化、消費者の価値観の多様化、さらには商店街の販促活動の弱体化、後継者問題や人材育成のおくれなど、さまざまな要因が複合しております。
このような商業環境のもとで今必要なことば、大型店の影響調査よりは、むしろ商店街組織の実情、商店街の立地特性、商圏である周辺地域の特徴や変化などを的確に把握した上で、商店街の活性化を図ることである。区としては、このような趣旨で総合的な支援策を展開しているところでございます。次に、営業時間の延長に関するご質問ですが、旧法の大店法では、閉店時刻が規制いたのに対し、現行の大店立地法では申請された営業時間に応じ、予測される交通や騒音など、法律に基づく指定項目について、東京都におきまして地域の生活環境の保持という基準から審査をしております。
現行法上、例えば、深夜営業は青少年の健全育成に及ぼす影響については審査の指定項目とされておりませんが、この種の事例につきましては、既に区といたしまして事業者に適切な対応を要請してきておるところでございます。
次に、小規模商店街の支援に関するご質問ですが、この間、元気を出せ商店街事業の活性を図るほか、平成13年度からは小規模商店街の販促事業の強化を目的とする独自の助成事業を創設し、組織力が弱く、販促事業の経費やスタッフ欠ける商店街の活性化を支援してきております。今後とも小規模商店街の自活力を高める支援策の充実に努めてまいります。
私からは、都市計画道路補助第163号線拡幅事業に伴う振興計画に関するご質問にお答えします。
初めに、地域再生の取り組みとして、部署を超えたプロジェクトチームで対応とのお尋ねでございますが、本事業の推進に当たりましては、一本橋商店街振興組合のご協力が不可欠なことから、事業認可前から区の関係各部が連携して丁寧に説明会、懇談会等を行ってきたところでございます。その中で地元の皆さんの発意により、再開発事業や共同ビル化などを視野に入れた研究会が立ち上がり、区としてまちづくりコンサルタントの派遣もしております。また、一本橋商店街の振興対策についても中小企業診断士による現状分析や将来設計など個別のニーズに対応した支援を積極的に行ってきたところです。これらの取り組みはまちづくり事業部が企画部、区民生活事業部と綿密な連携を図りながら行っているものであり、区としての連携体制は十分確立されていると考えております。
次に、第三者の研究機関によるプロポーザル方式での振興計画の策定をとのお尋ねですが、現在、一本橋商店街振興組合が中心となって、道路の拡幅事業を契機として商店街の再生を目的とした勉強会を始める準備をしております。区としては、この勉強会に派遣する第三者機関のコンサルタントを既に決定しております。今後とも区内部の連携を図り、道路づくりと並行して新生商店街が実現するよう、でき得る限りの支援をしてまいります。
それぞれにご答弁ありがとうございます。自席から再度質問させていただきます。
まず、イラクの問題についてでありますけれども、この問題というのは、今、世界的な流れを見ても平和的な解決を望むのか、それとも武力攻撃、ここに突入をしていくのか。この2つに1つの選択肢しかないという状況にあります。先日24日、小泉首相は衆議院での予算委員会の中で戟費の問題に触れまして、「国際社会の一員としてそれなりの責任を果たさなければならない」、こういう答弁を行っているんです。アメリカが提案した新しい決議案、これを支持をしていくんだ、こういう立場で小泉首相ははっきりと戦争へ突入する。こういう立場を支持していくということを明確にしているわけです。実際にこれが行われていけば、区民への影響というのもたくさん出てくるはずです。区長が32万区民の命を預かる、生活を預かる、こういう立場で区長の態度をぜひ明確にしていただければというふうに思います。
それから、商店街の問題でありますけれども、先ほど大型店のみが今の商店街の状況をつくり出した原因ではないというお話をされました。確かにそのとおりであります。以前、区長の答弁の中で大きな店舗が出てこない。こういう商店街では消費者が流出していく。具体的には大井町だと、商店街が大店舗と共存していく、こういう方向が必要だ。こういうお話をされているんです。このお話の中で区長はいろいろな状況をつぶさに出しておりましたけれども、ただ、こうした形で大規模の店舗を誘致してきた、進出を許してきた、その結果として今の状況をつくり出したというのは明らかだと思うんです。この区長のご答弁というのは今から12年前の話なんです。当時でも1種店舗が36%だそうです。今ですと、先ほど述べましたけれども、65%。実際にどうやって商店街が個店が今の状況に太刀打ちをするのか、自助努力では、もう今どうしようもない状況にある。ですから影響については調べる必要はないというお話でしたけれども、実際に地元の商店街ではこういう状況が起きているわ けですから、影響を調べないなら調べないではっきりとした支援の方法を明確にしていくことが重要ではないかと考えます。今の状況について個店や商店街、努力が足りない。このようにいまだに考えておられるのかどうかということを1 つだけお聞きしたいと思います。
163の問題でありますけれども、さきにも申し上げましたけれども、住民の要望で町が今変貌する。こういうわけではないんですね。住民から要望があったことについて、これまで区の方は対処しているんだと言ってきましたけれども、そういうことではなくて、行政が明確なビジョンを示す。このことが必要なんだ、私はこのことを申し上げているわけです。今も共同ビル化のお話がありましたけれども、本当に一本橋商店街を中心にして大井一、二丁目の白地図を住民に示して、区が一緒にそこに色をつけていく。そのために必要な第三者の提案なりプロポーザルが必要なのではないかと思います。ですから、再度お聞きしますけれども、行政が住民に対して現時点でビジョンを示す必要はないというふうに考えておられるのかどうか。要は商店街だけの問題ではありません。地域住民全体に対する問題です。ご答弁をお願いいたします。
再質問にお答えいたします。
先ほどから申し上げていますように、区長としての見解は差し控えさせていただきますが、品川区は非核平和都市品川宣言を行っている区でございます。核兵器の廃絶と世界平和の実現は品川区の基本的な願いであることを述べさせていただいたわけでございまして、この中から十分真意をくみ取っていただきたいと思っております。
次に、大型店の問題でございますが、いつもこの大型店と個店の問題が論争になります。それぞれの地域によりまして、それぞれの考え方がおありかと思います。ある商店街におきましては、スーパーがそこに出店した。スーパーに集まります消費者をどのように個店がつかまえて商売するか、これがこの商店街の使命です。勇気がわきましたと言っている商店街もございます。また渋谷なり新宿なりに大型店が集中している地域におきましても、個店はそれなりの商売をしているわけで、立派に商売をしております。そういうことを考えますと、大井町でも個店は個店なりの商売ができる知恵と努力が必要だということを再々申し上げております。それにつきましては、品川区もできるだけの支援はいたしましょう。こういうことで仕事を進めさせていただいておりますので、よろしくお願いたします。
補助163号線に閲しますビジョンづくりの再質問でございますが、行政が明確なビジョンを示すべきとおっしゃっていますが、先ほどから私ご答弁申し上げましたとおり、コンサルタントなりアドバイスなり、いろいろな角度で区は派遣して区民の皆さんの自主的なまちづくりに支援しているところでございます。行政が区民の皆さんの意見をお聞きしないで一方的な形で押しつけるということば、これは決していいこととは思っておりません。やはり皆様方のご意見を十分お聞きし、そしてそれに向けての支援をすることが区としての役割、このように考えているところでございます。
ありがとうございます。163の問題についてのみお聞きしたいと思います。私はそれぞれの職員の皆さんが努力をしていないということば言っていません。十分に努力をされているとは思います。ただ、今、部長が申し上げましたいろいろな形で支援をしているんだということですけれども、実際に商店街だけではなく、地域に入っていけばいろいろな疑問がいまだに起こっているんですね。私が提案しているのは、町会や商店街だけではなく、住民の皆さんが自由に集まって論議ができる。そういう場をつくっていくことが必要なんだということを言っています。今までの支援の方法というのは、商店街をどう再生していくのか。それから実際に事業用地になる皆さんの生活をこれからどうしていくのか、もちろんこういうものは必要だというのは当然のことであります。ただ、大井一、二丁目に実際に住んでおられる多くの皆さんのこれからの生活を考えた、行政が中心となってそうした皆さんを集めていく、こういう場が必要ではないかというふうに思っています。全体を集めた説明会というのは最初の1回きりです。その後は行われていないわけですから、そうした組織づくりこそが必要ではないかと思っていますけれども、そこでの問題をもう一度お聞かせ願えますか。
補助163号線の再々質問にお答え申し上げます。
先ほどのご質問にも、私ご答弁させていただきましたとおり、区はこれまで説明会、懇談会も行い、そして地元の皆さんのまちづくりへの準備、これにつきましても参加させていただき、なおかつ個々の皆さんの商店の再生、あるいは相続の問題、移転の問題等につきましても1つ1つお話しさせていただいている。そして商店街の再生についても場を提供し、コンサルタントを派遣する。このようなことをできる限りのことは私どもやっておりますし、これからもやっていく覚悟でございます。そういう意味で、まちの方たちとこれからもー緒に商店街の再生、あるいはまちづくりに向けて支援をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
以上で、菊地貞二君の質問を終わります。
以上