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2002年度決算に対する態度表明

2003年10月20日
日本共産党区議団(宮崎)

日本共産党区議団を代表して意見表明を行います。2002年度各会計決算の認定にあたって、わが党区議団は一般会計および老人保健、介護保険の各特別会計決算に反対、国民健康保険と用地特別会計の決算には賛成します。

不況のなか、区内工場は生産シフトの海外移転で仕事が激減、商店は大型店進出、相次ぐ規制緩和で売り上げの落ち込み、倒産やリストラで増え続ける失業者には仕事がなく失業手当の給付削減、いま区民は崖っぷちに立たされています。自治体には今ほど住民の暮らしと営業を守る機能を発揮することが求められているときはありません。

しかし、2002年度決算の問題は第一に、福祉を削減し、低所得者に冷たい政治をすすめていることです。

2002年度は行政評価システムを導入して最初の予算でした。コスト主義を前面に、生活保護の入浴券支給の削減、勤労者生活資金融資斡旋など区民施策の徹底した削減をすすめてきました。その結果、基金積み立てが570億円にも膨れ上がりました。今決算審議のなかで区は、給食調理代行を保育園から学校にも拡大しようとしていることを明らかにしましたが、自治体を儲け本位の株式会社化させるものといわざるを得ません。

都営住宅は今年5月の区内分の募集はわずか1戸でした。石原知事が新規建設を中止しているのが原因ですが、高橋区長も家賃の高い区民住宅は建設するが区営住宅の増設計画はないとはどういうことでしょうか。高齢者福祉でも、区は特養老人ホームの入所待機者が700人を超えているのに建設しない。一方、中堅所得者向けのケアホームは81名定員で100名ほどしか応募がなかったのに、今後の計画はケアホームの建設だけです。

所得のある人には、住宅も高齢者施設も提供するが、所得の低い人にはどんなに要望が強くても住宅も特養ホームもつくらない。いったいこれが自治体の姿でしょうか。

第二は、大型開発推進の問題です。高橋区長は大崎駅周辺開発をすすめていますが、都市再生はムダな公共事業の都会版です。特に、西口中地区は、オフィスから住宅プロジェクトに変更すると述べました。汐留、品川駅東口、東品川四丁目、大崎駅周辺開発など2003年問題の影響を受け、計画を根本から見直さざるを得なくなったものです。事業者も決まっていません。まったく計画性もない、ゼネコンの仕事確保ではありませんか。

さらに、大規模開発は「住宅プロジェクト」への変更で補助金が増えます。都営住宅や区営住宅はつくらないのに、大企業がつくる超高級マンションには税金から莫大な補助金を出すなど、到底住民の理解は得られません。

今月も集中豪雨で区内に水害被害が発生しました。ヒートアイランドは集中豪雨の原因といわれており、環境面からも大規模開発は見直すべきです。

なお、都が大規模開発を進める一方で下水道予算を削減しようとしているとのことですが、言語道断といわなければなりません。

第三は、アルゼンチン債購入問題での対応です。先ほど高橋区長は、「行政改革は終わりがない」と述べましたが、アルゼンチン債は1億6千万円を投じて購入しながら区民に報告すらしません。

アルゼンチン債は危険を承知で購入していました。自治体を企業に見立て株式会社化させてきたことが生んだものです。しかも、当時財団副理事長の相見助役が理事会にも諮らず勝手に購入したというのに、高橋区長は相見元助役をかばって、損害は区民に押し付けるなど断じて許されません。

第四は、小中一貫校を大井地区、原小学校と伊藤中学校に拡大する問題です。

区は当初、「大崎地区の経験から教訓を引き出し、今後は考えたい」と述べていたのに拡大するのは子どもたちを実験台にするもの。なぜ、急いで拡大するのでしょうか。

第五は、住民の声を聞かない区政運営の問題です。学童保育クラブのすまいるへの移行・廃止や小中一貫校問題などでも、決定を押し付けるというやり方が区民の批判を受けました。ところが、高橋区長は「区民の代表である議会が第一義で、住民の意見は補完」と述べました。これは、全国に広がる住民投票の流れ、住民こそ主人公を否定するものです。

次に、老人保健と介護保険特別会計について述べます。

老人保健は、昨年の負担増により医療が必要なお年寄りが受診を抑えています。

介護保険は、3年間で15億7千万円あまりの基金を積み立てました。これは、1号被保険者一人当たり2万7千円にもなります。保険料取りすぎと重い利用料負担が原因であり、低所得者の保険料減額の充実などを拒否する理由はありません。

最後に、今決算審議のなかでも議論された学童保育クラブ閉鎖問題について述べます。そもそも学童保育クラブは、親が仕事などで不在のため放課後子どもを預かる事業です。全児童対象で参加自由の「すまいるスクール」とは役割が違います。

区は、住民の反発に希望する子どもの出欠確認、状況によっては職員の加配を行うと答弁しましたが、先ほどの沢田委員の、すまいるスクール三木の総括質問にあったように、児童数が2・5倍になるのに正規職員4人を1人にするようではサービスは大幅低下し、事故の増加も心配されます。改めて財政効率第一はやめ、学童保育クラブの存続を求めるものです。

以上で、日本共産党区議団の意見表明といたします。

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