11月20日、第4回定例会本会議で行った宮崎克俊議員の一般質問と答弁は以下のとおりです。
日本共産党を代表して一般質問を行います。
まず、はじめは、大地震から区民の命を守るため、住宅、マンションの耐震診断・補強に思い切った支援をについてです。
今年の夏から秋にかけて北海道・東北地方で発生した地震で大きな被害を受けました。宮城県では住宅の損壊は11,560棟におよんでいます。8年前の阪神淡路大震災では、木造住宅やマンションの倒壊によって圧死した人は死者の8割、その後の火災とあわせて被害を拡大しました。
一方、東京都の被害想定では、品川区の危険度は23区でトップクラス。地震に強い街づくりは焦眉の課題です。防災対策という理由をつけて大規模開発を進めるより密集住宅地の整備や地震に強い住宅づくりこそ急ぐよう求めるものです。
さて、先の議会で、個人住宅の耐震診断への公的支援を検討する旨答弁がありました。耐震診断や補強工事への助成は全国の自治体に広がり、23区でも16区が実施しています。わが党は、これまで個人の住宅であっても耐震診断や家具転倒防止器具設置などの必要な援助をするよう求めてきましたが、そのたびに高橋区長の答弁は「個人の財産への公的支援はしない」というものでした。今回、個人住宅の耐震診断への支援との答弁は大いに評価したいと思います。
北品川2丁目の女性Aさんは62才。娘さんと二人暮しです。戦前に建てた家なので大地震がきたら確実につぶれる、と心配しています。Aさんは現在、年金暮らしですが、現役で働いていた時、家を建て替えようと信金にローンを申し込んだが断られ、立て替えることができませんでした。娘さんの稼ぎだけでは建て替えはいつになるかわからない、せめて悪いところの補強だけでも援助してほしいと願っています。
地震に強い家づくりは区民の命を守るとともに、不況対策として区内の建設業者への仕事確保にも期待されています。今後つくる制度が住民から歓迎され、おおいに活用される充実したものとなるよう期待し3点質問します。
第一は、耐震診断・補強工事支援の対象と内容の充実です。
まず、対象は個人住宅とともにマンションなど集合住宅も含めることです。区長は、地震の際木造住宅の火災の危険を述べましたが、阪神大震災ではマンション倒壊が救済、復興の足かせになりました。安全な街づくりのためには個人住宅だけでなくマンションなど高層建物の倒壊を防ぐことは決定的に重要です。あわせて、民間の病院や保育園などの福祉施設も対象とする必要があると思います。
耐震診断や耐震補強工事を支援する自治体の多くがマンションも対象にしています。23区でも千代田、中央、港、目黒、渋谷、世田谷など14区でマンション耐震診断へ助成しています。それぞれ補助率や助成限度額の内容が違い、利用状況にも差があるようですが、共通してこの間、問い合わせが増えているといいます。
さらに、支援を耐震診断だけでなく補強工事も対象にすることです。木造住宅は、土台と柱の結束、柱の間の筋交い、壁の補強、屋根の軽量化などの改修で倒壊を防ぐことが可能となり、不燃・耐火の改修も被害防止に効果があります。また、これらの耐震、耐火工事は高額でなく、一定の補助で促進可能です。
さらに、なかにはこれから新たな負担はできないというお年寄りもおられます。リバースモーゲージ導入なども含めて支援制度の充実が必要だと思います。
それぞれ、ご見解をお伺いいたします。
第二は、緊急対策として家具転倒防止器具設置を早急にすすめることです。阪神大震災では家具転倒による事故も多くありました。耐震診断の公的支援により、補強工事が促進されるという期待はありますが、いうまでもなく大地震はいつ来るかもしれません。緊急対策として高齢者世帯や障害者世帯、低所得世帯に対して家具転倒防止器具設置のための支援をあらためて求めるものです。いかがでしょうか。
第三は、地震につよい住宅づくりは住民の意識啓発が大事です。新たな制度の利用拡大で耐震診断・耐震補強工事がすすむよう、住民にわかり易いパンフレットなどが必要だと思います。お考えをお伺いいたします。
次に資金繰りに悩む中小企業に、国の借り換え保証制度の普及をの質問です。
小泉内閣発足後の2年半で4万4千件もの企業が倒産。それ以前に比べ9%以上の増加と伝えられています。中小企業は、不況による売り上げの落ち込みの上に、貸し渋り・貸しはがしや金利引き上げなど、金融の道を絶たれて次々に倒産や経営難に追い込まれています。大銀行には33兆円もの公的資金が投入され、潤沢な資金が供給されているのに中小企業にはその資金が回らず「超金融引き締め」状態になっています。これは、経済の実態を無視した不良債権処理が「経済の血液」である金融を収縮させてしまったからです。小泉内閣発足前と比べて金融機関の企業向け貸し出しは61兆円も減少。このため黒字の企業まで資金繰りの困難さから倒産するという事態が起きています。不良債権処理のテンポをいっそう速める「竹中プラン」が強行されれば、中小企業の倒産はますます増えることは必至です。
中小企業にとって必要なことは仕事確保が第一であるとともに、必要な資金の確保、返済の軽減も切実です。こういう現状から区内業者の資金繰りをどう支援するか、いま自治体に問われていると思います。そこで2点提案したいと思います。
一点目は、「資金繰り円滑化借換え保証制度」の普及です。
今年2月に国が創設したこの制度は、保証付き借り入れ金の借換えや複数の保証付き借入金を一本化することにより、月々の返済額の軽減と資金繰りを改善するものです。対象は保証協会の保証がついた特別保証とセーフティーネット保証、それ以外の一般保証で、これまでに返済条件を変更した方でも対象になります。自治体から認定されれば、返済期間や保証料率などで一般保証よりも有利なセーフティーネットで借り替えることができ、返済期間も10年まで延長できるというもの。品川区ではこの制度の認定はおよそ600件、区を経由せず直接金融機関に行く場合もあるので、さらに多いと聞きます。
この制度を利用した方の例を紹介します。
小売店を営むAさんは制度発足当初に利用しました。3本の信用保証付き融資を1本にまとめ、月210万円だった返済が半分以下になりました。当時、銀行から信用保証のついてない融資の返済額を大幅に増やすよう迫られていましたが、それに対応できる余裕はありませんでした。東京都に相談して借り換え保証制度を利用することができ、本当に助かったと述べました。
不況で売り上げが伸びない中、資金繰りに追われている中小企業にとって返済額の軽減や期間延長は大変喜ばれています。ぜひ、区がこの制度が広く活用されるよう取り計らっていただきたいと思います。
私は、区が業者に対して積極的に制度の周知徹底、また、相談窓口の設置、利用状況を調査し適切な対応を図るよう求めますが見解をお伺いいたします。
更に、この制度は来年3月までですが、区として関係機関への期間の延長を働きかけるよう求めますがいかがでしょうか。
二点目は、「資金繰り円滑化借換え保証制度」を利用できない中小企業に対して、区独自の制度をつくることです。
江戸川区では、保証を取れない業者のために「景気対策特別資金融資制度」を創設、5%の売上減少を対象に183件実行したと聞きます。融資限度額は500万円。零細企業が多い地域であること、融資件数がかなり冷え込み借りる体力よりも利息がきつい状態であること、また、金融機関からは「区が保証するのであればいい」ということもあり実行したといいます。また、目黒、新宿、練馬では区独自の「一本化する融資制度」をつくりました。
品川区は、年末融資制度を積極的に設定するようになってきましたが、借り替え融資制度を利用できない業者に対する「特別措置」や独自の一本化制度などの創設が必要と思いますがいかがでしょうか。
次に、防災センター3階ロビー・第3庁舎講堂の区民開放を求めて質問します。
まず、防災センター3階ロビーの区民開放についてです。
品川区には、区民が利用できる展示会場は品川区民ギャラリーとO美術館展示室の2ヶ所だけです。私は、利用者から寄せられた二つの問題を紹介します。
ひとつは利用料です。
区民ギャラリーは、イトーヨーカドーの8階で広さ200u、使用料は1日12,000円、6日で72,000円。O美術館の展示室は55uで、使用料は1日9,000円、6日間54,000円必要です。平和のための戦争資料展は、中小企業センター1階の展示室がなくなったため今年は区民ギャラリーで開催しました。中小企業センターの展示室は1日利用で7,300円でしたので、区民ギャラリーの開催で1日あたり4,700円も会場費が増えました。戦争資料展の関係者は「入場料を取らない催し物には大きな負担だ」と述べています。
もうひとつは、広さの問題です。
毎年、近隣自治体の展示場を探して書道展を開催している方は、「自分たちのグループにとって、きゅりあんイベントホールでは料金も高いが広すぎるし、O美術館、区民ギャラーは狭すぎる。いろいろの広さで使える会場がほしい」話します。
一方、防災センター3階ロビーの利用状況はどうでしょうか。過去3年間の実績は2001年9件、2002年13件、2003年13件で、うち5割弱が関東大震災80年展、防災ポスター展など防災に関わる企画。その他は、環境啓発パネル展、人権啓発ポスター展、市町村交流展示など防災以外にも活用していますが、なかには4週間から8週間も延々と続く企画もあり、まだまだ有効活用の余地があるのではないでしょうか。
中小企業センター展示室は2001年には年間190回も利用があるなど、区民に親しまれてきた施設です。ここを区の都合で変更したのですから、近くの防災センターロビーを使わせてほしいという要望は当然だと思います。防災センターは本庁舎に直結し、催し物の開催には条件に恵まれています。ぜひ、区民が利用できるようにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
続いて、第3庁舎講堂の活用について伺います。
現在、区内には舞台のあるホールは、きゅりあんの大小2つのホールと荏原文化センターのみ。32万区民に対して3ヶ所しかありません。しかも、きゅりあんの大ホールは1,074人定員で夜間使用料金は土日で129,100円、小ホールは238人定員で44,600円です。荏原文化センターは、500人定員で、夜間使用料金は27,700円といずれも高額です。
南部労政会館が大崎に移転後、旧労政会館、現在の第3庁舎の5階講堂は職員の利用に限られています。しかし、利用実態は9月、10月の2ヶ月で職員の研修や講演会でそれぞれ14回、16回とおよそ半分。夜間は2回、土曜日曜は1回のみという状況です。第三庁舎講堂を職員の利用に限定し、施設を遊ばせておくのは区民には理解できません。
第3庁舎講堂は180人定員で、講演会や映画会など区民が気軽に使える低料金の小ホールとして開放していただきたいと思います。区長の考えを伺います。
最後は、税金の使い方を公共事業中心から暮らし・営業支援に消費税増税に反対をの質問です。
先の総選挙で、自民党が「消費税増税について国民の合意を得る」と消費税増税を公約し、民主党もマニフェストで基礎年金の財源に消費税を充てると明記。これらの動きを受けて政府税制調査会は先日18日の総会で、基礎年金の財源確保は将来の消費税率引き上げを軸に検討を進めることを確認したと伝えられています。選挙後、消費税増税に向けた動きがいっきに加速しています。
消費税は所得の少ない人ほど負担が重くなる最悪の税制です。消費税は導入されて15年。私は、この間の税財政の問題点を3点述べたいと思います。
第一は、消費税増税は中小企業、消費者にとって壊滅的打撃となる点です。
消費税を3%から5%に引き上げたことが消費に冷や水をかけ、景気をドン底に落としました。消費税増税は消費をいっそう冷え込ませます。
さらに、消費税は、来年の4月から「免税点の引き下げ」が行われ、消費税納入を免除する対象事業者が年間売上高3千万円以下から1千万円以下になります。免税点の引き下げは中小業者に新たな事務負担・納税負担となり、零細業者になればなるほど消費税を価格に転嫁できずに「損税」となる業者の割合が多くなります。消費税が増税されたら中小企業への影響は計り知れません。
ある商店街の会長さんからは「来年の4月からは営業がさらに苦しくなる。免税点の引き下げ、総額表示の義務付け、これに加えて消費税が増税されたら商店街そのものがなくなる」と悲痛の声が寄せられました。
第二は、消費税増税の一方で大企業には減税するという不公平な税負担の問題です。
日本経団連は、社会保障給付の削減を図るとともに、不足する財源は消費税率引き上げで賄うべきだと提言。消費税率を毎年引き上げ2025年度には18%にする必要があるとし、さらに、「消費税増税と法人税減税に賛成する政党には政治献金を行う」ことまで決めました。財界が企業献金で後押しする形で税率アップが進められようとしているのです。
財界は消費税率アップとあわせ、法人税など大企業のための減税を押し付けてきました。1989年に消費税が導入されて以来15年間が経ちますが、この間、国民が支払った消費税の総額は国と地方で136兆円なのに、法人税など大企業の減税は131兆円もありました。高齢社会のためなどと導入された消費税は、結局、大企業の減税と不況による法人税の減収の「穴埋め」に消えてしまったというのが実態です。
第三は、税金の使い方、税金が国民の暮らしにまわってこない問題です。
日本は同じ税金を納めていても国民に返ってくる分が極端に低いと指摘されています。たとえば一万円の税金を納めたとすると、もどってくる社会保障は、イギリスが4千3百円、ドイツは4千4百円、アメリカは4千7百円と半分近く返ってきます。しかし、日本は1万円の税金のうち2千9百円しか社会保障として返ってきません。
それは、税金の使い方が公共事業に偏っているからです。日本の予算で一番大きい比重を占めるのは公共事業で、国と地方合わせて毎年50兆円が使われています。一方、社会保障は20兆円だけです。品川でも大崎駅周辺など大規模開発に470億円もの税金を投入してきましたが、品川区もこうした偏った税金の使い方の一翼を担っているといわざるを得ません。
こうした公共事業中心の税金の使い方では、年金や医療など社会保障の財源が苦しくなるのは当たり前ではないでしょうか。日本共産党は、公共事業と軍事費を削減し、税金は国民の生活に厚くするという欧米なみの方向に切り替えれば、増税しなくしても社会保障に10兆円以上の新たな財源を作ることができると試算しています。いまこそ税金の使い方を改めて、消費税増税計画を中止することが必要です。
そこで質問します。消費税の免税点引き下げによる区内中小業者への影響、および消費税増税についての区長の見解をお伺います。
以上で、一般質問を終わります。
宮崎議員のご質問のうち、消費税についてお答え申し上げます。
今回の消費税法の改正は、中小事業者の特例措置の見直しだけでなく、免税事業者の消費税相当分の転化、いわゆる益税に対します一般消費者の国民感情なども配慮し、公平性・透明性及び簡素性との均衡性を考慮して行ったものでございます。新制度は、個人事業者の場合平成17年度から適用され、法人事業者の場合は平成16年度から適用されるなど、営業形態により扱いが違います。更に、課税事業者になると取り引きの状況によっては消費税の還付をうけることができます。また、取り引きをしている商品や業種によって消費税の扱いが異なるため現時点での区内中小事業者への影響について予測することは困難でございます。
次に、消費税増税についてでありますが、消費税は税体系全体をとおして、税負担の公平を図るとともに、国民福祉の充実などのために必要な歳入構造の安定化に資するために、消費一般に広く公平に負担を求める税として創設されたものでございます。創設の趣旨からいたしましても、現在では必要不可欠な税でございまして、その重要性から社会情勢に応じて改正が行われてきたものと認識をしております。以上です。
私からは、耐震診断と耐震補強などのご質問についてお答え申し上げます。
まず、耐震診断・耐震補強工事支援についてですが、阪神淡路大震災の記憶が新しいなか、昨年東京都が発表した『第5回地域危険度特定調査結果』による品川区における木造密集地の危険性が指摘されました。区としてはこれまで耐震診断等の支援について私有財産の形成につながることから慎重に検討してきたところですが、こうした調査結果を踏まえ早期に対応すべき手法を検討してまいりました。その中で、倒壊が火災の延焼へとつながる老朽木造の密集地における診断支援がもっとも効果的であると判断したものです。したがいまして、マンションなど対象の拡大につきましては考えておりません。また、耐震補強工事の支援につきましては住宅修築資金斡旋制度の活用をしていただくこととしております。
次に、高齢者所帯や障害者所帯、低所得者所帯への家具転倒防止器具の設置につきましては、先の本会議でもご答弁申し上げたとおり地震に対する日頃の備えとして、居住者自らが購入し設置すべきものであると考えており、区は販売の斡旋を行うという考えに変わりはございません。
次に、住民にわかりやすいパンフレット作成についてのご提案ですが、区ではこれまでも耐震に関する意識啓発と併せて補強工事を行う際の目安となるリーフレットを作成してまいりましたが、今後この方針と併せて検討してまいります。
私からは、『資金繰りに悩む中小企業に対する国の借り換え補償制度の普及』につきましてお答え申し上げます。
資金繰り円滑化借り換え保証制度につきましては、本年2月の制度開始に当たり中小企業庁と信用保証協会によって新聞各紙への広告掲載が行われ、区といたしましては3月発行の「産業ニュース」で制度の案内を掲載してございます。借り換えという制度の趣旨からは金融機関の窓口での事業者への適切なPRが何よりも効果的であることから、これまで区内金融機関との連携を取りながら認定事務を処理してまいりました。本区では、制度の円滑な運営に配慮して、認定事務の受付につきましては、これを形式的な事務処理で済ませることなく、すべての案件を相談員の面接により対応してきているところでございます。
事業状況の調査につきましては、区の認定案件が実際に制度の適応を受けたかどうかは、事後になりますが信用保証協会から実績の報告を受けてございます。
また、国への働きかけに関するご要望でございますが、制度の内容拡充等につきましては、経済情勢と中小企業の実状をふまえ、経済政策・金融政策の立場から政府が適宜判断するべきものと考えております。
次に、借り換え保証制度を利用できない事業者への特別措置に関するご提案ですが、信用保証を受けられない金融機関のプロパー融資を区の制度融資で損失補償してまでフォローする必要はないと考えてございます。尚、現在実施しております年末緊急融資では小規模事業者が利用している区の制度融資について信用保証の運用の範囲ですでに実質的な借り換え一本化の取り扱いを行ってきているところでございます。
私からは、防災センター3Fロビー、第3庁舎の講堂の区民開放についてのご質問にお答え申し上げます。
区の庁舎は地方公共団体が、その事務事業の執行のため自ら直接使用する公用財産であり、区民の利用を目的とした公共用財産とは使用目的が明確に区別されております。そこで、区では区民の利用を目的とした施設として文化センターや総合区民会館きゅりあん等を設置し、区民の文化教養活動を支援しております。また、展示専用の施設としてはO美術館、区民ギャラリーがあり、その他、展示・学習・講演会など多目的に利用できる施設として中小企業センター、区民集会所、地域センターなどがあります。更に、区の施設以外でも大崎駅前にある南部労政事務所も同様の施設として利用されております。
ご質問の防災センター3Fロビーにつきましては、平成13年度に区内部で検討会をもち、有事の際のオープンスペースの確保を前提としつつ、庁舎の出入り口のシンボルであることから防災での活用をはじめとし、各事業部で有効活用するとの方針を決定しております。
また、第3庁舎の講堂につきましても、効率的な事業執行の面から従来、他の公共施設で行ってきた事業等を、講堂で実施し使用状況も増加してきております。したがいまして、防災センターのロビー・第3庁舎の講堂は、それぞれの行政目的にあわせて使用することが基本であり、閉庁時のセキュリティー面からも区民への一般開放は考えておりません。
それぞれ答弁ありがとうございました。何点か再質問をしたいと思います。
まず耐震診断・耐震補強のところなんですけれども、非常に今の住民の要求・要望からすると、非常にかけ離れているというふうに思います。
まず、前回の議会では耐震診断についても今までは私有財産の形成につながるということでずっと拒否してきたわけですね。それをこの前の議会でこのところをある意味では乗り越えたわけですよ。そういう上にたって私は質問しているわけですからその点を踏まえていただきたい。特に今の説明ですと「木造住宅にはやるけれどもマンションにはできない」というこの考え方はよくわからないので、もう一回よくわかるように説明していただきたいと思います。それと、木造住宅には耐震診断で支援をしたいということなんですけれども、今、区の方ではどういうふうに考えているのかというところも併せて伺いたいと思います。建設業者の方の話ですと、いろいろ図面がある場合と、ない場合ありますけれども、「だいたい1件あたり15万〜20万円ぐらい耐震診断には必要じゃないか」という声も聞いておりますけれども、実際に区はどのくらいの支援を考えておられるのかご答弁いただきたい。
そして、パンフレットの件で更新すると、そのとき考えていただくということでしたけれども、街場では突然見も知らない業者が来ていきなり「ここが悪い」とか「あそこが悪い」というふうに言ってトラブルが起きるケースがよくあるんですけれども、私は信用できる診断機関とか業者の紹介を、是非こういうパンフレットを新しくつくるというところで検討できないかどうか、この点をちょっと伺いたいと思います。
それから、借り換え融資のところですけれども、私は今の答弁では結局「政府がやっていることで、政府が判断することだ」ということを、非常に他人事のような答弁だなと思いました。私が今回質問しているのは「国がやっている制度を区として周知徹底してほしい」ということ、「区として活用をドンドンひろげてほしい」ということなんですよね。この考え方は今の答弁の中でよくわからなかったんです。
あと、「すでに一本化している」というお話ですけれども、業者の方々からは、なかなかそういうメッセージが伝わってきてないというふうに思います。先ほど「3月の産業ニュースでお知らせをした。」というふうに言ってましたけれど、先ほど紹介した方もですね「区の方からのお知らせは見てはいたんだろうけれど、ちょっとやりすごしたようだ。」というふうに言っておりました。(「1回やれば終わりということじゃないでしょ」の声)これは、やっぱりお知らせをある意味では何回もやっていくということが必要だと思います。併せて先ほどは「政府の判断でやるものだ」というふうにおっしゃいましたけれども、私は「あらためて自治体としてこの制度の延長を働きかけてほしい」ということを言ったんですけれども、(「そうだ」の声)働きかける意志があるかどうかというところをお聞かせいただきたいと思います。
あと、防災センターとか第3庁舎のところですけれども、部長さんの答弁は結局「区の職員が使うところと、区民に使わせるところは目的が違うんだ」というご答弁だったように思うんですけれども、私はそうではないと思うんですよね。そこのところは実際に工夫していろんなかたちで区民の一般利用を現にやっているんじゃないか。そういうところの考え方とは今回はヤケに乖離しているなぁと思うんですね。具体的に言えば庁舎の駐車場等を一般利用もできるようにしているわけですよね。そういうところの考え方とはちょっと整合性がとれていないというふうに思います。ここのところはどうなのか伺いたいと思います。
まぁ、消費税の点については「相変わらずの答弁だったなぁ」というふうに思います。ここのところはあらためて私は、区長さんはよく「商人出身だ」とおっしゃいますけれども、そうであるならば中小企業がどんな気持ちでやっているのか是非直接聞いていただきたいというふうに思います。これは要望しておきますけども、先ほどの点は答弁いただきたいと思います。
私からは耐震診断に関します再質問にお答え申し上げます。
まず一点目の「マンションで耐震診断をしないのはなぜか」というご質問でございますが、先の地域危険度の特定調査結果によりますと、やはり木造の密集地における被害が一番多く、これが危険だということになっているわけでございます。そういうわけで、倒壊が直接生命の危険にさらされるという木造住宅、倒壊が火災を誘発し避難を難しくすると言う木造密集地、このようなところを重点的に耐震診断を実施した方が効果的であるというのが区の判断でございまして耐火性の高いマンションについては、今回は行わないということを決めたわけでございます。
それから次に、「どのくらいの支援を考えているか」ということでございますが、これにつきましては来年度の予算編成の中で具体的に決めていきたいというふうに考えております。
次に、「業者の紹介について」ということでございますが、これも今後耐震診断を行う場合より効果的な方策を検討していかなければなりません。その中の一つとして検討させていただきたいというふうに考えております。
私からは再質問にお答えします。
「国の責任」というお話がございましたけれども、基本的には、やはりこれは「国の責任」でなすべきことと私どもの方は認識してございます。
それから、「なかなかPRが行き届いていない。」「知らなかった。」というお話ございますけれども、3月の「産業ニュース」のほうで大変広いスペースを取りましてわかりやすく私どものほうでは掲載させていただきました。
それから、窓口にご相談に見える方につきましては先ほどご答弁申しましたように、やはり相談員さんのほうが親切にわかりやすくご相談に応じてございますので、ご指摘の点につきましては私どもとしましては、かなりの努力をし、クリアーしているものと考えてございますのでよろしくお願いします。
私からは庁舎の区民開放に関します再質問にお答え申し上げます。
庁舎の駐車場の件でございますが、これは区役所通りの違法駐車による渋滞対策上の措置ということで開放しているものでございまして、庁舎内の施設につきましては建物の構造上、特に休日夜間等閉庁時のセキュリティー対策等がですね、消防法などとの関係上非常に難しいことからも一般に広く区民に庁舎内の施設を開放するという考えはもってございません。
再々質問は簡単にさせていただきたいと思います。ちょっとその前に今の融資の件は、私は、やはり区民・中小業者の方の気持ちがなかなか伝わっていないというふうに思います。
それから、再々質問のところでマンションの問題なんですけれども、私は、木造が密集している地域の中にもマンションがあったりする。そういうふうになっているわけです。そういう地域が多いんですよね。「マンションだけはできない」ということは住民からするとまったく理解できないんですよね。そこの地域の安全な街づくりということであれば、当然そういうところも含めてやると、これは実際法律ではできないとかいうことはないわけですから、そこのところは自治体の考え方でできるわけですから、このところは効果的に地震に強い街づくりをするということであれば、尚のことマンション等も対象にするということが必要だと思います。
それから防災センター・第3庁舎のところですけれども、実際に「違法駐車の解消」というふうにおっしゃいますけれども、現にそういう目的でも利用してもらっているわけですよね。これは今の答弁ですと、実際に区民の希望にこたえられないという理屈にはならないというふうに思います。それと「消防の関係」というふうにおっしゃいましたけれども、現にこれまで旧労政会館等は区民が利用してきたわけですよね。それがなぜ第3庁舎になると「消防の関係」で利用できなくなるのかそこはまったくわかりませんけれども、そこのところを是非説明いただきたいと思います。
マンションの耐震診断についての再々質問にお答えします。
先ほども私のほうでお話申し上げたとおり、やはり事業を展開する場合には、予算の効果・効率的な執行、あるいは対策としての一番の目的を考えた方法を検討していかなければなりません。そういうことで私どもが考えておりますのは、老朽の木造地域のエリアを重点的に行うことが区の安全をたかめる方策になるというふうに考えておりますところですので、そういうかたちで実施させていただきたいと思っています。
庁舎の開放に関します再々質問にお答え申し上げます。
駐車場の関係でございますけれども、これは当然ながら建物外でございまして、建物外の駐車場と庁舎内の諸室この扱いは自ずから異なってくるものと考えてございます。それから第3庁舎でございますが、これにつきましては現在それぞれ事務室ならびにいろいろな諸室も入ってございまして、こういうところと一般の講堂とのセキュリティー上の区分をするのが困難だと、そのような意味でご答弁させていただいてございます。以上でございます。
以上で宮崎克俊くんの質問を終わります。