品川区2004年度予算案について
2004年2月27日
自民・公明の小泉内閣がイラクへの自衛隊派兵を強行。憲法改悪の動きも強めている一方、景気回復の見通しはありません。品川区でも国民健康保険加入者は、失業者の激増を背景に平成9年度6万6千世帯が平成13年度7万5千世帯へ約1万世帯増加する一方、国保料納入率は90%から80%へと落ち込み、生活保護も平成9年度2,067世帯が平成13年度は2,790世帯に増加しています。いま、区民の暮らし・営業は危機的状況におかれています。こうしたなか、自治体のあり方が問われています。
しかし、高橋区政は乳幼児医療費助成を小学生までの拡大などあるものの、特養ホームや区営住宅増設の願いに背を向けたまま。学童保育閉鎖、3年連続の保育料引き上げを計画しています。区教委も30人学級の願いに応えず、競争を激しくする習熟度学習、小中一貫教育をすすめています。
品川区の来年度一般会計予算規模は1,289億円。区は対前年比0・6%増の積極予算だと説明、予算編成の柱として、
- 子育て支援、
- 防災・防犯機能強化、
- 教育改革
の3点を挙げています。新年度予算案にみる主な特徴点について概要は以下のとおりです。
1.来年度予算案で前進した主なもの
- 乳幼児医療費助成を小学生まで拡大 ―「(仮称)子どもすこやか医療費助成」2005年1月より実施。
対象者は、現行13,687名+10,652名=24,339名に。「小学生医療証」発行、持参すれば医療機関での窓口負担なし。区外で受診した場合は償還払い。
※わが党は一貫して所得制限撤廃と対象年齢拡大を提案してきた。年齢拡大は大歓迎。引き続き所得制限の撤廃を求め、今定例会に条例修正を提案する。学童廃止反対運動の広がりなどが力に。
- 木造住宅の耐震診断に助成 S56・6・1以前建築の木造住宅。耐震診断協定額15万円の半額助成。地域限定なく40棟。住宅修築資金融資斡旋も現行700万円から1千万円に拡大。保証料半額助成。
- 児童センターなどの耐震診断・補強工事
○診断-児童センター・保育園34ケ所、幼8園、
○補強設計-小9・中2校
- 小中学校の特別教室にもクーラー設置
- 区民集会所のリフレッシュ工事とエレベータ設置(大崎第2以外はすべてエレベーター設置へ)
- 精神障害者のケアマネジメント、支援センター整備
その他、区独自で路上生活者(ホームレス)調査―ボランティアに依頼。
2.主な問題点について
- 大型開発の推進を推進している(来年度31億円余投入)。
大崎駅東口第3地区(住宅2棟、オフィス1棟)は9月着工。大崎駅西口(明電舎地域)も今年秋工事着工。大井町は広町地区開発でプロジェクト、大井町西地区も事業評価へ。
- 「子育て支援」といいながら保育料引き上げ、学童保育クラブ廃止・すまいるへの移行を強行。
○保育料は3年間連続9%づつ引き上げて、27%値上げする (年間6400万円の値上げに) 。区は、保育料の保護者負担を47%から国基準の60%に合わせると説明。小泉内閣が「三位一体改革」により来年度予算で保育所補助を1660億円削減、高橋区長はその分を保護者にシワ寄せするもの。
○学童保育クラブは宮前、西品川、荏原南、源氏前、西中延、伊藤、城南第二、城南、鈴ヶ森の9館を今年度で廃止し、すまいるスクールに移行。(平成17年度で学童ク全館廃止)
- 国民健康保険料の値上げ(渋谷は値上げせず)
4人世帯の場合介護保険料と合わせ、収入300万円で7,160円 (5%)、500万円で10,149円 (3・9%)、700万円で13,905円(3%)の値上げ。保険料は10年間で2倍、20年で3倍に。
※保険料滞納増加で短期証5752人、資格証52人に発行している。
- 区施設の委託拡大―指定管理者制度の導入で身障会館は社会福祉法人品川総合福祉センターに、ぷりすくーる西五反田と大崎図書館はNPO法人に委託。文化振興事業団は区職員の引き上げ、など
- 職員71名削減 (保育園給食調理委託34名、身障会館委託25名、学童保育17名など) 。計2,832名。
- 大崎地区小中一貫校の工事着工(近隣住民との話し合いも打ち切り)
3.その他
- 近隣セキュリティシステムの開発と導入、
- 病児保育、障害者ショートスティ2床増、
- 学校改築(台場小、荏原五中)、
- 商店街へのコーディネーター派遣、
- 駐輪場の整備と値上げ(大森・西大井)、
- 密集住宅市街地整備―豊町4〜6丁目の追加
など盛り込まれています。
なお、予算案の審議は3月5日から17日まで開かれる予算特別委員会で行われます。日本共産党は区民の暮らしと営業を守ってがんばります。