2004.02.25 沢田 英次 区議
代表質問項目
私は日本共産党を代表し以下4点の質問をおこないます。
はじめは「区長は自衛隊のイラク派兵に反対を」についてです。
小泉内閣と自民、公明両党は国民の願いを押し切り自衛隊の派兵をおこないました。私はまず、イラクへの自衛隊派兵問題点3点を指摘します。
第一は、イラク戦争は国連安全保障理事会の承認なしに一方的に始めた大儀なき戦争だという点です。米英両国はイラクが「大量破壊兵器を保有している」と一方的に決めつけ、開戦の最大の口実にしました。ところが大量破壊兵器はいまだに発見できないばかりか、ブッシュ大統領の肝いりで着任したイラク調査団の団長デビッド・ケイ氏が「大量破壊兵器はもともと存在しなかった」と証言、米英両国は独立した調査会を設置する事態となりました。イラク戦争は国際法上の正当性・合法性を持たない侵略戦争そのもの。小泉総理も「大量破壊兵器を所有」を根拠にイラク戦争支持、その反省もないまま、自衛隊派兵を強行したことはブッシュ大統領と同罪といわなければなりません。
国連加盟192カ国中イラク戦争支持をする国はわずか20%、80%は大義なき無法な戦争として非難しているのであります。
2月13日のワシントンポストの世論調査によれば、米国民の50%が「イラク戦争は戦う意味がなかった」とし「価値があった」とする48%を上回りました。世界の大勢およびアメリカ国内でさえ「イラク戦争は過ち」であった、が多数派になっているのであります。
第二に、自衛隊派兵に当たり小泉内閣が国会と国民をあざむいたことです。小泉内閣は、自衛隊の派遣命令は先遣隊の現地調査をうけて「慎重の上にも慎重に検討して判断する」と繰り返し国民に言明。自衛隊の派兵にあたりサマワには「住民の意向を反映した市評議会」があり「治安が安定している」と主張しました。ところが、評議会は総辞職し解散、衆院の本会議で総理が発言を撤回するという、国会史上かつてない事態に陥りました。
さらに、陸上自衛隊の派遣を決断する「先遣隊報告書」が事前につくられ、市評議会議長のコメントが作文される一方、米軍やオランダ軍への襲撃件数などを隠していたことも判明しました。国民と国会をあざむく小泉内閣の責任は重大といわなければなりません。
第三は、自衛隊のイラク派兵は、不当な占領軍の一員として占領支配の一翼を担うものであり、交戦権を否定した憲法第九条に真向から違反している点です。
連合軍司令部のホームページは「自衛隊は連合軍司令部の指揮下に入る」ことを公然と認めています。小泉総理は、「自衛隊は戦争にいくのではない。復興支援にいくのだ」と言いますが、自衛隊がイラクで実際に行う任務は「掃討作戦への支援」「武装した米兵の輸送」「イラク国民の米英占領軍に対する抗議・抵抗運動の鎮圧への支援」が含まれています。
イラクは誰が見ても戦争状態です。先日も、自衛隊の活動区域であるバグダッド飛行場で、米軍に対する迫撃砲弾、サマワ中心部でのロケット砲攻撃など武力攻撃が頻発。自衛隊が攻撃をうけ、「正当防衛」として「武器を使用する」ことになれば、それはまさに「武力の行使」そのもの、憲法違反となります。
去る12日、日本代表と戦ったイラク代表のサッカーチームのシュタンゲ監督は「サッカースタジアムは戦車で占領された。武器や戦車よりも芝生をどうして運べないのか」と述べています。イラク国民は米英両軍の撤退、国連が中心となった復興支援こそ求めています。
今月15日には、スペインの首都マドリードで、撤兵と占領停止を求め15万人が集会を開催、イラク戦争開始日の3月20日には国際反戦行動を予定しています。撤兵と占領やめよ、の声は日増しに強まっています。
わが党はアメリカの言いなり、憲法を蹂躙する自衛隊の派兵を中止するよう強く求めるもの、であります。
高橋区長は、施政方針で「イラク人道復興支援のため自衛隊の派遣など国際関係の緊張した状況が続き改めて平和の大切さを痛感している」と述べています。この発言が自衛隊の派兵を是認してのものなのか、明らかにしていません。そこで質問します。
イラク派兵について区長の率直な見解を求めます。また、区長として関係機関に派兵中止の働きかけをするよう求めますが、いかがでしょうか。
第2点目は「親と子の立場に立った子育て支援を」についてです。
本論に入る前に來年度予算案に小学生を対象に医療を無料化を盛り込んでいます。わが党は、1993年、0、1歳の乳児を対象に医療費助成制度をスタートして以来、7回の条例提案を行い対象拡大、所得制限の撤廃を求めてきた党として歓迎するものであります。今後23区唯一となった所得制限を撤廃すること、ヨーロッパの多くの国が中学生まで医療無料制としています。所得制限の撤廃とともに中学生まで対象を拡大するよう求めるものであります。
さて、本質問は三つの柱からなっています。
その第1は予算案に示された保育園保育料を来年度9%、同率で3年間値上げし27%にする問題です。
区長は施政方針で予算編成方針、の3つの柱のトップに、「未来を担う子どもや子育て世代を力強く支援」を掲げました。それならなぜ、27%もの負担増をおこなうのでしょうか。理解に苦しみます。
昨年、区の調査によれば「子どもを生み育てる上での悩みや問題は」の設問に「家庭経済」がトップ、「充実して欲しいもの」の設問に「経済援助」が49.6%とトップとなっています。品川の合計特殊出生率0.88人であり、品川区の将来を見通すなら少子化克服、子育て支援は緊急課題となっています。なぜ、23区で品川区だけが27%、平均で年額9万60000円もの保育料値上げに突き進むのでしょうか。
一人親家庭、共働き家庭でもリストラ、残業の減少などで実質収入が減り、社会保険の負担増などで家計も四苦八苦しています。先日、保育園前で値上げ反対の署名をおこなったら、「学童保育は廃止、保育料は値上げ、どこが子育て支援か」「値上げのことは知らなかった。もう子供は生めない」など激しい怒りの声が寄せられた、とのことです。
そこで質問します。
「子育て支援」を予算編成第一の柱に据えたのなら保育料値上げは撤回すべき、と考えますがいかがでしょうか。
第2の問題は、学童保育クラブをすまいるに移行し、来年度の10館閉鎖、再来年には38館全部を閉鎖する問題です。
わが党は、この問題を何回か取り上げてきましたが、あらためて質問をします。
すまいるスクールは小学校の放課後、すべての児童を対象に学校施設を利用し健全育成をするものであり、わが党は充実を願うものであります。
同時に、すまいるスと学童保育はその目的、果たすべき役割は違うことを見落としてはなりません。学童保育は、親が仕事などにより日中留守家庭となる子どもが対象です。現在、すまいるスクールに通う子は、帰りたくなれば家庭に帰れるし、自宅には親がいる。すまいるへの参加、不参加は自由です。
学童保育に通う子は、家に帰りたくても日中は親が仕事でいないため帰れない。いきたくなくても、すまいるに通わなければなりません。だから学童保育は、家庭や親に換る、言い換えれば子どもの居場所となるよう常勤職員を複数配置し、専用の育成室、おやつの提供など手厚い配慮がされてきたのであります。
福祉事業部の小沼部長は「学童保育のすまいる移行は、問題は何もなく、むしろサービス向上となる」と発言をしてきました。しかし、昨年、私の決算委員会の総括質問で、私自身の子育ての経験から、「子どもは時として学童に行きたくないと言い出す。学童保育では親が専任指導員と密接な連絡を取り、その子にあった対応が即座に打たれる。すまいるではどのように対応するのか」との質問に対し、福祉事業部長は「個々のケースには答えられない」と答弁拒否をしました。口では「サービス向上」といいながら、親にとって一番不安なことを問われると答弁ができない、これが児童福祉の最高責任者の立場なのでしょうか。無責任の極みといわなければなりません。
なぜ答えられなかったのでしょうか。実は職員体制を見れば歴然としています。昨年の決算委員会で私は、西品川学童を三ツ木すまいるに移行する事例を表で示しました。
現在は、学童保育とすまいるの専任職員は合わせて4名、それを移行後は1名に。非常勤職員は現在5名を4名に、子どもは現在すまいる45名が112名になるのであります。
職員数は4分の1、子供は2.5倍、これでは個々の子どもの心をつかんだ保育は不可能であり、親の相談に親身な対応することは困難、指導員は子どもが怪我のないよう監視することで手一杯とならざるを得ない、のであります。
川崎市では品川と同じ方式を導入していますが、子供の事故が頻発、頭蓋骨骨折など重傷事故を含め9ヶ月間に210件もの事故が起きているのであります。すまいるスクールでも事故が大変心配です。
先日、わが党は厚生労働省より来年度予算案の説明を受けた席上で担当者は「東京でも申請があれば学童保育は国庫補助の対象となる。ただし、全児童対策と学童保育とは目的が違うものであり、全児童対策に学童を一体化する場合は、学童保育専用の部屋と専任職員を複数配置しなければならない」と語っておりました。国庫補助の対象にもならないようなすまいるスクールに学童保育を移行・廃止して、どうして「未来を担う子どもや子育て世代を力強く支援する」といえるのでしょうか。
次世代育成支援対策推進法は地方自治体に学童保育も含む子育て支援の行動計画策定を義務付け、策定に際し「子どもの利益を最大限に尊重する」としています。学童保育全廃方針はこの法に反し、子と親の願い、社会の要請にも背くものであり断じて許せません。
以上の立場を踏まえつつすまいるへの移行4月1日が目前に迫った現在、学童保育の機能がすまいるスクールに引き継がれるよう、以下の改善を求めるものです。
第3は非常勤職員の待遇改善であります。
すまいるへの移行により、常勤職員中心から非常勤職員中心に代わります。区は、「非常勤の仕事振りは常勤と全く変わらずよくやっている、問題はない」と繰り返してきました。しかし、非常勤の待遇は、常勤職員とあまりにも格差が違いすぎます。
賃金は時間給で教員資格取得者は1500円、その他は1200円、しかも交通費は支払われていません。
わが党がすまいるを視察した際、ある非常勤の方から「収入は月12万7千円で自立することは困難です。今は親元から通っているから何とかなるが…」「他区から通っているので交通費を支給して欲しい」。すまいるに5日勤務の方は「仕事は1時15分からとなっているが、実際は12時半ごろには出勤。給食を食べながら、毎日来ない非常勤のために引継ぎをしている。勤務はは6時15分までだが、子どもが帰ったあと反省会をおこなうため帰りは6時50分ころになる。実際に早出、残業になっているのに手当ては支払われていない」とのこと。サービス残業が恒常化している」といいます。
常勤と同じ仕事をしているのに低賃金、社会保障もなく、雇用期間も一年、あまりにも冷たすぎると思います。均等待遇の原則に立って、以下の改善を求めるものです。
第3は「小中一貫校建設による日照権紛争に誠意を」です。
品川区は小中一貫校の18年開校をめざし第二日野小学校に建設を進めています。
この計画建物の北側、パラスト五反田の皆さんは上げて反対をしています。小中一貫校は地上6階、地下2階、高さは27・7m。民間マンションの9階近い高さがあり計画建物の真北に位置するパラスト五反田は低層部では7時間弱の日影被害が生じます。
昨年12月以来、区側とマンション居住者全体の話し合いは4回おこなわれました。
1月19日に開かれた3回目の話し合いで区は当初案から4、5、6階の一部を削り1時間程度日照を改善した案を提示しました。これ事態は区側の努力であり、一定の評価をするものです。
しかし、それでもなお、日中5時間もの太陽を奪われ我慢の限界を超えること、加えて区側の対応について住民の中には不信が渦巻いています。
「学校の北側なら高い建物が建たない、と思い退職金で買ったのに、日陰になるなど我慢できない」「北側に寄せるのではなく西側にL字型に立てる案など設計を変更して欲しい」など様々な声が出される中、区は「これ以上遅れれば平成18年の開校に間に合わなくなる」と事実上、決裂状態となっています。
この問題の解決を困難にした責任は、情報をひた隠しにしてきた品川区の姿勢にあります。
住民の皆さんは、昨年9月に教育委員会や都市開発課、学校に問い合わせたが、いずれも「計画はできていない」「資料はない」とのことでした。
しかし昨年6月、文教委員会には一貫校計画のイメージ図、日影図、工事工程表まで添えた「小中一貫校の建設計画について」を提出、説明がありました。「18年開校に間に合わない」というのなら、なぜ、昨年6月の段階で住民に計画を説明し、意見を聞こうとしなかったのでしょうか。
介護度5のご主人を介護しているTさんは特養ホームやさくら会を探したが結局入れず、在宅で介護を決意。「1階の畳や照明を変える、真上の2階に子ども世帯が入らないよう部屋を購入、3階もヘルパーさんの宿泊のために購入。在宅介護の環境を整えた」とのことです。削ったといっても冬至で5時間の太陽を奪われます。「昨年の6月時点で、計画の説明がされていれば売却など別の方法もできたのに」と語っています。
私は、一貫校計画が、日野中PTAや教職員、地域に何の説明もなく2年前の1月、朝日新聞が報道、PTAを中心にして3500名余の署名を添えた陳情にも耳を傾けず強行しました。学力テストや学校選択性でも同様な傾向がありました。住民、関係者を排除した進め方は地方自治の名に値しません。
小中一貫校には市民課を設け道徳等を教えるそうですが関係者を排除、「情報はない」とウソをつく、区教委が道徳を教える資格があるのでしょうか。区政は住民こそ主人公であることは言うまでもありません。猛省を求めるものであります。そこで質問します。
最後に「不安が広がる大崎駅前西口中地区再開発は見直しを」の質問をします。
来年度予算案には大崎駅東口第3地区開発、明電舎、JR広町アパートの開発に27億6000万円、都市再生事業を含めると31億円も計上しています。一方で子育て世帯には「受益者負担」の名の下に保育料9%づつ3年間上げ、国民健康保険料は3〜5%値上げを盛り込む。区民に負担増を強要する一方、開発には巨額の税金を投入。品川区は大企業・ゼネコンの利益代表なのでしょうか。全国に例のない品川の再開発計画全体の見直しを強く求めるものです。
さて、計画中の大崎駅前西口中地区開発ですが、昨年9月の準備組合総会に施設計画案が提示されました。その一つは容積率300%を560%に緩和、住宅棟35階建て2棟、800戸、業務棟は5階建て1棟となっています。当初、中地区開発は「大崎副都心の一角として新しいビジネスエリアとして生まれ変わる」の開発目的が、民間マンション建設中心へと変わりました。
以下問題点を指摘します。第1は、住民の間に不安や開発に反対の声が少なくないという問題です。
私は先日、開発地域を回り意見を聞いてきました。開発推進派の方は、「このままではゴーストタウンになる。開発の方向性は賛成だ」の意見が出されました。
しかし総じて高齢の方は「開発ができる頃は、私は生きていない。関心ないから組合の会合には出ない」「このままそっとしてほしい。ビルに入るのはいやだ」「この開発はフジタの金儲けのために進めている」など否定的な方が多かったのが実態です。「最近開発に疑問もつ20人を越える人が集まった」との話も耳にしました。
地権者84名のうち、準備組合に加入は77名、未加入だけでなく組合員の中からも不安、反対の声が出されており、開発どころではない、というのが率直な印象です。品川区はこれまですぐにも参加組合員決まるかのようなことをいい、すでに3年余が経過しています。うまい話だけの情報を流し、失敗すれば多大な損害を住民に与えかねません。
第2の問題は、千代田生命の不法な迂回融資、フジタの地上げを後押しする問題です。
毎日新聞は2000年12月、中地区開発の用地を千代田生命が百億円の違法な迂回融資をもとに地上げしたと報道しました。またフジタも再開発をもくろみ10000uの底地の3分の1を取得。バブルの際、地上げが、どれほど住民追い出しを進め苦しめたかを考えるべきで、このような生保会社の違法行為、利益をもくろんだ大手ゼネコンの地上げの後押しをするのはいかがなものでしょうか。また、マンション開発のために容積率を1.9倍に引き上げ、50億円もの税金を投入、マンション売り上げ減に苦しむ区内中小建設業の経営を圧迫することになることも忘れてはなりません。
第3は、長周期地震に対する超高層マンションの安全性の問題です。
1月18日(日)、NHKスペシャルは「地震波が巨大構造物を襲う」を放映。長周期地震による超高層ビルなど巨大構造物に破滅的影響を与えるかもしれないとし、地震対策の根本的見直しを求めた、内容でした。
昨年起きた十勝沖地震は、震源から200km離れた苫小牧の石油タンクが炎上、その原因を長周期地震動に共振したことが事故の原因だった。巨大地震の発生による長周期地震波は東京、名古屋、大阪など都市部の地下構造が、すり鉢状のフレームを持ち、その上に比較的柔らかい地盤がのっているので、増幅する。現在の超高層は短周期の地震は柔構造により揺れを吸収するが、長周期のゆれに対しては本格的計算がされていない。こんな内容でした。中地区で35階建ての安全性は大丈夫なのでしょうか。これは、オーバルコート、大崎駅東口第3地区など他の開発も同じであります。
そこで質問します。
以上で日本共産の代表質問を終わります。ありがとうございました。
沢田議員のイラクへの自衛隊派遣に関するご質問にお答えします。
昨年4月に『イラク人道復興支援特別措置法』が成立し、この法律に基づく対応措置に関する基本計画が閣議で決定され、国会の承認の手続きを経て今回のイラクへの派遣が行われたものであります。このように、人道復興支援のための自衛隊派遣など国家間の問題につきましては、国会ならびに政府において大いに論議をし決定すべき事項であると考えております。毎度の答弁でございますが、区長としての見解は差し控えさせて頂きます。このようなことから、派遣中止に関する関係機関に要請をする考えはございません。
私からは、「親と子の立場に立った子育て支援を」のうちから「保育料の値上げは中止を」のご質問にお答え申し上げます。
保育料の改定についてでございますけれども、先の施政方針でも述べましたとおりで、ほんらい徴収すべき国の徴収基準額と利用者負担額との均衡をはかるものでございます。この間、保育園では夜間保育など保育メニューと幼児教育を取り入れた保育内容を充実させてきました。また一方、在宅で子育てをしている家庭や他の納税者とのバランスを考慮したものです。したがいまして、議会におかれまして審議をお願いするもので、本提案を中止撤回する考えはございません。
私からは、「親と子の立場に立った子育て支援を」のうちから、「すまいるスクール」のご質問と、「小中一貫校建設によるニッショウケン運動に誠意を」の2点につきましてお答えいたします。
はじめに、専任職員の複数配置についてでございますが、特別区は国庫補助の対象外ですので、国の基準に拘束されることはございませんが、ご質問にございました厚生労働省(以下厚労省で統一)が言うところの専任職員とは常勤職員に限定するものではございません。平成16年度は指導体制を強化するため、常勤指導員1人の他、週2日勤務の有資格常勤指導員を1人増員して3人といたします。また、各『すまいるスクール』の参加児童100人までは指導補助員を1日あたり2人となるよう、5人配置をする考えです。かわりにつきましては、30人を越えるごとに1日あたり1人を配置する予定でございます。
次に、おやつの提供についてのお尋ねですが、指導員からは「おやつによって遊びが中断される。」「おやつを食べる子と食べない子がいることの方が問題である。」といった意見が数多く出されています。児童に魅力ある充実した活動を展開することこそが大切であり、おやつが必要不可欠なものとは考えておりません。
次に、「学校が休みの日の開始時刻を、午前9時ではなく8時30分にできないか?」とのお尋ねですが、指導員の勤務が8時30分であることから、出勤後準備が整い次第9時を待つことなく柔軟に受け入れてまいります。また、4月の職員体制につきましては『すまいるスクール』の指導員で必要な応援態勢を組むようにいたします。
次に、「小中一貫校建設によるニッショウケン運動に誠意を」とのお尋ねにお答えいたします。まず昨年9月、計画案をなぜ「無い」と言い続けたのかとのことですが、議員ご指摘のとおり昨年6月9日の文教委員会におきまして、『小中一貫校の建設計画』について資料の提出と説明をいたしております。また、6月18日には第二日野小学校の体育館において『小中一貫校等複合施設計画説明会』を開催し、一貫校の教育内容の説明資料や、一貫校総合体育館のイメージ図・平面図・断面図・ニチエイ図・工事工程表などの施設関係の資料を配付して、説明を行うとともに質疑応答を行っております。従いまして、昨年9月の段階で計画ができていないとか、「資料が無い」と意図的にウソをつくということは断じて無く、事実に反することでございます。問い合わせ先の窓口で、一人ひとりの職員に情報が徹底せず来聴者に対する接遇の問題として充分でなかったとすれば、結果としてご迷惑をお掛けしておりますので、その点につきましてはすでに地元説明会でお詫びをしております。小中一貫校に建設にあたりましては、法令などに乗っ取り適切に進めております。今回の件につきましても誠意を持って対応した結果であります。これからも関係者の理解を得る努力をしながら平成18年4月開設を目指して進めてまいります。
次に、第二日野小学校解体工事に伴う工事協定書への署名についてですが、今回署名を求められている工事協定書は、2月2日に開催した解体工事説明会で施工会社とバラスト五反田管理組合との二社で取り交わすこととなったもので、土曜日の作業内容や事前調査項目などの件で、標準的な内容と差異があるため区としての署名はひかえさせて頂いているところでございます。
次に、迷惑流についてですが、今回計画している建築物は法規制に合致している建物であり、ニチエイによる損害賠償責任は生じ得ないと考えております。いずれに対しましても工事に関する小事項などにつきましては近隣住民の皆様のご協力が得られるように誠意を持って対応してまいります。
私からは、「親と子の立場に立った子育て支援を」のご質問のうち、非常勤職員についてお答え申し上げます。
まず非常勤の方の報酬ですが、仕事の内容や勤務時間に応じて民間や他の自治体の支給状況を考慮して定めているもので決して低い額ではございません。交通費の支給につきましては、区の事業を理解して頂いている区民の方の雇用を重視していること、様々な勤務時間の就労をお願いしている点などから、別途に支給することは考えておりませんし、募集の際にその旨を明示しているところであります。また、実際の勤務にあたってサービス残業を強いているような実態はございません。
次に、雇用期間でございますが、引き続き勤務を希望される方につきましては、従来から新たに申し込みを受付け、選考のうえ採用しております。今回の労働基準法の改正は有期雇用の上限を1年から3年へと定めるものですが、区といたしましては現在の制度を変更する考えはございません。
最後に、社会保険の適用でございますが、健康保険法などに基づき勤務形態により加入の条件が定められているもので、それぞれの非常勤の方の勤務形態により適用の範囲が異なっております。
私からは大崎駅西口中地区の再開発についてお答えいたします。
まず地元の理解を得る見通しについてですが、昨年来、地元準備組合において事業計画の見直しを行っておりますが、その過程においてコンサルタントの交代などに関して地元一部権利者からご心配や不安の声が出ていることは承知しております。準備組合においては、今後参加組合員の選定などを行いながら都市計画の変更も視野に入れて事業計画の内容を検討していくこととしており、その中で地元権利者のご理解を得ながら事業を進めていけるよう区としても充分指導してまいります。
次に、超高層ビルの長周期地震波に対する安全対策についてですが、地震波の特徴は主に各地域の地盤の特性によって決まってまいります。超高層ビルの建設にあたっては国土交通大臣による地盤の正常等も考慮した認定を受けることが義務づけられるなど、建物の構造上の安全性については十分確保されているものと考えております。
最後に、大崎駅西口中地区の計画の見直しについてですが、この地区については、第3次長期基本計画や市街地整備基本方針において質の高い開発計画を推進し、都市活性化拠点の形成をはかることとしております。道路が狭く老朽化した木造住宅が密集しているこの地区の再開発は、地域の居住環境を改善するとともに副都心に相応しい市街地の形成を目指しているものでございます。準備組合においては事業の早期実現を目指し、地元説明会等を適意に行いながら、現在、区の方針との整合が取れた事業計画の見直しを進めているところです。区としましてもこうした準備組合の取り組みを支援してまいります。
イラクの問題から再質問します。区長は毎度の答弁で国の問題になると「国会で」というふうに言います。清掃一部事務組合の問題などでは「自治権だ」「そのために努力する」と言いながら、こうした問題では途端にカタツムリになっちゃうと。これはやっぱりおかしいと思います。それと、国立市長のうえはらきみこさんが去年と今年に渡ってイラク派兵問題で「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書」を出しました。その文の中で「憲法前文に言う『国際社会において名誉ある地位を占めたい』とは武器を携え暴力の連鎖をうむことでは決してありません。これまで日本は中東で武器を持たず平和を愛する国民として信頼を築き上げてきました。今こそ平和的支援を果たすことで平和国家としての日本の真価を発揮すべきです。」と求めています。自治体の長によっても憲法を蹂躙することに対して言うべきことは言うっていうのが広がっています。それから、つい先だってもらったのですが『全国市議会旬報』というところに、その2面の見出しが『自衛隊イラク派遣慎重な対応を』そのリードのところで、今テロや自爆行為が続くイラクへの自衛隊派遣に慎重な対応を求める意見書が圧倒的に多く提出されている。それでここの一覧では156が自衛隊派遣反対。地方自治体でも国の問題ではあるけれども意見を言っていくというのが大きな流れになっているということを紹介しておきます。これはちょっと答弁できないでしょうから結構です。(場内爆笑)
それから「親と子の子育てに支援を」ということは、保育料の問題で一点だけ言いたいと思いますけれども、部長は「他の納税者との均衡をはかる」と言いました。今品川のD階層一番最多の所得階層で、年間の負担増は現在3歳未満児で31900円、あっ29200円で、29%上がると37100円で94800円になる。それで「他の納税者」と言いますけれども、共働きで働いている奥さんは働くことによって、例えばD10階層の資産(試算?)ですけれども、所得税を年間129300円、住民税を170000円、社会保険料を392000円、奥さんが働くことによってご主人が配偶者特別控除が受けられない問題だけでも76000円加わる。働くことによって既に負担をしているのに、そこは計算をしないでしかも子育てが終わっても働いた人はずっと働き続けて生涯では何十倍もの負担をすることは明らかになっているのにそのことを考えないのはいかがなんでしょうか。お答えいただきたい。
それから、中野区と中央区では、6年前の保育料34%値上げを離脱して子育て支援のために今でも34%上げないところがあるのに、23区が突出して更に27%上げるという根拠をもう少しわかるように説明してください。
それから、学童保育クラブなんですけれども、たしかに全国的に見れば常勤の職員というのは必ずしも区の職員ではなくて、いわゆる民間の8時間労働の職員をあててるところもあるでしょう。だけど品川が今やろうとしているのは非常勤の5時間の5日勤務ですよね?いわいる常勤としての研修とかは実際にはやられていないんです。そこで私は、常勤職員の配置の問題とともに非常勤の問題を提案して、少しでも良い『放課後児童健全育成事業』になるように提案したんですけれども総じてダメですねこれは。これでどうして『子育て支援』と言えるのかと改めて思いました。そこで、指導員を、9時を8時半に弾力的に対応するというのは評価をしますし、これをやっていただきたいと思います。おやつの問題ですけれども川崎でもいろんな問題がありながらもおやつを検討している。お父さんお母さんが仕事で帰って来られなくて7時8時になるときに子どもさんはお腹を空かして待っている。そこを何とかしようという気持ちがあるわけですよね?なぜやろうとしないのか。先ほどの答弁ではよく分からなかったのでもう一度答弁ください。
それから非常勤の待遇の問題ですけれども、非常勤の待遇は、同じ労働をしているのならば均等に待遇をするというのが世界人権宣言の立場ですよね。身分の違いによって差をつけてはならない。品川区の『人権尊重品川宣言』では、「人は生まれながらにして自由であり平等である。いかなる国や個人でもいかなる場合でも絶対にこれをおかすことはならない。」と高らかに宣言しております。同じ仕事でなければ良いんですが、同じ仕事を立派にやっているというんですから少しでも距離を縮めていただきたい。再度ご答弁いただきたいと思います。
それから交通費の問題で、人事院と総務省は実費弁償として非常勤に支払って良いという指示を出しているはずです。品川区内と言いますけれども、大田区や台東区から通っている非常勤その分の1時間1200円のうちから交通費を払うということになればこれはやっぱり大変だということでぜひ改善を求めたい。
長くなりましたので後は簡単にいきますけれども、(場内から「長すぎるよ」と野次)私の質問は4点ですので全体としてはそれほど長くないと思います。
先ほど小中一貫校のときに資料を持っていながら資料を出さなかったということに対して次長は「そういう事実は無い」と「不十分な点があったがそういう事実は無い」といったことを住民のみなさんの前で言いましたか?言えなかったじゃないですか。みなさんは口をそろえてこうだったと言っているのに。ここでいくら言ったってダメです。住民のみなさんの前で言ってください。私は中高層の紛争等予防に関する条例。この問題に問題が起きたときに区長は「調整をはかる」紛争を防止しなければならないと第4条に書いてあります。こういう点で条例上の義務があると思うんですが、改めて円満な着地点をするのかご答弁いただきたいと思います。
最後に、大崎駅西口中地区の超高層の問題で先ほどの答弁は不納得です。NHKのスペシャルをご覧になったのでしょうか?京都大学の教授が「防災計画を根本的に見直す」と国では見直しを始めたところです。品川区が問題ないと言えるだけの技術の蓄積を持っているのでしょうか。もう一度答弁をお願いしたいと思います。
沢田議員の2点のご質問をお答えします。
まず保育料の問題でございますけれども、他の利用者との均衡の問題でのご質問ございましたが、言うまでもなく私どもが今回提起しているのは保育園の利用者についての利用料金の問題でございます。使う使わないに関わらず基礎的な税金というのは日本国の法制度の場合では全額ていうか税の公平な負担として当然のこととして納税の義務の中にあるわけでございます。それを前提としまして、今回は保育所を利用しまして保育サービスを受けられる方に利用料の値上げをお願いしているということでございます。
それから、中野区と中央区の問題がありましたけれども、中野区と中央区につきましてはそれぞれの考え方があろうかと思いますのでここではあえて申し上げません。
それから値上げの根拠でございますけれども、これは一の問題とも関係しますけれどもD階層の問題が出ました。私ども今回の値上げにあたりましては、応分の負担能力のある人の分を中心として値上げしています。低所得者層につきましては当然のことでございますがそれなりの配慮をして、全体としての均衡あるいは公平化、それからお使いになる方とならない方との全体的な公平もはかっている。こういうことで今回の改正案は組み立ててございます。
それからもう一つ費用のバランスの問題でございますけれども、この間いろいろと努力してまいりましたけれども、0歳児一人についてみますとまだまだ残念ながら535000円545000円というのが一月にかかる経費等の問題でございます。こういうところから、お考えいただければ私どもの提案は決して妥当性のないものではないと考えております。
それでは4点お答えします。
すまいるスクールの関係でございますけれども、(途中テープ切れ)勤務の職員を5日間で、常勤は8時間で5日間でございます。放課後の特別な時間帯の事業でございますので1日5時間勤務が5日間の非常勤は、ほぼ常勤と同じような内容時間帯の勤務であろうというふうに考えております。先ほども厚労省の一つの見解の中に、専任指導員という話いたしましたけれども、必ずしも8時間勤務の常勤をさしているものではないと私どもはそういうふうにとらえてございます。したがいまして、週5日1日5時間勤務の職員が少なくとも3人配置し、それに常勤1人で計4人おりますので充分に対応しています。
それから、おやつにつきましては様々なご意見あるのは承知しておりますが、私どもの範囲で保護者の方から特に「おやつを」と言う声は聞いておりません。
小中一貫の関係でございますが、先ほど私どもの職員の窓口の対応において一定の不備があれば申し訳なかったということでございまして、説明会におきましても6月9日の文教委員会、6月18日の全体の説明、同じ資料を出しておりますので、意図的に隠すつもりは毛頭無いということをご説明いたしました。設備の段階での要望にお応えできなかったのは申し訳ないということでお詫びはしてございます。
東京都の紛争予防条例については、私どもはこれに則って対応させていただいております。今までもこれによって適正に対応しているというふうに考えてございます。
非常勤職員に関しましての再質問にお答えします。
まず1点目の同一労働・同一賃金という問題ですが、同一労働といいましても責任や仕事の中身は個々の場合によって当然異なっております。それから、非常勤職員が非常に低い的なご発言がございましたが、例えば図書館などで働いている非常勤の方は、新規採用職員の時間単価とほぼ同じ程度になってございます。
2点目の交通費についてでございますが、遠方の方に勤務していただく場合に交通費を支給する必要が出てくると考えておりまして、私ども区の場合はむしろ先ほどご答弁申し上げましたとおり、事業に理解をしていただいている区民の方に勤務をしていただきたい。ならびに、2時間という短時間もございますので近くの方が望ましいと思いますので支給する必要はないと考えております。
沢田議員の超高層ビルの超周波地震波につきます安全対策の再質問にお答え申し上げます。
超高層ビルの建設にあたりましては、建築確認の他に国土交通大臣によります認定を受けるという制度がございまして、すべての超高層ビルについてはこの基準の認定を受けております。先ほど議員が申されました超周波地震、いわゆる5秒から7秒の長い地震波のことでございますが、これが十勝沖地震の際に石油タンクという特殊な状況の中で問題視されたということでございますが、まだ学会としては未解明ということで、先週にですね土木学会と建築学会とがこれについて問題提起があったところですので共同で研究を始めるというところについた段階でございますので、区としてはこういった動向を見据えながらしかるべきときにしっかりとした基準が定められましたら適切に対応してまいると考えております。
以上