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飯沼雅子区議04年第1回定例会「学校給食」「30人学級」「障害者福祉」

2004.02.27 飯沼 雅子 区議

一般質問項目

  1. 学校給食は、直営自校方式を守り、子どもたちにおいしい給食を
  2. いまこそ、30人学級の実施を
  3. 必要なサービスが受けられ、社会参加が保障される障害者福祉を

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一般質問

日本共産党を代表して一般質問をおこないます。


学校給食は、直営自校方式を守り、子どもたちにおいしい給食を

安全でおいしい学校給食に今、異変が起きています。学校給食法に「教育の一環」と位置付けられている学校給食に、利潤を追求する外食産業が参入しています。小泉内閣の「構造改革」民営化路線が進み、学校給食の民間委託化は、全国で12.9%となっています。

品川区は現在、直営自校方式(各学校ごとに区職員が給食をつくる方法)をとっていますが、「改築校から新たな手法をとる」と議会で述べるなど、方向性が心配されています。民間委託が実施されている学校での問題点を3点にしぼり指摘し、区職員が学校で直接つくる直営自校方式を続ける事を求めます。

1点目は、安全性が確保できない点です。

大量の給食をおいしく安全に作るためには、栄養士と調理員のチームワーク、知識、経験が必要です。ところが委託では、船橋市で年間34人も交代した例があるように、パートさんの入れ替わりが激しく、衛生知識も調理経験も不十分な人が配置されます。栄養士は「法律違反になることは知っているが大声で指示している。直接指示しないと、安全な給食はできない。」と委託現場のずさんな状況を訴えています。23区でも生徒から「まずい」の訴えで、3回も試食会を行い校長先生もPTAも困っている中学。時間内に間に合わず、児童が空腹のまま1時間以上待たされた小学校などトラブルは続出しています。法律違反とは「民間会社から派遣された調理員に対し栄養士が直接指示することができない」とある職業安定法44条によるもので罰則があります。

委託給食で食材がどのように変化をしていくのか。ここが問題です。杉並区を担当しているF産業の社長は「学校給食は、児童・生徒が対象でリスクが高く利潤が少ないというのが現状だ。現在は調理人の人材派遣という感じだが、将来的には食材を納入できればと期待している。」と業界新聞で述べています。食材まで手を広げ、輸入冷凍食品導入が企業のねらいです。実際委託が進んでいる千葉県沼南町では、33品目中21品目に輸入食品が使われています。日本の食物自給率は40%。世界各国からの食品輸入は10年間で10倍となり、食の安全が問題になっています。農民連の野菜残留農薬分析によると、中国産ごぼうから基準値の3.45倍の殺虫剤が検出、輸入小麦の全てから有機リン系殺虫剤が検出されました。給食には国産の安全な食材を使いたいものです。食の国際化を進める外食産業に学校給食を任せるということは、輸入、冷凍加工食品など一括大量仕入れに歯止めがかからず、たいへん危険です。

2点目は、財政の問題です。

委託が進むと、どの自治体でも右上がりの負担増(例えば台東区11年で3倍強、墨田区9年で1.7倍、埼玉県春日部市7年で2.1倍)と自治体の負担が増大しています。

杉並区では、住民が区長相手に裁判係争中ですが、退職調理師を新規採用に置き換えていけば人件費は当然下がり、直営の方が安上がりになると資料を提出。委託は11年間で15億円負担増になるという数字が示され、裁判の結果が注目されています。

3点目、学校給食は教育です。委託では、「食教育」はできません。

すぐにカッとなる子、疲れて眠りたい子、また成人病予備軍が増えているなど、体の異常が心配されています。日本体育大学教授の正木健夫氏は、「近頃、脳の前頭葉に変形が出ている。食生活の乱れが影響している。日本の伝統的食文化をとり戻そう」と提唱しています。食の国際化により、あらゆる食品があふれている時代。何をどう食べるのか学習が必要です。品川の学校給食は、有機栽培の安全な野菜、米飯給食をいち早く取り入れ、手作り給食を進め、子ども達からも父母からも評価されています。「おいしい」と感じた時に喜びが育ち、味覚の教育ができるのです。子ども達は、食事を考え、つくる栄養士、調理師、そして一緒に食べる教師から食文化を学び成長します。栄養士、調理師、教師が一体となり、学校給食法に則り、行政が全責任を持ってこそ食教育がすすみます。

現在、改築校で行なわれている施設検討部会は非公開、議事録がありません。保護者からは「区民に知らされないままに決定されるのは納得がいかない」と心配の声が届いています。区民参加の姿勢が不可欠です。

質問します。

  1. 委託化された学校給食では輸入、冷凍加工食品の活用が進んでいます。安全性についての認識をうかがいます。学校給食法に基づき、食教育を進めるうえで、直営自校方式を続けることを求めます。
  2. 栄養士を各校に配置し、児童、生徒が自らの健康を守る「食教育」をさらに進めてほしいがいかがでしょうか。
  3. 職業安定法44条によると、栄養士が派遣された調理員に直接指示ができない。違反すると罰せられるとありますが、法律違反に対する見解を伺います。
  4. 民間委託は、委託料は年々引き上げられ経費削減になりません。長期的に見て品川区は、経費削減になると考えているのでしょうか。根拠をうかがいます。
  5. 学校給食のあり方について、住民、栄養職員、調理師、教師参加の調査検討会の開催を求めます。

いまこそ、30人学級の実施を

子ども達にゆきとどいた教育・わかる授業を願い、共産党はこれまで再三にわたり、30人学級を提案してきました。

昨年11月、文部科学省は30人学級などに必要な教員を国庫補助の対象にする方向で検討を進め、都道府県教育委員会に要望調査を実施しました。新たに11県が踏み出し、30人学級は全国41道府県へと拡大し、少人数学級は、日本の教育の本流になっています。

昨年、党区議団は少人数学級を実践している山形県を調査しました。教育委員会から説明を受けましたが、「不登校の減少」「学力の向上」など実施3年で、目を見張る成果が上がっていました。子どもたちのアンケートによると「友だちが増えた」89%、「毎日の学習が楽しくなった」75%。ある教師は「児童数が減ったため、授業に合わせて机の配置も工夫できる。子ども達が元気に手を挙げるたびに、効果を実感する」と報告しています。

区内30人を超える学級数は、昨年12月現在、小学校では、126クラス(31%)、中学校では106クラス、76%もあります。教師の目が届き、どの子もわかる授業、30人学級の実施が求められています。

しかし区は「習熟度別学習等やTTなどの手法を実施し、同じような効果を挙げている」と30人学級の導入を退け、区独自の「教育改革プラン21」を実施し、学校選択制、習熟度別学習、学力調査、平成18年からは、小中一貫教育を全区で展開、小学生から習熟度学習を導入します。

ここで品川が進める、習熟度別学習の問題点を指摘したいと思います。

「習熟度別学習」は学力の向上につながらないという調査結果が出ています。2000年にOECD(経済協力開発機構)が、15歳の生徒を対象に32カ国で行なった国際学力比較テストです。この調査の一つ、読み書きを理解する能力「読解リテラシー」第1位は、フィンランド続いて、カナダ、ニュージーランド、日本は第8位。上位を占めた国は、多様な能力や個性を持った子どもたちが共存・共生して、互いの違いを交流し学びあう教育、つまり「教育の平等」を推進した国です。他方下位に位置したスイス17位、ドイツ21位は、トラッキングと言いますが、「能力別・進路別指導の教育」を推進した国です。この結果は、世界を震撼させました。最もショックを受けたのはドイツです。小学校4年生からコース別教育、エリート教育を続けるドイツの敗北は、トラッキングの一つである習熟度別学習が時代遅れの教育であることを証明したものです。習熟度学習や選択学習を進める「品川のプラン21」は、世界や日本の流れに逆行するものです。区民から「子どもを実験に使わないで」と痛切な批判も上がっています。失敗したら誰が責任を取るのでしょうか。

日本政府が「子どもの権利条約」を批准して10年目になります。1998年には「高度に競争的な教育制度」が子ども達の発達のゆがみを引き起こしているなど、異例とも言える厳しい勧告が出されました。今年1月、2回目の審査が行なわれましたが、「教育など改善が遅い」と再びきびしく批判をされています。トラッキングは競争教育をさらに進め子どもたちに新たなストレスを生みます。「30人学級」を一刻も早く実施することが、競争教育から子ども達を救う解決策と考えます。

質問します。

  1. 早急に30人学級に取り組むべきと考えます。
  2. 今年1月14日、党区議団は高橋区長と若月教育長に、「都教育委員会に対し、文部科学省が行なった少人数学級意向調査」について「区教育委員会の意向調査を行い回答するように」と要請しました。高橋区長は「区長会や教育長会で取り上げてみる」と回答しましたが、どのような発言を行ったのでしょうか。都の回答も合わせてお答えください。
  3. OECDが行った、2000年国際学力比較テスト調査はトラッキングの教育的効果を否定しています。トラッキングのひとつである習熟度別学習を実施している品川区は、調査結果をどのように受け止めているのでしょうか。
    教育長の見解、及び十分な検証が行われていない習熟度別学習や小中一貫教育を、なぜ急いで全区展開するのか、その理由をお答えください。

必要なサービスが受けられ、社会参加が保障される障害者福祉を

昨年4月に支援費制度が始まりました。「障害者自らがサービスを選び、事業者と対等な関係で契約し、利用料の一部を補助する制度」ですが、障害者の自立と社会参加は進んでいるのでしょうか。支援費制度を含め、障害者福祉の現状から問題点を指摘し改善を求めます。

1点目は、情報提供、相談体制についてです。

新たに障害をもった時、本人も家族も、大きな不安に襲われます。藁にもすがる思いで訪ねる窓口での対応はどうなっているでしょうか。

糖尿病が原因で22歳という若さで失明したAさんは、父と86歳の祖母の3人暮らしです。祖母が手当ての申請とサービスについて教えてほしいと窓口を訪ねました。紹介がされたのは訓練施設名だけで、内容は自分で調べるようにと言われ、「とにかく親身になるのは家族」と強調されたそうです。障害者年金や支援費で受けられる在宅サービスについて、説明は一切ありませんでした。

本人は失明のショックもあり、何のサービスも受けずに数ヶ月が過ぎました。家に引きこもり、糖尿病のコントロールが悪くなり、ドクターから運動療法の指示が出されました。再び窓口で相談しましたが、運動ができる施設を紹介されたものの、内容は自分で調べるようにとのことでした。身障者会館が近いので、点字ブロックを付けてほしいと希望しましたが、一般道路には付けられず、身障者会館に通うこともできませんでした。結局この方は、1年近く、白い杖一本支給されただけです。区は窓口で対応しながら、この青年と家族を支援することができなかったのです。

この方は今年他区に転居しましたが、すぐに区のケースワーカーが訪問し、通院のためのガイドヘルパーと歩行訓練や音声パソコンの指導などのサービスが入ったそうです。訓練により、駅まで往復30分を1人で歩けるようになり、外出も増え、糖尿病も良くなってきたと喜びの報告をいただきました。

新しい制度になり、多くの区が、広く区民向け説明会を行っています。サービスの利用が2倍に増えた区がある一方、品川区は障害者団体への説明のみでした。利用がほとんど変わらない実態は、制度の周知の不十分さを表しているのではないでしょうか。

区は申請を待つのではなく、あらゆる機会を通じて情報を提供すべきです。特に始めての方、自ら判断し行動することの困難な方々への援助ほど、要求を掘り起こし、サービスにつなげていく姿勢が求められます。そのためにもケアプランを立てられる職員体制と、しくみが必要です。

2点目は、外出の案内をするガイドヘルパーの改善です。

視覚障害者の方から、「田舎で不幸があっても、障害者の全国大会に参加したいと思ってもガイドヘルパーの利用は月24時間までなので使えない。宿泊利用を認めて欲しい」と訴えがありました。区は、宿泊時はさわやかサービスなど利用してほしいと紹介していますが、さわやかサービスは48時間3万3600円の自己負担にもなり交通費とあわせるとあきらめざるを得ないと言います。

上肢下肢に障害のある全身性障害者の場合は、さらに劣悪です。品川区では社会参加のためのヘルパー派遣になっていません。「学習会やコンサートに行きたい。講演を聴きに行きたい」こんな当たり前の願いがかなわないのです。全身性障害者に対しても視覚障害者と同様、外出のためのヘルパーを認めてください。

3点目に、障害者の区政参加についてです。

私は、折にふれ「気軽に議会傍聴に来てください」と訴えていますが、議会の傍聴席は車椅子対応になっていません。狭くて急な階段がバリアになっています。障害者の方が外出するとき最も心配するのがトイレの確認ですが、議会棟には車椅子対応のトイレが一つもありません。隣の本庁舎3階まで移動しなければ利用できません。議会のバリアフリー早急に対策が必要です。

質問します

  1. 品川区のサービス内容がわかる支援費パンフを作製し、窓口に置いてください。また支援費について広く制度を知らせることが大事です。誰でも参加できる説明会を求めます。
  2. 必要なサービスを受けられるよう、窓口でサービス内容を紹介してください。障害者年金についても窓口が違いますが、制度利用へとつなげてください。
  3. 必要なサービスが受けられないまま放置されることがない様、区が責任をもってケアプランを立てる仕組みを求めます。
  4. 社会参加を広げるため、ガイドヘルパーの宿泊利用を認めてください。また全身性障害者に対しても、外出のためのヘルパー利用を求めます。
  5. 区議会本会議場を車椅子で傍聴できるよう改善することと、議会棟に車椅子対応のトイレ設置を求めます。またトイレの場所がわかるよう各出入り口に表示の工夫を求めます。

答弁

高橋区長

飯沼議員の学校給食に関するご質問のうち、まず民間委託における安全性についてお答え申し上げます。

学校給食調理業務代行を行っている保育園では、安全で質の高い子どもにとって魅力ある給食が提供され、食物アレルギー児の対応も適切に行われております。学校給食において民間委託が導引(動員?)しても何ら安全性に問題が生じることがないと思っております。尚、学校における給食**教育は、学習指導要綱の中の学級活動の一分野として位置づけられ、担任や養護教員や学校栄養職員が、給食時間や家庭科・体育科・学級活動の時間などに指導を行い、望ましい食習慣の形成などをはかっておりますので、直営か民間委託かの論議は無関係と考えます。

次に、栄養士を各学校に配置をして食教育を更に進めてほしいとのことですが、学校栄養職員は都の配置基準に基づき給食の効果的な運営をはかるため、献立の作成の参画や、食材の発注、栄養管理、衛生管理、給食指導など、配置校の業務を行うことを基本に2校に一人配置をしております。学校栄養職員が必要に応じて設置校に出向き指導にあたっておりますので、全校に学校栄養職員を配置する必要はございません。

次に、職業安定法に関する見解はとのおたずねですが、適応に実施されている保育園での給食調理代行、業務代行を参考に学校における検討しております。実施にあたっては適応に執行する考えでございます。

次に、民間委託による経費の削減でございますが、過去の例はともかくといたしまして、本区では平成12年から導入をいたしました保育園での業務代行は、16年度全園で実施される全園の削減効果はと直営児に比べ年度で7億6000万円ほどが見込まれております。保育園給食と業務内容等に一部違いがありますが、学校給食においても経済的効果は大きいものと考えております。

さいごに住民参加による調査検討会の開催についてでございますが、学校給食の民間委託は、保育園での給食調理業務代行方式を視野に入れておりまして、委託内容は調理、洗浄、清掃などの作業でございます。現在の給食の作り手が、区職員から委託先の従業員に変わるだけでございますので、給食そのものに変更はなく、調査検討会を設ける考えはございません。

教育長

私からは「30人学級について」のご質問のお答えをします。

はじめに、少人数学級と習熟度別学級についての問題でございます。

1つめの30人学級導入についてですが、現在、公立小中学校の学級編成は義務教育小学校の標準法により、1学級40人と定められております。東京都におきましては第7次教職員定数改善計画に基づいて、40人学級を維持しながら少人数授業により基礎的学力向上を目指して教員の加配をしており、この考え方に今のところ変更はないとのことでございます。品川区ではこの制度に加えて、区独自に指導助士を配置しチームティーチングや複数担任制による柔軟な指導を展開し、少人数指導を行っております。今後もこれらの取り組みを推進してまいりたいと考えております。

2つめの文部科学省(以下文科省)の調査の件でございますが、これは国が都道府県教育委員会が定める研究指定校で少人数学級を実施する場合の加配措置を検討するために、その必要性を都道府県教育委員会に対し調査したものであり、区市町村教育委員会に対する以降調査ではないと聞いております。したがいまして、特別区教育長会でもこれを了承したところでございます。

3つめの習熟度別学習に関するお尋ねですが、本区における習熟度別学習は子どもにあった学び方で進めており、「基礎基本の定着状況や、意欲が高まってきた。」と、その成果があらわれております。決して児童生徒の能力によって集団を振り分けたり、固定化したりするものではございません。また、OECDの調査結果に関する議員ご指摘の内容は公式には聞いておりませんし、本区の習熟度別学習とは全く関係のないものと考えております。

最後の習熟度別学習や小中一貫教育の全区展開についてのお尋ねですが、習熟度別学習については、先程来お答えをしていますとおり、一定の成果が明らかになっております。さらに、小中一貫教育の必要性も再三お答えしているとおりでございます。従いまして今後も習熟度別学習や小中一貫教育を含めた『教育改革プラン21』を力強く進めてまいります。

福祉事業部長

私からは、「必要なサービスが受けられ、社会参加を保証する障害者福祉を」のお尋ねについてお答え申し上げます。

はじめに、前段でご指摘のあった職員の対応などにつきましては、事実関係を私どもの方でも充分確認しましたところ、多々異なる面がございますのであらかじめ申し述べておきたいと思います。

さて、『支援費制度』でございますけれども障害者の自立のための支援の制度として導入されたものであり、従来の措置制度のように行政が生活すべての面で関わりを持つ、ややもすると過保護的な制度を抜本的に改めるものでございます。

ご質問の第1点目の『支援費制度』の案内ですが、区が独自に作成した『障害者福祉のしおり』の制度のポイントを盛り込むほか、制度の共通パンフレット等を活用し、個々の利用者に応じたわかりやすい説明に努めておりますので、区独自に別立てのパンフレットを作成する考えはございません。

関連サービスの紹介についてでございますけれども、福祉周辺の情報まで網羅した先ほどのしおりを活用するとともに、適に担当職員が保健年金課や生活福祉課等関連する窓口に同行し、利用者の立場に立った丁寧な対応に努めております。また、制度開始前の早い段階からケースワーカーが戸別訪問により周知を徹底するとともに、民政員や障害者相談員など地域での相談の担い手となるみなさんも含め幅広く説明を行うなど、多様なかたちで周知につとめてまいりました。制度利用が進んだ現在、個別状況に応じたきめ細かな説明や対応こそが重要であり、制度一般の説明会の開催は予定しておりません。また本区では、すでに区の担当ケースワーカーが利用者の状況をきめ細かな聞き取りにより把握し、個別に支援計画を作成する体制をとっております。

次に全身性障害の方の外出支援についてでございますけれども、現状においても日常生活支援を中心としたサービスにより対応しております。サービスの利用しやすさ等を考えますと、現状の取り扱いが望ましいものと考えております。尚、宿泊を伴う移動介護につきましては、現行では『支援費制度』の適応対象とはなっておらず、現時点で拡大は考えておりません。

障害者の社会参加の促進でございますけれども、区の庁舎におきましてもバリアフリー化を進め、可能なところから段差の解消、点字ブロック、案内表示などを設置しております。トイレにつきましても、本庁舎の3F、第2庁舎の2F・3F・5F・7F、あるいは第3庁舎の3Fに車イストイレを設置したほか、第2庁舎の3Fには**トイレを設置したところでございます。

議会塔の車イスでの傍聴とトイレの設置についてでございますけれども、庁舎の構造上、大規模なレイアウトの変更が必要であり、大規模改修時の検討課題とさせていただきます。また、トイレの案内につきましては、エレベーター内や各階案内板、各トイレの入り口に図柄で案内表示をしておりますが、庁舎全般に渡りよりわかりやすい表示をするよう工夫をしてまいります。


再質問

飯沼雅子君

今の障害者の福祉のところから再質問させていただきたいと思います。

部長のご答弁一つひとつを聞いていると、部長の答弁じたいがバリアではないかなと受け止められるほど、一つひとつの区民の要求を跳ね返すようなご答弁であったと思います。今回の前段に載せさせていただいたケースは、私が述べたのは特に障害者の団体に所属をされていらっしゃる方はルートがあるんです。色々な面で情報が行きますが、所属していらっしゃらない方がたくさんおられます。また、中途の障害者、他の区から移っていらした方。区によって対応が違います。そういった方達に行政のサービスをどうつなげていくのか。という問題提起をさせていただいたものです。

例えば、『支援費』のパンフレットですけれども、部長は「しおりの中に盛り込んである」と言っていましたが、ご覧になられた方いらっしゃるでしょうか?あれを読んで品川の障害者福祉を理解するのは大変困難です。施設も載っていますが、どの施設がどういうなかみの施設なのか、私は何回も質問しながら見ていますが大変困難です。なぜかというと、やはり障害者の福祉というのは、プライバシーも含めて、なかなかご本人も表に出せないといった状況の中で、なかなか理解が広がっていかないと思います。こういった面では行政は、とりわけ、例えば今日申し上げましたけれども『支援費制度』の説明会といったおりが絶好のチャンスになるわけです。障害を持ったみなさんも、障害が無いみなさんも、そこに来てその制度を聞くことで障害者への理解が広がるのではないでしょうか?私が今日ここで質問したのはそういった求めていらっしゃる方の声を聞きながら、その人に沿った行政をしていただきたいという面で質問をしましたけれども全て拒否をされたのではないかなと大変驚いております。

例えば1点目の『支援費』のパンフレットのことですけれども、利用状況なんですけれども、品川区の利用は3年間ほとんど数が変わっていません。課長は「充分にやっているからである」といった説明でしたけれども、品川区のホームヘルプの状況は3年間変わっていないんですが、全国の平均がホームヘルプサービス56時間に対して、品川区は44.75と平均以下であると。こういった面で、ご周知が足りないと思います。こういった面を充分にやっていただきたいなと思っています。改めてこの点をお聞きしたいと思います。

議会のバリアフリーも、「大規模改修を待つ」と言ったら一体いつになるのでしょうか。障害を持った方々に…(野次)はい、検討していただきたいと思いますが、昇降機とかいろいろあると思うので、前向きなご答弁をいただきたいと思います。

30人学級の実施についてです。

OECDの調査結果。世界では平等の教育の流れになっていると私は受け止めています。日本は『子どもの権利条約』で、「高度な競争的教育制度が子どもたちの発達を歪めている。」と本当に厳しい指摘をされたんですが、競争教育を救うのに30人学級が最も効果的であると思いますけれども、この有効性について改めて伺います。

あと、給食の問題です。

保育園給食の例を引き合いに出されて「何も心配はない」といったご答弁でしたが、そう言いながらも全国の状況を見ていると安全であるとかコストが安いこう言われながら、財政面でどんどんと委託料が上がっている。冷凍加工食品が加えられている。どうして品川だけがそうはならない。全国で同じ会社が携わっています。ここで伺います。美味しくて安全な給食を守るために、安全性をどこで担保をしていくのか。ぜひこの点をお聞かせいただきたいと思います。


再答弁

教育長

飯沼議員の再質問にお答えします。

まず冒頭申し上げたいんですが、毎度申し上げておりますが、本区が行っている習熟度別学習というのは、どういうことを意味しておっしゃっているのかわかりませんが、決して競争教育ではありません。子どもたちがつまずいているところを丁寧に一人ひとりの子どもたちに合った教育をしているわけでありまして、なぜそれが競争教育と結びつけられるのか。ここはよく見ていただきまして、その本来の姿をご理解いただければと思います。

それから、30人学級の有効性についてというご質問でございましたけれども、さて、これもいかがなものでしょうか?私は、一律的に画一的に30人学級を決めるよりも、その学校・学年・教科・子どもたちの状況に応じて弾力的に少人数の指導形態を編成して、それぞれの子どもたちに合った指導をする方が、よほど子どもたちの実態に合った指導ができて、それこそ競争教育から逃れられるだろうと考えております。

教育次長

それでは給食に関するご質問についてお答えします。

安全性をどういうふうに担保するのかということでしたけれども、どうも飯沼議員は民間委託がうまくいってない多数の事例を引き合い出されていますけれども、全国では先ほどのご質問にもございましたけれども13%の自治体が学校給食の民間委託を効果的に実施している。とりわけ、品川においては保育園におけるこの間の実績は内容についても充分に物語っているというふうに考えてございます。

先ほど区長の答弁にもございました、給食調理業務代行の中での代行の範囲は、食材の調理・はいしょく・洗浄でございます。いわゆる、食材の発注ですとか献立の作成は学校栄養職員が実施していくものでございます。したがいまして、食材の安全性については何ら問題はない。このように考えてございます。

福祉事業部長

2点の再質問についてお答え申し上げます。

はじめに、ホームヘルパーの時間数の問題についてお答えします。

私どもは、「時間が延びるから良い。」とか「延びないとダメだ。」とうことではなくて、あくまでもこのサービスというのは事実に向けた、適切なサービスが提供されているのか。ひるがえってみますと、どのようなかたちでコーディネートされているかというのが決め手になるわけでございます。そういう点では、品川では適意適切になされていると思います。ちなみにサービスによりましては時間数や日数が伸びているという事例もあるわけでございますので、ご指摘の点ではちょっと私どもの見解とは違います。

議会のバリアフリー化の問題でございますけれども、これは繰り返しになりますけれども大規模修繕の際の課題にさせていただきたいと思います。


再々質問

飯沼雅子君

まず、障害者の福祉の問題です。

新たな障害を持った方の対応、団体所属をしていらっしゃらない方への対応、実際に今日Aさんの例を出しましたが、お一人ではありませんし、特別な例ではありませんし、対応が悪かったという意味でもありません。そういう方がいらっしゃることに対して区の行政はどのような手を差し伸べようとしているのかお答えをいただきたいと思います。

30人学級のことです。

「品川区の習熟度別学習はトラッキングではない。」と教育長がきっぱりとおっしゃられましたけれども、結局この習熟度別学習というのは理解の能力とは別に分けているということで、現場の教職員に言わせると「はじめのうちは自分で選ばせていたりはしていたが、だんだん横並びはダメなんだといった方向になっている。」といったことで習熟度別学習の品川区における検証がどうなっているのかを私は伺いたいと思います。それで、プラン21フォーラムで実際にあったことですけれども、複数のパネラーの方が、品川の『プラン21』に関して「トップダウンで強引にやっている」といった評価をされました。こういった中で、品川の教育が子どもや親や教師の要求にあったものであるのかという大変大きな疑問がありますけれども、私は教育を進めるということにあたって、一つひとつ区民にわかりやすく検証をしていく、そして知らせていくという姿勢が大事だと思います。今日の質問の中に盛り込ませていただいた山形の30人学級『サンサンプラン』。この中では、山形の大学の教授・助教授・研究者とともに現場の方々が検証を続けていました。そして研究会などもやりました。私はやっぱりこういう検証を区民に広く伝えることが大事だと思います。

学校給食のところでは保育園の例を出されていますが、全国ではとにかく品川と同じことを言われながらも変わってきているというのが現実なんです。今、品川の特別な手立てを聞きましたが、何もございませんでした。保育園で「大丈夫だ」「大丈夫だ」と言っていますが、保育園給食の試食会はこの間一回もされていません。給食を親が食べたいと言っても食べさせていただいておりません。職員がどういう状況なのか、これは私は何回も聞いていますが、なかみも出てこない。委託の内容が議会に見えない状況で「安全だ」とどうして言えるのか。この点について、もう一度ご質問させていただきます。


再々答弁

教育長

再々質問にお答えします。

第1点目です。

習熟度別学習のやり方は、それぞれの学校の実態に応じてそれぞれの学校が様々な工夫をしているところでございます。決して1〜10まで教育委員会が指示しているということはございません。

2点目の習熟度別学習の検証ですけれども、まさにそのために先だってのプラン21フォーラムで、その習熟度別学習で子どもたちがどういうふうに育ってきたか、どんな学習成果が出てきたのかを検証したところでございます。もう一度、あれを振り返っていただきたいと思います。尚、こうした品川の取り組みも様々な研究者の協力を得てやっているものであります。

福祉事業部長

障害者福祉の関係と、保育園給食の関係も私の方でお答え申し上げます。

新たな障害などの発生、あるいは障害の程度が重くなって違うサービスというところで問題は当然出るわけですが、私どもは障害者相談員の制度、あるいは民生員さん、あるいは地域の情報発信、医療機関等々、いろんなところで話す機会がございますので、そういうところを通じての情報交換ということでご活用いただければ適切かなと考えてございます。

それから保育園の給食でございますけれども、これは何ら問題はございませんので、私はこの間ずっと取り組んできましたけれども、むしろ「まずい」とかという声は私からは一切聞こえません。見えないというところも私としてはちょっと理解できません。充分に保育園の方にお尋ねになっていただければ有効性、あるいはその保育園給食の素晴らしさを再確認できると思います。

以上

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