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東京地裁判決についての見解

自民党区議団は政務調査費でキャバレーなどを利用した件で区民への経過の説明と謝罪を

2004年6月16日
日本共産党品川区議団

東京地裁は4月13日、品川区民オンブズマンの会が自民党品川区議団を相手に政務調査費をキャバレー、クラブなどに充てた訴訟で「区政の調査研究目的にはそぐわない場所での支出」との判決を下しました。

区民が納めた税金を調査の名目でキャバレーなど遊興費に充てることは言語道断であり、日本共産党は、自民党区議団が、区民に経過の説明と謝罪、再発防止の策を講ずるよう強く求めるものです。

東京地裁判決に当たってわが党の見解を述べます。

反省見られない自民党の態度・5月4日、政調会のコメント

この問題は自民党品川区議団が2001年度政務調査費の一部をキャバレー、カラオケバーなどに充てた8件、31万3286円を違法支出とし返還を求めた行政訴訟です。

自民党区議団は政務調査費の使途問題に対し5月4日付けの品川新聞で同党のコメントを明らかにしました。コメントは「原告の請求棄却」の見出しで次のように述べています。

「(品川区民オンブズマンの会は)何かの意図を感ずる住民訴訟や住民監査請求。また共産党のHP(ホームページ)にも同様な主張がされています。自民党品川区議団は、使途基準に従い政治活動を行ってきたと考えています。しかし、区民に誤解を招きかねない部分をあったことは真摯に受け止め、政治家に与えられた政務調査とは何かを議会全体で改めて検討をいたします。」としています。

このコメントにはキャバレーなどに政務調査費を充てたことの反省が見られません。あらためて問題点とわが党の見解を述べます。

31万円を返還しながら「使途基準に従った」?

第1は、「自民党品川区議団は使途基準に従った」と反省していない、ことです。

自民党は判決直前になり大慌てで31万円余に利息6万円余を加え区長に返還しました。その一方で「使途基準に従った」と主張していますが、「それならなぜ返還したのか」を説明されていません。

たしかに「品川区議会における政務調査費の交付に関する規定」の使途基準では研究費、研修費などの調査活動に飲食費も例示されています。しかし、上位規定である「品川区議会における政務調査の交付に関する条例」第6条では「会派は、政務調査費を区政に関する調査研究以外の経費に充ててはならない」としています。キャバレーなど遊興費に充ててはならないことは言うまでもありません。

自民党は、先日の第1回定例会で保育園保育料の来年度9%値上げ提案(3年間で27%値上げ)に対し、賛成討論をおこないました。

自民党は「保育園にいっている人も、いっていない人も、同じ納税者として多くの区民に公平に税金が使われているかを考え、応分の負担を求めて事業を見直していかなければならない」と述べています。

自民党は、仕事をしながら懸命に子育てしている親には公平性の原則を持ち出し、23区で品川区だけの負担増を強いながら、自らの景気動向調査の名目でキャバレー利用に対しては「使途基準に従った」と正当化。自民党に「税の公平」を語る資格がないといわなければなりません。

「区民に誤解を招きかねない」というが、誤解をしているのは自民党区議団ではないか

第2は「区民に誤解を招きかねない部分があったことは真摯に受け止め…」「政務調査費とは何か、議会全体で改めて検討したい」としている問題です。

この主張は「区民に誤解を招きかねない」と区民に責任を転嫁しようとしていますが「キャバレーなどの利用は論外」との区民の批判は誤解の余地のない正当なものです。税金を使ってキャバレー等の利用を正当化する自民党こそ、使途基準を誤解している、といわなければなりません。

「政務調査費とは何か。議会全体で改めて検討致します」と自民党の責任を議会全体の責任にすりかえている点です。

たしかに、政務調査費の各会派の支出は、食料費やタクシー代が多い問題があり、議会全体として政務調査費の見直は急務となっています。しかし、今、問われているのは8件の違法支出であり、自民党の責任を議会全体に合理化できないことはいうまでもありません。

また品川区民オンブズマンの会や共産党のホームページを名指しし「何かの意図を感ずる」とする態度は論外です。

判決でも自民党のとった態度を「敗訴回避」と批判・ 「原告の請求棄却」というが実態は敗訴

第3はコメントの見出しを「原告の請求棄却」とあたかも自民党の勝訴を強調していますが、実態は敗訴となった問題です。

品川区民オンブズマンの会は当初、自民党品川区議団の2001年度政務調査費のうち、研究費の名目で支出された飲食費208件、620万円余を違法支出とし返還を求めました。ところが自民党は裁判の過程で「交付された政務調査費がどのように使用されたかについて知らない」と主張、会議の具体的内容や出席者等について明らかにしませんでした。止むを得ず区民オンブズマンの会は昨年12月、早期判決を望む立場から弁解の余地のない、キャバレーやナイトクラブなど8件、31万3286円に限定したものです。

その直後、今年1月に自民党区議団は区長に8件分31万円余に延滞料6万円余を返還したものです。

判決では自民党が8件分の利息をつけ37万円余を区長に返したことは、「調査研究費以外の経費に支出した場合」とみてこれを返還したものと評価すべき、だとして請求棄却の判決を下しました。

自民党は違法支出を認めたからこそ、返還したのであって、自民党の実質敗訴はあきらかです。

判決では「(自民党)品川区議団は、自ら最終的には政務調査費の使途に問題があったことを認めざるを得ない状況に至る事態であったにもかかわらず、自らそれを明らかにすることをせず、訴訟の終局が近づき、使途に問題があったことが白日の下にさらされる可能性が生じるや、他の会派も同様の支出を行っている旨の主張をしたり、最終的に問題となった政務調査費の語句一部を返還することで、敗訴判決を回避したものであるかのように感じられるのは無理からぬところである」と批判しています。

「裁判での決着」「返還した」…では済まされない・自民党の政治的・道義的責任が問われています

品川区議会は2001年4月、政務調査費の交付に関する条例や規定を全会一致で決定しました。規定5条2項では「収支報告書提出にあたり、領収書および支払い証明書を添付しなければならない」とし、領収書を含め情報公開制度の開示対象としました。

自民党区議団は政務調査費を公開する過程で積極的な役割を果たしました。政務調査費の領収書公開は23区だけでなく全国に先駆けたものであり、品川区議会の勇気ある決断でした。

それだけにわが党議員団は、自民党が政務調査費をキャバレーなどに充てていたことは信じ難いことでした。同時に自民党が自ら事態を調査、公表するなど、経過からしても自浄作用を期待していました。残念ながら自民党は現在に至るも反省の態度が見られません。今回の判決で司法上の決着はつきましたが、自民党として政治的、道義的責任は果たしたとはいえません。

自民党品川区議団は、8件の店舗でのどんな会議を行ったのか、参加者は誰なのか、など区民や議会に明らかにする責任があります。

日本共産党は政務調査費の改善に全力をつくします。共産党は、飲食費2002年度以降はゼロに

日本共産党は、これまで政務調査費の収支報告書に領収書を添付し、情報公開の対象とするよう10年ほど前より提案してきました。また、3年前、2001年度政務調査費の飲食費の支出が問題となりましたが、日本共産党の食料費は政務調査費全体の2.02%、36万8933円でした。

これらは、調査に出かけた際の昼食代や区政報告会や懇談会の飲み物などに当てられたものでしたが、2002年度に見直しをおこない、飲食費はゼロとしています。

日本共産党は議会全体として、政務調査費のあり方を改善するよう全力をつくします。


<参考>2001年政務調査費で自民党が利用した店
7 22 千泉(大井1) カラオケバー 団体政策要望調整会議 26000
9 7 千泉(大井1) カラオケバー 第3回定例会議案等検討 30000
10 1 千泉(大井1) カラオケバー 商店街振興意見交換会 15000
11 22 千泉(大井1) カラオケバー 学校安全問題検討会 25000
12 5 千泉(大井1) カラオケバー ごみ対策とリサイクル検討会 35000
7 14 白いバラ(銀座) キャバレー 産業振興・景気動向調査研究 43690
9 25 エリコクラブ(六本木) パブ(クラブ) 都連青年部意見交換 105000
11 28 ケント(銀座) ライブハウス 自民党青年局との意見交換会 18596
        合計 298286
(*単位 円)
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