9月22日から品川区議会第3回定例会が始まりました。日本共産党区議団は、以下のとおり、
(1)介護保険、
(2)生活保護、
(3)ダイオキシン汚染物
の3つの意見書提出を提案しました。(1)と(2)は政府および衆参議長あて、(3)は都知事あてです。9月21日の議会運営委員会で提案し、各会派持ち帰って検討することになりました。
介護保険制度が始まって5年目となり、現在、政府は制度見直しをすすめています。しかし、その内容は、
(1)保険料徴収を現在の40歳から20歳以上に拡大する。
(2)軽度の要介護者へのサービスを抑制する。
(3)特養ホームの入所対象を重度のみとし、その利用料は住居費、食費、水光熱費などを自己負担とする。
(4)サービスの利用料負担を、現在の1割から2〜3割に引き上げる。
(5)国の予算を抑制するために障害者支援費制度と統合する、
など国民への負担を増やし、サービスを抑制するものとなっています。これでは介護保険制度の存在意義そのものが問われることになります。
制度見直しは、現在政府が検討をすすめている方向ではなく、現場の実態をふまえて、いつでも、誰もが経済的な心配なく、必要な介護を受けることができる仕組みをつくることを基本にすすめられるべきです。
よって品川区議会は、介護保険の見直しにあたり以下の内容を求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
生活保護は、国民の生存権とそれを守る国の責務を定めた憲法第25条に基づいて国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。長引く不況のもとこの制度を必要とする区民が増え続けています。
ところが、政府は生活保護制度の老齢加算は今年度から削減し3年間で廃止、また、来年度には母子加算も廃止しようとしています。これは、もともと低い保護費を加算で補っている実態を無視したものといわなければなりません。
政府の生活保護制度切捨ての動きはこれにとどまらず、給付に占める国庫負担の割合も現行の4分の3から3分の2に引き下げ、約1,700億円の削減を行おうとしています。厚生労働省は来年度予算の概算要求に盛り込む意向と伝えられています。
これに対し、全国知事会と市長会の会長は、「国の補助引き下げは単なる地方への負担転嫁であり、到底受け入れられない。引き下げが強行されれば、われわれは事務を返上する」と抗議しています。万一、補助切り下げが強行されるなら、自治体財政に大きな影響を及ぼし、自治体は財政負担に耐えられず受給者を抑制・削減することになりかねません。結局は、国民の保護を受ける権利を狭め、侵害することになります。
政府は、「生活保護が自立を阻害する」としていますが、生活保護法第1条には「その最低限度の生活を保証するとともに、その自立を助長することを目的」としています。生活保護制度は自立を助けるものであり、阻害するものではありません。
よって品川区議会は、政府が計画している生活保護の国庫補助引き下げを中止し、生活保護制度を拡充することを求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
大阪のダイオキシン汚染物が、品川の八潮にある民間施設で処理されようとしています。ダイオキシンは、癌や生殖異常などを引き起こし子々孫々にまで影響を及ぼすと指摘されており、地域住民から不安や反対の声が寄せられています。
そもそもこの問題は、1997年4月、大阪府豊能郡環境施設組合の一般廃棄物処理施設「豊能郡美化センター」が、当時の厚生省基準をはるかに超える180ナノグラム(ナノは10億分の1)という高濃度ダイオキシンを排出していたことが発端です。組合は、同センターの操業を停止し焼却灰や周辺の土壌など汚染物はドラム缶で保管してきましたが、今年この汚染物を品川区内の民間施設に輸送し処理する計画を決定しました。
もし、今回の処理を認めれば日本中のダイオキシン汚染物の処理が品川に集中することになりかねません。特に、品川区八潮地域は清掃工場や火力発電所、高速道路などが集中しており、これ以上の環境破壊の危険は認めることはできません。
品川区は8月31日、施設組合に対して区長名で「品川区内での処理を取止め、他の方法で処理すること」との「要請」を送付しておりますが、産業廃棄物処理の許可権限を持つ東京都知事としても大阪府豊能郡環境施設組合に対し、品川区内の民間焼却施設へのダイオキシン汚染物の輸送および焼却溶融処理をしないように働きかけることを強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。