前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ

不参加議員21人、過半数なのに
自民と区民連合(民主)…今年も海外調査実施を決める

品川区議会は9月24日、海外調査の参加議員を決める議案「議員派遣の件」を自民・区民連合(民主)などの賛成多数で決定しました。

今年度の海外調査に対して議会内6会派中、4会派(共産党、公明党、無所属の会、生活者ネット)が不参加を表明。品川区議会の在籍議員数は41人ですが、21人が不参加を表明しており過半数となっています。これでも公式の海外調査といえるのでしょうか。

品川区議会は1999年に『海外調査に関する検討項目および遵守事項』を決定。海外調査にあたっては『緊急性、重要性が明らかになった時のみ実施する』ことを決定しました。この自らの決定にも反している点も問題です。

自民、区民連合からは海外調査を、なぜ、740万円もの公費を充てて実施する必要があるのか、緊急性、重要性なんなのか、合理的な理由は明らかにされていません。

9月24日の本会議で日本共産党の沢田議員は、海外調査(議員派遣の件)に反対討論をおこないました。

今年の海外調査の概要は以下のとおりです。

視察先 スウェーデン 社会保障制度、
  スイス 災害対策および危機管理、環境と街づくり
期間 12月12日〜12月20日
派遣議員 自民…大沢真一、田中 豪、築館武雄、本多健信、
民主…大西光広、木下史典、高星正利
予算 740万円

*なお、今回の海外調査の不参加表明議員が過半数となっているのに実施が決定され背景は次のような事情があります。

不参加を表明した無所属の会(本田義一幹事長)4人のうち3人、本田義一、藤原正則、西本貴子議員が海外調査の実施に賛成(須貝行宏議員は反対)したことによります。

不参加を表明しながら実施に賛成したことは不可解といわなければなりません。

海外調査に対する反対討論

2004.9.24
日本共産党品川区議会議員 沢田英次

私は日本共産党を代表し、議員提出第四号議案「議員派遣の件」について反対討論をおこないます。

今回の海外調査は、スウェーデンにおける社会保障制度、スイスにおける災害対策および危機管理、環境とまちづくりとなっています。調査期間は12月12日から20日であり、参加議員は自民党が4名、区民連合が3名のみとなっており、共産党や公明党、無所属の会、生活者ネットは不参加の意向を表明しています。

わが党は今回の海外調査の実施そのものに反対であり、その理由を以下3点にわたり述べます

第1は、なぜ議員が9日間もかけてスイス、スウェーデンまで出かけ調査をしなければならないか、合理的な理由が示されていない点であります。

1999年に品川区議会は、海外視察に対するマスコミ、世論の批判の高まる中で、「海外調査に関する検討項目および遵守事項」をまとめました。そこには海外調査の実施にあたり「緊急性」「重要性」が明らかになった時のみ実施する。ことを決定しました。

それは1人70万円もの税金を投入に加え、議員および議会事務局を10日も拘束するものであり恒例行事として通年実施はおこなわないことを確認したものであります。

今回の実施に際しても提案は「介護保険実施5年で見直しの時期となっている、災害対策の危機管理に対して海外調査を行う必要がある」というだけで「なぜ、今年、海外に出かける必要があるのか」「緊急性はどこにあるのか」まともな説明はありませんでした。

ここ数年、毎年、海外調査実施成を得て連続実施していますが、これは99年の決定に反するものと言わなければなりません。

今年で15回目の海外調査になりますが、これまで海外調査をして例えば介護保険、教育の問題で調査から生かされた提案もなければ、条例提案は皆無であります。

第2は、今回の海外調査に不参加の意向を表明している会派は、すでに述べた共産党、公明党、生活者ネットに加え、無所属の会の四会派、所属議員は21名で、過半数を超えています。それなのに、公式調査と銘打って実施する問題です。

私は、議会運営委員会の中で「海外調査が一部の会派で必要と思うなら、一議員あたり月額19万円支給される政務調査費を充てるべき」と発言してきました。もちろんそれも税金ですから批判はおこるでしょうが、各党の自己責任でおこなうべきであります。

これに対し、自民党からは「議会の公式視察としていくから、相手側は丁寧な対応をしてくれる」と政務調査費を充てることに反対する議論がありました。議会内、六会派中、わずか2会派しか参加しない、不参加の議員数は過半数を超えていて、どうして公式視察の名に値するのでしょうか。

第3は、区民はくらしや住宅、営業で困り抜いている現状のもとで海外調査を何の痛みもなく実施するような感覚では、区民の声を反映した政治を議会に求めることはできなくなるからです。

 私どもに寄せられる相談で一番多いのが都営・区営住宅の入居相談です。年金暮らしになったり、倒産・リストラで職を失ったりすれば、まず住宅に直面します。旧荏原青果市場の新築都営住宅の最高倍率が1200倍を超えたこと、空家募集の平均倍率も80倍にも達しています。生活保護を求める方が急増、国民健康保険料が払えない20%にも達していること、どれも追い詰められた区民の状況を示すもので区としての支援が望まれるものです。

今、議員、議会に求められる役割は、区民の生活難をどう解決するのか、不要、不急の施策を削減し、区民のために充てるのか、これこそ最大の任務と言わなければなりません。

海外調査の予算740万円は、区民のための施策にこそ当てるべきではないでしょうか。

第4は、海外調査を見直せないようでは、行政改革を口にする資格はない、ことです。

平成13年度の予算案に対し共産党は修正案を提出しました。

その内容は、乳幼児医療費の所得制限の撤廃、介護保険の利用料助成を実現するために、海外調査を中止、同和相談の中止を提案しその財源にする提案でした。

ところが、予算修正提案に対し、当時の自民党幹事長は次ぎのような意見表明を行いました。

「議会費にかかわる事業(これは海外視察を指すのですが)については、つい最近までは共産党もの議員も参加していたのであります。共産党の上部からの変化に応じて一方的に議会費の海外調査を削減する修正案を提出することはあまりにも自分勝手であり、…議員不信につながる」。今回海外調査は15回目ですが、わが党が参加した海外視察は、4回。そこで検討し、「言葉の壁、制度の違いがあり、品川区政に生かせる事例は少ない」「観光の色彩が強い」などの点から、わが党は反省を込めて「今後海外視察に参加しない」こととしました。同時に「このような海外視察はおこなうべきでない」海外視察、その後海外調査の名に変わりましたがそのものを中止するよう提案しつづけてきたのであります。

勝手に「共産党は上部からの変化に応じ」などと邪推。自らの海外視察参加を合理化する、どちらが自分勝手であり、どちらが議員不信を生む立場かは明瞭ではありませんか。

自民党は「行政改革」を口にしますが、既得権や慣例となっている事業でも区民の目線で大胆に改めてこそ、本物の「行政改革」の名に値するのではないでしょうか。

東京23区では3区が海外視察を実施するのみ。20区は中止しています。わが党は、この品川においても一日も早く海外調査の中止されるよう全力をつくすものです。

以上で議員提出第四号議案「議員派遣の件」についての反対討論とします。

前のページへ戻る           日本共産党品川区議団TOPへ