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第4回定例会一般質問(宮崎克俊区議)
新潟県中越地震の支援 耐震補強に公的支援を

2004年11月26日

第4回定例会での日本共産党宮崎克俊議員の一般質問と答弁

>> 新潟県中越地震の被災者にいっそうの支援を求める区内住宅の耐震補強に公的支援を
>> 4人に1人が反対する大崎駅西口中地区開発の見直しを
>> 婦検診の無料化など子育て支援
>> 米軍はファルージャなどイラク攻撃の即時停止を日本政府は自衛隊をすみやかに撤退させよ
答弁
再質問
再答弁
再々質問
再々答弁

宮崎克俊議員

日本共産党を代表して、一般質問を行います。

まず、はじめは新潟県中越地震の被災者にいっそうの支援を求める区内住宅の耐震補強に公的支援をについてです。

先月23日に発生した新潟県中越地震は、死者40名、重軽傷者2,700名余、住宅は全壊800棟、半壊1,800棟を超える甚大な被害を受けました。被害を受けられたみなさんに心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を願うものであります。

中越地震で被災した自治体は被災者の救援と復興に全力をあげています。特に、新潟県は被災した住宅再建のため、住宅本体の新築や補修にも支援することを決めました。

一方、全国からも支援が寄せられています。品川区も小千谷市に毛布と水を送り、区職員組合もボランティアを派遣。商店会など区民の間でも募金が取り組まれています。日本共産党も救援募金やボランティア、政府に住宅再建への公的支援を申し入るなど被災者支援と復興に全力をつくしています。

私は、この中越地震を受けて、ふたつの問題を提起したいと思います。

第一は、今、現地が求めている支援と復興に可能な限り応えていく問題です。

現地からの報告では、支援物資はかなり充足してきたようですが、住宅の片付け・整理の人手不足を伝えています。特に、現在、長岡市では仮設住宅への引越しボランティア。小千谷市では土砂崩れの泥かきのボランティアなど呼びかけています。被災地は豪雪地、冬に向かって時間との勝負です。ボランティアの組織・派遣に、品川区としても協力できないでしょうか。

第二は、直下型地震に対する品川区での対策です。専門家は首都圏が地震の活動期に入ったと指摘しており、私は緊急に取り組むべき問題として二点提案します。

ひとつめは「地域防災計画」の総点検です。

区部直下型地震で品川区は震度7の地震に襲われる、今月17日に中央防災会議が発表した予測は私たちに衝撃を与えました。また、今回の中越地震では、新幹線など交通機関の安全確保、発災直後や避難所での医療・介護など課題が浮き彫りになりました。品川区は阪神・淡路大震災の後、地域防災計画を見直し、強化しましたが、この際、「地域防災計画」の総点検が必要ではないでしょうか。

ふたつめは、住宅の耐震補強をすすめる問題です。

わが党は、繰り返し住宅の耐震診断・補強工事、家具転倒防止器具設置への公的支援を求めてきました。こうしたなか、今年度から新しい耐震基準以前の木造住宅の耐震診断に公的支援が実現しました。しかし補強工事への支援はまだです。中越地震では、亡くなられた方のうち10名が住宅や外壁の損壊による圧死でした。品川区でも住宅の耐震化はまさに急務となっています。

いま、住宅の耐震補強にも支援する自治体が広がっており、都内では台東区、杉並区が高齢者世帯などの木造住宅の耐震補強工事に補助。三鷹、武蔵野、町田、多摩、調布の各市も同様の制度を設けています。

さらに注目すべきは、住宅再建そのものへの支援も広がっていることです。

先ほど紹介した新潟県の支援内容は、国の生活再建支援法に県と市町村が100万円を上乗せし全壊で最高400万円、大規模半壊で200万円を支給するもの。上乗せ分は住宅本体の新築や補修にも使えます。他にも島根県や福井県などではすでに実施。東京都も先日、三宅島噴火被害の住宅再建に最大150万円の支援計画を発表しました。

品川区は、これまで住宅の耐震診断・補強工事は「個人財産の形成につながる」と拒否してきました。しかし、住宅を守ることは地域コミュニティーを守ることであり、住宅は個人財産にとどまらない公共財だと考えます。しかも、品川区地域防災計画は、「区の地域ならびに区民の生命、身体および財産を保護することを目的」にしています。住宅再建そのものへの公的支援も広がっているなか、どうして地震で倒れないよう補強することに支援できないのでしょうか。

そこで質問します。

  1. 新潟県の被災地で必要としている支援に積極的に応えていただきたい。品川区として職員派遣とともに、ボランティアを区民に呼びかけること。また、救援募金を呼びかけていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
  2. 避難所となる学校、子どもたちの保育園など公共施設の耐震診断・補強工事の進捗状況、ロッカーなど転倒防止対策について伺います。また、防災無線が聞きづらいなどの問題もあり、品川区地域防災計画を総点検すべきではないでしょうか。
  3. 住宅の耐震補強工事に公的支援を改めて求めます。また、区はマンションを耐震診断の対象にしない理由を「耐火性が高い」と述べていますが、マンションの倒壊を防ぐためにマンションも耐震診断の助成対象にすべきと考えます。いかがでしょうか。
  4. 家具の転倒による圧死を防ぐため、高齢者や障害者世帯に家具転倒防止器具設置を求めますがいかがでしょうか。

つぎは、4人に1人が反対する大崎駅西口中地区開発の見直しをについてです。

大崎駅西口中地区の開発は、多くの問題があるのに、9月に素案を提案し来年3月には都市計画決定というスケジュールで、猛スピードですすめようとしています。あらためて、問題点を指摘、見直しを求めたいと思います。

第1は、なぜ、自治体がさまざまな便宜を図り、巨額の補助金まで投入して「後押し」するのかという問題です。

この地域は、旧千代田生命が100億円の違法迂回融資をつかい、ダミー会社アズマ建設企画に地上げさせたとマスコミに報道されたいわくつきの開発計画です。底地約1万5千uのうち約7割1万uをフジタとアズマが取得、人口は10年余で440人から278人と約6割に激減しました。当初は、オフィス中心の計画で2002年9月に都市計画決定されたものの保留床の買い手がつかず破綻。しかし、今年8月、アズマ企画が地上げした底地、開発地域の約半分7,000uを清水建設が購入、住友不動産など参加組合に参入して住宅中心の開発として計画が蘇ったのです。

こうした動きの背景には、国と都、区がこの地域を都市再生・緊急整備地域に指定したことがあります。規制が大幅に緩和され、容積率は560%から650%に拡大。提案から決定、組合設立までの期間を2年8ヶ月から6ヶ月に短縮。環境アセスの対象から除外。組合設立条件を「9割同意」から「3分の2同意」に引き下げるなど、大企業にとってあらゆる障害を取り除いたのです。そのうえ総事業費450億円の開発に70億円もの税金を投入するもので、開発会社にはまさに至れり尽くせりです。

2つ目には、住民の合意、住民のための街づくりの視点がない問題です。

権利者88人のうち、この地に住民票があるのは52人。そのなかで、計画に賛成していないのは22人、実際に住んでいる地権者の4割を超えています。区は3分の2の合意で計画提案も組合設立もできると説明していますが、それは、住んでいない権利者頼みで強引にすすめるということではありませんか。それで住民のための街づくりといえるのでしょうか。

居住者278人中65歳以上の高齢者は67人、24%を占め、そのうち80歳以上が23人です。多くの高齢者が最期までこの地に住みたいと訴えています。88歳の男性は「開発が終わる2009年には93歳、生きてるかどうか。この地域がどうなるのか不安だ」と言います。

計画が二転三転した理由や現在の状況、また、開発の資金計画や権利返還など住民への説明も十分ではありません。また、開発マンションでの管理費や修繕積み立てなども、住民は不安です。納得いく説明をすべきです。

3つ目には環境破壊の問題です。

東京都は、都市再生をすすめるために環境アセスの対象を高さ180m、延べ床面積15万u、住宅1500戸以上に変更しました。そのため36階、143メートルのこのビルも環境アセスの対象外。品川区も人工排熱や車の排ガス予測をしていません。しかし、西口中地区と同規模で延べ床面積12万6000uの秋葉原ITセンタービルは、CO2の排出予測が1万2600トン。これを吸収するのに必要な成木は8万4000本と試算されています。ところが、西口中地区に植えられる成木は300本程。30分の1に過ぎません。さらに、車庫560台分の排ガス、CO2が加わるのです。品川区は大崎駅周辺地域を「環境モデル地区」といいますが、これでは、逆に環境悪化のモデル地区と言わなければなりません。

そこで質問します。

  1. 住民合意が得られていない西口中地区再開発は都市計画審議会にかける段階ではないと考えるがいかがでしょうか。
    地域住民の間では、賛成しない者、反対者が最終的には強制的に追い出されるのではとの不安があります。これまで区は「住民の全員合意で進める」と答弁してきましたが、あらためて区の姿勢についてうかがいます。
  2. 権利床と保留床の面積割合、住宅棟・事務所棟それぞれの面積割合、開発事業者となる参加組合員とその契約内容、負担金の額、資金計画収支についてそれぞれおうかがいします。開発マンションに居住する場合の管理費や修繕積み立て、固定資産税など維持管理費が坪単価どれくらいかかるかうかがいます。
  3. 西口中地区開発で排出されるCO2量予測、軽減のための具体策とその対策により軽減されると予測されるCO2量についてうかがいます。

つぎは、妊婦検診の無料化など子育て支援についてうかがいます。

1人の女性が産む子どもの数、合計特殊出生率は昨年が1.29。人口の維持には2.08必要とされており、少子化に歯止めをかけることは一刻を争う緊急課題となっています。国は子育て支援強化へ「少子化社会対策基本法」を制定。総務省は子育ての経済負担の軽減策を「次世代育成支援対策推進法」に反映させる方針です。

品川区の出生率は昨年0.85とさらに深刻です。昨年の調査では、子育て世代の「充実して欲しいもの」のトップは「経済援助」。多くが子育ての負担を軽くしてほしいと望んでいます。品川区は子育て支援として1月から小学6年生まで医療費を無料にしますが、いっそうの努力が求められています。今回は、子育ての負担軽減について2点うかがいます。

一点目は、無料妊婦検診の拡大についてです。

去る10月29日付け産経新聞に、品川区教育委員の細川珠生さんがコメントを寄せ、「日本は出産・育児にお金がかかりすぎる」と述べていました。

妊娠・出産の費用は、およそ検診が10万円。分娩・入院費が40万円で合計50万円。出産後に30万円は戻ってきますが、50万円の現金を用意しなければなりません。

近年、フリーターなど不安定雇用の増加により、出産費用は若い夫婦に重くのしかかっています。あるお母さんは「収入は夫の手取り16万円のみ、家賃、光熱費を払うと食費もほんのわずかしか残らない。生活費を節約してでも妊婦検診は節約したくない」と話します。

一昨年の第4回定例会で、わが党が無料妊婦検診の拡大を求めたのに対して、区は現行の2回で「適当」と答弁しました。しかし、厚生労働省は96年11月の通達で妊婦検診の望ましい受診回数を「14回」としています。妊婦検診を安心して受けられるよう負担を軽減してはいかがでしょうか。

秋田県協和町では県の無料妊婦健診4回に上乗せし妊婦検診はすべて無料です。昨年は41人が利用。「経済的に安心」、「定期的にかかれて助かる」と喜びの声が寄せられているそうです。

そこで質問します。

  1. 無料妊婦検診の回数拡大を求めますがいかがでしょうか。
  2. 政府に対し、妊婦検診への国庫補助復活を求めることについてもうかがいます。

子育て支援の2点目の質問は、認証保育所保育料の負担軽減についてです。

ここ数年、保育園への入園希望が急増。公立保育園に入れず認証保育所を利用している方も増えています。しかし、認証保育所利用の父母からは保育料負担の軽減を求める声が寄せられています。

あるA型の認証保育所は、0才児で1日8時間、週5日預けると保育料は月6万3000円。そのうえに、冷暖房費や教材費が別途請求されます。ちなみに、月6万3000円の保育料は、区立保育園ではD21クラス、前年度所得税額が最高の世帯の保育料に相当します。入園を希望していた母親は、説明を聞いて「保育料がこんなにかかったら、自分の給料は保育料でなくなる」と話しています。

東京都が昨年10月に実施した「認証保育所実態調査」でも、認証保育所利用世帯の最多月収は40〜60万円、次が20〜40万円と、収入からみて保育料負担はかなり重いというのが実態です。この調査でも、認証保育所利用の保護者の76%が「保育料値下げ」を求め、60%が「認可保育所への移行」を希望しています。

一方、保育室から移行した、あるB型の認証保育所は、保育料を0才児・週5日で月5万円に抑えています。園長は、「保育士への給与を考えると保育料収入はもっとほしいが、父母の実態を考えると保育料は値上げできない」と経営の厳しさを訴えます。

現在、認証保育所への自治体の補助は当月の児童数分だけ。これでは不十分です。実際、23区では、文京、杉並、荒川、板橋の各区が開設準備経費を支援。千代田区が保育料補助、港、荒川、足立、葛飾の各区が運営費補助、港、葛飾はさらに家賃も補助しています。品川区も保育料軽減のために認証保育所へ支援すべきです。

そこで質問します。

認証保育所に預けている父母に保育料負担軽減のための助成を求めますがいかがでしょうか。

最後は、米軍はファルージャなどイラク攻撃の即時停止を日本政府は自衛隊をすみやかに撤退させよの質問です。

今月8日未明、米軍は一万数千の規模の部隊でファルージャを包囲、十万人の住民が残されているなかで総攻撃を開始しました。米軍はF16戦闘機やAC130攻撃機を動員し500ポンド爆弾と残虐兵器のクラスター爆弾を投下。多くのイスラム教礼拝所=モスクも攻撃、破壊しました。米軍は総攻撃にあたって最初に総合病院を占拠。病院関係者から民間人の犠牲者の実態が世界に広がらないよう「口封じ」しました。しかし、現地のジャーナリストは、民間人の死亡は2,000人を超えている。路上に散乱する死体を米軍が戦車で踏みつけたり、ユーフラテス川に投げ込んでいると伝えました。

イラクの赤十字にあたる赤新月社救援隊メンバーは、米軍による救援物資搬送拒否を告発。「ファルージャでは電気も水も断たれている。医薬品も救急車もない」、「飢餓と水不足によって死者が出ている。特に子どもの状況は深刻だ」と訴えています。

米軍は今回の作戦をテロリスト一掃、1月の総選挙準備と説明してきました。しかし、目標のテロ組織ザルカウィ幹部の逃亡を認めながらファルージャに総攻撃したのは、アメリカ主導の占領に抵抗するファルージャをはじめとするイラク人の圧殺にあったのは明らか。米軍による事実上の住民せん滅作戦、無法で野蛮な無差別殺りくは断じて許せません。

米軍のファルージャ攻撃はイラク国内に怒りと抵抗運動を広げ、武力攻撃は各地に広がっています。スンニ派やシーア派など25組織が攻撃に抗議し選挙のボイコットを決めました。これでは、仮に選挙が行われても正統な政府といえない事態になる。選挙の条件づくりといって始めた戦争が、逆に選挙の条件を破壊しているではありませんか。

ところが、小泉首相は、米軍のファルージャ総攻撃を「成功させないといけない」と表明。住民虐殺というひどいやり方にも無条件で支持するアメリカ追随ぶりは、世界でも際立っており怒りと驚きを禁じえません。

いま、多国籍軍への自衛隊派兵が深刻に問われています。そもそも自衛隊派兵は憲法やイラク特措法にも合致しないだけでなく、大量破壊兵器も存在しなかったという戦争の大義そのものがなくなった。それに加えて無差別殺りくの米軍を支援・協力する形で自衛隊派兵を続けることは、イラク国民だけでなくアラブ・イスラム世界すべて敵に回すことになりかねません。シーア派指導部が自衛隊を「占領軍」と規定し、「日本もその戦いの(相手の)一部になった」と言明したことは重大です。

イラクの状況を前向きに打開し、選挙による民主的な政府をつくるには米軍などの占領を一刻も早く終わらせることが必要です。オランダやポーランド、ウクライナなど次々と撤退を決めています。自衛隊もすみやかに撤退すべきであります。

そこで、区長に質問します。

アメリカ軍によるイラク・ファルージャでの住民虐殺に抗議すべきではないでしょうか。あわせて、日本政府に対しては自衛隊の速やかな撤退を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

以上で、一般質問を終わります。


答弁

高橋区長

宮崎議員の「米軍はファルージャなどイラク攻撃の即時停止を 日本政府は自衛隊をすみやかに撤退させよ」のご質問にお答えを申し上げます。

まず、イラクにおきますアメリカ軍に関するご質問でございますが、これはイラク国内の治安など国家問題でございまして、自治体の長である区長として見解を表明する立場にはございません。

次に、自衛隊の派遣につきましては、国会並びに政府において決定すべき事項でございまして、現在開会中の臨時国会におきまして、派遣に関し慎重な審議が行われていると聞いておりますので、区長として日本政府に対しまして自衛隊の撤退を要請する考えはございません。以上でございます。

区民生活事業部長

私からは「新潟県中越地震への支援」についてのご質問にお答え致します。

初めに、「新潟県の被災地に職員派遣やボランティアを区民に呼びかけては」とのお尋ねでございますが、区では被災地からの要請に基づき、すでに応急危険度判定士など派遣を致しました。また、ゴミ収集車不足にお応えを致しまして、現在派遣をしているところでございます。

被災地への職員派遣につきましては、被災地の必要としている人材及び活動内容など、充分に意向を把握した上で実施すべきであると考えてございます。

現時点では、職員派遣等の窓口になっております東京都からも新たな要請は来ておりませんので、直ちに派遣することは考えてございません。

次に、ボランティアについてですが、ボランティアも職員派遣と同様に既に被災地から受け入れ募集なし、あるいは受け入れ可能としているところでも県内の方に限るなどの条件を付しており、概ね充足している状況でございます。

また、救援募金につきましても、既に町会など団体からのお申し出は、日本赤十字を通じて送金をしております。個人で寄付される場合は、個人のボランティアと同様に新聞紙上で発災時から連日、問い合せ先から申込先まで紹介されており、充分に区民に周知おりますので、区が更に呼びかけることは考えてございません。

次に、小中学校や保育園など公共施設の耐震診断、補強工事の進捗状況についてですが、まず、避難所となる小中学校につきましては既に補強を行っている学校を除き、昨年度から3カ年計画で耐震診断を実施しております。また、保育園、児童センターにつきましても、一部の施設を除き、本年度耐震診断を実施しているところでございます。

現在、本年度行った耐震診断につきまして、集計等の作業中で、さらに詳細な検討を加えているところです。これらの診断結果を踏まえ、来年度以降、順次補強工事を実施してまいります。

また、ロッカーなどの転倒防止対策につきましても、耐震補強工事に合わせ、これらの安全対策につきましても検討してまいります。

次に、品川区地域防災計画の総点検についてですが、区の地域防災計画は災害対策基本法により、都の地域防災計画と整合性を取らなければなりません。先般、国の中央防災会議においても、首都圏直下型地震の震度分布図が発表されたところであり、今後、東京都も地域防災計画について何らかの見直しをしていくものと考えてございます。従いまして、都の動きに十分注視しつつ、今後防災無線の改善策など、区として必要な見直しは実施をしてまいります。

最後に、高齢者や障害者所帯への家具転倒防止器具設置についてでございますが、防災の基本は区民自らが防災意識を持ち、災害対策の実施や災害活動に参加することが肝要でございます。家具転倒防止器具設置などは、まず、ご家庭で容易に出来る防災対策の1つと考えてございます。区は、家具転倒防止器具につきましては、これまでも「広報しながわ」や町会回覧でPRをし、市価よりも安い金額で斡旋をしておりますので、個人の負担で充分用意できるものと考えてございます。また、高齢者の方で、器具の取り付けができない場合には、業者が無償で取り付けを実施しておりますので、区で実施していることは考えてございません。

街づくり事業部長

私からは「耐震補強・耐震診断」に関するお尋ねと「大崎駅西口中地区再開発」についてお答え申し上げます。

初めに、住宅の耐震補強工事の公的支援についてですが、区としては、震災に対する備えとしては日頃の心構えや準備が大切であるとの認識に立ち、区民への啓発活動や情報提供を行うとともに自らの財産を守ろうとする区民に対し側面的な支援として、耐震診断や住宅修築資金の融資斡旋を行っているものです。こうしたことから、補助や助成など直接的な支援については考えてございません。

また、「耐震診断支援事業における対象建築物のマンションへの拡大」についてですが、今年度より開始した木造住宅耐震診断支援事業は、倒壊などを原因とする火災延焼などを考慮し、木造住宅を対象としたもので、法的に必要な処置が講じられて、火災延焼の恐れが少ないマンションへの拡大は考えてございません。

次に、「大崎駅西口中地区開発」に関するお尋ねのうち、まず住民合意についてですが、現時点では所有権者の約7割、借地権者の約8割の方の同意が得られており、全体としては、平成14年9月の都市計画の時とほぼ同様の状況でございます。同意が得られてない方は、相続が確認できない、あるいは、現段階では権利変換条件に了承できないなどが理由となってございますので、今後とも組合に対し、都市計画や組合設立等の手続きを進める中で、より詳細な条件等を権利者に示しながらご理解を得るよう指導してまいります。

次に、計画の諸元等についてですが、権利証と保留証の割合は総資産額ベースで、権利床割合は約2割、住宅と事務所の面積比は住宅が9に対して住宅以外が1の割合でございます。

参加組合員候補との覚え書きの内容については、権利床以外の部分を全て保留床として、参加組合員が取得することや、保留床の想定規模等であり、参加組合員の負担金の現時点での見込額は約380億円となっております。

資金計画収支については、参加組合員負担金に折り込んで、事業は成立する見通しでございます。また、マンションの維持管理費につきましては、現在、権利変換モデルにより検討している段階であり、今後、権利変換計画等の検討の中で決まっていくものと思われます。

また、開発に伴う環境対策についてですが、現在の制度では、開発によるCO2を事前に算出する仕組みにはなってございませんが、開発の中で人工排熱の抑制など環境対策を推進するため、今後とも大崎駅周辺地域都市再生ビジョンで示された「環境配慮の街づくり」に取り組むよう事業者を指導してまいります。

児童保健事業部長

私からは「妊婦検診の無料化など子育て支援について」の2点のご質問についてお答え申し上げます。

初めに、妊婦検診ですが、妊婦検診への国庫補助復活させるよう政府に働きかけるべきとのご意見でございますけれども、妊婦検診の補助は平成10年度から一般財源化さており、現状では国庫補助の復活を要望することは困難な情勢にあると考えております。

また、無料妊婦検診の回数拡大についてでございますけれども、区では妊娠の前期と妊娠後期に各1回の検診を無料で実施しており、これは安全な出産のために妊産婦に健康診査を行い、または、健康診査を受けるよう勧奨するとしている母子保健法の主旨に沿ったものであると認識しておりますので、回数の拡大を図る考えはございません。

次に、「認証保育所」の関係でございますけれども、認証保育所は東京都で平成13年度に制度を創設したもので、認可保育所は都市型の保育ニーズに応えきれていない現状を打破するため、全施設で0歳児保育や13時間の長時間保育等、充実した機能を持たせたものでございます。しかし、本区ではすでに0歳児保育は38園で、また長時間保育はほぼ全園で、更に休日保育や病後時保育など認証保育所が目指したものをすでに認可保育所等で実施してございます。その上で、認証保育所に対しましては、都ととも運営費を補助しておりますので、これ以上は経営努力の範疇であり、補助の増額や新たな補助は考えておりません。


再質問

宮崎議員

それぞれご答弁ありがとうございました。何点か再質問をしたいと思います。

その前に、米軍のファルージャの問題ですけれども、いつもの回答という風に思います。非常に残念だと思うんですね。今の状況で行きますと、日本もこの戦争に巻き込まれるという危険があるんですよ。憲法では戦争しないという風に誓ったこの憲法、憲法を遵守するというのが、区長、遵守義務というのがあるわけですから、この立場からですね、平和を守るという願いを込めて、戦争を行うアメリカへの声、日本政府に対する要望をしていただきたい。だいたい、こういう消極的な姿勢が、最近、アメリカやロシアが核実験やったって抗議してないじゃないですか。そういうところに表れていると思います。非核平和宣言だって、これじゃあ泣いてしまうと私は思います。

中越地震の関係、また住宅再建の方ですけども、現地の要請を受けてということでありますので、これはもう是非、あった場合にはお願いしたいと思います。

住宅再建の所ですけども、「自分の財産自分で守れ」という答弁であります。これは、私はやっぱり納得できない。今回ですね、新潟県の方も150万上乗せするという事をやります。これは住宅再建がなければ、全体の復興ができないんだと、個人の生活が大事だというところの考えなんですよね。この考えが今本当に広がってきているんだと。こういう中で「自分でやれ」というのは余りにも冷たいという風に思います。

特に耐震補強診断への公的支援をやったんですけど、私は補強工事への支援もなければ診断も増えないという風に思います。大体、今回、この制度で受けた件数は、診断受けた件数どのぐらいなのか。これが、私は少ないと思うんですけど、この増えてない理由ですね、どういう風に見解を持っておられるかお伺いしたい。

あとやっぱり、大崎駅西口中地区の問題と合わせてですね、こちらには今70億円の補助金を予定しておりますけども、かつて、ゲートシティの時には、地震対策、耐震補強、そういう名目で補助金も出たんですけど、この西口中地区には地震対策とか耐震補強等の名目での補助金というのはあるのかないのか、あったらいくらなのか伺いたいと思います。

あと、学校、保育園の耐震補強の問題ですけども、今すすめているということなんですけども、「全体として順次進めていく」という答弁だったんですけれども、全体としていつまでに終わらせようとしているのか、この事について伺いたいと思います。

あと、西口中地区のところですけども、私、今なかなか、法律が変わってどんどんすすめられる状況になってきていると思います。3分の2で組合設立、権利変換も可能ということになりますけども、私はこれだけの70億円も税金をつぎ込む、そういう計画で全員が合意しないでやられるということがあっては絶対ならないってという風に思うんですけれども、先程のお話で、権利変換の所でちょっとありましたけれども、これは全員合意型でやっていくのか、広告縦覧してやっていくのか、この考え方どっちでいくのかお聞かせ頂ければという風に思います。

そしてこの計画では、「排熱の方は考えていく」と言いますけれども、区の資料によりますと、「この計画は地球環境保全ということも考えているんだ」というんですよね。そうすると、何でCO2、この目標がないんだ、これに対する対応がないんだという風に思います。京都議定書はこの2月にいよいよ発行という段取りになっておりますけども、この中心問題はCO2ですよ。この、「自主ルール作る」という風に言ってますけども、自主ルールの中には盛り込むかどうなのか伺いたいと思います。

あと、認証保育所の保育料の負担軽減ですけれども、区はですね、例えば上の子が区立保育園に入っていて、下の子が認証保育園に入っている場合には、上の子の保育料負担軽減の制度はあるという風に思うんですけども、ちょっとこの制度について、ちょっと説明して頂きたい。この認証保育は自分達の経営責任だと言うのであれば、認証保育に実際に補助しているじゃないか、こういう制度があるんじゃないんですか。この事を聞きたいと思います。

以上、再質問させて頂きます。


再答弁

区民生活事業部長

それでは、私からは「学校等の耐震」に関わる再質問にお答えを致します。

先程お答えした通り、現在、耐震診断、保育園、児童センターも含めて実施をしてございます。その集計をしている段階でございますので、その結果を見て、順次速やかに開始してまいりたいという風に考えてございます。

街づくり事業部長

私からは「耐震診断」についてと、それから「大崎駅西口中地区」に関するいくつかのお答え申し上げます。

まず、耐震診断の現在までの実績でございますが、11件の申し込みがございまして、7件が既に診断が行われているという状況にございます。

それから、これがすすんでないというか、まだこれは始めたばかりでございまして、今後も区民の皆さんにPRを更に重ねていくつもりでございますが、まず自己の建物は自分で守っていただくということをですね、区としても充分にPRしていく必要があるということで考えております。

それから、中地区の関係でございますが、まず一点目は、補助金の関係が地震に対する補助金が出ているかという点でございますが、地震対策ということでは補助金については出してございません。出てございません。しかしながら、これらの建物については当然耐震性能を織り込んだ建物となっておりますので、そうしたものは心配ないと考えております。

それから、合意型でございますが、区としては先程もご答弁申し上げました通り、準備組合を指導しまして、権利者の皆さんが充分に納得して頂けるような指導を今後とも続けていきたいと考えているところでございます。

それからCo2の対応でございます。これにつきましては、先程も申しましたが、大崎駅につきましては、周辺地域の60ha全体で、この中でいろいろと環境に配慮していこうということになっておりまして、これも、この地域のガイドプランを作るということで、今後進めていくつもりでございます。そういうことで、今後ともCO2対策については、環境影響確保条例、東京都の条例がございますので、こういうものを通じてですね、一定程度つまってくるという風に考えてございます。以上でございます。


再々質問

宮崎議員

先程、再質問した内容にまだ回答がありません。認証保育所の経営努力だということであれば、区の方から補助しているでしょうと、その内容について聞いたんです。これに改めて答えて下さい。

先程の西口中地区等の環境問題ちょっと聞きたいんですけども、先程言ったように、環境ということであれば何でCo2の目標がないのかという事なんですよ。この計画見ますと、確かに排熱やると、保水性のある舗装をしよう、あるいは、目黒川利用して風の道作ろうという風にありますけども、私は全体的にCO2を抑えないということであれば、この地域が涼しくなればそれで良いという風に見えてしょうがない。はたして、今度作っていくルールというのは、そういう自分の所だけを考えている、CO2はどんどん、どんどん出してかまわない、風の道で、風でどんどん、CO2どっかに発散していいという風に考えているのか、それとも地球全体のCO2削減に協力しようという考えがあるのかどうなのかどうか、そこのところ伺いたいと思います。先程の保育園の件もお願いします。


再々答弁

児童保健事業部長

先程答弁の中で申し上げましたけど、私ども運営費の補助として、東京都と共に補助してございます。中身は二分の一、二分の一。そのようなものになってございます。以上でございます

街づくり事業部長

大崎駅西口中地区の環境対策についてでございますが、先程もご答弁申し上げた通り、この地区は、品川区では、地域内の事業者の方々と一緒に、都市づくりビジョンを策定しまして、環境配慮の街づくりを進めるということで、今後これを具体化するために、環境配慮ガイドラインという形でまとめて、そして取り組みを本格実施していくということで、ヒートアイランド対策を本格的に推進しようと考えているところでございます。

それから、東京都の環境確保条例では、建築の諸次元が決まりませんと、いろいろな産出量が決まってまいりません。例えば、外壁材をどんなものを使うのか、それから、吸気、換気等をどういうものを使うのか、そういうものが全てでてきます建築確認の段階で、前後の段階でこの確保条例では、年間のいろいろな熱の負荷率なんかを算出して、それをパルという形で算出されるわけでございます。それが結果的にパルをCO2で換算するということになりますので、そういう意味では、今しばらく経たないと、もっと具体的にならないとこういうものについては決まってこないということでございますので、区はその取り組みを強めているところでございますので、ご理解頂きたいと思います。

議長

以上で、宮崎克俊君の質問を終わります。

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